スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

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〜神子の戦士編〜9

異世界の虫が保管されたプラントは、私とライダーとで全て破壊した。

 

どの様な企みだったかは知らないが、とりあえず挫く事が出来て良かった。

 

2号ライダーが潜入したルートを辿り、施設の外に出る。

と、そこには純白のスーツに身を包んだ、赤毛の青年が待ち構えていた。

その尋常ならざる気配に、私の全身が総毛立った。

 

この男、只者じゃない!

 

身構える私達を尻目に、青年は自然体を崩さない。

それだけ余裕がある、という事か。

 

「初めまして、仮面ライダー……と、その他一名くん。私の名はアポロカイザー。君達には特別に『カイザー』と略する事を許そう」

 

そう言うと、赤毛の青年アポロカイザーは優雅に一礼した。

礼にも一分の隙も無い。

流派は分からないが、達人であることは確かだ。

 

「余所者が無傷で出て来るところを見ると、どうやら施設は制圧された様だな」

「残念だったな。お前等の企みは、この仮面ライダー2号と仮面ライダーセラフが潰してやったぜ」

「ほう、そちらの白いのも仮面ライダーだったか。仮面ライダーセラフ……なるほど、覚えておこう」

 

覚えておく?

アポロカイザーの物言いには、引っかかる所があった。

 

「私達を、見逃すつもり?」

「私は、この計画の立案者でも責任者でもないのでね。仮面ライダーによる襲撃の噂を聞きつけて、件の戦士を見物に来ただけだ」

「せっかく来たんだ。見物だけじゃなく、実力も見て行ったらどうだ?」

 

2号の挑発に、空気が氷結する。

 

「ほう……」

 

アポロカイザーが目を細めた。

一瞬にして湧き上がった殺気が、私達を大地に縫い付ける。

マズい、このままでは……

 

だが、急激に膨れ上がった殺気は、消失するのも一瞬だった。

 

「やめておこう。疲れきった旧式のロートルと生まれたてのヒヨッコが相手では、私が楽しめん」

 

笑みさえ浮かべた返答に、私達は声もない。

見抜かれている。

2号の疲労も、私の未熟も。

 

「次に会う時までに、その牙に磨きをかけておきたまえ。少なくとも、私に狩り甲斐を感じさせる程度には、ね」

 

アポロカイザーは踵を返して数歩歩くと、周囲に溶け込む様に姿を消した。

姿だけでなく、気配ごと消失したのを確認して、私はへたり込んだ。

命拾いをした、としか言いようが無い。

徒手空拳“のみ”の勝負であれば、後れを取るつもりは無い。

しかし、異能の力を駆使しての戦いとなると話は別だ。

力の使い方を“識っている”だけの今の私では、彼に挑んでも万が一の勝ち目も無かっただろう。

 

私の横で、2号が一息つく。

極限状態であの挑発を行える胆力は、果たして見習うべきか否か……

 

 

ともかく、一件落着だった。

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