スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

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〜怒りの戦士編〜7

俺は、知った。

 

百合やヒルコウモリが言ってた内容が実感出来た。

新しい自分の、何もかもが理解出来る。

理屈ではなく、本能で分かる。

 

俺は爪針もそのままに立ち上がり、奴に向かって走り出した。

身体を貫通して倒木に刺さっていた針が、反対側から抜け出る。

 

「コイルアーム!」

 

俺の念が、俺の腕を変質させた。

表皮が捻れ、硬質化する。

再び奴の背後に立った時、俺の両腕は“指先から肘に至るまでを鋼線で巻いたかの様な”異形になっていた。

あらん限りの力を掻き集めて、奴の胴にフックを叩きつける。

 

やはり上体を180°曲げてこちらを見たヒルコウモリは、俺の腕に危険な何かを感じて爪で拳を迎撃した。

いや、迎撃しようとした。

無駄だった。

爪針を難なく砕いた俺の鋼拳は、ヒルコウモリの脇腹に刺さると確かな手応えと共に吹き飛ばした。

 

「グヘァッ!」

 

吐瀉物を撒き散らして転がるヒルコウモリをよそに、俺は百合の傍に膝を突いた。

奴の溶解液は百合の素肌までは溶かしてはおらず、白い肌にケロイド等は無かった。

下手に抜くと出血がヤバそうなので、四肢を貫く爪針には手を出さない。

 

「晶様……御理解、出来たんですね」

 

百合が声を掛けて来た。

声は弱々しいが、意識はハッキリしているようだ。

 

「手間、掛けたな……もう少しだけ待ってろ」

 

俺が立ち上がると、ボディブローのダメージから回復したヒルコウモリも起き上がった。

先刻までの勝者の余裕は、無い。

なんせ怪人態の改造人間が、同じ改造人間とはいえ人間態にダメージを受けたんだ。

ショックがデカいんだろう。

 

「お、お前……そ、その腕は、一体……」

 

答えてやる義理は無い。

 

「姉貴と……ツレが世話ンなったなぁ……礼と言っちゃあ何だが……たっぷりと地獄を見せてやるぜ!」

 

俺は左にやや前屈した姿勢で、両腕を重ねた。

左腕が上、右腕が下で腕組み寸前の態だ。

両腕に体内の電気エネルギーが集中するのが分かる。

上体を起こしざま、俺は左右の腕を擦り合わせる様にして両腕を広げた。

右腕は右上方へ、左腕は左下方へ。

 

「変身!」

 

これも本能の成せる業か、何故か一声叫ぶと、俺の両腕から迸る稲妻が全身を包み、轟音と共に天空へと抜けて行った。

 

そして、俺の変身は完了する。

真っ赤な装甲。

二本の角。

背中に垂れる白い帯状の触手。

鏡を見なくても、俺は俺がどんな姿に変わったのかも把握していた。

 

ーーーー鬼の武者。

 

俺の総身を巡る憤怒に相応しい“新たな俺”の姿に、俺は満足した。

 

 

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