転生した私がゾンビアポカリプスの世界でコロニーを作る   作:ソロモンは燃えている

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転生した私、飛躍の時を迎える

 

 

 

 私は今、王国の技術研究所を訪ねている。

 工場区の探索で手に入れたアーティファクトでどんな事が出来るようになるのかを確認するためだ。

 今後の作戦に役立てるためには、技術の詳細を知らなければならない。

 

「ようこそ、英雄殿。

 私がこの研究所の所長です」

 

「よろしくお願いします、所長。

 英雄はやめてください。

 そう呼ばれるべきは、私ではなく、この戦いに参加して献身してくれている全員です」

 

「そうですか。

 では、司令官殿と呼ばせてもらいます。

 ですが、我々にアーティファクトをもたらしてくれた貴方は、我々にとって間違いなく英雄に値します」

 

「そう言ってもらえるほど、今回手に入れたアーティファクトは良いものだったのですか?」

 

 所長の言葉に期待が高まる。

 

「ええ、今回のアーティファクトで復活させる事が出来た古代技術はベアリング技術です」

 

「…ベアリング技術……ですか?」

 

 SFのような技術を期待していたが、所長の口から出たのは前世でも馴染みのある平凡な技術だった。

 

「どうやら、ピンと来てないようですね。

 まあ、地味な技術ですから技術者でなければ重要性を認識しづらいでしょう」

 

「すみません、技術については門外漢なもので。

 その技術で具体的に何が出来るのかを教えてもらいたい」

 

 感染者に滅ぼされる前の古代文明は、私の前世の世界よりも遥かに進んだ技術を保有していた。

 だから、未来的な兵器を作る技術を期待していたが、実際は馴染みのある技術だった。

 なぜ、所長がこれほど嬉しそうにしているのかを知りたくなった。

 

「では、説明しましょう。

 まず、司令官が期待していたのは感染者に有効な超兵器を開発するような技術だったのでは?」

 

 いきなり所長に図星を突かれてしまった。

 

「なに、誰もが考えることです。

 ですが、今回のアーティファクトがそう言った物でなくて良かった。

 王国では、ほぼ全ての技術が途絶えています。

 いきなり高度な技術を持ち込まれても扱えないのですよ」

 

 所長の言葉は納得できるものだった。

 考えてみれば当たり前の話だ。

 どんな高度な技術も基礎技術を積み重ねた上にあるもの。

 技術とは一足飛びに発展できるものではない。

 

「最初に得た技術がベアリング技術だったことは僥倖です。

 この技術があれば、王国は慢性的な電力不足から開放される」

 

「なんと!」

 

 王国で細々と行われている発電量では、全てを賄うことはできず、電気のない不便な生活を強いられていた。

 電気があればどれ程のことが出来るだろうか?

 なまじ前世では電気に困ることのない生活をしていただけに歯がゆい思いをしていたのだ。

 

 所長からさらに詳しく話を聞くと、王国の近くには古代に作られたダムが二つあり、昔調査隊を送ったことがあるらしい。

 しかし、タービンが破損していて発電できない状態だった。

 当時の王国には技術がなかったため、発電を断念するしかなかった。

 

 今回、製造可能になったパーツがあれば修理できる。

 それは、王国が莫大なエネルギーを得ることを意味していた。

 

「王国が保有している数少ない技術、アメリカのテスラタワーに日本独自の改良を加えた遠距離用テスラタワーを使えば、各地の開拓地にも電力を供給することが可能になります。

 王国の生産力は飛躍的に増大しますよ」

 

 まさに福音。

 物資の生産量が上がるだけではない。

 防壁やバリスタなどの防衛施設の建設速度も向上する。

 今後の作戦遂行が格段に楽になるのだから。

 

「そして、電力不足で今まで手を付けられなかった技術の研究が出来るようになります。

 この研究所が、ようやく本来の目的を果たせるようになるのです」

 

 所長達が私を英雄と呼ぶ理由が分かった。

 彼らも悔しい思いをしてきたのだ。

 電力がないために出来ることは知識の保存だけ。

 技術が失われていくのを見ていることしか出来なかった。

 

 そんな状況がようやく終わった。

 彼らは、ようやく人類に貢献できると喜んでいた。

 

「もう少し、時間をください。

 必ず司令官の期待に応えてみせます」

 

 そう言った所長の顔は、共に戦ってきた仲間達と同じだった。

 前線ではなくとも、ここが彼らの戦場なのだ。

 

「ああ、頼りにしている」

 

 彼らもまた、信じて頼るべき仲間であることが分かった。

 それが、今回の訪問で得た最大の成果だと思う。

 

 

 

 数ヶ月後、電力が供給されたことで開拓地の運営はさらに安定し、人類が前進する準備が整った。

 あれから王国技研は、様々な研究に着手。

 次の作戦を前に、さっそく新たな技術がもたらされた。

 

 一つは投射強化。

 鉄の生産量増加によって可能になった鉄の鏃の量産。

 これによりレンジャーの火力が大きく強化された。

 作戦初期段階の拠点拡張をより速やかに行えるだろう。

 

 もう一つはコンクリート技術。

 木の壁をコンクリートで補強することで石の壁にアップグレード出来る。

 輸送能力の関係で現地で石材を得ることが必要になるが、これまでより格段に強固な防壁が建設可能になった。

 

 

 技術開発を加速するために次のアーティファクトを入手するためにも、王国の領域を広げ、人類の生存圏を確保するためにも次の作戦は成功させなければならない。

 各方面を繋げる交通の要所。

 ここを押さえることができれば、選択肢が大幅に増える。

 新しく得た二つの技術は大きな力になってくれるだろう。

 

 感染者との戦争は、次のフェーズに入ろうとしていた。

 

 

 

 王国の技術ツリー開放状況(序盤終了時点まで)

 

 

 遠征開始時

 

 バリケード(木の杭)

 先の尖った木材で作る簡易的な罠。

 感染者に多少のダメージと足止め効果が期待できる。

 

 木材工房

 王国にある工房。

 バリスタへの繋ぎとしてボウガンの作成を依頼していた。

 

 農場

 王国の食糧生産を支えている技術。

 

 木の家(コテージ)

 テントより快適に暮らすことが可能な建物。

 

 

 

 遠征開始後

 

 石材工房

 最初のマップクリア後に建設された。

 石の原始的な利用方法以外の研究は電力の復活を待つ必要があった。

 

 基本輸送

 輸送部隊を編成し、前線への定期的な補給を可能とした。

 現在は5日に一度のペースで木材や食糧の補給が行われている。

 拠点の増強度合いに合わせて後方から兵士も派遣される。

 

 刀鍛治、剣術道場

 王国の鍛冶屋が守り続けていた技術と貴族の嗜みとして存続していた剣術道場。

 主人公の行動によって貴族の意識に変化が起こったためサムライの育成が可能になった。

 

 バリスタ

 巨大な矢を飛ばす大型兵器。

 密集していれば複数の感染者を一度に倒すことが可能。

 

 

 アーティファクト入手後

 

 投射強化

 矢を鉄の鏃で強化。

 レンジャーの攻撃力がアップ。

 

 コンクリート技術

 木の壁より高い防御力を持つ石の壁が建設可能になる。

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