女神ヘスティアは、初めての眷属を迎え入れる前に・・・家事を覚える修行とアルバイトを見つける事に奔走した・・・
アリア
「包丁は、こう持ちます」
「変な持ち方をすると、予期せぬ怪我を招きますので正しい持ち方を覚えてくださいね」
ヘスティア
「料理を作るのがこんなにも難しい事だったなんて・・・」
アリア
「まだ材料を切っているだけですよ」
「料理の下準備です」
ヘスティア
「玉ねぎを切ると涙が止まらなくなるのは何故だい!?」
「こんなの拷問じゃないか!!」
アリア
「ベル君は、玉ねぎを切る時に文句を言いませんよ」
「主神である女神さまが文句を言っている暇が有るなら、手を動かしてください!」
ヘスティア
「はい!?」
アストレア
「中々にスパルタね~」
ベル
「アリアさんは、家事全般が得意ですからね」
「教えるのも上手なので、ヘスティア様も近い内に普通に家事が出来るようになりますよ」
アリーゼ
「・・・とてもスパルタ教育で怖いのよ・・・」
リュー
「・・・何度も怒られた・・・」
輝夜
「あれで、恩恵を持っていないのは冗談ではないか・・・」
ライラ
「厳しいけど、教え方が上手いからスグに料理は出来るようになったな!」
アリーゼ
「まだ洗濯でダメ出しをされるわ・・・」
ベル
「アリーゼさんは、全部適当に洗濯するから怒られるんですよ」
「色物とか分けないと駄目なんですから」
アリーゼ
「ベルが冷たいわ!!」
アストレア
「アリーゼは、もう少し淑女としての嗜みを覚えないと駄目ね」
ベル
「お嫁に行けませんよ」
アリーゼ
「酷い!!」
アリア
「・・・調味料を目分量で使っても良いのは、料理がちゃんと出来るようになってからです」
「試しに食べてみなさい」
ヘスティア
「・・・しょっぱい」
アリア
「塩を大量に入れれば塩辛くて食べられません」
「料理が出来ない人に限って、調味料を目分量で使い失敗します」
「そして変なアレンジを加えて失敗します」
「貴方は、好きな殿方に手料理を食べさせて・・・不味いと言われたいですか?」
ヘスティア
「そんな事を言われたら心が折れてしまうよ!!」
アリア
「なら、初心者は手順と分量を守ってください」
「それが出来ないのなら、ベル君はアストレア・ファミリアから改宗させません」
ヘスティア
「・・・何としてでも料理をマスターしてやろうじゃないか!!」
それから、厳しい指導が続いた・・・
家事の修行が終わった後は、アルバイトを探しに行く・・・
ヘスティア
「アルバイトを募集している所は・・・」
「中々無いね・・・」
「お!じゃが丸君の販売のアルバイトを募集しているじゃないか!」
「賄い付き・制服貸与・たくさん売ればお給料にプラスしてくれる・・・」
「中々の良い条件だねぇ・・・良し!!アルバイトの面接に行こうじゃないか!」
それから、女神ヘスティアはアルバイトの面接に行く・・・
面接の結果は、問題なく採用だった・・・
ヘスティア
「まさか、料理のスキルがアルバイトに役に立つとはねぇ・・・」
「家事スキルも必要だって事が分かって来たよ!」
「ベル君の主神に相応しい女神になって見せるよ!!」
それから、試用期間でのお試しでアルバイトを始めた・・・
ヘスティア
「揚げたてのじゃが丸君はいかがですか~!」
「ただいま、ボクのオススメのアレンジじゃが丸君を半額で提供中で~す!」
「試食をして、感想を聞かせてくれたら半額で~す!」
ヘスティアの考えたじゃが丸君のアレンジレシピは、コッペパンに刻んだキャベツと揚げたてのじゃが丸君を挟んでソースを掛けた、所謂コロッケパンだ・・・
もう一つは、食パンに揚げたてのじゃが丸君を挟んで、カレーソースとチーズを入れて、もう1枚の食パンで挟んで軽くプレスして焼いたホットサンドだ・・・
露店販売での売り上げは、歴代最高売り上げを更新した・・・
ヘスティア
「アレンジレシピは、コッペパンの方が人気だねぇ」
「ホットサンドも悪くないと思ったんだけどね・・・もう少し改善が必要なのかい」
「料理と言うのは奥が深いねぇ」
アストレア
「ヘスティア、アルバイトの調子はどんな感じかしら」
ヘスティア
「1日で売り上げの最高記録を更新したよ!」
アストレア
「凄いじゃない♪」
ヘスティア
「でも、アレンジレシピに少し改善点が必要みたいなんだ」
アストレア
「もうアレンジレシピを作ったの?」
ヘスティア
「そんなに難しいアレンジレシピじゃないさ」
「パンに挟んで、食べる美味しいアレンジレシピを考えて、お客さんに感想を聞かせて貰ったんだ」
アストレア
「それで?」
ヘスティア
「料理の奥が深い事を思い知ったよ」
アストレア
「まぁ、これで自堕落な生活とはお別れかしら」
ヘスティア
「そうだね」
「このアルバイトはボクに向いているみたいだから続けられそうだよ」
アストレア
「なら、お給料が入ったら当面の間の家賃を相談して決めましょうね」
ヘスティア
「出来れば、良心的な家賃でお願いするよ・・・」
アストレア
「ちゃんと無理のない金額に設定するから大丈夫よ」
「ベルの冒険者としての収入は結構な金額だし、ファミリアの貯金として毎月貯めていけばヘスティアのアルバイト代だけでもファミリアの運営も可能だと思うわ」
「だから、今後の運営方針も一緒に決めましょう」
ヘスティア
「アストレアの助言を参考にさせて貰うよ!」
ヘスティア・ファミリアの始動に向けて、着々と準備を進めるヘスティアでした・・・