スーパー特撮ヒーロー大戦   作:ウェステール

8 / 43
〜科学の戦士編〜8

隠し機能の一つ、飛行能力で上空数百メートルに待機していたクルーザーは、自重と重力加速度で黒服二人を無力化し、対物ライフルを潰した。

もう一丁!

 

「クルーザー、stand up!」

 

オレからのコマンドを受信して、クルーザーが“変形”を始める。

車体下部のアームが畳まれて前輪/後輪が脚に。

車体はシートを軸に折れ、シート後部が腰部に、通常のバイクのタンクに当たる部分が胸から腹に、カウル部分が頭部に変わる。

タンク部の下に折り畳まれていた腕部が展開すると、クルーザーは人型のロボットになった。

 

クルーザーは残った黒服のライフルを掴むと、空いた手で黒服を殴り飛ばし、ライフルをオレに投げる。

オレがライフルを禿頭にポイントするのと、クルーザーが十字架ごと京子を確保するのは同時だった。

 

「ヘイ大将、形勢逆転だぜ♪」

 

オレの不敵な笑みを前に、しかし禿頭は不敵な笑みで返してきた。

頭でもイカレたか?

 

「なぁ、戦車吹っ飛ばすようなライフルが狙ってるんだぜ?命乞いしろたぁ言わないが、ちょっとは焦ったらどうよ?」

 

クルーザーが京子をオレの下に運んで来る。

奴に手は無い……筈だ。

 

次の瞬間、禿頭のコートが風も無いのにざわめき出した。

 

「撃ってみろ。俺は構わんぞ」

 

その自信満々な様子に、オレの背筋を悪寒が走った。

思わず、引き金に掛かった指に力が入る。

それでも照準は腹から腕に変えた。

隻腕になってもオレを恨むなよ。

 

轟音。

 

禿頭の腕は吹き飛んだ。

 

 

コートだけが。

 

 

コートの下の奴の腕は、甲虫を思わせる甲殻に覆われていた。

その甲殻が、対物ライフルの弾丸を受け止めていた。

 

……嘘だろ?

 

「地獄を……見せてやろう」

 

コートの背中を突き破って、同様の甲殻を持つ四本の腕が生えた。

頭皮を脱ぎ捨てた下から現れたのは、顔の半分も占める巨大な複眼と、顎。

ボロボロになった服を千切り捨てると、禿頭は蜘蛛を思わせる化物となっていた。

 

なるほど、コイツが改造人間という奴か。

オレは今度は蜘蛛男の頭を狙ってライフルを撃った。

弾丸は蜘蛛男の複眼で潰れる。

 

「こいつぁ笑うしかないなオイ」

 

ここまで、爺さんの研究とのズレは無い。

後はオレに隠されていた能力が通用するか否か、か。

オレは蜘蛛男から視線を逸らさず、クルーザーによって十字架から解放された京子に声を掛けた。

 

「京子ちゃん。オレさ、とうとう見付けたぜ」

「見付けた?何を?」

「『仮面ライダー』だよ。今、会わせてやるよ」

 

オレはライフルを捨てると、左腕を眼前に掲げた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。