スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

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〜邪神の戦士編〜5

「エェェェイジィィィィィ」

 

僕の記憶の中で、舐め回す様な陰湿な口調で僕を呼ぶ声が蘇る。

かつて僕をイジっていた一部の生徒のリーダー格だった男だ。

確か……豪、とか言ったか。

周りに三人ほど、いつもの取り巻きを従えている。

挨拶代わりにラリアットだのチョークスリーパーだの喧嘩キックだのを仕掛けてくる様な連中が、何故だか気持ち悪いくらい爽やかな笑顔で、僕に話し掛けて来ていた。

背筋を怖気が走る。

 

「や……やぁ」

「久しぶりだなぁ神楽くん。今まで何処に行ってたのさ」

「え……いや、あの……」

「積もる話もあることだし、ゆっくり話せる所に行こうぜ」

 

強引に引こうとする手を、僕は体を入れ替えて外した。

一文字さんから習った柔道の、ささやかな成果だ。

 

「何をするんだよ神楽くん」

「……お前達……何者だ?」

「な、何を言ってーーーー」

本物のアイツ等なら、こんなに親しげに話し掛けたりなんかしない!僕は……イジられ役だったんだから」

「…………」

 

数秒間の沈黙。

再び口を開いた豪……に見える何者かは、先刻とは打って変わって粗暴な口調で取り巻きに当たった。

 

「ったく、誰だよ?『フレンドリーに行けば絶対コロッと騙される』なんて言ったのはよぉ!サッッッムいの我慢して“爽やか君”演じたのが馬鹿みてぇじゃねぇかよ!」

「そ、それはシザース様が……」

 

取り巻きの一人が言い切る前に、シザースと呼ばれた豪もどきが振り向きざまに腕を振った。

シザースの手が、取り巻きの頭を払う。

 

手が通過した跡には、何も残ってなかった。

 

頸部の切り口から、朱色の間欠泉が吹き上がる。

遠くでゴトッ!と、重いモノが落ちる音。

確認する気にはならなかった。

 

「それは俺が求めてる答えじゃねえ」

 

シザースの腕は、いつの間にか肘から先が巨大な刃物と化していた。

もう片方の腕も変化した片刃の直刀は、肘を合わせればハサミを形成するようだ。

だから『シザース』か。

目の前で異様な光景が広がっているのに、僕は何故か冷静に分析していた。

 

いともあっさりと身内を殺したシザースは、殺人に対する感慨など微塵も感じさせない様子で僕に話し掛ける。

 

「さて、と。神楽衛児くん、俺達と一緒に来てもらおうか?」

「い……嫌だ……」

 

気力を振り絞って拒絶の言葉を紡ぐ。

今や顔形も大型猫科の肉食獣となったシザースは、僕の拒絶に冷徹な声で応じた。

 

「それは俺が求めてる答えじゃねえ」

 

振りかぶりでもなく、無造作に振られる腕。

 

 

銀光が僕の頸に走った。

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