スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

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この小説はフィクションです。
本作に登場する人物や団体、製品名、国家や企業・宗教など全てのものに関して、実在の物とは一切関係ありません。


科学の戦士編
〜科学の戦士編〜1


春だ。

 

日差しは厳しさより優しさを孕んで降り注ぎ、オレの五体を包み込む。

少し開いた窓の隙間からは、新緑と桜の仄かな香りが漂う。

 

「え〜、であるからして……」

 

講堂に響く“頭髪に不自由したオッサン”の偉そうな講義は、丁度良いBGMだ。

 

 

 

オレの名前は深海 圭介(ふかみ けいすけ)。

大学生だ。

ちょっとばかり都市伝説に興味があって、それを追うあまりに出席日数がヤバかったりするが、一応、まだ大学生だ。

 

 

この教授の講義、期待してたんだがなぁ……

都市伝説についての講義という看板と、フィールドワークに長けた教授であるという前評判から枠を取ってみたが、開始10分足らずでオレは『前評判という物が如何に当てにならないか』を痛切に感じる羽目に陥っていた。

 

当たり障りのない一般論。

新鮮味ゼロの講評。

語られるのは、オレが大学に入る前に収集し尽くしたネタばかりだった。

 

この無駄な時間を有効利用するには、睡眠時間に変換するしか道は無い!

 

というワケで、オレは授業開始早々に夢の世界へと旅立つ決意を固めた。

 

 

おやすみなさい。

 

 

 

「早速寝るな!」

 

机に突っ伏したオレの脇腹に、ツッコミと共に肘鉄が入る。

オレの隣に陣取る、女生徒からの一撃だ。

長い黒髪の下の、澄ましていればすれ違った大抵の男は振り返るであろう美貌は、残念ながら侮蔑の表情のせいで魅力半減だ。

いやまぁ、それでもなお美人ではあるのだが。

 

 

彼女の名は高山 京子(たかやま きょうこ)。

オレの幼馴染みだ。

ガキの時分からお調子者でテキトーなオレのお目付役を自負していて、日頃からオレの性根を叩き直すべく無駄な努力を続けている。

 

特に興味もないこの講義を取ったのも、オレのこの行動を予見したからか。

敵ながら天晴れな推理だ、明智くん。

だがしかし……

 

「ネットやゴシップ誌の二番三番煎じなんか、聞く必要ナッシン。終わったら起こしてよ」

 

伏したままの姿勢で顔だけ京子に向け、それだけ宣言するとオレは再び睡魔に身を委ねる。

 

「バカ!あの教授、生徒イビリで有名なのよ!居眠りなんか見つかったら、どんな目に遭うか……」

「大丈夫だって。オレは常に座高の高い生徒の後ろにポジショニングしてんだから。見つかりっこないない♪」

 

この時、オレは気付くべきだった。

先刻まで講堂に流れていたBGMが途切れていた事に。

 

オレと京子に、影が差す。

あれ?

この時間、ここに影が掛かるなんて有り得ないんだが?

 

自然に影が差さないなら、この場所が暗くなる理由は一つしかない。

影の主が陽光を遮る位置に移動して来たから、だ。

 

「……どんな目に遭うか……興味があるかね?」

 

オレと京子を凍結させた声は、極度の怒りを無理矢理に抑えたせいでフルフルと震えていた。

 

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