かまてん一口短編集   作:ゆずっこ

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141話 邂逅 のIF的な感じです。



『クラムの前でグチャトロにしてやろうねぇ^^』

 

「……あと少しで、執行官が犯人を捕まえてくれるから」

 

 クラムは身体を密着させて僅かに甘えるような仕草をするソルシエラに少しばかりの興奮を抑えながらもそう彼女に、そして自分にも言い聞かせる。

 天使がいつ襲いかかって来るか分からないこの状況。警戒を怠らずに、本調子では無い彼女に良くなって欲しいという一心でいち早く自体の収束を願っていたのだが……

 

 

 突如、ソルシエラの傍に魔法陣が展開される。

 

 

 

 この魔法陣は……そうだ、あの忌々しい0号が召喚された時の物と────

 

「ああ、愛しきマスターよ。このような姿になっても美しい……いや、こんな姿だからこそ美しいとでも言うべきか」

 

「なっ、0号!?」

 

 現れたのは予想通り、膝をつき顔色の悪いソルシエラとは対照的に頬を赤く染めて艶美な表情を浮かべた0号であった。

 

「お前……どうしてここにッ!」

 

「ふむ……なぜ君がそこまで私を目の敵にするのかが分からないな。そこの伸びているやつ────トウラクと言ったかな? 私はマスターにそいつを止めるために協力してやったというのに」

 

 人吞み蛙を召喚した私に対してあっけらかんと、しかし口元に大きく弧を描くような表情でそう言い放つその姿からは、こちらをどこか煽っているように感じられた。

 

「さて、どうしてここに来たのかという質問に対する答えだが……答えは1つ、代償を貰うためだ」

 

「そんな、代償はもう払っているはずでしょ!?」

 

 ソルシエラはトウラクを救うための代償として、あの時から今までずっと苦痛に苛まれていたはずだ。

 

 またしても代償を必要と言いたいのだろうか……?

 

「ああ、これのことか。頭金のようなもの、とでも言えば伝わるかな?」

 

「このっ…!!!」

 

 随分と舐めたことを言うやつだ。これ以上ソルシエラを好き勝手させてたまるものか。

 

「マーちゃんズ!!」

 

 人吞み蛙を0号に向かわせて爆破しようとする。

 が、0号は鎌を軽く一振することでマーちゃんズを全て破壊してしまった。

 

「邪魔だねぇ、一度殺してしまおうか……」

 

「だめ…その子は……!」

 

 今にも倒れそうなほどの苦しみを受けてもなお、私たちの会話を聞いていたのだろう。

 ケイはなんとか絞り出すような声色で私を庇おうとする。

 

「ソルシエラ! 無理しないで!!………ぐっ!」

 

 このままでは不味い。

 ケイのもとへと駆け寄ろうとしたその時、特徴的な銀色の鎖によって身を縛られてしまった。

 

「その通り。無理は禁物というものだ、マスターよ」

 

「クラムを、離して……っ!」

 

 幸いなことに今は領地戦の真っ最中、死んでしまっても生き返ることができる。

 

 ────だがケイの場合は死よりも辛い辱めを受けさせられることになるだろう。

 

 そんなことがあってはいけない。なんとかしなければならない。なんとかしないといけないのに……!!

 

「良いことを思いついた。マスターよ、そこでただわめくことしかできない凡骨────クラムの目の前で代償を頂こうか」

 

 0号は純粋な子供が新しい遊びを思いついたかのように、軽い声色でそう告げる。

 

「そんな…! それだけは……!!」

 

 ケイは悲壮に満ちた声色で拒絶の意を示すが、0号は何も動じることはなく、そっと背中と頭に手をかける。

 

「クソッ…この野郎!! やめろ!!」

 

「やめる訳が無いねぇ! 君はせいぜい指でも咥えて私たちが愛し合う姿を見ておくが良いさ!!」

 

 そしてそのまま、軽いものではあるが0号とソルシエラは口付けを交わした。

 

「マーちゃんズッッッ!!!!!」

 

 プツリと何かが切れたような感覚の後、無意識のうちに口が開いていた。

 

 手足が動かなくとも、人吞み蛙は動かせる。

 今までとは比べ物にならないほど覇気のある声で叫ぶように放たれたその言葉により、新たに召喚された人吞み蛙は0号へと向かう。

 

「君も懲りないねぇ。せっかく特等席を用意してやったのだから、甘んじて受け入れれば良いと言うのに」

 

 こちらに振り返った0号は、まさに余裕綽々といった様子でまたしても一振りで全ての人吞み蛙を破壊してしまう。

 

 

 

「ではマスター、続きをしようじゃないか」

 

 先程の口づけとは比べ物にならないであろう深い"続き"を求め、0号はソルシエラへと向き直る。

 

 

 ────その瞬間、ソルシエラの目元から一筋の光が流れていることに気づいた。

 

 

「ケイッ!!!!」

 

 逃げて、と伝えたかったのだろうか。助けを呼んで、と言いたかったのだろうか。叫んだ理由は自分でもはっきりしない。

 

 しかしこの状況においては、何もできずに目の前にいるケイを見つめるだけの自分にこれしかできないのだと、直感的にそう感じた。

 

 

 そのまま、0号はケイを抱きかかえたまま押し倒す。

 

「ふふ。楽しみで仕方がないなぁ……本番はここからだ」

 

「……」

 

 ケイは抵抗するそぶりも見せず、表情は変わらないまま0号の情事を受け入れるのみ。

 

 0号はそんなケイを嬉々として抱きしめ、一方的に深く、貪るようなキスをする。

 

「マーちゃんズッ!」

 

「はぁ。その手はもう見飽きた」

 

 せめてもの妨害として爆破を試みるが、こちらを一切見ることなく対処されてしまった。

 

「この子がいつもどんな気苦労をしてると思ってんだ……!お前さえっ、お前さえいなければっ!!!!」

 

 みんなのために人知れず、孤独に戦う少女がなぜこれほど酷い目に会うのだろうか。

 

 これは決して同情なんかじゃない。

 共に戦い、助け合いたいという純然たる想いだった。

 

「クラム、いいの。これは私が選んだことだから」

 

 ケイはこれが仕方の無いことだと受け入れているのだろう。

 

 だからこそもどかしい。ケイを────大切な人を救えない今の自分が。

 

 執行官ほどの力があれば、Sランク探索者ほどの能力があれば、2人を引き離すことができるかもしれないのに。

 

 しかしそんな力が都合よく突然与えられることなどない。

 

 無力を思い知らされるばかりの私は、されるがままのケイをただ見つめることしかできなかった。

 

 

「ケイ……ごめんなさい。私がもっと強かったなら、貴女にこんな思いをさせずに済んだかもしれないのに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 かま転☆10000、おめでとうございます!!!
 これからも二次創作、もとい怪文書を製造しながら応援を続けていきますよ!!



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正直、この場面でネームレスちゃんが来ないなんてことはありえないんですよね。
ソルシエラに激重感情を持っているであろう彼女ならば絶対に来る、来なければおかしいんです。
と、この話に関しては自分でも解釈違いだと思い続けている次第なのですが、それでも0号がソルシエラをグチャトロにする展開と言えばここしか思い付かないという私の想像力の貧しさをお許しください。
あと個人的にはクラムちゃんの口調も気になるところなんですよね。
敵認定した相手には口が悪くなるというのは自明の理ですので、この場面だと0号に対して敵意剥き出しになるのは間違いないと思うんです。
ただ私の場合、クラムちゃんがどのくらい口が悪くなって行動にも反映されるのかちゃんと理解出来ていないんですね。
ミステリアス美少女への理解もなく、クラムちゃんへの理解もないという目的地にたどり着けるかわからないような道無き道を確証もないのに大股で堂々と突き進むような理解度でかま転二次を書いている次第でございます。
原作の本編だけでも十分キャラクターの掘り下げがなされているのは言うまでもありませんので、やはり私の不徳の致すところでしょう。全然キャラクターへの理解が足りていません。
ということでかま転もう一周してきます。






 それとは別のお話なのですが、クラムちゃんは大変素晴らしい存在だと思いません?
 ヒカリちゃんを真似て明るく振舞っていた浄化ちゃん時代から、めちゃくちゃ重くてシットリとした感情をケイ君に向ける現在に至るまで、全てが輝きに満ちていると思うのです。
 なんの輝きかって?そりゃもちろん美少女としての魂の輝きのことですよ。
 話を戻しまして、クラムちゃんと言えば幼なじみのヒカリちゃんとは切っても切り離せない関係にあるんですよね。
 短いようで長い幼少期を2人は共にして来たことから、クラムちゃんはヒカリちゃんに激重感情を持っているはずなんです。
 子供っぽいだののんきだの口では言っても間違いなく心の奥底では一緒にいれて嬉しい、または安心するという思いがあるはず。
 きっとその明るい性格に救われたことは一度や二度では済まないことでしょう。



 だからこそプロフェッサーにヒカリちゃんを取られた時には深く絶望したはずなんですよね。
 美少女の輝きを持たないような輩が美少女の体を乗っ取り、あまつさえそのまま怪しい実験を繰り返す。

 当然ながら、クラムちゃんは大切な幼なじみにそんなことをしたプロフェッサーと、そんなプロフェッサーを放っておく騎双学園に対して強い怒りと失望が生まれたはずです。

 いやぁ~~~~~、その時の表情を直で見たいな~~~~~~~
 絶対にただでは置かないという激しい怒りと、自分1人でなんとかできる問題では無いということへの悔しさに満ちたその表情を!!
 1回過去に飛んでその光景を見てみたいですよね。ケイ君なら時空間を逆行するくらい余裕でできそうですし、お試しでやってくださらないでしょうか。出張ソルシエラ曇らせ鑑定団みたいな感じで。


 まあそんなことはさておき、ヒカリちゃんがソルシエラによって蘇ったあとの話に移りますね。
 クラムちゃんがソルシエラに激重感情を持ち始めたのは恐らく91話の報恩フロッグ辺りからだと思うんです。
「一方的に助けられるだけの関係にはなりたくない」「私でもソルシエラを助けられるようになりたい」こんな気持ちを持ち始めていたのはこの頃だったんじゃないでしょうか。
 では実際にその気持ちがすくすくと育った激重感情を発露させたのがどこかと言えば、119話 暗雲なんですよね。
 ソルシエラはいつまでも自分のことを一方的に守る対象だと思っている。しかしクラムちゃん的にとってはその状況が大変不満なんです。
 だからこそ、あの行動は自然に出たんだと思います。
 ソルシエラの手首を握り壁に押し付け、そのまま壁ドンをする。

 この超絶完璧スーパー伝説的クラソル展開に全世界の美少女好きが狂喜乱舞したはずです。
 私の個人的かま転
 そして現在2025年4月5日時点での最新話、321話でのクラムちゃんなのですが、やはり今までとも負けず劣らず素晴らしい強かさと輝きを放っております。

『理解者』美しい響きですよねぇ。幼なじみを救ってもらった恩……いえ、フェクトムの初心者ダンジョンで出会ったその日からソルシエラを追いかけ続けてようやく得たその地位。クラムちゃんにとてもよくお似合いだと思います。0号は皮肉として言ってましたけどね。

 いやぁ~~~でもそんなこと言ってる0号もまた全てを見下した傲慢さが濃厚なクラソルを引き立てていて……と、0号についてまで語り始めたら余白が足りなくなりそうなのでここらであとがきは終わりにします。

 クラソルは良いぞ。ゼロソルも良いぞ。リンソルも良いぞ。
 ソルシエラに関する全てを私は甘んじて受け入れ、愛します。
 本編が完結し、全てのカップリングを把握することができたのならばそれら全てについても深く語りたいですね。
 個人的には六エイかエイ六かはっきりさせたいものです。


 長々とここまで読んでいただきありがとうございました。

 そして何より、ここまでかま転を連載し続けてくださっているる不破り大先生にも最大級の感謝を……
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