第一話 ヘリオポリス
C.E.71年・・・中立コロニーヘリオポリスは中立国オーブ首長国連邦の保有するコロニーであり、外の戦争の影響もなく平和な暮らしが続いていた
茶髪の少年キラ・ヤマトはペットロボットのトリィを肩に乗せてニュースを見ていた
「おーいキラ。ここに居たのか」
「カトウ教授が探していたわよ」
キラの友人のトール・ケーニッヒとミリアリア・ハウがキラに近づく
「え⁉︎またかよ・・・昨日の奴も終わってないのに〜」
「大変だな。お?また新しいニュースか?」
「うん。カオシュンだってさ」
「カオシュンって・・・ここから近いじゃない!大丈夫かしら?」
「大丈夫さ。確かに近いが、ここは中立国だからな。襲われることは無いよ」
「そう?・・・ならいいけど」
「ところでセナは?一緒じゃないのか?」
「ああ、セナは」
「ごめ〜ん、遅れちゃった!」
奥からオレンジの髪を肩まで伸ばし、髪と同じオレンジの瞳の少女が駆け寄る
「ハァ、ハァ、ハァ・・・待たせちゃった?」
「相変わらずだな、セナ。同じ家にいるのに何でセナだけ遅れるんだ?」
「いつも通り猫を追いかけてたんでしょ?それで道に迷って彷徨ってたんでしょ」
「ウグ、何故分かったのよ」
セナが動物好きなのはキラ達には周知の事実だった
「いつもの事じゃない」
「だから言ったよね、セナ。迷っても知らないよって」
「キラ、ほんとごめん。次は気をつけるからさ」
そしてよく道に迷う事もセナのあるあるだった
「これはまたやらかすな」
「またやらかすわね」
「ちょっ!二人共酷くない⁉︎何でそんな事言うのよ」
「「だってセナだし」」
「そんな〜」
「ほら、全員集まったし行くよ」
ヘリオポリスの宇宙港に一隻の連合の船が入港する
「これでこの船の最後の任務が終わったな。ここまでの護衛の任務ご苦労だったな、フラガ大尉」
「いえ、航路何もなく幸いでしたよ。周辺にザフトの船は?」
「二隻トレースしたが、港に入ってしまえばザフトも手は出せまい」
「中立国、でありますか。聞いて呆れますな」
「ハッハッハ。オーブも地球の国家の一つということよ」
「では艦長、我々はこれで」
5人の若者が艦長に敬礼し、ブリッジを後にする
「本当にアイツらだけで上陸を?」
「確かヒヨッコだがGのパイロットに選ばれた精鋭だよ。お前まで上陸したら余計に目立ってしまうからな」
不安はあるが艦長の言う事も一理ある、ムウはそう考えてあとは任せることにした
ヘリオポリスの周辺の小惑星にナスカ級とローラシア級のザフト艦が停泊する
「そう難しい顔をするなアデス」
「はぁ・・・しかし評議会からの返答を待ってからでも遅く無いのでは?」
「遅いな。私の勘がそう告げている。ここで見過ごせばその代価、我々の命で支払わなければならない。新型兵器を持ち出される前に強奪する。良いな?」
「はっ!」
「一つ質問してもよろしいでしょうか、クルーゼ隊長?」
ラウ・ル・クルーゼに近づく水色の髪を背中まで伸ばした、紫の瞳の少女エリス・シルファ
彼女は少し不機嫌そうな顔でクルーゼに質問する
「ああ、何か疑問が?」
「はい。新型兵器の強奪は分かります。しかし何故私だけ待機なのです?同期は皆んな作戦に参加しているのに・・・私は頼りないですか?」
その疑問は自分も作戦に出たかった、というよりは自分を頼ってくれなかった事に対する不満が込められていた
「全員で乗り込む必要はないだけさ。それに何が起きるか分からないからね。その対処の時に君に頼らせてもらうよ、エリス」
「隊長・・・分かりました」
キラ達がエレカ乗り場に着くとフレイ・アルスターとその友達が喋っている
「だからそんなんじゃ・・・あ、ミリアリア、セナ」
「はーい。どうしたの?」
「聞いてよミリアリア。フレイったらあのサイから手紙もらったのに何でもないって言うのよ〜」
「えっ・・・」
「だからそんなんじゃないって。いい加減怒るよ」
「ゴホン、乗らないなら先に乗っても良いかな?」
「あ、ごめんなさい、どうぞ」
3人組の男女がエレカに乗って先に行く
「・・・もう知らない!行くわよ」
「あ、フレイ。待ってよ〜」
フレイ達も先に行く
「・・・手紙出したんだってさ。サイのやつ意外だな。これは強敵だぞ、キラ・ヤマト君」
「え、そ、そんなんじゃないって」
「ふふふふふ」
「あ、来たよ。乗ろう」
ヘリオポリスに侵入するザフト兵達
遠くから運び出されるモビルスーツを観察する
「見つけた。・・・クルーゼ隊長の言ってた通りだな」
「突けば出るって事か?」
「そうだな。ナチュラルは愚かな連中だな」
「この感じならエリスが居なくても問題ありませんね。行きましょう」
「ああ、アイツの分まで土産持って行かないとな」
キラ達がラボに到着するとサイ・アーガイルが話しかける
「よう、キラ。これ、カトウ教授から預かってたぞ」
「うげ、またかよ・・・昨日の終わってないのに」
またやってきたカトウ教授からの依頼に嫌そうな顔をするキラ
「なぁ、カズイ。あの人誰?」
「教授のお客さんらしいよ」
部屋の隅にいる金髪の青年に見える少女
一人で壁際にいる少女に誰も声をかけられないでいた
「また教授のやつキラに仕事させて・・・キラの事なんだと思ってるのよ」
「まあまあ、落ち着いてセナ」
「それ何なんだ?モルゲンレーテの仕事なのか?」
「うん。多分ね。プログラムの解析だと思うけど」
突如大きな音と揺れに驚くキラ達
「何だ、今の⁉︎」
「キャアアアアア‼︎」
「今の隕石か⁉︎」
外に出て確認するキラ達
「アレは、モビルスーツ⁉︎」
「ザフトが攻めてきたのか!」
駆け出す金髪の少女
「あ・・・君!どこへ行くんだよ!」
「キラ、待って!」
後を追うキラとそれを追いかけるセナ
「キラ!セナ!どこへ行くんだよ⁉︎」
「危ないわよ、二人共!」
「先に避難してて。後で合流する」
「キラ!貴方も待ちな・・・ん?」
白黒の猫が建物の地下に向かうのを見つけるセナ
「ちょっと、そこに行ったら逃げれないわよ!待ちなさい」
「セナ?どこへ・・・セナなら大丈夫だろう。それよりあの人だ。どこへ行くんだよ」
金髪の少女の腕を捕まえて止めるキラ
「離せ、私は平気だ。お前は避難しろ」
「何言ってんだよ!アンタも避難を」
ジンが頭上を通り、風圧で帽子が取れる
「え、君女の子なの⁉︎」
「はぁ⁉︎今更気づいたのかよ」
「あ、いや・・・それより避難しないと」
「あ、おい!私に構うなよ」
「良いから、こっちだよ。ってこれは⁉︎」
キラ達の下に灰色のモビルスーツが並んでいる
「・・・やっぱりだ。クッ、お父様の裏切り者‼︎」
「ッ⁉︎誰なの!」
キラ達の足元に銃弾が飛ぶ
「あれは子供⁉︎何故ここに?」
「えっと・・・こっちだ!すみません、まだ入れますか?」
「ここはいっぱいだ!あと一人しか乗れないよ」
「なら、君が乗って」
「え、お前は?」
「良いから、早く」
金髪の少女をエレベータに押し込み、戻るキラ
「あれはさっきの。何故戻ったの?」
「エレベーターがもういっぱいになってたんです」
「なら、こっちに。急いで」
「分かりました」
マリューの腕が撃たれる
「ウッ!」
「あ、そんな、大丈夫ですか・・・え、アスラン?」
「こんのぉ!・・・キラ?どうしてここに?」
驚いているキラとアスラン
二人は幼馴染であったが、お互いにここで再会するなど夢にも思っていなかったのだ
「こうなったらこれだけでも」
「わっ⁉︎」
マリューがその場にあるストライクにキラ事乗り込む
「キラ!・・・クソ、今はアレを」
アスランも近くにあったイージスに乗り込んだ
「キラ・・・いや、そんな筈は」
白黒の猫を追いかけるセナ
「だからそこは行き止まりだって・・・ってここは?」
セナが周りを見渡すと中に灰色のモビルスーツが一機と武器が置いてあった
「これ、モビルスーツ?て事はここ格納庫?・・・それより猫!捕まえた」
近くにいた猫を抱きかかえるセナ
「ニャアアン」
「ほら、暴れない・・・ってここも崩れそうね!アレに乗るしか」
モビルスーツに猫と共に乗り込むセナ
「えっと・・・どうすれば良いのかな?」
「ニャアン」
「わっ!勝手に押したら・・・なんか点いちゃった」
灰色の体が全体的に白く、肩と胴体と足先が黒く変色した
「よし動ける。こうすると歩いて・・・バランス取るの大変だ。ここを動かすと・・・腕が動くのか。ここ踏むとスラスターか」
フラフラとはしているが、それでもセナの技量でなんとかバランスを取っているセナのモビルスーツ
「よし、何となく分かった。とりあえず盾は左腕に付けて、ライフルは腰にマウントしてと。この建物、人居ないよね?よし脱出しよう」
置いてあるシールドとビームライフルを装備してからしゃがみ込み、大きくジャンプして天井を突き破るセナのモビルスーツ
爆炎の中立ち上がるストライクとイージス
「キラ・・・そっちはどうだ?」
「こっちはいつでも行けるぞ。そっちも上手く行った様だな」
「いや、ラスティは撃たれた」
「何⁉︎ならそっちのは敵か」
「待って下さい。目的はこれの強奪です。先に持ち帰らないと」
建物を突き破りセナのモビルスーツが飛びだす
「何だアレは⁉︎」
「聞いてないぞあんなの⁉︎しかも動くのかよ」
「今はコレを持ち帰りましょう!」
「アレはGの試作品の・・・誰がアレを⁉︎」
突如現れたセナのモビルスーツにアスラン達ザフトもキラ達も驚愕する
「これは・・・ザフトの以外のモビルスーツもいる。これと同じなのかな?とりあえず!」
ジンに向かって飛び、蹴りを入れる
「グッ!中々やるな」
「ミゲル、大丈夫か⁉︎」
「ああ、お前も早く行け、アスラン」
「気をつけろよ」
「武器は・・・ライフルだとコロニーが危ないから、コレかな!」
イーゲルシュテルンを撃つがすぐに弾切れを起こす
「早っ⁉︎何でこんなに弾少ないの!」
「何だ終わりか?オラ!」
重斬刀で切りかかるジンをギリギリ躱わすセナのモビルスーツ
「危な‼︎でもこのままじゃ」
「なんとかしないと、グゥ」
倒れるストライク
「どうしてこんなにバランスが取れないんだ・・・ってこのOS、こんなんでコレを動かす気かよ!」
「まだ完成してないの。仕方ないでしょ」
「貸して!」
「アレは全然動けないんだな。なら先に」
「クッ、一か八かで一発」
ビームライフルを取り出して構えるセナのモビルスーツ
「よし、出来た。これで!」
キラの高速OS書き換えでストライクが立ち上がれる様になり、ジンを殴り飛ばす
「ウオォ!何しやがる!」
「武器は・・・これだけか!」
腰部からアーマーシュナイダーを取り出し、ジンの首元に突き刺す
ジンから火花が散り、ミゲルが脱出する
「まずい、急いで離れて!」
「え、はい」
ストライクが飛び引いた直後に爆発するジン
「ふーなんとかなったのかな?」
「ひとまずはね。それよりあの機体、誰が動かしているのかしら?」
「はー疲れた。よしあそこで降りよう」
「あ、待ちなさい」
広場に歩き出すセナの機体を追いかけるストライク
二人の戦いは始まったばかりだった
いかがでしたか?
駆け足気味のスタートですがこれからよろしくお願いします
ちなみにセナの機体は後に名前を付けられます。お楽しみに。