スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

24 / 43
〜神子の戦士編〜2

私の名前は、アリス・ヴィンセント。

現世において魔と戦う、聖堂教会の滅魔闘士(デビルスレイヤー)だ。

 

退魔導師(エクソシスト)が魔ーーーー異なる世界からの侵略者ーーーーの精神体を相手にするのに対して、滅魔闘士は受肉して実体化した魔と戦う、荒事専門の暴力屋だ。

6歳の頃に教会から「滅魔闘士の素質あり」と判断された私は、他の候補生達と共に教会の育成施設に移され…………

 

 

ショッカーの襲撃を受けた。

 

 

魔に対して肉体的接触で相対する滅魔闘士は、彼等の尖兵たる改造人間の素体として有望なのだそうだ。

施設を襲った怪人は、私達を攫うか殺すかせよとの命を受けていた。

 

私達は襲撃者達に、或いは捕まり、或いは殺され、私を除いて全滅した。

 

私もまた怪人に捕縛され、正に万事休すといった状態に……

そこに颯爽と現れたのが、『仮面ライダー2号』だった。

彼は私と、間に合った数人の候補生を助けると、教会に送り届けてくれた。

 

彼との出会いが無ければ、私は助かったとしてもPTSDで引きこもりか、鉄格子付きの病院にお世話になっていただろう。

 

 

 

嫌な思い出のせいで寝汗は酷かったが、ライダーのお陰で目覚めは良かった。

私は熱いシャワーを浴びて修道服に着替えると、部屋の窓を開けた。

 

私の部屋は五階建ての教会の五階。

窓外には雑然とした東京の住宅街が広がっている。

清らかとは言い難いが、生気に溢れた空気を胸いっぱいに吸うと、私は窓から身を踊らせた。

 

急速に流れる景色。

落下によって生じる風が、シャワーで温まった身体を冷ます。

三階の窓の庇を蹴って、庭へ。

トンボを切って着地する。

直立して、深呼吸。

清廉な気を体内に巡らせると、意識と思考がクリアになる。

 

そのまま朝の体操代わりに太極拳の套路を練る。

私の日課だ。

足の運び、手指の稼働、身体の動きの全てをチェックする。

庭の地面には、私の套路の足捌きに沿ってあちこちに窪みが出来ていた。

 

太極拳といっても、私が習ったのは激しい動作を伴う陳式太極拳だ。

震脚を踏めば大地を揺らし、突きを打てば教会の窓がビリビリと震える。

これを合図に他のシスター達が起床するのが、ここの教会の朝の習慣だ。

 

「今朝も精が出ますね」

 

套路を終えて教会に戻ると、最古参の老シスターがタオルを片手に立っていた。

タオルを手渡しつつ、自分の額辺りを指差す。

身だしなみに厳格な彼女に、手落ちは無い。

つまりーーーー

私は自分の頭巾からはみ出した、蜂蜜色の長髪を掻き集めて頭巾に収めた。

 

「闘士様は皆の憧れなんですからーーーー」

「はい、身だしなみには気を付けます」

 

私はタオルを受け取ると大仰に敬礼をして宣言し、最後にペロリと舌を出した。

老シスターは苦笑して肩を竦める。

これもまた、この教会のいつもの光景だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。