スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

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〜科学の戦士編〜7

採石場のかなり手前で、オレはクルーザーから降りた。

クルーザーに封印されていた能力の一つ、『遠隔操縦』を使って現地から引き離す。

 

クルーザーの“隠し機能”は、この遠隔操縦に加えてもう二つ。

それを駆使すれば、人質の救出くらいは成功するだろう。

後は、オレ次第……か。

 

オレは両手で頬を張ると、採石場に歩き出した。

 

 

再びかかって来た電話に誘導されて辿り着いた採石場の奥には、研究所で会った女とは別のMIB気取りの野郎が三人と、黒いコートに禿頭の巨漢、何故か十字架に縛り付けられた京子が居た。

黒服がそれぞれ抱えるゴツいライフルは、対物ライフルか。

さすがのオレも、あんなので撃たれちゃヤバいな。

 

しかし!何より!

 

京子の胸を搾り出すように縛る連中の緊縛術に、オレは感動した。

 

「グッジョブ!」

「グッジョブじゃないわよ馬鹿ぁ!」

 

連中よりも早いツッコミが京子から入る。

流石だな、京子ちゃん。

 

「よく来た。ではデータを渡してもらおう」

「そりゃ構わんけどさ。肝心の爺さんをどうこうせんで良いのかよ?データだってバックアップ取ってるかもだぜ?」

「我々が欲しいのは、『博士がどこまで知っているか』だ。さぁ、データをよこせ」

 

クルーザーはまだ所定の位置に着いてない。

ここは素直に応じてやるか。

オレはチップを投げた。

連中からは少し離れた位置を狙ったのだが、チップは途中で軌道を変えてハゲの手に収まった。

糸……か?

 

「これでお前達に用はなくなった」

「なら京子ちゃんを解放して帰らせてくんない?観たいテレビがもうすぐ始まっちゃうんだよ」

「確かにお前達を殺す必要も攫う必要も、我々にはないな」

 

お?意外と好感触。

 

「だが、生かしておく必要もまた、我々には無い」

 

チッ、ヌカ喜びさせやがって。

だが、これでクルーザーは配置に着けた。

 

「んじゃ、オレとしては精々抵抗させてもらおうかな」

 

黒服達の銃口が、一斉にオレを向く。

オレは余裕たっぷり、自信満々に胸を張った。

 

「オレの必殺技を、とくと観やがれ!」

 

オレは天を指差し、一声放つ。

 

「あっ!あれは何だ⁉︎」

 

 

 

 

シーーーーーーーーーーン

 

 

 

 

遠くで鳶が鳴いた。

一瞬で凝固した空気が重い。

 

「この…………大馬鹿ぁぁぁぁ!」

 

一番最初に立ち直ったのは、京子だった。

やはり彼女はツッコミやらせると最強だなぁ。

禿頭は声を立てて笑った。

黒服達も爆笑こそしないものの、目に見えて銃口が震えている。

 

(よし、降下開始!)

 

「何だよ、一人くらい引っ掛かっても罰は当たらんだろうに」

「こんな子供騙しに引っ掛かる馬鹿が、この世に居るとでも思っているのか?愚か者め」

「正直者は馬鹿を見る、か。だけどなぁ、たまにゃ素直に生きた方がいいぜ。特に……こんな物が降る日はな!」

 

言われた連中が頭上を振り仰いだ時には、既に回避出来る状況ではなかった。

 

黒服達の中でも京子を縛り付けた十字架の前に居た二人は、“上空から落ちてきた”クルーザーの下敷きになった。

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