ダンジョンで思い付き短編を書くのは間違っているだろうか 作:ミストリアン
内容:アルフィア、ザルドが未来へ来ちゃったら…
―――カオスはただ、そこにあるだけだ。
大いなる力と言うものに、善悪があるのかと言えばわからず、それに意志があるのかもわからない。
ただ一つ言えることとすれば、時として神にすら成しえないとんでもないことをしでかす可能性もあり、かつてとある白兎を過去へ飛ばし、
そしてまた、その道を作ってしまったのであれば、逆に未来の方でも何かできないかと試したくなるというのが、力あるものの思い付きでもあり…
ドォォンッツ!!
「おぶっわ!?な、なんだ、一体何が…」
「おかしい…今確かに、私たちはあの
…その思い付きに巻き込まれるのも、ある意味その関係者の定めなのだろうか。
「…ふむ、おかしいなザルド。ここはオラリオに見えるが…どうも、様子が違う」
「ああ、そうだな。俺たちが活動していた時に比べて活気があるというか見たこともないものもある。だが、オラリオなのは間違いないか…?」
…ダイダロス通りの廃墟から出て、気配を消しながらも周囲を警戒して進む二人の姿。
もしも、彼らの姿を良く知る者がいれば、ありえない光景に目を疑いたくなるだろう。
何故ならば、この世界においては既に故人あるはずの…
「それに、私もおかしい…いや、違うな、いつもの病が感じられぬ…一体どういうことだ?」
「それを言われて分かるかよ。くっそ、こういう時に限って、あの
「つくづく使えぬ男だ。いっそ、あの
「やめろ、割とシャレにならん。…いや、あの爺は確か、ヘラに一度ガチで埋められたことがあったような…アレで生きているなら、案外無事か?」
色々想うところはあるだろうが、ひとまず自分たちがどういう状況であり、ここがどういう場所なのか、より探る必要があるだろうと、アルフィアもザルドも結論付ける。
しかし、そうたやすくできない身なのもまた理解していたが…ここに、カオスは少しばかりの贈り物をしていたのかもしれない。
「…ん?あれは…まさか、あの行き遅れの年増か」
「誰だ、今そんなことを言ったのは!!」
「うぉ!?どうしたんじゃ、リヴェリア!!」
「いきなり叫ぶなんて、びっくりしたんだが?後何を言われたんだい?」
「おかしいな…今確実に、聞き覚えのある最悪の声がこっちから…ああ?」
「…地獄耳か」
そう、今日はここにたまたまそろって歩いていた、彼女たちにとってはある意味顔なじみともいえる者たちが、いたのだ。
「どうした、リヴェリア。何を見て…っつ!?」
「何じゃ、フィンまで…おおぅ!?」
唖然としているリヴェリアの姿を見て、何事かと眼を向けたフィンも驚愕の表情を浮かべ、同時に見たガレスもまた、同じ顔色になった。
「せ、静寂に…暴食だと!?何で、貴様たちがここにいるんだ!!」
「ま、まてリヴェリア。まだ本物だと決まったわけじゃ…と言いたいけど、この感じ、どうやらマジか」
「嘘じゃろ。お主ら亡くなったはずなんだが…」
「なるほど、私たちがすでに亡き者になっている世界か。将来の糧に成れた様子だが」
「かと言って、情報が知れたとてどうやら…厄介事の香りがするな」
状況をすぐに理解したアルフィアの言葉に、厄介そうに肩をすくめるザルド。
どうやらこの地において、無事に糧になった後の世界のようだと推測できるが…それすなわち、闇派閥に加担したものとして、大罪人の道を歩んだことが確定したものなのだろう。
ゆえに、どう考えても歓迎される雰囲気ではないことがうかがえた。
「…良し、とりあえず、場所を移さないかい?ここで、暴れても良いことは無いだろう」
「それは同意しよう。そこの年増が納得するかは、別だがな」
「ぐぅっつ…この静寂が…!!」
「落ち着け、リヴェリア。顔が見せられぬものになっているぞ」
「挑発をやめろアルフィア。マジで、見せられねぇって…」
「と言うわけで、ここでこっそり話したい」
「いきなり面倒事を持ち込むなんて、最悪なんだがねぇ…だが、本当にその二人が、再びいるのは驚愕させられるよ」
…暴れるのは得策ではない。
それゆえに、フィンが提案し、移動したのは豊穣の女主人。
かくかくしかじかと店主であるミアにフィンガ話を付けて、どうにかそろって席に座った。
「さてと…出来れば幻じゃないかと言いたかったが、もうすでに本物だと分かるのがなぁ…静寂に、暴食、二人が何でここにいるんだい?」
「それは私たちの方が知りたいところだ」
「俺たちはあの
「ふむ‥?何らかのマジックアイテムが使われたとか?」
「んー…いえ、違いますねぇ、そのお二人さん、多分、カオスによって導かれたようですよ」
「シル様、危ないです!!急に出ないでください!!」
「「ん?」」
お互いの情報を知ろうとする中、ふと入ってきた声。
見れば、必死に止める侍従の近くにいたのは、鈍色の髪色をした店員だった。
「…詳しく素性を聞く気はないが…カオス、だと?娘、何を知っている?」
「えっとですね、神々でもどうしようもない大いなる存在と言うか…まぁ、そんな力が世界にいて、それがちょ~~~っとばかり何かしでかすことがあるんですよ。私ははっきりと見たことは無いんですけれども、どうもお二人からは、そんな気配がして…気になっちゃったんです」
「カオス?…そういえば前に、
「あの
「煮込まれて…まぁ、当時のヘラファミリアの過激さを考えれば納得はできるけど」
さらっとやばい行為が聞こえてきたが、一応は当時を知る面々からすれば、日常のような物だったので気にするようなものではない。
そんな日常があってたまるかと叫ぶ声も出そうなものなのだが、あいにくながらこの場にはいないだろう。
「何にせよ、それで来たのか…しかもタイミングからすれば…そうか七年ちょっと位前なのかな‥?」
「ふむ、その口ぶりから察するにやはり未来か。ある程度の時間も経過しているのはわかっていたが…そうか、あの未来に、この都市があるのか」
フィンの言葉を聞き、自分たちが大体どのぐらいの位置にいるのか、アルフィアは理解する。
病に侵されていた身であれども、溢れまくっていた才能ゆえに、その頭の回転も速かったのだ。
「でも、カオスとかいうのが原因だとすると…どうすれば、二人は元の場所に戻れるんだい?」
「そこまでは、わからないですね。アレが意思を取れるかすらも不明ですし…んーこういう時に幸運の白兎さんでもいれば、もしかしたらな解決策が出るかも…」
「駄目ですシル様、あのような下界の汚物はあのままダンジョンで閉じこめ、いえ、未開拓領域にでも踏み入れさせて、誰も立ち入れないように封鎖した後に人目の付かないそこで生涯を過ごさせたほうが」
「重いな…ヘラファミリアのものじゃないよな?」
「残念ながら、今ヘラファミリアは都市追放されているからね。彼女、れっきとした
考え事をする店員に対して、呪詛のごとき言葉を吐き出す者の姿を見て、思わずそうつぶやくザルドだったが、既に慣れたようにフィンがそう答える。
もしも
「何にせよ、今の二人は表に出たらまずいよ。アレから年月を経たとはいえ、それでも覚えている人は多いからね」
「そうか。雑音がやってくるのは掃除できるが…手間がかかるのもアレだな」
「はぁぁぁっ…かと言って迂闊に目を離せば、何が起きるかわからないからな。いっそダンジョンの奥に…いや、止めておこう。あそこはあそこで、イレギュラーが起きる可能性を考えると後が怖い」
「だが、このままにしておくわけにはいかぬだろう?むぅ…どこか、大きな館にでもいっそ入ってもらうほうが…」
「…んー、そもそも高レベルの冒険者だし、万が一があった時に対応しやすいところもだいぶ限られるけど…あ、そうだ」
今後のことを考えるのならば、一時的に預けられる場所にいたほうが良い。
単純に弱いファミリアに任せると非常時に対応できないのでその線は無いとして、まともな戦力を有してかつ、場所が場所だけに周囲への守りも良い場所が無いかと悩んだが、ふとフィンはあるところを思いついた。
「彼らに迷惑をかけたくはないが、守りを考えると…ヘスティアファミリアはどうだい?」
「ほぉ?聞いたことが無いが、我々の後に来たものか」
「大丈夫なのか、そこは?俺たちが言うのもなんだが…」
「ふぇっくしょんっつ!!」
「うわっ、ベル君凄いくしゃみ。風邪でも引いたかい?」
「いえ、神様。そんなことは無いですが…」
…どこかの白兎が巻き添えになるまで、あと少しであった。
リクエストありがとうございました
イレギュラレコードの逆版…時をめぐる道化師ならぬ、時をめぐる静寂の防食と言う副題も考えてましたが、今回はわかりやすさを重視しました
…ヘスティアファミリアのホーム、たしかに安全性とか実力を考えると申し分は無いかもだけど、ベルがいるからどうなるか…
色々対応中
運動会の方も後編をちょっと書いていたり
他のリクエストや出すべきかちょっと迷うToloveるヘルンとかの思い付きとかもあるので
安定しづらいですがご了承ください
ダンまち以外のR18じゃない、クロスオーバーありきの作品もそろそろ出す予定だったりするけど…決定したらきちんと報告します