転生した私がゾンビアポカリプスの世界でコロニーを作る   作:ソロモンは燃えている

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転生した私、新兵器を投入する

 

 

 

 感染者の襲撃を乗り切り、一息つけるかと思ったが、どうやらこの地獄はそう甘くはないようだ。

 翌日、偵察隊から報告が入った。

 

「廃墟にいる感染者の一部が移動を開始しました。

 まっすぐこちらに向かってきます!」

 

「一部だと?

 他の感染者の動きはどうなっている!?」

 

「動き出した感染者以外には、特に目立った変化はありません。

 しかし、一部とは言え、かなりの数ですよ」

 

 いや、数の問題ではない。

 なんだ、この違和感は……

 

「とにかく、対処しなければならない。

 我々、サムライ隊が出よう」

 

 考え込んでいる私の様子を見て、サムライ達を率いている男が出撃を申し出た。

 昨日、話をした事で私はこの男を信じると決めていた。

 

「そうだな、君達に出撃してもらおう。

 激戦を終えたばかりなのに悪いな」

 

「それは、レンジャー部隊も同じだろう。

 その彼らが、すでに他の任務についているのだ。

 手の空いている我らが休んでいるわけにはいかないさ」

 

 男が言った通り、レンジャー部隊の一部は、南の防壁に回している。

 感染者は、人の気配を感知しない限り、その場からほとんど動くことはない。

 だが、一度こちらに気づけば一直線で向かってくる。

 

 襲撃に対処するために全兵力を東に集めていたが、その間に多くの感染者がにじり寄ってきたらしい。

 しばらくは、南の感染者に対処しなければならない。

 

 さらに東と言っても広く、廃墟に繋がる道だけではない。

 小集団の対処に集中している間に他の道から来た感染者が居住区に侵入してしまう恐れもあるため、正面に展開できるレンジャーはあまり多くない。

 レンジャーの殲滅力では、ほぼ同数のランナー相手には部が悪い。

 地形的にもレンジャーの機動性を活かせる場所でもない。

 やはり、サムライの力が必要だった。

 

 

 

 サムライが陣形を組み、廃墟から流れてくる小集団の迎撃に当たる。

 レンジャーは、サムライの後方に待機させ支援射撃を行う予定だ。

 

 道の奥から感染者の一団が姿を見せる。

 やはり、こちらの存在を認識しているようで脇目も振らずに近づいてくる。

 私の中の違和感が形になりつつある。

 だが、それに気を取られている暇はなさそうだ。

 

「接近する感染者の中に肌が黒く変色している個体がいます!」

 

「『エリート』だと!

 くっ、やはり変異個体がいたか」

 

 エリートとは、最初期に確認された変異感染者の呼称である。

 特徴は肌が黒く変色していることで、ランナーの上位種と言える存在だ。

 ランナーより大幅に腕力、耐久力が向上している。

 

 レンジャーの火力では、エリートを仕留めるのは難しい。

 接近されてしまえば、軽装のレンジャーではすぐに殺されてしまうだろう。

 

「レンジャーは、左右に展開してランナーを狙え!

 サムライは最優先でエリートを殺すんだ!」

 

 部隊は、私の指示に従い速やかに動いた。

 

 レンジャーも自分達の火力の低さを理解している。

 ランナーでもそれなりの数の矢を当てなければ殺せない。

 エリートともなれば接近される前に仕留めるのは、よほどの数的有利がなければ不可能だ。

 この状況ではランナーを優先して、サムライ達の負担を減らすことが最善であった。

 

 私は、火力、装甲共に高いサムライならエリートが相手でも一対一で互角に戦えると判断していた。

 その読みは当たっていたようで、サムライ達はエリート一体に対してニ、三人で当たり、危なげなく仕留めている。

 幸い、エリートはそこまで多くなかったため、仕留めきれずに接近してくるランナーにも対処する余裕があった。

 

 

「昨日に比べれば、この程度の襲撃など大したことはない。

 大規模な襲撃を乗り切った後の我らの油断でも狙ったつもりか?」

 

 向かってきた感染者を殲滅した後に発せられたサムライの言葉に私は考え込んでしまう。

 

「どうした?

 深刻そうな顔をしているぞ」

 

「今回の襲撃、おかしいとは思わないか?」

 

「……おかしいとは?」

 

「群れの襲撃に耐えた後に生じる隙を狙ったかのようなタイミングだった」

 

「考えすぎではないか?

 奴らにそんな知能があるとは思えないが」

 

「杞憂であれば良いのだが、もし感染者達が戦術的な行動を取るのであれば、この先はさらに辛くなるだろう」

 

「……そうでないことを祈る…わけにもいかないか」

 

「ああ、司令官たるもの常に最悪の状況を想定して作戦を練らなければいけない」

 

「そんなお前だから、我らは命を預けるのだ。

 たとえ死んでも、無意味ではない。

 人類の未来を切り拓くための礎となるのだと信じられる」

 

「……重いな」

 

「それでも背負うと決めたのだろう?

 それに……一人で背負わせるつもりはない。

 我らは、自分の意思で戦うと決めた兵士だ。

 いわば人類の未来を切り拓くための切先。

 お前は、ただ進めと命じれば良い」

 

 いかなる強敵をも討ち倒して進んで見せる。

 彼の言葉が責任の重さに押しつぶされそうになる私を支えてくれる。

 そうだ、どれほど敵が強大であっても負けるわけにはいかない。

 これは、そういう戦争なのだ。

 そして、兵士達一人一人が覚悟を持って戦いに臨んでいる。

 いや、兵士だけではない。

 前線を支える後方支援のために移住してくる住民達もまた覚悟を持って来ている。

 感染が拡大し、無惨な最後を迎える危険を承知しながら、私を信じて着いてきてくれているのだ。

 私も彼らの司令官として相応しい覚悟を持たなければ……

 

 

 南にいる感染者の排除を行いつつ、東の開拓も進めていく。

 あれから定期的に廃墟からの小規模襲撃が起きるようになった。

 それに対処しつつ、領土を拡大していくのだからすぐに兵力不足に陥ってしまう。

 

 

 20日目の補給で新たな部隊が到着。

 戦力の増強がなされた。

 

 サムライ10名が到着。

 すでにいる部隊を一番隊とし、この部隊を二番隊として編成して運用する。

 

 レンジャーも5部隊20名が新たに赴任してきた。

 レンジャーの総数も50名を超え、かなりまとまった戦力を運用することができるようになった。

 

 それを支えることができるほど住民が増えたということでもある。

 戦力を増強するということは、負けた時の被害も大きくなることを意味する。

 負けていい戦いなどないが、これでますます負けられなくなった。

 

 廃墟からの襲撃をサムライが中心となって対処する傍ら、レンジャー部隊が未探索領域を進み、前線を押し上げていく。

 それでも感染者の数は膨大で、各戦線にエリートの姿も見られるようになったことで進軍はゆっくりとならざるを得ない。

 

 

 

 25日目

 

 エリートの数が少ない南部の探索が終わり、市内への侵入路となる場所を特定。

 そこに防壁を建設し、とりあえずの防衛線を構築した。

 市外から入り込んでくる感染者への備えとして最低限の監視を置き、中心部にある廃墟への進軍に全力を注ぐ。

 

 

 

 31日目

 

 ようやく廃墟となった市庁舎を臨めるまで前進することができた。

 ここに防衛線を張って、廃墟攻略に着手する予定だ。

 

 やはり、市庁舎は大きいな。

 廃墟周辺にいる感染者の数も多い。

 今回の戦いは、確実に17日目の襲撃を大幅に超える数の感染者を相手にすることになるだろう。

 だが、悲観することはない。

 こちらの戦力が増強されたこともあるが、30日目の補給でようやくアレが届いた。

 

 ボウガンを開発してもらった王国の木材工房に依頼していた研究がようやく終わり、なんとかこの戦いに間に合ったのだ。

 

 持ち込まれたパーツを組み上げ、防壁の上に設置されたのは、バリスタと呼ばれる兵器だった。

 上位の感染者が現れれば、弓では火力不足に陥ることは確実だった。

 変異感染者に対抗するためにどうしても必要だと思い、研究を進めさせていた。

 

 バリスタは、基本的にはボウガンを巨大化させたもので、使用される矢も大きく、もはや槍を撃ち出すようなものである。

 大きさに見合った威力があり、変異感染者に対する切り札になると考えていた。

 デメリットとしては、操作に3人必要であること、次弾装填に時間がかかることが上げられる。

 ただ、ボウガンの発展系だけあって操作は単純で照準も簡単なので兵士ではなく、志願した住民に操作を任せられる。

 兵力を減らすことなく、防衛力を高めることができる。

 上手く活用すれば、戦いはグッと楽になるはずだ。






ようやく技術ツリーでバリスタを開放です。
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