「・・・それ本当なんですか?ていうかお父さんもお母さんも知ってたの?」
「・・・ああ」
「最初からよ・・・今まで黙っていてごめんなさい」
「それは・・・仕方ないと思うよ。でもそっか。キラがコーディネイターなのってそういう事だったんだ・・・ごめんね」
「どうしたんだセナ?」
「セナが謝る事はないのよ」
「違うの・・・ずっと疑問だったの、私がナチュラルでキラがコーディネイターの訳を。私てっきり、キラの方が大事だからキラだけコーディネイトしたのだと・・・違うと分かってる筈なのに、ふとした時にそんな考えがよぎって・・・でも聞く事ができなくて、二人を疑っていたの。だからごめんね。ずっとお父さんとお母さんの事、信じてなかった」
「セナ・・・こちらこそ不安にさせてごめんな」
「ごめんねセナ・・・セナもキラも私達の子供よ。それは確かよ」
セナに抱きつくハルマとカリダ
「うん・・・うん・・・ありがとう、お父さん、お母さん」
「・・・とりあえず、私からは以上です。お手間をおかけして申し訳ありません」
「いえ、大丈夫です、ウズミ様」
「では、私達はこれで」
「ごめん、お父さん、お母さん。先行ってて」
「え・・・分かったわ」
ハルマとカリダが退室する
「・・・君は良いのか?もう自由にしても良いのだが」
「ウズミ様、違ってたら申し訳ありません。ですが、まだ私に言いたい事あるのではないのですか?」
「・・・どうやら、君に隠し事はできない様だな。そんなとこまで似ているとはな・・・」
「似ている?誰にですか?」
「リナ・シヤ・アスハ。私の妹で、明るく聡明で優しい女性だったよ」
「だったという事はもう・・・」
「そうだ。交通事故で亡くなってな・・・こうして見ると本当に似ているよ」
「似ているって、そんなにですか?」
「ああ、まるで生まれ変わりと思ってしまうほどだ」
「生まれ変わり・・・」
「突拍子もないことを言って済まないな。ただ似ているから少し話したくなっただけ、それだけなんだ。時間を取ってしまって済まないな」
「いえいえ、私が聞いた事ですから・・・でも生まれ変わりですか。本当にあったら面白そうですね」
「面白い?」
「はい。だってまたこの世界で生きていけるんですよ。自分が死んだ後の世界を知る事が出来る、それってなんだかワクワクしませんか?」
「ワクワクか・・・」
「あ、すみません。変な事言ってしまって。それでは失礼します」
セナが退室する
「・・・リナもそんな事言ってたな。もしかしたら、本当にそうかもしれんな・・・」
外でハルマ達と合流するセナ
「待たせてごめん。この後どうするの?」
「私達は家に帰るが、セナも帰るか?」
「う〜ん・・・一応今は地球軍だし、任務中だからね。アーク・・・母艦に戻るよ」
「そうなのね・・・キラにもよろしく伝えてちょうだい」
「うん。じゃあねお父さん、お母さん。許可もらえたらキラ連れて家に帰るから。少しだけだけど」
「分かった。待ってるわね」
ハルマとカリダと別れるセナ
「・・・少し時間はあるわね。ちょっとだけ・・・ってん?」
街を一人で歩く茶髪の少女を見つける
「あのくらいの子が一人って・・・もしかして迷子かな?」
少女がセナに近づく
「あの・・・お兄ちゃん、見ませんでした?」
「お兄さん?ごめんね。見ていないの。良かったら一緒に探してあげるよ」
「ほんと!ありがとうお姉さん」
「うん。それじゃあ、行こう」
ベンチに座るディアッカとイザーク
「ハァ・・・すぐに見つからないとは思ってたけど、ここまで無いとはね・・・」
「くそ・・・どこに隠れてやがるんだ」
「イザーク、ディアッカ、ここでしたか」
ニコルとアスランがディアッカ達に近づく
「おう、こっちは全然だぜ・・・そっちは?」
「こちらも手掛かりは・・・」
「そうか、これからどうするんだ?」
「どうしたものか・・・ところでエリスは?」
アスランとニコル、イザークとディアッカとエリスの二手に分かれて潜入していたのだが、エリスの姿が見当たらなかった
「あ?あれ!居ない⁉︎さっきまで俺らとここに居た筈なのに・・・」
「どこ行きやがったんだ!アイツ!」
「もしかして、一人で行ったのでは無いですか?」
「かもな・・・ま、仕方ない。後で合流できるさ。俺達も行くか」
街を歩くエリス
「・・・これは迷っちゃったかも・・・どうしよう」
「あれ?おーい!エリスでしょ!」
後ろから少女を連れたセナが近づく
「え?セナ⁉︎あんた・・・」
「やっぱりエリスだ、久しぶり」
「あ、うん・・・ここにはどうして?」
「私はこの子のお兄さん探しているの。見てない?」
「いや、その子の兄が誰か知らないから」
「そっか。そうだよね」
「お姉さん、この人誰?」
「あ、ごめんね。この子はエリス。私の友達よ」
「一度砂漠で会っただけだけど・・・友達だよ」
「そうなんだ・・・」
「あ!居た!どこ居たんだよ!」
「あ!お兄ちゃん!」
少女に駆け寄る黒髪に赤い瞳の少年
「ハァ、ハァ・・・どこに居たんだよ〜」
「ごめんお兄ちゃん。このお姉さんと探してたの」
「そうなのか・・・あの、お姉さん。妹のこと、ありがとうございます」
「良いのよこれくらい。お兄さん見つかって良かったね」
「うん、お姉さんありがとう。じゃあね」
少女と少年が去って行く
「あ・・・あの子達の名前、聞きそびれちゃった。また会えるかな?」
「会えるでしょ。私達が再会出来たんだから」
「それもそうだよね。この後はどうするの?」
「ここには友達と来ているのよ。後で合流するわ」
「そっか。私もそろそろ戻らないとね。じゃあね、エリス」
「うん、じゃあね、セナ」
セナと別れるエリス
「・・・私的にはもう特定出来たけど、どうしようかな?」
アークエンジェルに帰ってきたセナ
「お、帰ってきたかセナ少尉」
「お疲れ様、セナさん。一体なんの話だったの?」
「余り大した話じゃ無いですよ」
「それを決めるのは我々だ」
「えっと・・・私がウズミ様の古い知り合いに似ているから、話したかっただけ、らしいですよ」
「えっと・・・それは・・・」
「・・・本当に大した話じゃなかったな」
「だからそう言ったんですよ」
(ごめんなさい、ウズミ様・・・でも流石にあの話は勝手に言えないから誤魔化すしかなかったんです・・・)
「あ、でも、ウズミ様と話すついでに両親に会えましたよ。呼んでくれたらしくて」
「そうなのね・・・先程、ミリアリアさん達に家族と面会の時間を設けてたのよ」
「セナ少尉とキラ少尉にもと思ってたが・・・良かったな」
「はい。あの・・・アークエンジェルが修理終わるまで実家には・・・どうですかね?」
「申し訳ないのだけど、街に出るくらいなら許可出来ますけど、いつ出るか分からない以上、外泊は・・・」
「そうですか、そんな気はしましたけど・・・連絡はしても良いですよね?」
「ええ、それは構わないわ。それと、キラ君はモルゲンレーテにいるの。様子を見に行ってあげて」
「分かりました。では」
アークエンジェルを出てモルゲンレーテに向かうセナ
「・・・ねぇナタル。本当にあれだけだと思う?」
「・・・私からはなんとも。しかし、それだけの為だけにああして呼ぶとは私は思いませんが」
「そうね・・・実はヤマト家とアスハ家は裏で繋がっている・・・は考えすぎかしらね?」
ストライクのコクピットで作業するキラ
「おーいキラ!そろそろ休めよなー!」
「そうよ!速く降りてきなさいよ!」
「カガリ、フレイ。分かった、降りるよ」
ストライクから降りるキラ
「あ、居た!」
セナがキラ達に近づく
「ん?セナ。ウズミ様の話は終わったの?」
「一体何の話をしてたんだ、お父様と?」
「それは・・・って何あれ?」
3機のM1アストレイのテスト運転を見るセナ達
どこかぎこちない動きで走るM1アストレイ
「あれはM1アストレイ。オーブのモビルスーツよ。まだ完成した訳じゃ無いけどね」
「エリカさん、お疲れ様です」
「キラ君もね。貴女がセナさんよね?話は聞いてるわ。ナチュラルなのにコーディネイターよりも上手いんでしょ?モビルスーツの操作。貴女から見てどう?」
「どうって・・・アレなら熱が出ていても簡単に落とせるなって」
今まで戦ってきたどのモビルスーツよりも動きが硬い。初搭乗した時の自分より酷い操縦だとセナは思っていた。
「やれやれ・・・これでも大分改善したと思うのだけど。キラ君にOSの調整してもらって大分動き良くした筈なのに」
「OSはあくまで補正ですよ。最終的には自分で何とかするだけですよ」
「そうなのね。なら、ちょっとお手本見せてよ」
「え、アレに乗って良いんですか?」
「良いのよ。お願いしているのはこちらだし。アサギ、マユラ、ジュリ。上がって良いわよ。セナさんがお手本を見せるから」
「分かりました」
「今出ます」
「分かりました。でも誰が乗っても一緒じゃ無いんですか?」
「さぁね?それを見るのよ」
アサギ達が降りてセナがM1アストレイに乗る
「コクピットの中プロトに似ている・・・同じモルゲンレーテ製だからか」
「始めて良いわよセナさん」
「分かりました」
立ち上がるM1アストレイ
中で走り回り、バク転を披露する
「え⁉︎嘘でしょ!」
「こんなに違うの⁉︎」
「そんなに激しく動いて何でバランス取れるの⁉︎」
「あー、セナ曰くだな、人型だから自分の体の動きをイメージすれば何とかなるって・・・」
「嘘でしょカガリ様!ほんとにそんな事を⁉︎」
「これは驚いたわね・・・セナさんやコーディネイターのパイロットはみんなこんな事出来るの?」
「いえ、僕はここまでは・・・」
「ていうかバク転なんて初めてやりましたよ。かなり良い機体じゃないですか。最初のプロトよりも自由に動かせますよ」
「最初のって・・・あの状態で⁉︎セナさんって本当にナチュラルなのよね?」
「ナチュラルとかコーディネイターとか関係ないですよ。慣れればあの人達も出来る筈ですよ」
「そう・・・もし良かったらなんだけど、あの子達に教えてくれないかしら?ここにいる間だけでも良いから」
「大丈夫ですよ。明日からでも良いですか?」
「はい、お願いします」
「私達に操縦を教えてください」
「よろしくお願いします、先生」
「先生か・・・分かりました。でも私は厳しいですからね。覚悟して下さいよ」
「ほんとに覚悟しておけよ。今の比じゃないからな」
「立てなくなることを覚悟した方が良いわよ」
「「「え・・・」」」
トリィが突然外に飛び出す
「あ、トリィ!どこ行くんだよ!」
「あら、私が行くわよ。キラは休んでなよ」
トリィを追いかけて走るセナ
「速!モビルスーツ動かした後であんなに動けるの⁉︎」
「凄い・・・」
「出来る人って違うのね・・・」
「セナ、僕も行くから」
外に飛び出したトリィが合流したアスラン達の元にやって来る
「ん?何だコレ?」
「ロボット鳥だ。凄いですね」
「ちょっと可愛いわね」
「そうか?」
「トリィ・・・」
「あ!すみません、それ私達のです!申し訳ないですけどこっちまで来てくれませんか?」
トリィを追いかけたセナが金網越しにアスラン達に声を掛ける
「やばっ!」
慌てて帽子を深く被り顔を隠すエリス
「あの人のかな?」
「へぇ・・・中々な子じゃないか?」
「そうか?それよりもさっきまであんなに走り回ってたのに息一つあげないとは、何者だ?」
「セナ・・・」
帽子を深く被ったアスランがセナに近づく
網越しにトリィを返すアスラン
「あ、すみません、ありがとうございます」
「いえ・・・ではこれで」
「ん?貴方、アスラン?」
「え・・・人違いでは?」
「そっか、大分似ていたから間違えちゃいました。すみません」
「いえ、大丈夫です・・・」
「この子、さっき言ったアスランって子が弟に贈ったんです。何年も前に。それをずっと大事にしてるんですよ」
「そ・・・ですか・・・それは良い友人、ですね」
「はい。私もアスランとは仲良くしてたと思うけど、キラとアスランの仲には負けるなと思ってて・・・」
「そう、ですか・・・」
「セナ!トリィ見つかった?」
キラがセナに駆け寄る
「あ、キラ!この人がトリィを見つけてくれたのよ」
「この人?・・・え⁉︎」
アスランの姿を見て驚愕するキラ。帽子を深く被って顔を誤魔化してるせいでセナは気づかなかったが、キラには一目瞭然だった。
「・・・これ、君のだろ?今度は、離すなよ」
「あ、うん・・・ありが、とう」
「おい、行くぞ!」
戻ろうとするアスラン
「あ、昔友達に・・・大事な友達に貰った、大事な物なんだ」
「・・・そう、か・・・その友達も・・・きっと、喜んでいるさ・・・」
「・・・うん」
離れて行くアスラン
その距離は手を伸ばせば届きそうで、どこまでも遠く感じられる距離だった
本当はセナとアスランだけのつもりでしたが、ここはキラにもアスランにとっても大事なところなので本家通りに二人をあそこで会わせました。