ヘスティア・ファミリアに改宗してから、1か月が経過した頃・・・
ベル
「ナァーザさん、頼まれてた薬草とポーションの材料を持ってきましたよ」
ナァーザ
「ありがとう、ベル」
ベル
「これで全部だと思いますけど・・・合ってますか?」
ナァーザ
「うん、お願いした材料を指定の数だけ納品してくれてるから問題無いよ」
「今回の報酬はポーション10本だけど良い?」
ベル
「構いませんよ」
「アリーゼさん達が使うと思いますから」
ミアハ
「いつも助かるよ、ベル」
ベル
「ミアハ様、お気になさらず」
「ボクも他にも色々と採取するついでにナァーザさんからの依頼をこなしているので」
ナァーザ
「本当なら、報酬はヴァリスで支払うんだけど・・・ミアハ様がポーションを無料で配るから財政的に厳しいから・・・」
ミアハ
「冒険者たちは、ダンジョンに行くと毎回怪我をするからね・・・」
「宣伝も兼ねて、試供品として配っているんだ」
ベル
「それで、ファミリアの財政が悪化するのなら本末転倒だと思いますよ」
ナァーザ
「・・・まぁ、固定客が付いてくれてるから最低限のファミリアの運営は出来てるけど・・・」
ベル
「ミアハ様は、もう少しファミリアの運営に配慮してくださいね」
ミアハ
「そうだね・・・ナァーザに迷惑を掛けないようにするよ」
ベルは、報酬に貰ったポーションを紙袋に詰め込んでアストレア・ファミリアの敷地内にある離れに戻る・・・
ベル
「ヘスティア様、今帰りましたよ~」
ヘスティア
「おかえり~!ベル君の帰りを待っていたよ!!」
「今日のご飯は、チキンの具沢山スープにしたよ!」
ベル
「随分と可愛らしいエプロンですね」
ヘスティア
「これかい?」
「デメテルから貰ったんだよ・・・可愛いボクには可愛いエプロンが良いって」
ベル
「とてもお似合いですよ」
ヘスティア
「ありがとう!」
「さぁ、お昼ご飯にしようじゃないか!」
ヘスティアと一緒に、お昼ご飯を食べ終えた後は・・・アストレア・ファミリアのホームに顔を出しに行く・・・
アリーゼ
「ベルは今日はダンジョンに行くのかしら」
ベル
「そうですね。採取クエストの素材集めにダンジョンに行きますよ」
ライラ
「なら、アタシ達も一緒に行っても良いか?」
輝夜
「初心を忘れた冒険者ほど愚かな物は無いからな」
リュー
「私達も素材集めを手伝いましょう」
アストレア
「ベルが改宗した後も、コッチのファミリアに顔を出しに来てくれるのは嬉しいわ♪」
ベル
「なら、みんなで行きましょう」
ベルは、アリーゼ達と一緒にダンジョンに向かう・・・
一方、その頃・・・ダンジョンの中層では馬鹿なロキ・ファミリアの面々が遠征に来ていた・・・
フィン
「ミノタウロスが一体逃げたぞ!!」
リヴェリア
「マズい・・・上層にはレベルの低い冒険者たちが居る!!」
ガレス
「何としてでもミノタウロスを倒せ!!」
ベート
「クソが!!」
アイズ
「・・・行かせない」
ティオナ
「逃がさないよ!!」
ティオネ
「団長の手を煩わせるんじゃねえ!」
馬鹿なロキ・ファミリアの連中の失態で、ダンジョンの上層までミノタウロスが逃げてきた・・・
アリーゼ
「ベルは、何を採取するの?」
ベル
「主に鉱石と薬草ですね」
「結構、医療系ファミリアから需要が有るんですよ」
ライラ
「昔は、採取クエストをやりまくってたよなぁ」
輝夜
「レベルが上がる迄は、無理をしない様にしていたからな」
リュー
「・・・何だか、騒がしい」
ベル達が薬草と鉱石の採取をしていると・・・
???
「ギャア~!!!」
「何で、5階層にミノタウロスが居るんだよ!!」
「腕が・・・腕が!!」
「逃げろ~!!レベル1の冒険者がミノタウロスに勝てる訳ない!!」
アリーゼ
「奥から悲鳴が聞こえるわ!!」
リュー
「ミノタウロス・・・急いで倒さなければ犠牲者が出る!!」
ライラ
「ポーションは・・・全部で10本だけだ!」
輝夜
「コッチにも10本のポーションが有る」
「ベル!お主の俊足が一番速い!!先に行け!」
ベル
「はい!!」
ベルは、瞬歩で移動しながら・・・霊圧を頼りにミノタウロスが暴れている場所に向かう・・・
ベルが到着すると・・・多くの冒険者達が重傷を負っていた・・・何名かは四肢の欠損などの深刻な状態だった・・・
ベル
「大丈夫ですか!?」
「スグに止血しないと・・・」
冒険者
「後ろに気を付けろ・・・ミノタウロスが来てる・・・」
「俺達の事は良いから・・・君だけでも逃げろ・・・」
ベル
「目の前の救える命を見捨てたら、師匠にぶっ飛ばされてしまいます」
「大丈夫です・・・心強い人達が駆けつけて来てくれましたから」
アリーゼ
「この惨状は酷いわ!!」
ライラ
「一体、何をしたらこんな惨状になるんだよ!」
リュー
「アリーゼ!!何名かは、既に脈拍が弱い!!」
「このままだと命が危ない!」
輝夜
「ベル!ミノタウロスの相手を任せる!!」
「我々は、可能な限り負傷者を救助する!」
ベル
「分かりました!!」
「尽敵螫殺・・・雀蜂!」
斬魄刀を解放すると・・・腕と指先に暗器のような武器が装着される・・・
ミノタウロス
「ブモ~!!!」
ベル
「雀蜂の一撃・・・それは絶命へのカウントダウンだよ」
ベルは、ミノタウロスの脇腹に雀蜂を一回刺す・・・
アリーゼ
「ミノタウロスの脇腹に変な文様が出て来たわ!」
ライラ
「今は、手を動かせっての!!」
輝夜
「詳しい事は後で聞けばいい!」
リュー
「ライラ、ポーションを数本分けて欲しい」
ライラ
「ほらよ」
ベル
「時間も無いし・・・もう終わらせるよ」
ベルは、瞬歩でミノタウロスを攪乱しながら隙を伺い・・・背後から、先程雀蜂を刺した場所の裏側を刺す・・・
本来なら、同じ場所を刺さないと効果が無い雀蜂の能力だが・・・体内の同じ内臓を狙う事で同じ効果を出す事が出来る・・・
雀蜂の攻撃を2回受けたミノタウロスは、黒い紋章に飲み込まれる様に消滅した・・・
リュー
「ミノタウロスが消滅した!」
輝夜
「応急処置は間に合ったか・・・」
ライラ
「誰も死んで無いのは御の字だろ」
アリーゼ
「みんなをダンジョンの外に連れ出しましょう!」
「その後は、医療系のファミリアに運びましょう!」
ベル
「急ぎましょう」
「この事をギルドに報告しないといけませんし」
ベル達ご一行は、負傷した冒険者たちをダンジョンの外に連れ出して、ディアンケヒト・ファミリアまで運んだ・・・
ギルド会館・・・
エイナ
「うそ・・・ダンジョンでそんな事が有ったなんて・・・」
輝夜
「事実だ」
ライラ
「負傷者は、全部で10人」
リュー
「ポーションで応急処置をした事で死亡者は居ない」
アリーゼ
「私達の活躍のお陰ね!!」
ベル
「とりあえず、今回の出来事を報告しに来ました」
エイナ
「ありがとう、ベル君」
「私は、この事を上に報告してくるね」
報告を済ませたベル達は、自分のファミリアのホームに帰る・・・
ギルド会館。執務室・・・
エイナ
「・・・このような事がダンジョンで起こっていたそうです」
狛村左陣
「何と言う事だ・・・」
「直ちに負傷した冒険者への治療費の全面的な補償の手続きを進めてくれ」
エイナ
「その・・・申し上げにくいのですが、現在ロキ・ファミリアがダンジョンでの遠征活動を行っていますが・・・それが直接的な原因だったりするのでしょうか」
狛村左陣
「本来、ミノタウロスは中層から下層にしか居ない筈の魔物だ」
「遠征中のロキ・ファミリアが何かしらのアクシデントに巻き込まれて、ミノタウロスを取り逃した・・・か」
「慢心をしていて、仕留め損なったミノタウロスが上層に上がって来たのか・・・」
エイナ
「一度、事情を聴いた方が良いのでしょうか」
狛村左陣
「今回は、明らかな人為的な要因が有るのは間違いないのだろう。負傷したミノタウロスが居た時点でロキ・ファミリアが怪しいのは確実だ」
「ロキ・ファミリアがダンジョンから戻り次第、ギルドまで連行し・・・事情聴取を行う」
「拒否する場合は、私が直々に拘束する」
エイナ
「分かりました」
「ギルド長のご指示通りに動きますね」
狛村左陣
「うむ。今回の惨事を防いでくれたアストレア・ファミリアの面々には感謝の意を示さねばならんな」
その後、ダンジョンから戻って来たロキ・ファミリアの面々をギルドまで連行して事情聴取が行われた・・・
事情聴取の結果、3体のミノタウロスとエンカウントした際にミノタウロスを1体取り逃したことが発覚・・・
今回の被害状況を鑑みて、ロキ・ファミリアには極めて重いペナルティが課せられる事が大々的に掲示された・・・