例の儀式が行われるまで、残り1日・・・
イシュタル
「まだ見つからないのか!!」
フリュネ
「アタイ等だって血眼になって探してるんだよ!!」
イシュタル
「これでは、殺生石が無駄になるどころでは済まない・・・」
「春姫を生贄にして、レベルブーストの魔法を制限なく使い、フレイヤを倒す筈だったはずなのに!!」
フリュネ
「春姫を匿ってる奴らが何処かに居る筈なんだよ!!」
イシュタル
「ヘルメスを連れてこい!!」
「アイツに探させる!!」
オラリオの市街地・・・
ヘルメス
「何だか、嫌な予感がするから暫くの間はメレンの街にでも行こうかな」
アスフィ
「また変な事をしたんですか・・・」
ヘルメス
「心外だなぁ。僕は、眷属達が楽しく過ごせるように努力している主神だよ~」
アスフィ
「その割には、毎度の事の様に面倒事を持ってきますけどね」
ヘルメス
「心が・・・心が痛い・・・」
主神ヘルメスは、嫌な予感を察知してオラリオから脱出した・・・
バベルの最上階・・・
フレイヤ
「ふふふ・・・イシュタルは、かなり焦っているようね・・・」
ベル
「神様、フレイヤ様は何を見てるんですか?」
ヘスティア
「フレイヤは、鏡を通して離れた場所の様子を見てるんだよ」
アストレア
「規則にギリギリ違反しない程度に、神の権能を使ってるのよ」
「主にウラノスが使うんだけど、フレイヤも使えるみたいね」
ヘラ
「のぞき見なんて趣味が悪いのよ」
フレイヤ
「あら、イシュタルがヒステリーを起こして切れ散らかしてる面白い映像が見たくないの?」
ヘラ
「詳しく見せなさい」
ヘスティア
「ちょっと気になるね」
アストレア
「他所の男をつまみ食いする悪い癖を持つイシュタルの滑稽な姿に興味が有るわ」
ベル
「・・・神様達だって人の事言えないじゃないですか・・・」
アルフィア
「ベル、鏡花水月で春姫に化けてイシュタルに喧嘩を売ってこい」
ベル
「良いけど・・・お義母さんが暴れたいんじゃないの?」
アルフィア
「ベルに対して、悪い影響を与える存在は排除するのみだ」
卯ノ花烈
「奇遇ですね・・・私も同じことを考えていました」
松本乱菊
「人の命を軽視してる時点で、死神的には完全にアウトなのよね」
四楓院夜一
「天界に送還は出来んが・・・心をポキッとへし折るくらいは良い薬になるじゃろ」
ヘスティア
「お願いだから、オラリオを地獄絵図に変えるのは辞めておくれよ」
アストレア
「オラリオの治安を守る為にも、穏便にお願いね」
フレイヤ
「オッタル達も一緒に行かせるわ」
「イシュタル・ファミリアを懲らしめて来てね」
ヘラ
「イシュタルには私とフレイヤが直接話を付けに行くわ」
ゼウス
「ヘラに詰め寄られたら、怖くて足がすくむじゃろうな」
ベル
「お祖母ちゃん、程々にね」
ヘラ
「可愛いベルにお願いされたら断れないわね!」
「極力、穏便に済ませましょう!」
春姫
「あの・・・私に化けるのですか?」
命
「春姫殿、ベル殿は不思議な能力を使うのです」
リリ
「あまり気にしてはいけませんよ」
ベル
「砕けろ・・・鏡花水月」
鏡花水月の始解を使って、認識を歪ませて容姿を春姫に変える・・・
春姫
「!?」
「私が目の前に・・・」
リリ
「声は、ある程度は春姫様に近づいていると思いますが・・・」
命
「春姫様と言われても気づかないレベルだと思います」
ベル
「後は、喋り方を気を付けて・・・オラリオのメイン通りを歩いて来ますね」
アルフィア
「私達は、影でベルの様子を見守っているぞ」
アリーゼ
「イシュタル・ファミリアの団員が近くに居ないか警戒しておくわ!」
輝夜
「変装したベルが1人で歩いているのも怪しまれるかもしれないな・・・」
ライラ
「なら、誰かが一緒に居れば警戒心が薄れて良い感じに騙せるんじゃねえか?」
リュー
「アストレア・ファミリアのメンバーは、顔が割れている・・・」
命
「では、私が一緒に行きましょう!」
ヘスティア
「ベル君、少しでも危なくなったら正体を現してイシュタルから逃げるんだよ!」
アストレア
「自分の命を優先にね」
卯ノ花烈
「イシュタル・ファミリアのホームを破壊する程度に留めておくのですよ」
松本乱菊
「良い感じにババアの絶望顔を見て来ると良いんじゃない♪」
四楓院夜一
「丁度、ベルを可愛がってた奴がオラリオの近くに来ているそうじゃ」
「ベルの危険を察知したら、凄い速さで駆けつけて来ると思うぞ」
ベル
「誰ですかね・・・」
フレイヤ
「ベル、イシュタル・ファミリアの周辺にオッタル達を行かせるから、何か有れば合図をしてね」
ヘラ
「自分の貞操を優先しなさい!」
ゼウス
「アマゾネスは、強い男に惹かれる種族じゃぞ~」
「襲われる前に逃げるんじゃぞ」
アルフィア
「ベルに手を出した瞬間、そいつを血祭りにあげてやる」
ヘラ
「それは私の役目よ」
ゼウス
「・・・怖いのぉ」
アストレア
「ベルは、みんなで守りましょう」
ベル
「それでは、命さんは一緒にお願いしますね」
命
「はい!」
変装したベルと命は、オラリオのメイン通りに買い物に出掛けた・・・
お買い物中・・・
ベル
「命ちゃん、今日のお昼ご飯は何が良いかな」
命
「では、野菜スープと焼き魚が良いと思います」
ベル
「なら、お魚を買って行かないとね」
アルフィア
「まだ、怪しい人影は見当たらないな」
アリーゼ
「イシュタル・ファミリアも切羽詰まっているとはいえ街中で堂々と誘拐は出来る筈が無いわ」
輝夜
「路地裏に連れ込んで、攫っていくだろう」
ライラ
「命も一緒に連れていかれる可能性が有るから、気を付けて見張ろうぜ」
リュー
「静かに・・・アマゾネスらしき人影が見えた」
リリ
「アイシャ様ではありません・・・警戒しましょう」
アルフィア達がベル達の様子を見ていると・・・
何処からか、煙玉が投げ込まれて周囲に煙が充満する・・・
ベル
「けほっ!!けほっ!!」
命
「春姫殿!?」
フリュネ
「手間掛けさせてくれるじゃないか・・・2度と逃げられない牢屋に入れてやろうじゃないか!!」
煙の中、フリュネは春姫と命を誘拐していった・・・
アルフィア
「ベルが連れていかれた!」
アリーゼ
「問題無いわ!!逃走ルートは限定されているわ!」
輝夜
「行先も決まっている」
ライラ
「イシュタル・ファミリアのホームに向かうのは分かり切ってるぜ」
リュー
「後を追うぞ」
リリ
「リリが先行します!!」
フリュネを追って、アルフィア達がイシュタル・ファミリアのホームに向かった・・・
イシュタル・ファミリアのホーム
イシュタル
「随分と手間を掛けさせてくれたねぇ・・・」
「コレで儀式を行う事が出来る・・・忌まわしいフレイヤを天界に送還してやる!!」
ベル
「見た目が醜ければ、中身も醜いですね・・・」
命
「全くですね」
イシュタル
「お前・・・春姫じゃないな!?」
ベル
「気づくのが遅いですね・・・」
ベルは、鏡花水月の始解を解除する・・・
フリュネ
「春姫じゃないのかい!?」
ベル
「こんな子供だましに騙されるなんて・・・馬鹿ですね」
命
「ベル殿、逃げましょう」
イシュタル
「逃がすと思うか!!」
イシュタルが合図すると、彼方此方からアマゾネス達が駆けつけてくる・・・
ベル
「あらら・・・囲まれちゃいましたね」
命
「・・・万事休すですか・・・」
???
「討て・・・皇鮫后《ティブロン》」
誰かが解号を唱えると・・・水刃が飛んできて、イシュタル・ファミリアの面々を分散させる・・・
ベル
「今のって・・・」
ティア・ハリベル
「久しいな、大きくなったなベル」
ベル
「ハリベル姉さん!!」
命
「ベル殿のお知合いですか?」
ベル
「血は繋がってませんけど、姉さんです」
「物凄く強くて、格好良いです」
ティア・ハリベル
「そう褒めるな・・・照れてしまうだろ」
フリュネ
「お前!!」
ティア・ハリベル
「女神イシュタル・・・私の可愛い弟に手を出すとは・・・命が惜しくないようだな」
イシュタル
「ハリベル・・・貴様、私を裏切るのか!!」
ティア・ハリベル
「裏切る?」
「お前の恩恵など持っていないのに裏切るも何も無いだろう」
イシュタル
「お前には、私の恩恵を刻み込んだ筈だぞ!!」
ティア・ハリベル
「貴様如きの恩恵が私に刻めるわけが無いだろう」
「フレイヤくらいの神位に到達してから、やっと我々に恩恵を刻み込めるようになるのだからな」
命
「では、ヘスティア様とアストレア様は神位が高いと言う事ですね」
ベル
「アストレア様とヘスティア様は、善神だからね」
「ボクにも恩恵を刻めるんだよ・・・高位な女神様だから」
イシュタル
「またフレイヤ・・・」
「どれだけ私を馬鹿にするつもりだ!!!」
ベル
「あ、何だか嫌な予感がするので命さんは斬月の鞘を握ってください」
命
「鞘を握るのですか?」
ベル
「そうです」
イシュタル
「貴様ら・・・私に服従しろ!!」
イシュタルは、自身の魅了を使ってベル達を洗脳しようとするが・・・
命
「・・・何も有りませんね」
ベル
「斬魄刀は、邪なモノから守ってくれる効果が有るみたいです。なので、命さんに鞘を握って貰いました」
命
「そのような効果が有るのですね」
ベル
「それにボク達は、ルーツは違えど一応は死神で神にカテゴライズされてるので・・・神々の魅了は効きません」
ティア・ハリベル
「私は、ベル達とはルーツは違うが・・・同列の存在と言っても良いから神の魅了など効かない」
イシュタル
「有り得ない・・・数多の男達を虜にしてきた魅了だぞ!!」
フレイヤ
「滑稽ね・・・自分の程度を知って絶望をしているのかしら?」
イシュタル
「フレイヤ~!!!」
アルフィア
「・・・不細工な顔が更に醜悪になってるぞ」
アリーゼ
「あれで、美の女神・・・アストレア様の足元にも及ばないわね」
輝夜
「言ってやるな・・・圧倒的に劣ってるんだぞ」
ライラ
「醜いったらありゃしないぜ」
リュー
「ベル、こちらに来てください」
リリ
「ベル様、オッタル様達が下の階から制圧してくれています」
「リリ達も撤退しましょう」
ヘラ
「その前に・・・ちょっと面貸しな!!」
イシュタル
「何でオラリオを追放されたヘラが居るんだ!?」
ヘラ
「だ!ま!れ!!」
それから、ヘラに徹底的にボコボコにされた後・・・隙をついて、女神イシュタルは逃げ出した・・・
イシュタル・ファミリアのアマゾネス達は、女神イシュタルが逃げ出したのを見て、自分達もと一斉に逃げ出した・・・
アイシャ
「何だか、殺風景な感じになっちまったね」
リリ
「アイシャ様、阿婆擦れは何処に逃げたのでしょうか?」
アイシャ
「あの馬鹿が行く所なんて無いさ・・・オラリオから逃げる事だけを考えてるだろうさ」
アルフィア
「阿婆擦れに関しては、フレイヤとベルが追っている・・・」
アリーゼ
「それで、コチラのセクシー美女は誰かしら?」
命
「ベル殿のお姉さんだそうです」
ティア・ハリベル
「・・・ティア・ハリベル。ベルと血は繋がっていないが姉弟の様に過ごしていた」
輝夜
「それに関しては、ホームに戻ってから聞くのが良いだろう」
ライラ
「とりあえず、殺生石を破壊して阿婆擦れの計画を潰しておこうぜ」
リュー
「殺生石の場所を探さなければ」
アイシャ
「案内してやるよ」
リリ
「殺生石を破壊したら、オッタル様達と合流しましょう」
リリ達は、見つけた殺生石を粉々に破壊して、ヘスティア・ファミリアのホームに戻っていった・・・
オッタル
「襲ってこない限りは手を出すな」
アレン
「フレイヤ様のご命令に逆らう訳ねえだろ」
フリュネ
「ちっ!!ここまでフレイヤ・ファミリアの連中が・・・」
オッタル
「ヒキガエルは処分しても良いとのご命令だ」
フリュネ
「ちょっと待ちな!!アタイを見逃してくれたら、桃源郷に行かせてやろうじゃないか!!」
アレン
「何言ってんだ・・・こいつ」
フリュネ
「アタイの美貌の前では、フレイヤだって裸足で逃げだすさ♪」
アレン
「・・・テメェ」
オッタル
「貴様は!!!我らの至高の女神を侮辱した!!!!!」
アレン
「フレイヤ様を侮辱しやがった・・・テメェは、処分だ!!!」
フリュネ
「ギャアアア!!!」
オッタルの全力全開の殴打を脳天に喰らって殆どの歯がへし折れ・・・アレンの凄まじい一撃を喰らって、フリュネは深刻な重傷を負った・・・
オッタル
「貴様の様なゴミに価値は無い」
アレン
「生まれ変わって出直してこい・・・バケモンが」
隙を見て逃げ出したイシュタルは、急いで階段を下りていた・・・
イシュタル
「オラリオから逃げさえすれば、再起のチャンスは有る・・・」
フレイヤ
「・・・逃がすと思って?」
イシュタル
「フレイヤ・・・」
フレイヤ
「もう追いかけっこは飽きて来たわね」
イシュタル
「待て!!お前が入れ込んでいるベル・クラネルに関して秘密を教えてやろう!!」
「奴には、女神の魅了が効かない!!理由を知りたくないか!」
フレイヤ
「下らない・・・そんなのアルフィアに許可を貰って試しにベルに魅了を使って失敗しているから知っているわ」
「魅了が聞かない理由も知っているから、交渉の材料にはならないわよ」
イシュタル
「何故だ・・・私とお前の何が違うというんだ!!」
フレイヤ
「そんな事も分からないのね・・・ベルは、私とイシュタルの何が決定的に違うと思う?」
ベル
「品性ですね・・・フレイヤ様は、その場に居るだけで気品を感じます」
「喋り方も優しくて、柔らかい雰囲気も相まって凄く綺麗な女神様だと思います」
フレイヤ
「あら、嬉しい事を言ってくれるのね♪」
ベル
「ですが、阿婆擦れからは品性の欠片も感じません!」
「粗暴な性格、手癖の悪さ、自分勝手な考え、それに春姫さんの命を軽々しく生贄に使おうとするクソみたいな奴は女神じゃなくゴミだと思います!」
フレイヤ
「全く持ってその通りね♪」
イシュタル
「貴様~!!!」
フレイヤ
「あら、手が滑ったわ」
パンッ!!
イシュタル
「あ・・・キャアアア~!!!!」
フレイヤにビンタをされたイシュタルは、高い建物から足を滑らせて落ちて行った・・・
フレイヤ
「ベルは見ちゃ駄目よ」
フレイヤは、ベルの両目を手で塞いで見えないようにした・・・
ベル
「何も見えませんよ」
フレイヤ
「見なくて良いのよ・・・神の送還なんて」
暫くすると・・・光の柱が天へと伸びて行った・・・
ヘスティア
「・・・どうやらイシュタルが送還されたようだね・・・」
アストレア
「フレイヤが何かしたのね」
ヘラ
「神が子供達の命を蔑ろにしようとした時点でイシュタルに神としての資格なんて無いのよ」
ゼウス
「因果応報と言う奴じゃな・・・」
アイシャ
「さて、クソッタレの女神が居なくなって恩恵が消えちまったから次のファミリアを探さないといけないねぇ」
アストレア
「何処か当ては有るの?」
アイシャ
「さあね・・・気の向くままに探してみるさ」
春姫
「あの・・・アイシャ様には色々と助けて頂きました・・・」
「私は、何も出来ませんが・・・アイシャ様に恩返しがしたいと思っています」
アイシャ
「辞めときな。アタシみたいな娼婦に情なんか掛けるもんじゃないよ」
アストレア
「行く当てがないのなら、アストレア・ファミリアに来る?」
「見た所、レベルは4くらいかしら」
ヘスティア
「ボクの所でも構わないよ」
「君には色々と世話になったからね。何かしらのお返しをしても良いと思うんだ!」
ヘラ
「アストレアかヘスティアのファミリアに改宗する事をお勧めするわ」
「割と自由が利くし、好きに過ごせるわよ」
リリ
「リリは、アイシャ様を歓迎しますよ」
命
「ベル殿も断らないと思います」
アイシャ
「アタシは元娼婦だよ」
ベル
「前の仕事が何だろうと関係ありませんよ」
「要は人柄です。アイシャさんは良い人だと思います」
ティア・ハリベル
「過去は関係ないさ。君がどうしていきたいかが重要なんだ」
アリーゼ
「私達は、ウェルカムよ!」
輝夜
「強い団員が増える事は賛成だ」
ライラ
「ベルには手を出すなよな」
リュー
「・・・私は、貴方を嫌いにはなれない」
ベル
「どうしますか?」
アイシャ
「・・・本格的に次のファミリアが決まる迄は厄介になろうかね」
ベル
「ヘスティア・ファミリアとアストレア・ファミリアのホームは同じ建物を使っているので、暫く滞在してから選んでくださいね」
フレイヤ
「・・・時々、私も様子を見に行くわ」
ヘラ
「遊びに来るのは構わないけど、変な事を起こすんじゃないわよ」
フレイヤ
「分かってるわ」
女神イシュタルが、殺生石を使い・・・春姫を生贄にしてレベルブーストの魔法を好きに使えるようにする計画は自分の短慮な性格が災いして、多くのモノの怒りを買い、最終的に自身が天界に送還されることで頓挫した・・・
多くのイシュタル・ファミリアのアマゾネス達は、オラリオから出て行ったりして散り散りになったらしい・・・