スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

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〜科学の戦士編〜10

爺さんは、あの遺書擬きにもあった様に“異世界”に行く方法を確立していた。

オレのこの“義体”は普段使いの為の『人間態』とは別に、異世界にそちらの理で造られた『戦闘態』とも言うべき物がある……らしい。

“変身”する事で両者は融合し、この世界の常識を超えた存在になるのだ。

 

……なんかちょっと気持ち悪い気もするなぁ。

 

Materializing

Anydimension

X-ossover

SYSTEM

 

頭文字を取って……ていうか無理矢理な当て字から考えて、直感的に略称を考えてから辻褄を合わせようとして失敗したクサいが、この『MAXシステム』によってオレは改造人間と同等になったのだった。

 

「貴様……何者だ!」

 

震える手でオレを指差し、蜘蛛男が吠える。

人の事を指差すんじゃねぇよ。

 

「聞いてなかったのか?オレは、仮面ライダー……『仮面ライダーMAX』だ!」

 

オレの宣言に押される様に、蜘蛛男が跳んだ。

四本の腕で、同時に殴りかかる。

オレは二本を迎撃したものの、二本の腕の攻撃をモロに受けた。

4ー2=2

単純な算数だ。

よろけるオレを見て、蜘蛛男が快哉を叫ぶ。

 

「ハッ!紛い物め!武器が効かないなら直接叩けば良いだけの事。その無能なヒトの身体で、俺に勝てるとでも思っているのか?」

 

なるほど一理ある。

互いに存在の本質を異世界に移しているなら、その本体での直接攻撃なら普通に有効というワケだ。

格闘戦となると、オレは不利ではある。

 

 

だけど、な。

 

 

「そう、人間と獣じゃ勝負は見えてるよなーーーーガンセット!」

≪hand-gun set up≫

 

オレの意志に応えて、パーフェクターが“異世界から”拳銃を召喚転送した。

この武器もまた、二重存在だ。

つまりーーーー

 

銃口が火を吹く。

対物ライフルよりも弱装の拳銃弾は、しかし蜘蛛男の指を吹き飛ばした。

緑色の血潮が舞う。

 

蜘蛛男の悲鳴が上がるまでは、数秒のタイムラグがあった。

 

そっちと違って、こっちは文明の利器が使えるんだ。

“万物の霊長”と蜘蛛と、どっちが強いかなんて火を見るよりも明らかだ。

 

蜘蛛男が顎から糸を吐き出した。

やっぱりコイツぁ蜘蛛じゃなくて「蜘蛛に似た何か」だな。

蜘蛛は口から糸は吐かないし。

などと考えていると、銃に巻き付いた糸がオレの右手ごと銃を糸玉に変えてしまった。

 

「これで銃は撃てまい」

 

勝ち誇る蜘蛛男。

甘い、甘過ぎる。

オレは黙って右肘から先をパージした。

 

「ガトリング・アーム」

≪gatling-arm set up≫

 

オレの右腕にガトリング砲が召喚転送されるのを、蜘蛛男は呆然と見つめた。

回転を始める砲口を前に、息を飲む。

 

 

断末魔の悲鳴は、ガトリング砲の砲声にかき消された。

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