ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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本家と変わらない部分は飛ばし飛ばしになっている部分があります
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第八話 アルテミス

ガモフの更衣室

アスランを壁に叩きつけるイザーク

 

「貴様ぁ!どういうつもりだ!お前があそこで余計なマネをしなければ!」

「とんだ失態だよね。アンタの命令無視のお陰で」

 

本来なら勝てていた筈の戦いだった。だがアスランの独断で捕獲をしようとした結果、相手に逃げられただけでなく、自身の機体に損傷を負わされる事になった。イザークとディアッカにとっては屈辱的な結果となった。

 

騒ぎを聞いたニコルが部屋に入ってくる

 

「何をやっているんですか、やめて下さい!こんなところで」

「4機で掛かったんだぞ。それで仕留められなかった。こんな屈辱があるか!」

「だからと言ってここでアスランを攻めても仕方ないでしょ!」

「・・・チィ!」

 

イザークとディアッカが退室する

 

「アスラン、貴方らしくないとは僕も思います。でも」

「今は放っておいてくれないか。ニコル」

 

暗い顔をしたアスランが退室する

 

「クソ!キラ・・・セナまで・・・」

 

アークエンジェルの格納庫

 

「おーい、ほら、坊主!」

「どうした?」

「いや〜中々坊主が出てこないんで」

「おやおや・・・おーい何やってんだ、キラ・ヤマト・・・ん?」

 

ストライクのコクピットで緊張が解けておらず動けないキラ

 

「ハァ、ハァ、ハァ」

「もう終わったんだ。ほら、もう出てこいよ。お前も俺もお嬢ちゃんも死ななかった。艦も無事だ。上出来だったぜ」

「セナも無事・・・良かった・・・」

 

プロトが帰艦して格納庫に入って来る

コクピットから降りてキラの元に行くセナ

 

「こっちのお嬢ちゃんは逞しいな」

「キラ!大丈夫?」

「ああ、坊主も俺も無事だぜ。お嬢ちゃんこそ無事で良かったぜ。よく頑張った」

「セナ・・・はぁー、良かった」

「大尉もお疲れ様です。さぁキラ、戻ろう。皆のとこに」

 

航行するアークエンジェル

 

「アルテミス、本艦の受け入れ要請を了承。臨検艦を送るとの事です」

「分かったわ。ありがとう」

 

ヴェサリウス内

 

「クルーゼ隊長へ、本国からであります」

「評議会からの出頭命令でありますか。そんな、アレをここまで追い詰めておきながら」

「ヘリオポリス崩壊の件で議会は今頃てんやわんやといったところだろう。まぁ仕方ない。アレはガモフを残して引き続き追わせよう」

「はっ」

「アスランを帰投させろ。修理が終わり次第、ヴェサリウスは本国へ向かう」

 

アークエンジェルの通路

 

「おーい、ちょっと良いか?」

「フラガ大尉?どうしたんですか?」

 

通路を通るキラを待ち構えてたムウがキラの肩に腕を回して話しかける

 

「ちょっと言い忘れてた。ストライクとプロトの起動プログラムをロックしておくんだ。君達以外、誰も動かす事の出来ないようにな」

「え?」

「二人で何話してるんですか、フラガ大尉?」

 

セナがムウとキラに近づく

 

「丁度いいや。お嬢ちゃん、今から坊主にストライクとプロトの起動プログラムをロックしてもらう。ロックの解除の方法、いざって時の為に坊主に聞いとけよ」

「何故そんなことを?」

「念の為さ。じゃあ頼んだぞ」

「あ、はい・・・」

 

ムウが去って行く

 

「何なんだろう・・・」

「さぁ?・・・とりあえず言われた通りにしよっか」

 

アークエンジェルがアルテミスに入港する

アークエンジェル内部にユーラシア連邦の兵士が突入し、制圧される

 

「何コレ?何なの、サイ?」

「フレイ落ち着いて。大人しくしておけば手荒なマネされない筈だよ」

「サイ、本当に?」

 

ユーラシア連邦の兵士が現れアークエンジェル内に居た人達を全員食堂に押し込め、マリューとナタルとムウを連れ出す

 

「ユーラシアって味方の筈でしょ?大西洋連邦とは仲悪いんですか?」

「そういう問題じゃねーよ」

「識別コードが無いのが悪い」

「それって、そんなに問題なのですか」

「どうやらね・・・」

「本当の問題は別のとこにありそうだがな」

「ですね・・・」

「やっと見つけた・・・今までどこに居たのよ」

「ニャアァ」

 

セナが猫を抱き抱えて食堂に入って来る

 

「おい貴様!猫なんて連れてくるんじゃない!というか何故軍艦に猫を入れる!」

「色々あったんですよ。それより誰かーこの子の飼い主いませんか?」

「おい、勝手に動くな!」

 

まさかの行動に出ているセナに困惑する一同

 

「おいおいあのお嬢ちゃん、肝座りすぎだろ・・・」

「セナ、その辺にして大人しくしててよ」

「何で?味方なんでしょ?ていうか何の集まり?親睦会でもする気?」

「そんな雰囲気じゃないだろ!いいから座れよ」

「貴様、いい加減に」

 

セナの舐め切った様な態度に苛つくユーラシア兵

 

「う〜ん、見つからないか・・・他の救命ポッドに乗ったのかな?」

「あ、ミャー子だ!」

「お!もしかしてこの子の飼い主?」

「うん。ミャー子は家の子だよ」

「良かったぁ。はい、もう逸れないようにね」

 

少女に猫を返すセナ

 

「ありがとう、お姉ちゃん」

「ミャアァ」

「よし。はぁ〜これで一件落着した」

「だったら早く座ってくれよ。こっちがハラハラするからさ」

「はいは〜い」

 

セナがキラの隣に座る

 

「何なんだこの女は・・・」

「ところでコレどういう状況なんです?何故連合同士なのにこんなピリピリしてるんですか?」

「アークエンジェルに識別コードが無い所為で所属不明艦として扱われているらしいんだよ、セナ」

「なにそれ。連合の制服着てるから連合所属って分かるでしょ?もしかして、ここの人ってすごいバカ?」

「何だと貴様!」

「その辺にしてくれ、お嬢ちゃん」

「怖いもの知らずなのかこのお嬢ちゃんは・・・」

 

アルテミス付近を回るガモフ

 

「傘はレーザーも実体弾も通さない。ま、向こうからも同じ事だがな」

「だから攻撃もしないって事?バカみたいな話だな」

「だが防御兵器としては一級だぞ。そして重要な拠点でも無い為、我が軍もこれまで手出しせずに来たが、あの傘を突破する手立ては今のところ無い。厄介なところに入り込まれたな」

「じゃあどうするの?出てくるまで待つ?」

「ふざけるなよディアッカ。お前は戻られた隊長に何も出来ませんでしたと報告したいのか?それこそいい恥晒しだ」

「・・・傘は常に開いている訳じゃ無いんですよね?」

「ああ。周辺に敵がない時までは展開させておらん。だが閉じているところを近づいてもこちらが要塞を射程に捉える前に察知され展開されてしまう」

「僕の機体。あのブリッツなら上手くやれるかもしれません。アレにはフェイズシフトの他にもう一つ、ちょっと面白い機能があるんです」

 

ガモフが反転して撤退する

 

「ミラージュコロイド、電磁圧チェック、システムオールグリーン。はぁ…テスト無しの一発勝負か、大丈夫かな?」

「しかし地球軍も姑息なものを作る」

「ニコルには丁度いいさ。臆病者にはね」

 

ブリッツがミラージュコロイドを展開して動き出す

 

「ザフト艦ローラシア級、離脱します。イエロー18、マーク20、チャーリー、距離700、更に遠ざかりずつあります」

「分かった。後はライズに任せる。引き続き対空監視を怠るなよ」

「はっ」

「どうだ?」

「それが、艦の方の調査は順調なのですが、モビルスーツの方が・・・」

「どうした?」

「OSに解析不可能なロックが掛けられていて、いまだに起動すら出来ないという事で、今技術者全員で解除に全力を上げているとの事なんですが」

「チィ」

「それにストライク以外のもう一機。アレは奪われた機体とも違い、事前情報が全く無い機体です」

「5機のGよりも極秘だと言うのか、アレが・・・」

 

アークエンジェルにガルシア達がやってくる

 

「この艦に積んであるモビルスーツのパイロットと技術者はどこだね?」

「パイロットと技術者だ!ここにいるだろ?」

 

立ちあがろうとするキラを抑えるマードック

立ち上がるノイマン

 

「何故我々に聞くんです?艦長達が言わなかったからですか?それとも聞けなかったからですか?」

「なるほど・・・そうか。君達は大西洋連邦でも極秘の軍事計画に選ばれた優秀な兵士諸君だったな」

「ストライクをどうしようというのです?」

「別にどうもしやしないさ。ただ、せっかく公式発表より先に見せていただける機会に恵まれたんだ・・・それでパイロットは?」

「フラガ大尉ですよ。お聞きになられたい事があるなら大尉にどうぞ」

「先程の戦闘はこちらでもモニターしていた。ガンバレル付きのゼロ式を扱えるのは、あの男だけだという事くらい私でも知っているよ」

 

ガルシアが近くにいたミリアリアを乱暴に掴み上げる

 

「キャアア‼︎」

「ミリアリア!」

「女性がパイロットという事もないと思うが、この艦は艦長も女性という事だしな」

「痛い!」

「やめて下さい!卑怯な!」

「坊主!」

 

キラを抑えるマードック

 

「何だきさへブゥゥ‼︎」

 

突如立ち上がりガルシアを殴り飛ばすセナ

ガルシアの手が離れ、倒れかけるミリアリアを抱えて支えるセナ

 

「お嬢ちゃん‼︎」

「貴様!何をしている!」

「大丈夫?ミリアリア」

「セナ・・・ありがとう」

「ほら、トールのとこに戻りなよ」

「うん、でもセナが」

「良いから、ほら」

 

ミリアリアをトールの元に戻すセナ

セナを囲み銃を向けるユーラシア兵

 

「ちょっと何してるんですか!相手は民間人ですよ!」

「やめて下さい!セナは」

「軍服を着ているでは無いか?それに彼女は私を殴り付けたんだぞ、このぉ‼︎」

 

セナに殴り掛かるが拳を躱され、背負い投げされる

 

「グワァァ!」

「私が貴方に殴られる筋合いは無いわよ。か弱い女の子に乱暴な事して」

「お前がか弱い訳あるか!」

 

後ろから襲う兵士を投げ、ガルシアを踏みつけて抑えるセナ

 

「さっきから失礼な態度の兵士ね。ユーラシアってのは上から目線しか出来ない頭お堅い連中しかいないの?マリューさんならもっと上手く聞き出せるけど?」

「何だと!」

「お嬢ちゃん、やめろ!もう抵抗するな」

「大丈夫ですよ。とりあえず謝って!そしたら私が付いて行ってあげるわよ」

「はぁ⁉︎貴様が付いて行って何だというんだ!」

「私がパイロットだからよ!」

「おい、セナ!何言い出すんだ!」

「貴様が?友達を庇う気だろうが、貴様の様な女が」

「どうせ動かせないから困っているってとこでしょ?起動出来ないんでしょ。当然よね。私がロックしたんだから。二つ共ね」

「何だと!」

「セナ!違う。ロックを掛けたのは」

「はい、キラは下がって」

 

キラに耳打ちするセナ

 

「良い?絶対にストライクのパイロットだと知られない様にね。コーディネイターである事も喋らないでね。私は大丈夫だから」

「セナ・・・」

「分かったわね?」

 

セナを庇おうとするキラを押し戻し、マードックに耳打ちする

 

「キラがコーディネイターだとバレない様にして下さい。ここは私が穏便に済ませます」

「おい・・・分かった。気をつけろよ、セナ」

「はい。頼みましたよ」

「チィ・・・来い!」

 

セナが連れ出される

 

「あ、セナ!」

「やめろ坊主」

 

セナを助けようとするキラを抑えるマードック

 

「離して下さいマードックさん!セナが!」

「あの子に考えがあるんだろう・・・今は言う通りにしておけ」

「でも!」

「お前が行ってどうなる?もしお前がコーディネイターだと知られれば最悪撃たれるかもしれんぞ」

「な・・・」

「セナはそれを危惧して自ら行ったんだ。姉思いなのはいいが、状況をよく見て動け。少なくともロックを外すまでは手荒なマネしない筈さ。今は待つんだ。良いな?」

「・・・分かりました」

 

セナが格納庫に連れられる

 

「OSのロックを外せば良いんですか?」

「まずはな・・・だが君ならもっと色々な事が出来るのだろ?」

「何がです?生憎ロックの解除と操作しか出来ないですよ」

「そうか?君とあの弟君はコーディネイターだろ?」

「はい?私達はナチュラルの民間人ですよ。何言ってるんですか?軍服は艦の手伝いで着せられただけで」

「その様だな。だがナチュラルの民間人が訓練された軍人を軽くあしらってパイロットも出来る筈ないだろ。コーディネイターだとすれば説明が付くさ」

「・・・それで何させる気なんです?」

「たとえば・・・コイツの構造を解析し、同じものを作るとか。逆にこういったモビルスーツに有効な兵器を作るとかね」

 

ガルシアの提案に呆れるセナ。ナチュラルとかコーディネイターとか以前に学生に何をさせる気なんだと、セナは目の前の相手が何を考えているか分からなかった。

 

「私はただの民間人だし学生ですよ。軍人でも無いのにそんな事させられる理由はありません!」

「だったらあの小僧にやらせても良いんだぞ?どんな理由でかは知らないが、同胞を裏切ったコーディネイターなんだろ?地球軍側に付くコーディネイターは貴重だよ。何心配することはない。君は優遇されるさ。ユーラシアでもな」

 

ミラージュコロイドを展開したブリッツの攻撃でアルテミスのリフレクターが破壊される

 

「管制室!この振動はなんだ⁉︎」

「不明です!周辺に機影無し」

「リフレクターが落とされました!」

「何だと‼︎」

「えい!」

 

セナがコクピット付近の兵士を蹴飛ばしコクピットを閉めて動き出す

 

「貴様!何勝手に動いている!」

「攻撃されてるんでしょ?私達がいがみ合っている場合じゃないでしょ!そんな事も分からないから簡単に攻められるのよ!この馬鹿!」

「何だと貴様!」

「話しは後!ほら邪魔!出るよ!」

「チィ!」

 

アークエンジェルから離れるガルシア達

グランドスラムを持ち、出撃するプロト

 




ここのキラはしっかりした姉がいる分、精神面が少し未熟です。
あとセナはキラがコーディネイターなのとキラより運動神経がある所為でセナもコーディネイターだと勘違いされる事が多くあります。
なので面倒な時は相手に話を合わせる時があります。今回はそのパターンでした。
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