ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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今回は次の回の為に少し長くなってしまいました。
この回で多くのキャラの考えや心情に変化が見え始める回だと個人的に思っています。


第二十八話 動きはじめた歯車

オーブに戻って来たセナとカガリ

 

「我々はもう一度捜索をしてみる。カガリと君はオーブで待っていてくれ」

「分かった。頼む、キサカ」

「私からもお願いします。キラを、トールももしかしたらあそこに・・・」

「ああ、保証は出来ないが、善処はする」

 

キサカとオーブ軍兵士を乗せた艦が再び救助に出る

 

「行ったな・・・セナ、私達も行こう」

「行くってどこに?私は一応地球軍よ。本来中立国に居てはいけないわよ」

 

アスランが敵にいた事、キラと殺し合った事、そしてキラが撃墜されて、生死不明の状況にセナは憔悴していた

 

「セナ・・・そんな事はない!地球軍とか、軍人とか関係なくお前は私の友達だ!ここに居ても良いんだ!」

「カガリの言う通りだ。今は地球軍なのかもしれないが、それ以前に君はオーブの子だ。それだけで十分だ」

「それに私達も貴女達に助けられたもの。理由なんてそんなもの気にしなくていいのよ」

 

ウズミとエリカがセナに近づく

 

「お父様⁉︎エリカまで、一体どうして?」

「救助隊がセナを見つけたと聞いてな。迎えに来ただけさ」

「アークエンジェルと連絡がつけばそちらに返すでしょうけど、それまでの間、手伝ってもらいたくてね。良いかしら?」

 

正直何もする気も無いのだが、何かして気を紛らしたかったセナはモルゲンレーテの手伝いをする事にした

 

「えっと、大丈夫ですよ」

「そう、それは良かったわ。ちょうど貴女に手伝って欲しい事があってね。力貸してちょうだい」

「良いですけど、M1アストレイのテスト運転ですか?それともパイロットの育成とかですか?」

「いえ、今開発中の新型モビルスーツがあるんだけどね。とある人から渡された設計図を元に開発しているんだけど・・・それのテストパイロットをお願いしたいの」

「新型・・・一体誰からなんですか?」

 

オーブの新型モビルスーツ、未知の存在に少しだけ興味が湧くセナ

 

「さぁね。匿名で送られたから分からないの。ウズミ様に言われて開発はしているんだけど。従来のモビルスーツを遥かに超えた性能を誇るから、相当腕の良いパイロットじゃないとテスト運転が出来ないと思うの。私の知る限り、貴女が一番モビルスーツを上手く扱えるから。貴女にお願いしたいの」

「分かりました。今からですか?」

「いえ、まだ製作途中なの。機体が出来次第、連絡するわ。それまでゆっくりしてちょうだい」

「分かりました。それでウズミ様は・・・」

「ああ、この後大丈夫かな?」

「はい・・・もしかして例の」

「そうだ。良いかな?」

「大丈夫ですよ」

「お父様、セナとなんの話を?」

「少しな・・・二人きりで話したい事があるんだ」

「後でね、カガリ」

「あ、うん。終わったら連絡してくれ」

「うん。行きましょうか、ウズミ様」

「ああ、何度もすまないな」

 

カーペンタリア基地で療養中のアスランとエリス

 

「そう、自爆でストライクをね・・・一人で倒したなんてやるじゃない、アスラン」

「そうだな・・・エリスこそ、あの怪我でよくプロトを倒せたな」

「私は最後に良いところもらっただけよ。イザークが粘ってくれたのと、ディアッカが捨て身で奴を消耗させたお陰。たった一機に三人がかりでやっとよ・・・」

「クルーゼだ。入るぞ」

 

クルーゼが部屋に入って来る

 

「隊長・・・」

「隊長、お久しぶりです」

 

立ち上がり敬礼しようとするエリスだが、怪我が痛み上手く動けなかった

 

「そのままで良いさエリス」

「・・・申し訳ありません」

「いや、報告は聞いた。君はよくやってくれたよアスラン」

「いえ・・・」

「エリスやイザークにディアッカの活躍も聞いたさ。よくやった」

「ありがとうございます、隊長」

「私こそ対応が遅れて済まなかったな。確かに犠牲も大きかったが、それもやむを得ん。それほどに強敵たったという事だ。君達の友人は」

「君達?」

 

クルーゼの言葉に首を傾げるアスランだが、クルーゼはそのまま話を続ける

 

「辛い戦いだったと思うが、ミゲル、ニコル、バルトフェルド隊長、モラシム隊長。他にも多くの兵があの二人によって命を奪われたんだ。それを討った君達の強さと頑張りは本国でも高く評価されているよ。君にはネビュラ勲章が授与されるそうだアスラン」

「え?」

「私としては残念だが、本日付で国防委員会直属の特務隊へ転属との通達も来ている」

「そんな、隊長」

「トップガンだなアスラン。君は最新鋭機のパイロットとなる。その機体受領の為にも即刻本国へ戻って欲しいそうだ」

「しかし」

「お父上が評議会議長になられたのは聞いたかね?」

「あ、はい」

「ザラ議長は戦争の早期終結を切に願っている。本当に早く終わらせたいものだな、こんな戦争は。その為にも君もまたその力を尽くしてくれたまえ」

「隊長・・・はい」

「エリスも本国へ戻りたまえ。君には療養の時間が必要だからな」

「分かりました・・・一大事な時に力になれず申し訳ないです」

「いや、むしろ君には感謝しているとザラ議長からだそうだ。君のあの発言が、あのファーストステージシリーズを生み出したんだからね」

「ファーストステージシリーズ?それが今造られている最新鋭機なんですか?」

 

自分の言葉がきっかけで出来たモビルスーツの存在に疑問を持つエリス

 

「そうだ、君の考察から出た核動力の機体というのをヒントに開発したと聞いている。本当かどうかは知らないがな」

「え⁉︎でもアレは・・・その・・・」

 

エリスからすればただの勘違いという記憶から消したい程の恥ずかしい出来事だった

 

「結果的に勘違いだったさ。だが、現場にいるものの意見というものは開発部門にとってはとても重要なものでね。お陰で素晴らしい発明が出来たと言っているさ。まぁ、その内の一つは設計図ごと消えたらしいがな。だが4機の内2機は完成しているらしい。とてつもない性能だよ。君はある意味、世界を動かしたのさ。誇って良い」

「はい・・・」

 

ラクス邸で療養中のキラ

 

「そう・・・そんな事があったのですね、キラ」

「どうしようも無かった・・・僕は、彼の仲間を、殺して、アスランは僕の友達を殺した。だから・・・」

「貴方はアスランを殺そうとしたのですね。そしてアスランも貴方を・・・

 でもそれは仕方のないことではありませんか?戦争であれば。お二人共敵と戦われたのでしょう?違いますか?」

「敵・・・僕は・・・」

 

アラスカ基地に辿り着いたアークエンジェル

医務室で両手を縛られたまま横たわるディアッカ

 

「アイツらは無事かな?イザーク、プロトに勝てたのか?ストライクは倒せたのか?俺は・・・」

 

サイが憔悴しきったミリアリアを連れて医務室に入って来る

 

「中で待ってて。先生に薬かなんかもらおう。少し眠らないとさ。ね」

「・・・うん」

 

サイが退室して近くの椅子に座るミリアリアだったが、近くにいたディアッカを見つけて怯え出す

 

 

「あれ?なんだよその面?俺が怖い?珍しい?大丈夫だよ、ちゃんと繋がっているからよ」

「貴方、ザフトの・・・」

「つーか、お前また泣いてんの?なんでそんな奴がこんな艦乗ってんだかーそんなに怖いんなら兵隊なんかやってんじゃねーつうの。ああ、それともバカで役立たずなナチュラルの彼氏でも死んだか?」

「お前‼︎」

 

ミリアリアが近くにあったナイフをディアッカに振り下ろす

咄嗟に躱わすディアッカ

 

「何すんだよ、お前!」

「ふぅ、ふぅ、ウァァァァァァァァァァ‼︎」

 

ナイフで切り掛かるミリアリア

頭から血を流すディアッカ

 

「痛て、なんなんだよコイツ」

「なんでお前が、生きているのに・・・トールは帰って来ないのよ‼︎」

「トール?誰だよ知らねーよ!」

「それ以上、喋るなぁぁぁぁぁ‼︎」

「ミリアリア!」

 

ミリアリアがナイフを振り下ろそうとするのを止めるサイ

 

「離して!」

「落ち着くんだミリィ!」

「トールが、トールが居ないのに‼︎なんでこんな奴!こんな奴がここにいるのよ‼︎」

「ミリアリア」

「なんで、トールが、トールが居ないのになんで・・・うぅ、うぅ・・・」

「どうしたの?外まで聞こえて来たんだけど」

 

医務室に入って来るフレイ

 

「どうしたのよ、コレ⁉︎何があったのサイ?」

「分からない。少し目を離したらミリアリアが」

「急にその女が襲って来たんだよ!どうなってるんだよ、この艦は。まともな兵士は居ないのかよ」

「そんな訳ないでしょうが‼︎私もこの子も!ただの学生よ!」

 

ディアッカに掴み掛かるフレイ

 

「は?学生?地球軍の軍服来ているだろうが」

「アンタ達が襲って来なければ!ヘリオポリスを壊さなければ!私のパパを殺さなければ‼︎私もミリアリア達も兵士なんかやってない‼︎」

「ヘリオポリス⁉︎あそこに居たのかお前ら?」

 

ディアッカは、というよりザフト視点ではヘリオポリスは地球軍が新型モビルスーツを開発した場所であって、そこに住んでいる人の事を考える余地までは無かった。だがその態度が更にフレイを怒らせる

 

「アンタ達がいつまでも追って来るから!戦わなければみんな死んじゃうから!キラもセナもトールも私達も!戦うしか無かったのよ‼︎」

「そんなの、知らないよ!お前ら地球の奴らがユニウスセブンに核ミサイルを撃つからこうなってるんだろうが!それに俺達だってニコルを、仲間をやられているんだ!」

「ユニウスセブンの事は私達のせいじゃない!私達は何にもしていない!ただ平和に暮らしていただけよ‼︎貴方達にどんな思いがあるのかは知らないけど!何を背負っているのか知らないけど!それでこちらも大事なものを失っているのよ‼︎辛いのはこっちもよ‼︎」

 

涙を流しながらディアッカに怒りをぶつけるフレイ

 

「な・・・」

「アンタ達のせいでセナが・・・あんな風になって・・・トールも、キラも、セナも居なくなったのに・・・なんでこんなのが・・・ここにいるのよ・・・なんでこんなの捕虜にして丁重に扱わないといけないのよ・・・同じコーディネイターでも・・・同じパイロットでも、キラやセナとは違う。あの二人は、優しい子だった。アンタや私と違って、ここで死んでいいやつらじゃないのよ‼︎」

 

ディアッカから手を離すフレイ

 

「そうよ、私のせいよ・・・私が軍に入ったから、みんなに軍に入る様に促したから・・・私が居なければ、うぅ、私が殺したのよ!」

「フレイ、落ち着いて!君は悪くない!だから自分を責めないで」

「サイ・・・ごめんなさい。貴方にも辛い思いさせて・・・私には慰めてもらう資格なんて・・・」

「いいんだフレイ。いいんだ」

「フレイ・・・軍に入るのを選んだのは私達よ。だから・・・フレイは悪く、ないから・・・うぅ、あぁ、あぁ」

 

互いに励まし合いながらも泣き続けるミリアリアとフレイを見て先程の発言に罪悪感が出てくるディアッカ

 

「・・・なんだよそれ・・・そんなの、聞いてねーよ・・・」

 

サザーランド等の査問会に呼び出されたマリュー達

 

「では君はその時点で既にこの少年、キラ・ヤマトがコーディネイターなのではないかという疑念は抱いていたという事だな」

「はい。幾ら工業カレッジの学生であるとはいえ、初めて見る機体を。それも我が軍の重要機密であったX No.のOSを瞬時に判断し、書き換えを行うなど普通の子供に出来る事ではありません。彼はコーディネイターなのではないかという疑念はすぐに抱きました」

「ふむ、その力を目の当たりにして君はどう感じたのかな?」

「え、ただ驚異的なものだと」

「ふん・・・そしてジン爆発の際、気を失った君は彼と彼の友人等に介抱されその後彼等を拘束した」

「はい」

「これは的確な判断だったと言えような。君は負傷していたという事だし、一刻も速く態勢を整え、状況を把握する必要もあった。

 だが本隊と連絡がつかぬ内にフラガ少佐の追撃を躱したザフトのモビルスーツが再びコロニー内へ侵攻。不運だったとしか言いようが無いが。だがストライクはその際、何も知らぬ民間人に。しかもコーディネイターの子供に預けられたままであり、君はそれを十分にコントロールしえなかった。そうだな?」

「いえ!しかしあの場合」

「今は事実確認を行なっているのだフラガ少佐。私的見解は無用に願いたい。

 結果キラ・ヤマトは、その威力も知らぬまま、320ミリ超高インパルス砲アグニを発射し敵モビルスーツを退却させる事には成功したものの、ヘリオポリス構造体に甚大な被害を及ぼした。またこの一撃はザフト軍奇襲部隊に非常な危機感を与え、彼等の再度のコロニー内侵攻を促したと言えよう」

「それは結果からの推測論に過ぎません!」

「認めよう。だが君も指揮官として戦場に出る者なら分かるだろう。君がもし奇襲作戦の指揮官であったとして、その様な敵新型兵器の威力をまざまざと見せつけられそれを見過ごせるものかね?」

「・・・いえ」

「反撃は誤りだったとおっしゃるのですか?」

「そうは言わんよ。だが、コーディネイターの子供など居合わせたのが不運というところかな」

「そんな!彼等が居なければ我々は」

 

全ての責任はコーディネイターであるキラが居た事だと暗に仄めかすサザーランドに内心の怒りを抑えきれないマリュー達

 

「だが居なければヘリオポリスは崩壊しなかったかもしれん。過ぎた時間にもしもは無いがね。だがもし、彼がOSの書き換えなど出来ぬ、姉と同じただのナチュラルの子供だったなら。その時ストライクになど乗っていなかったなら、もしくはナチュラルである彼の姉がストライクに乗っていたのなら、結果は自ずと違っていた筈だ。だが彼はそこに居た。そして彼をストライクに乗せてしまったのは君だろ?ラミアス少佐」

「全ては私の判断ミスと?」

「我々はコーディネイターと戦っているのだよ、ラミアス少佐。その脅威的な力と。民間人の子供であろうが、コーディネイターはコーディネイターなのだよ。

 それを目の当たりにしながら何故それに気づかない?奴らがいるから世界は混乱するのだよ!

 アークエンジェルはその後もユーラシアの軍事拠点アルテミスを壊滅させ、先遣隊を全滅させ、果ては第8艦隊をも失わせている」

「曲解です!我々は」

「我々は?なんだね?」

「我々はハルバートン提督の!」

「彼の意思が地球軍の総意なのかね?一体いつそんな事になったのだ?

 落ち着きたまえマリュー・ラミアス。私は全て諸君等に非があると言っている訳では無い。過酷な状況の中、実に良く頑張ったものだと思う。

 だがそれだけの犠牲を払い、入港したアークエンジェルは、肝心のそのストライクと例の試作機すら失っているという有様だ。それで犠牲になった者達が浮かばれるのかね?全てを明確にしこの一連の戦いの成果と責任をはっきりさせねばならんのだよ。誰もが納得する形でね。では、続けようか」

 

檻にいるディアッカを訪ねるミリアリア

 

「ん、誰だ?」

 

ディアッカの顔を一目見てその場を離れようとするミリアリア

 

「あ、待てよ!・・・って、その・・・お前の彼氏。どこで、その」

「・・・スカイグラスパーに乗ってたの。島でアンタ達が攻撃して来た時」

「スカイグラスパー?」

「戦闘機。青と白の」

「・・・俺じゃない」

「え?」

「どうしたんだよ?殺しに来たんならやればいいだろ。この艦を攻撃したのは作戦だからともかく、知らなかったとはいえあんたには酷い事言っちまったみたいだしな。それだけは、悪かったとは思う」

「あんた・・・」

 

一通り質問を終えるサザーランド

 

「ではこれにて当査問会は終了する。長時間の質疑応答、ご苦労だったな。アークエンジェルの次の任務は追って通達する。

 ムウ・ラ・フラガ少佐。ナタル・バジルール中尉。フレイ・アルスター二等兵以外の乗員はこれまで通り、艦にて待機を命ずる」

「では、我々は?」

「この3名には、転属命令が出ている。明日0800、人事局へ出頭するように。以上だ」

「あの、アルスター二等兵も転属というのは?」

「彼女の志願の時の言葉。聞いたのは君だろう?」

「あ、はい」

「アルスター家の娘でもある彼女の言葉は多くの人々の胸を打つだろう。その志願動機と共にな。彼女の活躍の場は、前線でなくて良いのだよ」

 

部屋に入るセナとウズミ

 

「何度も済まないな、セナ」

「いえ、私は大丈夫ですよ」

「プロトを撃墜され、死にかけたと聞いたよ。前に大気圏突破をして、酷い状態にもなったそうだな」

「はい・・・お恥ずかしい限りです」

「別に責めてるつもりは無いんだ。結果的に君は生きているのだしな。リナは・・・違った」

「リナさんって、確か交通事故で亡くなったと前に」

「そうだ。リナは、太陽みたいに明るくて、破天荒だった」

「破天荒?」

「ああ。同じ場所に留まるのが苦手な奴でな、成人してすぐに旅に出たんだ。数年間、手紙でのやり取りしかしてなかったが、とにかく人と交流して仲良くなるのが好きな奴で現地の人とよく写真を撮ってこっちに何枚も送りつけて来るんだよ」

 

ウズミに写真を見せられるセナ

写真の中にはセナと瓜二つの女性が何枚も写っていた

 

「これがリナさん。本当に似ている。というかほぼ私じゃないですか?」

「そうだろ?モルゲンレーテで君を一目見た時に我が目を疑ったよ。リナが帰って来たとな」

「帰って来たって、もう亡くなっていたんですよね?」

「ああ、20年以上も前にな・・・だが、いずれリナは帰って来る。そんな気がしてたんだよ」

「どういう事ですか?」

「前に君の事をリナの生まれ変わりと思ってしまうと言ったのを憶えているかな?」

「はい」

「交通事故で亡くなる前にな、オーブに帰って来たリナが私に話したのだよ。いずれ人は死を克服出来るようになる。そして何度も生きる事が出来るってな」

「何度も生きる?」

 

トールが死に、キラが死んだと思っているセナにとってその話題は聞き捨てならない事だった

 

「ああ、いつ頃からかは知らないが、リナは研究者になっていた。そこでとある研究をしていたんだ。輪廻転生の研究をしていたらしい。その資料ももらっているが、正直見てもよく分からない。だがもうすぐで出来るかもしれないとも言っていた」

「輪廻転生・・・何の為にですか?」

「その方が人の為になるから、と言っていたよ。あと人生一度っきりはつまらない、何度も味わえた方が楽しいともな」

「楽しい・・・ですか」

「ああ。なのに?交通事故で亡くなって、他にこれの研究をしている者も現れず、私自身もこれを継ぐ事も出来ないからと、リナが戻って来るのを諦めていた。それでもリナは、ふとした時にひょっこり現れる、そんな気がずっとしたのだよ」

 

懐かしむ様にリナのことを思い返すウズミ

 

「そうなんですか・・・それにしても太陽みたいって、一体どんな感じなんだろう?」

「君も太陽みたいだよ、セナ」

「え、私が?」

「君は戦争に巻き込まれた時も、軍人として戦っている時も、常に他者を思いやる心があった。その君の想いが、優しさが、人の気持ちを照らしているのだ。そんな君の明るさに何度も助けられたとラミアス艦長をはじめ、多くのクルーが言っていたよ」

「いつの間にそんな事・・・」

「・・・話が長くなってしまったな。何度も済まないな」

「いえ・・・また機会があれば、リナさんの事、聞いてみたいです」

「そうか・・・ならコレを持っていてくれ」

 

リナの写真をセナに手渡すウズミ

 

「リナさんの写真をですか?私が持っていていいんですか?」

「何となく君が持っていた方がいい、そんな気がしたのだ」

「よく分かんないですけど、ありがとうございます」

「それともう一つ、エリカが言っていた新型についてだが」

「確か匿名で送られた設計図を元にウズミ様が作る様に命じたんですよね?」

「ああ、実はその設計図をこちらに送ったのは私の古い友人でな。その友人が言っていたのだよ。この機体の力は、強すぎる。だからこそ、こちらにあっては危険過ぎる。正しい事に使える信用の出来る人間にこの機体を使って欲しいとな」

「そんなに凄いんですか?その機体は」

「凄いどころの話じゃないらしい。エリカが設計図を見た時に造るのを強く反対してな。この機体を考えた奴は地球を滅ぼす気なのか、てな」

「地球を⁉︎それ本当なんですか?」

 

モビルスーツの力というものをセナは身をもって知っている。だがそれでもモビルスーツだけで敵戦艦も基地も破壊するのは容易でない事を知っている。だからこそ地球を滅ぼす程の強大な力というものがピンときていなかった。

 

「そこまでは分からない。だが、それ程の力を秘めているのは確かだ。だからこそ君に託したいと思っている」

「私⁉︎何故ですか⁉︎」

「言っただろ?正しい事に使える信用の出来る人間に使って欲しいと。私にとってはそれが君だっただけさ」

「え⁉︎いや、流石に・・・」

 

強大な力を持つ事は、それだけの責任が伴う。それを理解しているセナは突如託された事に驚きを隠せなかった。

 

「それにエリカも君くらいしか使いこなせないとも言ってただろ?やってくれないか?」

「・・・分かりました。私でよければお手伝いします」

「頼んだぞ、セナ」

(これで良いんだよな?シーゲル。しかしこんなモビルスーツを開発するとは、ザフトは一体何をする気なのだ?)




リナの存在は、実はこの作品内に置いて余り重要ではありません。いつだって世界を動かすのは生きている人間だけなのです。
ウズミがもらった設計図は、クライン派の手によって送られたものです。どんな力があるのか。そして誰が扱うのか、お楽しみに。
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