ヴェサリウス内のシャトル前でラクス送迎の為に人が集まる
「残念ですわね。せっかくお会いできたのに、もうお別れだなんて」
「プラントでは皆心配しています」
「クルーゼ隊長にも、色々とお世話をかけました」
「お身柄はラコーニが責任を持ってお送りをするとの事です」
「ヴェサリウスは追悼式典には戻られますの?」
「さぁ、それは分かりませんが」
「戦果も重要な事でしょうが、犠牲になる者の事もどうか、お忘れなき様に」
「・・・肝に命じましょう」
「何と戦わなねばならないのか。戦争とは難しいですわね」
「・・・」
「では。またお会い出来る時を楽しみにしておられますわ」
ラクスを乗せてシャトルが出発する
送られるシャトルを見送るクルーゼとアスランとエリス
「何と戦わなねば、か・・・イザークの事は聞いたかな?」
「・・・はい」
「申し訳ありません、クルーゼ隊長。私の所為です。あの白黒に気を取られ過ぎて、ストライクの力を過信していました」
「エリスだけの所為では無い。私もコレは予想外だったさ。
ストライク。撃たねば次に撃たれるのは君かもしれんぞ」
クルーゼが去って行く
「悪いねアスラン。ストライクのパイロット。キラって言ったっけ?彼相手に手加減はもう出来ないね。容赦なく落とすしか無い」
「・・・そうだな。手を抜ける相手じゃあ、なくなってしまったな・・・」
第8艦隊と合流するアークエンジェル
格納庫でメビウスゼロの整備をするマードック達の横で話すキラとセナとムウ
「そっか、僕の事を気遣っての事なんだね。でも余計なお世話だよ、セナ。それでセナに何かあったらどうするのさ」
「わざわざ艦長さんに無理言ってまでだったとはな・・・前の軍事法廷での事、もう忘れたのか?」
「う、その・・・大変申し訳ありませんでした」
申し訳なさそうに頭を下げるセナ
「もう・・・そういえば、ストライクとプロト、どうするんですか?本当にあのままでいいんですか?」
「え、う〜ん・・・分かっちゃあいるんだが、わざわざ元に戻してスペック戻すのもなんかこう〜何にしても微妙になるんだよなぁ」
「プロトってそもそも実戦に出す様な機体ですら無いんでしたっけ?今となったらストライクの次に強い機体ですけど、そのまま戦力に数えるんですか?」
「おい、地味に俺のメビウスゼロを一番下にするな。まぁ事実だろうけどさぁ・・・」
「出来れば、あのまま誰かがって思っちゃいますよね」
マリューが飛んでやって来る
「艦長⁉︎」
「あらら、こんなところへ」
「マリューさん、どうしたんですか?」
「ごめんなさいね、ちょっとセナさんとキラ君と話したくてね」
「え?」
「・・・そんな疑う様な顔しないで。ま、無理もないとは思うけど」
「はぁ・・・」
「分かりました。場所、変えましょう」
ストライクの前に移動したマリュー達
「私自身余裕が無くて、貴方達とゆっくり話す機会も作れなかったから。その・・・一度ちゃんとお礼言いたかったの」
「え?」
「マリューさん?」
「貴方達には本当に大変な思いをさせて、ほんと、ここまでありがとう」
頭を下げるマリュー
「え⁉︎あ・・・」
「色々無理言って、頑張ってもらって、感謝してるわ」
「いや、そんな・・・艦長」
「口には出さないかもしれないけど、みんな貴方達には感謝してるのよ。こんな状況だから、地球に降りても大変かと思うけど、頑張って」
「あ・・・」
「・・・こちらもお世話になりました」
手を差し出すマリュー
差し出された手に握手するセナ
その後キラもマリューに握手する
ハルバートン達を乗せたシャトルがアークエンジェル内に入って来る
ハルバートンを全員でお迎えするアークエンジェルの乗組員達
「ん、おお!いやーヘリオポリス崩壊の知らせを聞いた時はもう駄目かと思ったぞ。それがここで君達と会えるとは」
「ありがとうございます。お久しぶりです、閣下」
「先も戦闘中の報告を聞いて、気を揉んだ。大丈夫か?」
「ええ、ここにいる全員、無事です」
「ナタル・パジルールであります」
「第7軌道艦隊、ムウ・ラ・フラガであります」
「おお、君が居てくれて幸いだった」
「いえ、さして役にも立ちませんで」
「おお、そして彼らが」
「はい。艦を手伝ってくれました、ヘリオポリスの学生達です」
キラ達ヘリオポリスの学生組の前にやって来るハルバートン
「君達のご家族の消息確認してきたぞ。皆さんご無事だ」
「本当ですか⁉︎良かったぁ」
家族の無事を確認して、安堵する学生組達
「とんでもない状況の中、よく頑張ってくれたな。私からも礼を言う」
「閣下、お時間が余り」
「うむ。後で君達ともゆっくり話がしたいものだな」
ハルバートン達がその場を去る
部屋でマリュー達と状況確認をするハルバートン
「しかしまぁ、この艦一つとG1機の為にヘリオポリスを崩壊させ、アルテミスも壊滅させるとはな・・・」
「だが、彼女らがストライクとこの艦だけでも守った事は、いずれ必ず我ら地球軍の利となる。あの試作機まで持って来たのは予想外だったがな」
「アラスカはそう思っては無い様ですが?」
「ふん、奴らに宙での戦いの何が分かる!ラミアス大尉は私の意思を理解してくれていたのだ。問題にすればならぬ事は何も無い」
「閣下・・・」
「このコーディネイターの子供の件は、コレも不問ですかな?」
マリュー達はキラの事は穏便に済ませたいと考えていた。だからこそなるべく印象が悪くならない様に言葉を選んでいた。
「キラ・ヤマトは友人達を守りたい。ただその一心でストライクに乗ってくれたのです。我々は彼の力無くば、ここまで来ることは出来なかったでしょう。ですが、成り行きとはいえ、自分の同胞達と戦わなければならなくなった事に非常に苦しんでいました。誠実で優しい子です。彼には信頼で応えるべきと私は考えます」
「しかし、このまま解放しては・・・」
「僭越ですが、私はホフマン大佐と同じ考えです。彼の能力は目を見張るものがあります。Gの機密を知り尽くした彼をこのまま下ろしては」
「ふん、既にザフトに4機渡っているのだ。今更機密も無い」
「しかし、彼の力は希少です!出来ればこのまま我が軍の力とするべきだと私は」
「ほぅ・・・」
「だがラミアス大尉の話だと、本人にその意思は無さそうだが?」
「彼の両親と姉はナチュラルで、ヘリオポリス崩壊後に両親は脱出し、今は地球に居ます。それを軍が保護すれば」
「ふざけた事を言うな!そんな兵が何の役に立つ!」
「申し訳ありません」
「では、彼女はどうされますか?ナチュラルでありながら、コーディネイターの弟以上に期待を乗りこなしている、それも試作品の機体でだ。ハッキリ言って彼女の方がポテンシャルが高いです。彼女も降ろすのですかな?」
「当然だ!過去の事などもういい。問題はこれからだ」
「え?」
「この後アークエンジェルは現状の人員編成のまま、アラスカ本部に降りてもらわねばならん」
「え⁉︎」
アークエンジェルはただでさえ正規の乗組員が不足しており、学生達の手助けもあってようやく運用出来ているのだった。それでザフト相手に逃げるだけで精一杯だった。だが学生達が降りた後、というよりセナとキラが降りた後の戦力が欠けたアークエンジェルでこの先やっていけるとはとても思えなかった。
「補充要員を送った先遣隊も沈み、今の我々にはもうアークエンジェルに割ける人員はないのだ」
「だがヘリオポリスが崩壊してしまった今、アークエンジェルとGはその全てのデータを持って何としてもアラスカに降りねばならん」
「しかし、我々は」
「アレの開発を軌道に乗せねばならん。ザフトは次々と新しい機体を投入して来るのだぞ。なのに、利権絡みで何の役に立たん事ばかりに予算を注ぎ込むバカな連中は、戦場でどれ程の兵が死んでるかを数字でしか知らん!」
「・・・分かりました。閣下のお心、しかとアラスカへ届けます」
「アーマー乗りの生き残りとしてはお断り出来ませんな」
「頼む」
ストライクの前で佇むキラ
その横でプロトを眺めるセナ
「降りるとなったら、名残惜しいのかね?キラ・ヤマト君だな。そちらのお嬢さんがセナ・ヤマトさんだね。報告書で見ているんでね」
下から話しかけるハルバートン
「・・・はい」
「はい、そうですけど・・・」
「しかし改めて驚かされるよ、君達コーディネイターの力というものには。ザフトのモビルスーツにせめて対抗せんと作ったものだというのに、君達が扱うととんでもないスーパーウェポンになってしまう様だ」
「そんな事は・・・」
「・・・私はナチュラルですよ」
「それは済まなかったな。君達のご両親はナチュラルだそうだが?」
「え⁉︎あ、はい」
「どんな夢を託して君をコーディネイターにしたのか・・・何にせよ、早く終わらせたいものだな、こんな戦争は」
「閣下。メネラウスから至急お戻り頂きたいと」
「やれやれ、君達とゆっくり話す間も無いわ。ここまでアークエンジェルとストライクを守ってもらって、感謝している。良い時代が来るまで、死ぬなよ」
「・・・プロトの事は気にしないんだ・・・」
セナからしたらプロトもストライクも他のGも同じモビルスーツであった。だが今まで会ったどの軍人も、プロトだけ戦力に数えていない事に不満を持ちながら、同情していた。自分の力を正当に評価されない、そんな事に対して、自分と似ている部分があると、共感していた。
キラとセナに敬礼して去ろうとするハルバートン
「あの!・・・アークエンジェル、ラミアス大尉達はこれから?」
「アークエンジェルはこのまま地球へ降りる。彼女らはまた戦場だ」
「やっぱり・・・」
「あ、その・・・」
「・・・君達が何を悩むかは分かる。確かに魅力だ君達の力は、軍にはな。だが、君達が居れば勝てるというものでも無い。戦争はな。自惚れるな!」
「でも、出来るだけの力があるのなら、出来る事をしろと・・・」
「閣下」
「その意思があるならだ。意思の無い者に何もやり抜く事は出来んよ」
その場を去るハルバートン
「・・・僕達も行こうセナ、シャトルに」
「・・・うん」
シャトルに向かうキラとセナの元に子供がやって来る
「ん?どうしたの?」
「私達に何かあるの?」
「これ。今まで守ってくれてありがとう」
キラとセナに紙で出来た花を渡してくる
「ありがとう・・・」
「ありがとう、よく出来てるね。大事にするよ」
女の子の頭を撫でるセナ
「えへへ。じゃあねぇ!」
女の子が離れて行く
「キラ、セナ」
並んでいるキラとセナの元にトール達がやって来る
「あ、何、みんな居ないから」
「これ、持っていけって。除隊許可証」
「へ?」
「俺達さ、残る事にしたからさ」
「アークエンジェル、軍にさ」
「な⁉︎」
「残るってどういうつもりなのみんな!」
「フレイ、軍に志願したんだ」
「「え⁉︎」」
「それで俺達も・・・」
第一戦闘配備のアナウンスが鳴り響く
「おい、そこの。出すぞ」
「あ、待って下さい。この二人」
「トール」
「これも運命さ。じゃあな。お前達は無事に地球に降りろ」
キラとセナを押し出すトール
「生きてろよ」
「何かあっても、ザフトには入んないでくれよな」
トール達が去って行く
「おい、乗るなら早くしろよ」
「・・・私が降りたら、プロトは誰が乗るのかな?」
「え、セナ?」
「・・・キラ、ごめん。私は残りたい。キラは私達に構わず」
「僕も残るよ。トール達を残して自分だけ逃げたくないしね」
「キラ・・・ごめんなさい、行って下さい」
除隊許可証を投げ捨て戻って行くキラとセナ
キラが更衣室に入るとフレイが居た
「フレイ⁉︎どうしてここに?」
「貴方、行っちゃったと思ったから。私、みんな残って戦ってるのに、最初に言った私だけ・・・だから私、私が・・・」
キラが使っていたパイロットスーツを引っ張り出すフレイ
「まさか!フレイ、そんな馬鹿な事を。モビルスーツなんて無理だよ、君みたいな女の子が」
「だって・・・私・・・」
「ストライクには僕が乗る。フレイの分も戦うから」
「キラ・・・」
「だから、フレイの思いの分もさ。もう逃げない。決めたんだ、しょうがないよ。この戦争を終わらせなきゃ僕達だってさ」
「なら、私の思いは貴方を守るわ」
キラにキスするフレイ
「こんな時に何してるの、キラ!急いでよ」
先に着替えたセナが呼びに来る
「わ、セナ!すぐ行くよ。じゃあね、フレイ」
「うん、気をつけて、キラ」
キラがパイロットスーツに着替えてセナと共に出る
「・・・フレイみたいな女の子には無理、ねぇ・・・格好つけるじゃない?」
「聞いてたの⁉︎」
「ええ、ばっちり・・・まぁ、そうか。フレイは女の子だもんね・・・」
第8艦隊を攻撃するザフトのモビルスーツ達
メビウスが次々に落とされていく
イージス達の攻撃で次々落とされる戦艦達
「奴は・・・ストライクはどこだ⁉︎」
「落ち着いて下さい、イザーク」
「奴ら、向こうで降りる気満々の様だな」
「ストライクめぇ!出てこい!来ないと、傷が疼くだろうがぁ!」
出てこないストライクに対してイライラが募るイザークに反してアスランは安堵していた
「キラ、来ないのか・・・なら、それでいい」
「プロトも来ないか・・・大気圏に入られたら、私のゲイツは追いかけられない。せめてその前に引きずり出す!」
アークエンジェルが降下シークエンスに入る
「アークエンジェルが⁉︎」
「降りる?」
「クソッ、逃げる気ね・・・」
「させるかよ!」
「エリスはここで待ってろ!奴らは俺達で」
「いや、少しならゲイツでも!」
デュエルとバスターと青ゲイツがアークエンジェルに迫る
「艦長、ギリギリまで俺達を出せ!何分ある?」
「何を馬鹿な・・・俺達?」
マリューの認識ではムウしかパイロットは居ない筈だった。彼女達が降りて居ない限りは。
「カタログスペックでは、ストライクは単体でも降下可能です」
「このままではメネラウスが持ちませんよ、マリューさん!」
だが、その不安は的中してしまった。
「セナさん⁉︎キラ君まで・・・どうして貴女達、そこに・・・」
「分かった。ただし、フェイズスリーまでに戻れ。スペック上では大丈夫でも、やった人間はいないんだ。中がどうなるかは知らないぞ!高度とタイムは常に注意しろ」
「はい!」
「分かりました!」
「バジルール少尉‼︎」
セナ達をこの状況で出撃させる事にしたナタルに突っかかるマリュー
「ここで本艦が落ちたら、第8艦隊の犠牲の全てが無駄になります!」
だがナタルもそれを承知の上でセナ達に任せたのだった。ハルバートン達の奮闘を無駄にしたくない。その想いは、マリューも分かってはいた。だからこそセナ達の力は借りたく無かったし、また戦わせたくなかった。
「・・・こんな状況で出るなんて、俺だって初めてだぜ」
「キラ・ヤマト、行きます」
「誰もプロトは行けるかどうかは聞かないんだね。私とアンタ、似た者同士だね・・・多分、これも運命って奴ね。アンタを格納庫の荷物にはさせないよ。
セナ・ヤマト、プロト、行きます」
ストライクとプロトとメビウスゼロが出撃する
「クッ、重力に引かれているのか」
「デュエルの姿が変わってる⁉︎何アレ、新装備?」
「ようやくお出ましか、ストライク!この傷の礼だ!」
「やっぱ来たかプロト!ディアッカ!私とアイツをやるよ!」
「イザークはどうするんだよ?」
「多分話聞いてくれないもの、ニコルとアスランに後で手伝ってもらうわよ」
「分かった。でもあのモビルアーマーも厄介だ。アイツら来るまでに頭数減らしてやるよ」
「しつこいんだよ、お前ら!」
「グランドスラムは重くて振り回せないわね、今回は置いて来て正解だったわね」
アサルトシュラウドを装備したデュエルとストライク、バスターとメビウスゼロ、青ゲイツとプロトがそれぞれ激しい攻防を繰り広げる
徐々に重力に引っ張られ、動きが鈍り始める
「くそ、機体が重い!」
「エリス下がって!ここは僕達が!」
「何故今来たんだ、キラ!」
ブリッツとイージスもやって来る
メネラウスとガモフが大気圏突入に耐えきれず、崩壊する
「流状態ジェル、展開用意」
「ゼロとストライクとプロトを呼び戻せ!」
「クソ!限界か」
「エリス!捕まって!」
「来い!」
「クッ!ごめん、お願い!」
アークエンジェルが大気圏突入の態勢に入り、メビウスゼロが戻る
ブリッツとイージスは青ゲイツを引き上げ、大気圏外に脱出するが、バスターは戻れなくなった
「坊主は⁉︎お嬢ちゃんもどこに?」
「キラ!」
「セナ!戻って!」
「セナさん!キラ君!」
「キラ、戻るよ!」
「分かってる!」
プロトとストライクの連携で攻め込まれ、踏み台にされるデュエル
「ぐっ!逃がすかよ!」
ビームライフルで狙おうとするデュエルの前を避難船が横切る
気づかずに向かうストライクとシャトルに気付き、振り返るプロト
「メネラウスのシャトル⁉︎」
「セナ⁉︎何かあったの?早くしないと間に合わないよ!」
「くそ・・・よくも邪魔を」
「アイツまさか⁉︎」
「逃げ出した腰抜け兵が‼︎」
シャトルに気づいたプロトがシャトルを守ろうと向かうが間に合わず、デュエルのライフルで撃ち落とされるシャトル
「な⁉︎何の爆発⁉︎」
「避難船のシャトルが・・・」
「キラ!セナ!早く戻れ!」
「クッ!セナも急いで」
「お前・・・お前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」
セナのSEEDが発動する
重力で動きが鈍くなる中、真っ直ぐデュエルに向かって突撃するプロト
「な⁉︎セナ!」
「おい、何やってるんだ、セナ!」
「戻ってセナさん!」
キラ達の声も今のセナには届かなかった。今のセナはデュエルに対する激しい怒りで我を忘れていた。
「コイツだけは許さない!コイツだけはぁぁぁぁ‼︎」
「な、白黒⁉︎正気か!」
デュエルにシールドで防がれるのも構わず何度もサーベルを叩きつけるプロト
防御で手一杯のデュエルをひたすら攻め続けるプロト
「な、あの状況であそこまで動けるのか⁉︎」
「コイツ、イカれてるのか⁉︎」
「イザーク⁉︎クソ、身動きが・・・」
この状況で攻めに転じるプロトに驚愕するが、重量で思う様に動けず助けに行く事も容易では無かった
「この!この!この!この!こんのぉぉぉぉぉ‼︎」
「アスラン、エリス、アレを!白黒がイザークに」
「セナ、一体何を考えているんだ⁉︎」
「・・・ごめん、ニコル、アスラン」
青ゲイツがプロトに向かって体当たりをする
「グウ‼︎」
「な!エリス⁉︎どうしてこっちに来やがった!」
「仲間を助けるのは当たり前でしょうが!まぁ、良い。私も奴も馬鹿だっただけよ・・・、覚悟は」
「ふざけるな!こんな貸し残したまま死なせるか‼︎ディアッカ!」
「分かってるよイザーク!バスターは動けない。なんとかゲイツをバスターとデュエルの上に置くんだ」
「分かった!行くぞ、エリス!」
「二人共・・・分かった!」
バスターの方に向かう青ゲイツとデュエル
「よくも邪魔を・・・逃がすかぁぁぁぁ‼︎」
青ゲイツとデュエルに向かってビームライフルを一心不乱に撃つプロト
「アイツまだ諦めてないのかよ⁉︎」
「一体何がそこまで・・・さっきのシャトルがなんだって言うんだ!」
「アンタらしく無いね・・・何かあったの、プロト?」
普段と違い冷静さを失ってただ攻撃し続けるプロトに違和感を感じるエリス。だがデュエルがシャトルを撃ち落とした事も、そのシャトルに避難民が乗っていた事も、その避難民がアークエンジェルに居た人達だった事を知らないエリスには何があったのか分からなかった。
「セナ!戻って!ねぇ!」
「キラ君、貴方だけでも戻って!」
「クゥ・・・ならせめてコレを」
アークエンジェルと合流したストライクがプロトに向かってシールドを投げる
ストライクのシールドがプロトにぶつかる
「痛っ!シールド?何するのよ!キラ‼︎」
「シールドを下にして!少しはマシになるから!」
「え⁉︎アークエンジェルがあんなところに・・・いつの間に」
漸く冷静さを取り戻したセナが今の状況を理解する
「さっきから呼びかけてたんだが、全く聞いてなかったろセナ!」
「大気圏を突破したら、貴女を迎えに行きます。それまで何としても生き残って!」
「艦長!」
「セナさんもこの艦の乗組員です!彼女を置いては行きません!」
「それは・・・いえ、分かりました」
「くっデュエル・・・次会ったら、その時がお前の最後だ!」
二つのシールドを下にして、大気圏突破を試みるプロト
「熱っつい‼︎何コレ!」
「だから中はどうなるかは分からんと言っただろ!少しだけ、耐えてくれ!」
「分かりました!・・・けどこれは流石に、キツイなぁ。無事に降りられるかなぁ?」
大気圏を突破したアークエンジェルとプロト
「よし、セナさん!すぐ向かうわ!・・・セナさん?」
「セナ!セナ!・・・反応ありません!」
モビルスーツによる大気圏突破は人類初めての事だった。故にコクピット内のパイロットが気絶する可能性もありえない事では無かった。
「おいおい、まさか中で倒れてるんじゃあ」
「もしくは耐えきれず・・・」
「縁起でも無い事言うなよ!」
「セナァ‼︎」
ストライクがプロトの元に向かい、プロトを抱える
「セナ、待っててすぐ戻るから、あれ?戻れない?」
「大気圏内では、ストライクは飛べないんだ!何とかアークエンジェルに向かって滑空しろ!こちらもそっちに向かう!」
「お願いします!」
砂漠地帯で降りるアークエンジェルと艦内に入るストライクとプロト
コクピットが開かれるとセナがぐったりもしていた
「セナ!大丈夫⁉︎」
「動ける、セナさん?無理ならこちらで降ろします」
「・・・ん?あれ、いつの間に艦内に・・・また聞き逃してたかな?すみません、今降り・・・ま・・・」
コクピットから降りようとしたセナが倒れる様にしてコクピットから落ちる
「セナ⁉︎」
「おいおい、冗談じゃねーぞ!」
落ちるセナをキャッチするキラとムウ
「って熱い‼︎大丈夫なのセナ⁉︎」
「ナチュラルとかコーディネイター関係なくやばい状態だよ!これで大丈夫な奴なら間違いなく人間じゃねーよ!」
「すぐに医務室へ!急いで!」
担架で医務室へ運ばれるセナ
担架の上でセナの意識は途絶えていた
セナはキレると激しい怒りで我を忘れがちになります。
あとこの回で少しだけセナの闇をお出ししました。エリスの過去も合わせて、何を意味するのか、お楽しみに。