スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

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〜邪神の戦士編〜10

蟷螂男と相対した本郷さんーーーー仮面ライダーの戦いは、圧倒的だった。

 

とにかく、当たらない。

蟷螂男の両手の鎌も、蹴りも、噛みつきさえも完全対応してみせる。

しかも、自身の攻撃が有効打になっていないと見るや、蟷螂男の攻撃の軌道を逸らせて自滅させるという強かさ。

僕は蟹男と子供の喧嘩じみた泥仕合を繰り広げながら、本物の仮面ライダーの実力に魅入っていた。

 

自傷を恐れた蟷螂男の蹴りを、ライダーが受け止めたのが契機だった。

ライダーはそのまま蟷螂男の懐に飛び込むと、蟷螂男の首を腕でロックし、抱え上げる。

 

「衛児くん……いや、ダーク!合わせるぞ!」

 

ライダーは蟷螂男を持ち上げたまま、高速でスピンを始める。

僕はライダーの意図を汲めた。

 

「シャドウ・グラップ!」

 

再び影を繰り出し、今度は敵に巻き付かせた。

影はスルスルと蟹男の身体を登り、首に到達すると頸部を圧迫する。

蟹男は首を掻きむしって抵抗したが、二次元体である影を掴める訳もなく。

僕は混乱する蟹男の隙を突いて組み付くと、ライダーを習って担ぎ上げ、同様にスピンした。

戦場に、二つの竜巻が現出する。

 

「ライダー、きりもみシュートオォ!」

 

ライダーが蟷螂男を投げた。

回転力を維持したまま風を纏って上昇し、落下する。

 

「ハッ!投げ技なんぞで改造人間がダメージを負うものかよ!」

 

シザースは僕等を嘲るが、ライダーに野次は届かない。

 

「今だ!」

 

ライダーの合図に、今度は僕が蟹男を投げ飛ばした。

技が生み出した気流に合わせて、ライダーが跳ぶ。

 

回転しつつ落下する蟷螂男と、回転しつつ上昇する蟹男の軌道は、全く同じだった。

当然、両者は空中で激突する。

シザースは投げ技なんか効かないと嘲笑ったが、これなら当たるのは地面ではなく味方の身体だ。

互いに体当たりを仕掛けるようなもの。

であれば事情は違ってくる筈だ。

 

激突!

 

蟷螂男と蟹男は血霧を吹いた。

その外殻にもビシビシと亀裂が入る。

その間に、ライダーは二人の上方に跳んでいた。

ビルの非常階段の底裏を足場に蹴り、二人の手負いに迫る。

 

「ライダー、反転キィィック!」

 

ライダーの飛び蹴りは蟷螂男の背中にヒットし、衝撃を蟹男にまで伝える。

二人の甲殻は、最早装甲の用を成していなかった。

 

ライダーの蹴りで落下速度を増す怪人達。

その落下点に控えるのは、勿論僕だ。

 

「やれ、ダーク!」

 

ライダーが叫ぶ。

やらいでか!

僕は両足を踏ん張り、右拳に意識を集中した。

心臓から溢れる闇を、右腕に溜めるイメージ。

 

「ライダァァァ、パァァァァンチ!」

 

渾身の一撃。

僕は二人の怪人の体表/体裏四枚の装甲を打ち貫き、爆散させた。

 

一息ついて辺りを見回すと、シザースの姿は何処にも無い。

撤退したのだ。

 

僕はライダーとハイタッチを交わすと、今更ぶり返してきた恐怖に腰を抜かすのだった。

 

 

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