ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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キラは高速OS書き換えで状況に合わせられますが、セナは自分の技量でその場の環境に合わせられます。描いてて思いますが、そんなパイロット他シリーズにも余りいない気がします


第十五話 砂漠の戦い

アークエンジェルの医務室で眠るセナ

キラとミリアリアが側で見守る

 

「セナ、どうして・・・」

「あの時、キラとセナがアークエンジェルに向かう途中でセナだけ、振り向いたの。あそこに何かあったのに気づいて、助けに行ったんだと思うわ」

「そっか、それなら有り得るよ。セナは優しいからね・・・自分の身を顧みないくらいには」

 

納得というより呆れに近い感情が出てくるキラ

 

「もしかして前もこんな事あったの?」

「うん。ミリアリア達と会う前の昔にね、コーディネイターだからって虐められていた僕を守って喧嘩してたのは知ってるよね?」

「うん。それで運動神経鍛えられたんだって前に聞いたけど・・・」

「そうらしいんだけど、その鍛えられたん運動神経でさ、よく動物を助けようとするんだよ。でも無茶して怪我する事もよくあってさ。前に木から降りられなくなった猫を助けようとして登って、降りるときに足踏み外してね、その時は腕の骨が折れただけで済んだけど、下手したらコーディネイターの子でも死ぬかもしれないほどの高さから落ちてたんだってさ」

「そうなのね・・・様子はどうかしら?」

 

マリューが医務室に入って来る

 

「ラミアス艦長・・・少しはマシになりましたよ。熱は少し引いた様ですし」

「でもまだ顔色は悪いです」

「そう・・・貴方達も誰かと交代して休みなさい。倒れている人が増えたら、本末転倒だから」

「分かりました」

 

ヴェサリウスで待機するアスラン

ニコルがアスランの近くに寄って来る

 

「あれ、ここに居たんですか?エリス達、無事に地球に降りた様です。さっき連絡が来ました」

「そうか、良く無事だったな、エリス」

「イザーク達が壁になって何とかってところらしいです。でも帰投はまだ未定らしいです。しばらくはジブラルタル基地に留まる事になる様です」

「イザークの、傷の具合はどうなんだ?」

「ああ、それは・・・でも心配は無いですよ。あの時もあれ程の戦闘をやってのけたのですから」

「・・・そうだな」

 

イザークの安否を確認して少し安堵するアスラン

 

「でも、大丈夫なのでしょうか?」

「何がだ?」

「結局僕らは最後の一機、ストライクとあの新造艦。それと白黒の奪取にも破壊にも失敗してしまいました。

 この事で隊長は、また帰投命令でしょう?」

「クルーゼ隊長でも落とせなかった艦だ。委員会でもそう見ているさ」

「アスラン?」

「あ、ああ。ともかく心配は無いさ。この帰投も何か別の作戦の事の様だから」

「そうですか。ですよね。僕、ちょっとブリッツ見て来ます」

 

ニコルが部屋を出る

 

(キラ・・・セナ・・・大丈夫だよな?)

アスランは一人で苦悩していた

 

アークエンジェルの医務室で目覚めるセナ

 

「ん、うぅん・・・あれ、ここは?」

「気がついた?」

「フレイ?なんでここ、ウッ!」

 

起きあがろうとしたセナだが体のダメージで起き上がれず、うずくまる

 

「ダメよ、急に起きちゃ。ここは艦の医務室。セナ、着艦した時に倒れたの覚えてる?キラとフラガ少佐にキャッチしてもらわなければ大怪我してたんだから」

「着艦・・・ならここは」

「地球よ、砂漠。昨日の夜ここに降りたのよ」

「そう・・・ん?フラガ少佐?」

 

セナはムウの階級は大尉という認識だった。それは地球に降りる前に昇級した事も自分達に階級が与えられた事もまだ知らなかったからだった。

 

「ああ、ハルバートン提督の計らいで昇級したらしいの。他の方もよ。私達も二等兵の階級になって、キラとセナはパイロットだから少尉らしいよ」

「少尉、私が・・・ナタルさんと同じじゃん。いや、ナタルさんも上がったんだった」

「セナ!目覚めたの!」

 

医務室にミリアリアとトールが入って来る

 

「ミリアリア、トール、おはよう」

「おはようって・・・心配したんだぞ、全員。はぁーよかった」

「ごめんて・・・キラは?」

「キラは大丈夫よ。アークエンジェルに着艦して大気圏越えたから。寧ろセナはモビルスーツだけで大気圏越えるなんてね。コクピットの中の温度どれだけか知ってる?ナチュラルが耐えられるギリギリだったのよ」

「ギリギリ・・・ストライクの盾無かったら終わってたかもね、私」

「マジかよ⁉︎そんな危ない橋渡ってたのかよ!」

「らしいね。さてと、寝たきりも良くないし・・・フッ!」

 

無理矢理起き上がるセナ

 

「ちょっと!まだ起きたらダメって」

「もう目覚めたなら問題無いよ・・・自分の部屋に行ってるよ。・・・あ、プロトの整備やらないと」

「そんなのはちゃんと治ってからにして!」

「とりあえず、部屋で安静してろよ」

「私、部屋まで送るわ。ほら、私の肩使って」

 

ミリアリアがセナの腕を自分の肩に掛けて支える

 

「ありがとうミリアリア・・・まだ私、本調子じゃない様ね」

「そりゃそうよ。とりあえず今日は一日、ゆっくりしててね」

 

プロトの整備をするキラ

 

「・・・セナ・・・いや、今僕に出来るのはこんな事くらいだ・・・」

 

セナ事が心配ではあるが、今セナの為に出来る事をやる事にしたキラ

 

「おい、キラ。大丈夫か?」

「フラガ少佐・・・」

「セナが目覚めたってよ。後で様子見てやんな」

「セナが⁉︎本当ですか!」

「ああ、なんなら今見に行ったら?」

「分かりました行きます!」

 

プロトから素早く降りて医務室に向かうキラ

 

「あ・・・もうすぐ消灯時間だから今日は休めって言うの忘れてたな・・・まぁ、大丈夫だろ」

「少佐!坊主はどこ行きましたか?付けっぱなしにしやがって・・・たく」

「ああ、悪い。セナが目覚めたから行ってやれって言っちまってね・・・」

「ああ、そういう・・・それなら仕方ないですよ。けどストライクはともかく、プロトはまだ本調子じゃあねーですからな。キラの力借りねーと明日までに終わりませんよ」

「そうか・・・なぁ、宇宙に居た時はセナも調整やってたんだよな?どうやってたんだ?」

「それが結構適当なところあるんですよ。前に坊主にやってたのをうろ覚えで入力したり・・・今まではそこまで消耗していないから良かったんですが、ここまでガタ来たら、そういうわけにもいかず」

「・・・うろ覚えだと?そんな雑な調整であの動きを?」

 

OSによる補正は人によってそれぞれ違っている。だからこそパイロットに合わせた調整が必要となるのだが、セナはその補正の恩恵を受けずに戦っていた。

 

「それが坊主曰く、ほぼ完璧に模倣してたらしいんですよ。一度だけやって貰ったやつを元に適当にアレンジして・・・もっとちゃんとした調整で出ていれば奪われたGを一機くらいは撃墜出来てたりしたかもしれませんな」

「・・・そうかも知れないな・・・」

 

コーディネイターであるキラの技量も凄まじいが、ナチュラルでありながらそれ以上の操縦技量を持つセナに驚きを隠せないムウであった

 

遠くの物陰からアークエンジェルを覗くバルトフェルドとダコスタ

 

「どうかな、噂の大天使の様子は?」

「はっ、以前何の動きもありません」

「地上はNジャマーの影響で電波状況がめちゃくちゃだからな。彼女は未だスヤスヤお休みか・・・ん?」

「⁉︎何か!」

「いや、今回はモカマタリを5%減らしてみたんだが、これは良いな」

「は?」

 

坂を降りたバルトフェルドとダコスタの前にザフト軍兵士達とバクゥが数機待機していた

 

「ではこれより地球軍新造艦、アークエンジェルに対する作戦を開始する。目的は敵艦、及び搭載モビルスーツの戦力評価である」

「倒してはいけないのでありますか?」

「んーその時はその時だが、アレは遂にクルーゼ隊が仕留められず、ハルバートンの第8艦隊がその身を犠牲にしてまで地上に降ろした艦だぞ。それを忘れるな。一応な。では、諸君の無事と健闘を祈る」

 

一斉に敬礼するバルトフェルド隊の兵器達

パイロットがバクゥに乗り込み、バルトフェルドとダコスタがバギーに乗り込む

 

「んー、コーヒーが美味いと気分が良い。さぁ、戦争をしに行くぞ」

「ハッ!」

 

アークエンジェルでアラームが上がる

それぞれ起き上がるクルー達

 

「敵!こんな時に!」

「キラ行けるか?俺のスカイグラスパーはまだ出れねー!済まないが一人で凌いでくれ!」

「分かりました・・・クソッ、やるしか無い」

 

ヘリからの砲撃を迎撃するアークエンジェル

 

「敵はどこだ!ストライク、発進する!」

「キラ待って!まだ!」

「まだ敵の位置も勢力も分かっていないんだ。発進命令も出ていない」

「なら、ストライクで周りを見て来ますよ!それが出来るのは今は僕だけです!」

 

今出られるのは自分一人だけ。不安も大きいが、今のキラはそれ以上に皆を守る意思の方が強かった。

 

「艦長!」

「仕方ない、出てもらう他無いわね。艦の方では小回りが効かないわ」

「ハッチ解放、ストライク発進!重力に気をつけろよ」

「カタパルト接続、ランチャーストライカースタンバイ」

「ランチャーか・・・エールの方が動けるのでは無いのですか?」

「どっちにしろ、宇宙に居た時程は動けん。ならば離れた敵を撃てるランチャーの方が初の地上戦には向いている。慣れてから好きにしろ」

「了解。行きます!」

 

ストライクが地面にに着地するが、砂に足を取られて思う様に動けない

 

「くっ、歩きずらい・・・」

 

砂山の影から現れたバクゥの体当たりで倒れるストライク

 

「うわぁ!くっ、ここじゃあ踏ん張れない」

 

何とか体勢を立て直しアグニを撃つが簡単に躱される

 

「宙じゃあどうだったか知らないが」

「ここじゃあバクゥが王者だ!」

 

3機のバクゥに囲まれ、レールガンで砲撃され身動きが取れないストライク

 

「スレッジハマー、撃て!」

「ストライクに当たります」

「PS装甲がある!命令だ!アレではどうにもならん!」

「了解・・・」

「キラ、避けて!」

 

アークエンジェルからミサイルを撃つが、バクゥに簡単に躱され、ストライクが爆発に巻き込まれる

 

「グウゥ!何するんだよ!」

「こうも簡単に躱されるなんて・・・少佐のスカイグラスパーはまだ出られないの⁉︎キラ君一人では厳しいわよ!」

「そう言われても無理なものは・・・おい何してんだお嬢ちゃん!」

「決まっている。敵が出たなら、ザフトが来たなら私がやっつけてやる!」

 

格納庫に来たセナがプロトのコクピット目掛けて飛ぶが、床に落ちる

 

「何やってんだ!頭大丈夫か?」

「痛⁉︎・・・そうか、ここ地上なんだった。問題ありません!」

「駄目よ!セナさんはまだ本調子じゃあないでしょ!」

「もう治りました!行けますから!」

 

プロトに乗り込むセナ

 

「ハッチ開けて!早く!」

「艦長・・・どうしますか?今は一機でも多く出さないと厳しいですが」

「・・・分かった、許可します。ただしアークエンジェルから離れすぎない様に」

「了解!やってやる!」

 

プロトが出撃するが、空中で制御が効かず、うつ伏せのまま地面に落ちる

立ちあがろうとするが、砂に足を取られ立てないプロト

 

「グウゥ!何コレ!どうなってるのよ!」

「プロト⁉︎なんでセナをだしたんですか!」

「セナさんが出せと言ったのよ」

「この状況を打破するには一機だけでは不可能だ!活路はこちらで見つけるから二人で凌いでくれ」

「凌いでと言われても・・・」

 

出撃したプロトを発見するバクゥ達

 

「何?もう一機居たのか・・・だが、なんだあのフラフラな動きは。立つ事すらまともに出来てないじゃないか」

「こんなのすら倒せないんだな、宇宙の奴らは」

「くっ、何の!」

 

グランドスラムを杖代わりに立ち上がるプロトだが、グランドスラムを持ち上げた途端、バランスを崩し背中から倒れる

 

「アアァ!プロトの整備、完了してないじゃない!」

「仕方ないだろ!2機も調整なんて今晩中に間に合わなかったんだから!」

「もう仕方ない!何とかしてやるわよ!」

 

グランドスラムを杖代わりにして立ち上がり、ビームライフルを撃つプロトだがバクゥに当たらない

 

「チッ!面倒ね、砂漠ってのは」

「大した事無さそうですね、あの様子じゃあ」

「・・・ストライクは中々の機体だな。パイロットの腕も悪くはない。だがあの白黒の奴、話しに聞いた通り全くデータが無い・・・だが一つ分かった事がある。アレの中にいるのは、危険な奴だってな」

「え?アレがですか?」

「おい、あの白黒が砂漠に慣れる前に墜とせ!」

「やって良いんですか⁉︎了解です隊長!」

 

プロトに狙いを定めるバクゥ達

 

「こっち狙いね・・・でも」

「接地圧が逃げるなら、合わせれば良いんだろ!」

 

砂山を滑っていたストライクがバクゥの動きに合わせて膝蹴りをする

 

「うおおおおお!」

「コイツ!」

「そこ!」

 

ストライクの後ろを狙うバクゥにプロトが蹴りを入れ、倒れたところを足で抑える

 

「このぉぉ!」

「うわぁぁぁ!」

 

バクゥにグランドスラムを突き刺し、破壊する

 

「ストライクの奴、この短時間に運動プログラムを砂地に対応させた・・・それにあの白黒はパイロットの技量だけで砂漠に適応してやがる・・・アレが本当にナチュラルか?」

「アークエンジェルはやらせないぞ」

「やっと慣れたわね、全部ぶっ倒す!」

 

バクゥのミサイルをイーゲルシュテルンで迎撃した後、グランドスラムを投げるプロト

バクゥが避けた先をアグニで撃ち抜くストライク

 

「しかも連携も出来る様だな、侮れん。レセップスに打電だ。敵艦を主砲で攻撃させろ」

 

レセップスからミサイルの砲撃が飛んでくる

揺れるアークエンジェル

 

「どこからだ?」

「南西20キロの地点と推定!」

「本艦の攻撃装備では対応出来ません」

「俺が行って、レーザーデジネーターを照射する。それを目標にミサイルを打ち込め!」

 

スカイグラスパーが出撃する

レセップスから第2波のミサイル群が飛んで来る

 

「やらせるか!」

 

キラのSEEDが発動する

肩部のバルカンで地面を撃ち、砂煙を生み出してジャンプする

飛んで来たバクゥを殴り飛ばし飛んで来たミサイルにぶつけて迎撃する

 

「何だと!」

「コイツ!」

 

アグニを撃とうとするストライクだが、エネルギー切れ寸前のアラームが上がる

 

「アグニを使い過ぎたか、クソ!」

「確かにとんでもない奴の様だが、情報ではそろそろパワーダウンのはずだ。悪いが沈めさせてもらう」

「あのヘリも敵か!なら貸して!」

「セナ⁉︎」

 

アグニを奪い取ったプロトがストライクを狙うヘリに向けて狙い撃つ

躱しながらミサイルを撃つヘリ

横からミサイルが飛んで来てヘリを撃ち落とす

奥から複数のバギーが現れヘリに向けてミサイルを撃つ

 

「何アレ?」

「そこのモビルスーツのパイロット。死にたくなければこちらの指示に従え!そのポイントにトラップがある。そこまでバクゥを誘き寄せるんだ」

「なんだ⁉︎」

「レジスタンス?」

「良くわかんないけど、敵じゃあ無いんだね。分かった!」

 

ストライクを抱えながら指定されたポイントに向かうプロト

追いかけるバクゥ達

 

「食いついたな」

「餌が上等だからな」

「セナ、信じるの?アイツらを」

「もうどうにでもなれよ!」

 

ポイントに辿り着いたプロト

後ろから迫るバクゥ達を躱わす

起爆スイッチを押され、バクゥ達が爆発に巻き込まれる

 

「・・・撤収する。この戦闘の目標は達成した。残存部隊をまとめろ」

「了解」

 

バルトフェルド隊が撤退する

ストライクがフェイズシフトダウンする

 

「ふぅ、ごめん。ありがとうセナ」

「ハァ、ハァ、ハァ・・・大丈夫よ・・・」

 

陽が登り始める中、ストライクとプロトの周りにレジスタンスが集まる




プロトの情報は元々名前が無い為、プロトがモビルスーツだとすら知らない人の方が多いです。
なので主役機の筈なのに、この世界の人からはストライクの横になんかいる奴という認識が大多数となっています。
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