「ハッ!護衛用の改造人間が、純粋に戦闘用に調整された改造人間に敵うワケがねぇだろうがよ!」
ヒルコウモリは高らかに勝利を宣言すると、指の爪を伸ばして百合の両肩と両膝に突き立てた。
変身状態なら防げたであろう爪針は、簡単に百合の身体を貫通して地面に縫い付ける。
溶解液のダメージで精魂尽き果てた百合は、串刺しにされても弱々しく呻くだけだった。
ヒルコウモリが百合の貫頭衣を引き裂く。
露わになった裸身に、奴の長大な舌が踊る。
その股間に屹立するモノを見た瞬間、俺は突っ掛けていた。
勝機の有無とか、見捨てて逃げればチャンスがあるかもとか、余計な算段は頭に無かった。
ただただ、「奴に俺の電撃を食らわせてやる」という想いだけが渦巻いていた。
背後からヒルコウモリの左肩と右脇腹を掴み、出し得る全力の電撃を叩き込む。
しかしーーーー
「効くかよバ〜カ」
効果は皆無だった。
ヒルコウモリは上体を180°回して俺の頭を掴むと、手近な倒木に投げつけた。
衝撃に呻く間も無く、腹と胸に奴の爪針を食らう。
爪は再生可能で残弾無制限な上に投射可能か。
全く多芸な奴だ。
「無粋な邪魔しねぇで見物してろや、この女が生きたまま犯されながら食われる様をよぉ」
爪針は俺の心臓こそ外していたものの、肺を含む重要器官を刺し貫いていた。
致命傷だ。
喉奥から熱いものがせり上がり、俺は真っ赤な血を吐いた。
ヒルコウモリは俺がまだ生きている事を確認してから、百合の腿の間に陣取る。
戦闘による興奮に性的興奮が重なり、半ば正気を失っているかの様だ。
勝利の余裕からか、奴は唐突に昔語りを始めた。
「何年前だったか、教団の内情を嗅ぎ回ってたブン屋も、こうして犯して食ったっけなぁ」
恍惚と語る内容に、俺の血が引いていく。
……まさか、この野郎……
「三崎ユリ子……」
「あぁ?」
「三崎ユリ子を殺したのは、手前ぇか?」
「なんだ?お前、あの女のイロ……は、歳が合わねぇか。身内か?」
奴の嘲笑が、俺の体温を下げる。
「三崎ユリ子を殺したのは、手前ぇか!」
「ケヒャヒャヒャヒャヒャ!図星か!あれはいい女だったぜ、死ぬ直前にゃヒィヒィ言ってイキまくりでな、締め具合も内蔵の味も、今までで最高だったぜぇぇぇぇぇ!」
血圧の急上昇で毛細血管が切れたのか、俺の視界が赤く染まった。
憎いーーーー
奴が憎いーーーー
奴に改造人間の力を与えた教団が憎いーーーー
そして何よりーーーー
全てを知っておきながら、何も出来ずに死んで行こうとしている無能なクズ野郎ーーーー
ーーーー俺自身が、憎い!!
ブチッ
その時、俺の頭で何かが切れ、そしてーーーー
ーーーー何かが、繋がった。