どんなに栄え、祀られていた神も
いつかは崇められる事が無くなり、その地と共に朽ちていく
いずれ、朽ちていった先に待つのは
『祟り神』になる事のみである


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第1話

どんなに栄え、祀られていた神も

いつかは崇められる事が無くなり、その地と共に朽ちていく

いずれ、朽ちていった先に待つのは

『祟り神』になる事のみである

 

それは、ある夏の日

辺りは蝉の声が響き渡り、

とても暑く、賑やかな日でした

 

長髪の少年

「暇だな...何かおもしろい事ないかな」

 

灯篭の上で長い髪を後ろで結んだ少年は1人佇んでいた

そこに、1人の小学生がやってきた

 

小学生

「お兄さん、そんなとこで何してるの?」

長髪の少年

「ん?君、僕が視えるの?」

小学生

「うん!」

長髪の少年

「それはそうと、君、見ない顔だね」

小学生

「そう?僕、よくここで遊んでるよ?」

長髪の少年

「そうなの?にしても、ここに人間がくるなんて珍しいな

何百年ぶりだろ…」

 

約何百年もの間1人で居た少年は、久方ぶりの客人に心を躍らせていた

 

小学生

「何百年?」

長髪の少年

「そう何百年」

小学生

「お兄さん、おばけなの?」

長髪の少年

「違うよ?」

小学生

「じゃあ、なーに?」

長髪の少年

「僕は、君の思っているような存在じゃない」

小学生

「どういう事?」

長髪の少年

「それは、君の目で確かめてみな?」

小学生

「あ、お兄さんの背中におっきい羽がついてる!!」

長髪の少年

「この羽、気になるかい?」

小学生

「うん!触ってもいい?」

長髪の少年

「いや、触っちゃダメだよ」

小学生

「ダメなの?何で?」

長髪の少年

「僕はね、祟り神なんだ

僕に触れると、君は祟られる事になる」

小学生

「たたりがみ?」

長髪の少年

「そう、祟り神」

小学生

「お兄さん、神様なの?」

長髪の少年

「そうだよ」

小学生

「そうなんだぁ!」

小学生は目を輝かせて、眼前の少年を見つめていた

長髪の少年

「もう時期暗くなってくる頃だ

君も早くお帰り?」

小学生

「あ、ホントだ!もうこんな時間だ!僕もう帰るね!

バイバイお兄さん!!」

 

そういうと、小学生の少年は森を降って行った

1人残された長髪の少年はとある考えを思いついた

 

長髪の少年

「あの子、使えるかもな...」

 

そして、翌日

蝉の声が響き渡る猛暑

 

小学生

「お兄さん!来たよー!!」

長髪の少年

「よく来たね〜

ねぇ、お兄さんとお話しない?」

小学生

「お兄さん...顔怖いよ?」

長髪の少年

「そんなに警戒しないでよ

ほら、こっちへ来て一緒に話そ?」

小学生

「やだ...怖いよ、お兄さん...」

長髪の少年

「別に取って喰おうってんじゃないさ

それに、僕何百年も暇だったんだよ

久しぶりに客人が来てくれて嬉しくてさ?」

小学生

「そ、そうなの?」

長髪の少年

「そうだよ〜

それと、僕の話し相手になってくれたら、君の願い、何でも叶えてあげるよ」

小学生

「ほんと?」

 

長髪の少年は小学生の少年を誘惑し、とある計画を持ちかけた

 

長髪の少年

「あのね、僕さ?何百年間もずっと独りだったんだ」

小学生

「うん」

長髪の少年

「それでね、昔はこの神社も人が沢山来てたんだけど、いつの間にか人が来なくなっちゃってね?」

小学生

「うん」

長髪の少年

「そこで君にお願いなんだけど、

この神社を昔のような活気溢れる場所に戻して欲しいんだ」

小学生

「いいよ!」

長髪の少年

「いいの!?」

 

そういうと、小学生の少年はどこかへと走り去ってしまった

それから数年の時が流れ、神社に活気が戻ってきたある日

 

長髪の少年

「あれから数年経って、この神社も活気が戻りつつある...けれど、依然あの少年は戻ってこないか...」

 

そんな事を考える長髪の少年の元に、1人の青年が現れた

 

青年

「あ!!いたいた〜」

長髪の少年

「ん?」

青年

「ようやく見つけたよお兄さん」

長髪の少年

「誰だい?君は...」

青年

「あれから数年経って、僕もこんな姿になっちゃったけど、お兄さんは変わらないね」

長髪の少年

「まさか、君は...あの時の!?」

青年

「そうだよ!あれから、僕結構頑張ったんだからね?」

長髪の少年

「そうか、あの後から段々と活気が戻って来ていたのは君のお陰だったのか...」

青年

「お、お兄さん!?急に泣き出してどうしたの!?」

長髪の少年

「いや、すまない...

嬉しくて、つい...」

青年

「あ、そうだ

願い事、考えてきたよ」

長髪の少年

「あぁ、君の願いを叶えてあげるんだったね」

 

青年の...いや、僕の願い...それは

 

青年

「僕さ、今までこの世界で生きてきたけど、もう飽きちゃったんだ...

何をしても上手くいかなくて、何処に行っても怒られて、自分が生きていていいのかわからなくてさ」

長髪の少年

「うん」

青年

「それでさ、僕思ったんだ

もう、いっその事僕がこの世界から居なくなればいいんじゃないかってさ

だからさ、お兄さん

僕をお兄さんの世界に連れて行って欲しいんだ!」

長髪の少年

「僕の世界か...僕の世界は神々の世界

本当にいいのかい?

神々の世界へ行くということは、肉体を捨て去り魂だけの身体になること

それでも君は、僕の世界に行きたいかい?」

青年

「あぁ、後悔なんてないよ」

長髪の少年

「そうか、おもしろい(ニヤッ)

気に入ったよ、君

僕の依代になる気はないかい?」

青年

「依代?」

長髪の少年

「そう、依代

そうすれば、僕と君は永遠に生きられる

一心同体の神となるんだ

そうなれば、僕はもう一度神として

この地に復活できる」

青年

「いいね...その話、乗ったよお兄さん」

長髪の少年

「交渉成立...

それに、僕の名前はお兄さんじゃないよ

僕の名前は(神の言語)

かつてこの地に祀られ豊穣を司る神だったものだ。君の名前は?」

青年

「僕は幽真、小鳥遊幽真だよ」

長髪の少年

「それじゃあ、幽真、君の身体を僕に捧げろ」

青年

「勿論!豊穣の神と一心同体になれるなんて、夢にも思わなかったよ!」

長髪の少年

「それは良かった。それじゃ、行こうか

魂だけが住むことを許される地、

神々の住まう場所

(神々の言語)へ!!」

 

これは、僕とお兄さんが出会い、

永遠に続く長い歴史の中で

人々に恵を与える物語

いずれ世界中に豊穣という名の恵をもたらす

そんな物語だ


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