篠澤広のプロデュースは、ままならない   作:味のないお茶

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第十四話

 第十四話

 

 

 

 お昼ご飯を食べ終わったあと、俺と篠澤さんは水を飲みながら少しのんびりした時間を過ごしていた。

 何だか色々なことがあったから、心を落ち着ける時間が欲しかった。

 

「ねぇ、プロデューサー。この後は、なにをするの?」

 

 首を傾げてそう聞いてくる篠澤さん。

 俺は考えていたプランを話すことにした。

 

「はい。この後は『メダルゲーム』をやろうと思ってます」

「メダルゲーム……聞いたことがあるね。メダルを入れて、落としたりするもの、だった?」

「そうですね。あとはスロットとかポーカーなんかも出来ます」

「へぇ、そうなんだ。メダルがお金の代わりになる。そんな感じかな?」

「そうですね。最初にお金を払ってメダルを買ったあと、そのメダルを使って遊ぶ感じです」

「楽しそう。早速行ってみようよ、プロデューサー」

「はい。それでは三階に向かいましょう」

 

 話をまとめた俺と篠澤さんは、ゴミを片付けた後に、エレベーターを使って三階へと足を運んだ。

 

 アミューズメントパークの三階は、全てメダルゲームのフロアになっている。

 そこには定番の『メダル落とし』や『スロット』や『ポーカー』があるのと、本来なら十八歳未満は遊べない『パチンコ』や『パチスロ』なんかもあった。

 

「へぇ……いろいろなゲームが、あるんだね」

「そうですね。まぁここで一日過ごせるくらいのキャパシティはありますからね」

「ねぇ、プロデューサー。私、あれがやって見たい」

 

 そう言って篠澤さんが指を差したのは、『競馬のゲーム』だった。

 

「意外ですね。篠澤さんならメダル落としとかをやると思いました」

「それだと『期待値』とかを考えちゃうからね。純粋に楽しみたい」

「なるほど。ではメダルを買ってきますね」

 

 俺はそう言って、メダルを購入する機械の所へと来た。

 値段設定は1000円で100枚。3000円で500枚。500円で1000枚だった。

 まぁここは妥当に5000円分だよな。

 ちまちま買って、無くなっても馬鹿らしいし。

 

 俺はそう思って五千円札を機械の中へと入れた。

 そして1000枚のメダルをが容器の中へと入っていくのを眺めていると、篠澤さんが隣にやって来た。

 

「プロデューサーにだけ、お金を出させるのは、申し訳ないかな」

 

 篠澤さんはそう言うと、二千円を俺に渡してきた。

 

「これ以上は、受け取ってくれない。でしょ?」

「……そうですね。でもまぁ受け取らないと篠澤さんも気にするでしょうしね」

「ふふふ。わかってるね、プロデューサー」

 

 俺は篠澤さんから受け取ったお金を財布にしまい、出てきた五千円分のメダルの内、半分を篠澤さんに渡そうとして……辞めた。

 

「……絶対落としますね。俺が持ってます」

「……ふふふ。本当にプロデューサーは……わかってる」

 

 こうして購入したメダルを持って、俺は篠澤さんと一緒に競馬ゲーム所へとやってきた。

 ここではちょっとした良い椅子に座って、お気に入りの馬にメダルを掛けて、レースで勝てばメダルが貰える。そういうシステムだ。

 

 だけど、この『良い椅子』ってのが問題でもあり、たまにここで『寝てる人』なんてものもいたりする。

 

 まぁ深夜帯でもないから、そういうマナー違反みたいな人は居ないから大丈夫だろう。

 

 そして、俺と篠澤さんは二人で隣合って席に座った。

 

「……うーん。このゲームは少しやって、終わりでも良いかな?」

「……え。何でですか?」

 

 俺はそう言って篠澤さんに問いかけると、彼女は少しだけ不服そうに、椅子と椅子の間を指さした。

 

「隙間が広い。これじゃあプロデューサーと、触れ合えない」

「……そういう場所じゃないんですけど」

「一緒に居るのに、離れてるような気分になる。だから嫌」

「……わかりました。それじゃあアレはどうですか?」

 

 俺はそう言って『モンスターをハンターするメダル落とし』を指差した。

 

「あれなら『運要素』も強いですし、何より隣合って座りますからね」

「うん。その方がいいね」

「まぁでもせっかくです。競馬ゲームもやってみませんか?」

 

 そろそろレースが始まる。

 せっかくだから一回くらいはやってみたいと思ってた。

 

「そうだね。せっかくだから賭け事を経験してみよう、かな」

「……滅多にない機会。ですからね」

 

 こうして俺は1番人気に10メダル分。

 篠澤さんは大穴三連単に10メダル分を掛けて、レースが始まった。

 

 まさかこのレースが大荒れで、篠澤さんの三連単が大当たりするとは、この時は夢にも思っていなかった。

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