?『 ウフフフフ……』
人形達と睨み合いが続く。
ここは先手必勝か?
影「取り敢えず動きを封じさせてもらうぞッ!『 影捕縛』ッ!!」
俺の影から出てきた数本の影の紐が人形達に襲いかかる。
?『 ウフフフフッ!』
人形達は身体の小ささを活かした機敏な動きで俺の影を避けていく。
ボスっぽい人形はマイクを口(?)に近づけて――
?『 ギャァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!』
影「がぁあッ?!」 ドスンッ
えげつない声量と共に衝撃波を放ってきやがった。
俺は吹っ飛んで黒板にぶつかる。
?『 ワタシノウタイーデショ?』
影「あ?……クソ音痴だな、俺の方が圧倒的に上手い」
?『 ムムゥ!ナラ、モットキカセタゲルッ!』
人形はマイクを口に近づける。
影「させるか!!」
俺は起き上がって影をムチのようにして攻撃する。
?『 ムゥー!ジャマッ!』
攻撃キャンセルには成功した、が今度は部下人形達が俺の周りを囲む。
ギィイィィィ! ドンッドンッドンッ! プァアァァァ!
影「ぐがぁっ!!」
部下人形達はそれぞれ持ってる楽器を鳴らす。勿論ボス人形ほどでは無いが衝撃波付きだ。
影「くそッ!まずいなこれ」
着々と体力が削られてきている。このままじゃ黒幕に辿り着く前にゲームオーバーだ。
……あー、こんな事ならもっと修行しときゃ良かったな。今更反省しても遅いが。
なんて考えてるとふと昔の記憶が蘇ってきた。
――過去の記憶――
?「御影様、霊術において大切なのは何だと思いますかな?」
影「んー? 霊力じゃないの?」
?「霊力も必要不可欠ですな、しかし不正解でございます」
影「えー、答えは何?師匠」
師「答えは想像力でございます」
影「想像力?」
師「霊術は想像力次第でどのような技にも変化させることが出来ます。戦いにおいて大切なのはどのようにして相手の意表をつくか、どのようにして相手を欺くかでございます」
影「ふーん……」
―――――――――――――――――――――――
今なら師匠の言っていた事も理解出来る。
影「お前ら一緒に歌いたい、とか言ってたな……」
?『 ン?』
影「じゃあ歌ってやるよッ!」
俺は喉に霊力を溜めて声と共に放つ。
影「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!」
?『 キャアアアァアッ!』
名付けるならば『 影咆哮』ってな……そのまんまだが。
部下人形達は完全に動かなくなったが、ボス人形はギリギリ動けるみたいだな。
影「おい、お前らの主は何処にいる?」
?『 …………ァ……ア……あー、聞こえるかしら?』
カタコトの人形の声じゃない。人形から人間の声が聞こえてきた。
?『 貴方は私の可愛い人形を倒した……つまり、私のショーを見る権利を手にしたという事』
影「? どういう事だ」
?『 体育館に来なさい……全てが分かるわ……』
言いたいことは言ったのか人形は完全に動かなくなった。どうやら次の目的地は体育館らしい。
影「皆も無事だといいがな……」
俺は異変を終わらせるため、体育館へと向かった。