ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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ここで新型機が登場します。姿や武装などイメージ出来るように描けましたかね?


第三十一話 裁き

フリーダムの前で話すキラとカガリ

 

「それにしても良く無事だったな、キラ。心配掛けやがって。セナとアスランはすぐに見つかったのに」

「そっか。アスランに会ったんだ」

 

アスランが生きていた事に安堵するキラ

 

「お前らを探しに行ったらセナとアイツを見つけたんだ。めちゃくちゃ落ち込んでたぞアイツ。お前を殺したって泣いてた」

「・・・あの時、僕は彼の仲間を殺して、アスランはトールを殺した。どうしようもなかった。僕も、きっとアスランも」

「小さい頃からの友達だったんだろ?」

「アスランは昔から凄くしっかりしててさ。僕はいつも助けてもらってた」

「なんでその・・・そんな奴と戦ってまで、地球軍の味方をしようなんて思ったんだ?」

「え?」

「いや、だってさ。お前コーディネイターなんだしそんな、友達と戦ってまでなんて、なんでだよ?」

「僕がやんなくちゃ、みんな死んじゃうと思ったから・・・僕コーディネイターなんだし」

「え?」

「本当は、ほんとの本当は・・・僕がアスランを殺したり、アスランが僕を殺そうとしたりするなんて事、無いと思っていたのかもしれない」

「キラ・・・」

 

怪我を治し、赤服に着替えたエリスにクルーゼが通信を入れる

 

「遂に復帰出来るそうだな。治るのが早いな」

「こういうところだけは感謝出来ますよ・・・それで私は、今からどうするんですか?」

「君にはジャッジメントを受領後すぐ、パナマ攻略に参加して欲しいんだ」

「パナマを・・・分かりました。奴らにアラスカの借りを返してやりますよ」

「頼もしいな。期待しているぞエリス」

 

クルーゼとの通信が終わる

 

「ジャッジメント、裁きか・・・私にそんな資格あるのかしらね・・・」

 

オーブ国防総省に集まったマリューとムウとキラとセナ

部屋にはウズミとキサカとカガリも居た

 

「サイクロプス・・・しかし幾ら敵の情報の漏洩があったとて、その様な策、常軌を逸しているとしか思えん」

「ですが、アラスカはそれでザフトの敵軍の8割を奪いました。立案者に都合がいい犠牲の上に・・・机の上の冷たい計算ですな」

「そしてサイクロプス起動から直ぐにこれが送られて来たと・・・」

 

モニターに地球軍からセナの引き渡しの要求する書状が映し出される

 

「え、コレって・・・私の?」

「なるほど、そう言うことか・・・いやらしいねぇ」

「今まで連絡が取れなかったのはそういう事だったのね・・・」

 

セナは分からなかったが、ムウとマリューは地球軍の上層部の思考を即座に理解してしまった。

 

「え、どういう事なの?」

「地球軍は君の力を欲しがっていたというわけだ。ザフトを倒すための都合のいい兵士としてね」

「都合のいい?」

「セナを引き抜いた後だと今回の事がバレたらお前は地球軍に味方しないだろ?だからサイクロプスで葬った後でアークエンジェルの乗組員をザフトの奴らにやられた事にして、お前さんにザフトを恨んでもらおうって感じかな。

 セナはナチュラルの中でもずば抜けて優れているからな。地球軍のナチュラルで初めてモビルスーツに乗って戦った奴だし、こんな回りくどい事してでも戦力にしたかったんだろうな」

「そんな事の為にアークエンジェルのみんなを・・・許せない」

「それで、オーブはなんと答えたのですか?」

「既にアークエンジェルを追ってアラスカに向かったと伝えてある。時間稼ぎにはなるだろう。ほんの少しだけだがな」

「ウズミ様・・・」

「大西洋連邦は中立の立場を取る国々へも一層強い圧力を掛けてきている。連合軍へ参戦せぬ場合は敵対国とみなすとまでな。無論我がオーブも例外では無い。

 ご存知のことと思うが、我が国はコーディネイターを拒否しない。オーブの理念と法を守るものならば誰でも入国、居住を許可する数少ない国だ。遺伝子操作の是非の問題では無い。ただコーディネイターだから、ナチュラルだからとお互いを見る。そんな思想こそが一層の軋轢を生むと考えるからだ。カガリやセナがナチュラルなのも、キラ君がコーディネイターなのも当の自分にはどうすることも出来ぬただの事実でしかなかろう」

「そうですね」

 

ウズミの言葉に頷くセナとキラ

 

「なのにコーディネイター全てをただ悪として、敵として攻撃させようとする大西洋連邦のやり方に私は同調することは出来ん。一体誰と誰が、何のために戦っているのだ?」

「しかし、おっしゃる事は分かりますが。失礼ですがそれはただの理想論に過ぎないのではありませんか?それが理想と思っていてもやはりコーディネイターはナチュラルを見下すし、ナチュラルはコーディネイターを妬みます。それが現実です」

「分かっておる。無論我が国とて全てが上手く行っているわけでは無い。が、だからといって諦めてはやがて我らは本当にお互いを滅ぼし合うしか無くなるぞ。そうなってから悔やんだとて、既に遅い。

 それともそれが世界だと言うのなら、黙って従うか?どの道を選ぶも君達の自由だ。その軍服を裏切れぬと言うのなら、手も尽くそう。君らは若く力もある。見極められろ。真に望む未来をな。まだ時間もあろう」

「ウズミ様はどう思っていらっしゃるのですか?」

「ただ剣を飾って置ける状況では無くなった。そう思っておる」

 

パナマ基地を襲うザフト軍

その中でも群を抜いて速いモビルスーツが一機戦場を駆け抜ける

フェイズシフト装甲で全身を青く染め、胸部と足先を黒、手足に黄色のラインを入れた姿をしたファーストステージシリーズの機体の一つ、ジャッジメントの姿がそこにあった

 

「凄いな、あれが噂のファーストステージシリーズか」

「なんて速さだ」

「アレが、ジャッジメントの力か・・・」

 

連合の戦車や戦闘機を両手のビームソードガンの二丁拳銃で次々撃ち落とす

 

「なんなんだ、あの機体は⁉︎」

「こんなの知らないぞ!」

「クッ!こうなったらアレを出せ!こっちもモビルスーツで対抗してやれ!」

 

基地の奥から大量のストライクダガーが現れる

 

「あれは・・・地球軍もとうとうモビルスーツを投入出来たのね。ジャッジメントの初陣には丁度いいわね」

 

ストライクダガー達のビームライフルを簡単に躱し、ビームソードガンを変形させ、ソード形態に変え、二刀流で次々切り捨てる

 

「強すぎる!何なんだコイツ!」

「この宙の化け物が!」

「ふん、所詮はナチュラル。醜い嫉妬心の塊ね。ザフトの真似事、成果を出したストライクの劣化コピーを量産しただけ。中身は屑ね」

 

冷たい目つきで倒されたストライクダガーを見下ろすエリス

そのまま後ろから襲いかかるストライクダガー2機を背中の2つのビーム砲で撃ち抜くジャッジメント

 

「戦い方も卑怯・・・救えないわね」

「エリス聞こえるか?グングニールの設置が完了した。このまま一気に攻めるぞ」

「了解」

 

連絡が入った直後にグングニールが起動し、地球軍の多くの機器が使用不可となる

動かなくなったストライクダガーや投降した兵士に攻撃していくザフトのモビルスーツ達

 

「はっはっはっは!良い様だな、ナチュラルの玩具共!!」

「アラスカでやられた、ハンナの仇だ!!」

「ナチュラルの捕虜なんか、要るかよ!!」

 

遠くからその惨状を見つめるデュエルに近づくジャッジメント

 

「貴方は良いの?イザーク」

「動けない敵を撃って何が面白い?」

「まぁ普通はそうでしょうね。私は面白いわよ。敵を撃つというよりナチュラル共のあの姿は、無様で笑えるわね」

「エリス、お前・・・」

 

惨殺されている光景を眺めながら笑うエリスに少しだけ恐怖するイザーク

 

「別に共感してほしいわけじゃ無いわ。ただ、ナチュラルにそこまで恨みを持つ人はいるの。貴方もストライクは憎かった。違う?」

「俺は何もあんな・・・」

「それで良いのよ。貴方は間違っていない。どうか貴方はこっち側には来ないでね」

「エリス?」

 

飛び立ってデュエルから離れるジャッジメント

 

「ニュートロンジャマーキャンセラー、ここまで凄いとはね・・・私の一言でこんな事になるなんてね。でも核兵器として直接地球に向けないだけ、優しい方ね・・・」

 

ストライクとフリーダムが模擬戦をする

 

「いきなり僕と模擬戦はいくら何でも早すぎると思いますけど」

「うるせぇ!生意気言うんじゃ無いよ!セナの地獄の授業を一度体験しているんだ!行くぞ!」

 

フリーダムに切り掛かるストライク

 

「おお、動けている!ナチュラル用のOSって凄いんだな」

「そうね。キラ君が調整してくれたお陰だけれど、完成出来て良かったわ」

 

セナも模擬戦の見学を見にやってくるが、顔が暗い

 

「セナ、お前も見にきたか。ってどうした?なんか暗くねーか」

「あ、うん・・・ちょっとマリューさん達と話していてね・・・」

「なんかあったのか?」

「私・・・アークエンジェルから降ろされるらしいの」

「え、そうなのか⁉︎」

 

セナがアークエンジェルから下ろされると聞き、カガリは内心ほっとしていた。セナと初めて会った時から精神的に深く傷ついており、そのまま戦闘に出る事を心配していたので、これ以上セナが傷つかない事を嬉しく思っていた。

 

「うん・・・地球軍は私の力を欲している。仮にアークエンジェルと共に戦うとなれば、私を狙って来る。だから奴らに居場所が分からない今オーブに置いて行けば行方をくらませる事が出来るからって」

「その方が良いでしょうね。オーブが攻められる事のない限り、彼らに貴女を見つける事は出来ない」

「それは分かってます。でも・・・」

「心配するな、セナ。アークエンジェルには俺のストライクが付いているし、キラもいる。なんとかなるさ」

「でも、今まで私達3人で」

「心配しないでよセナ。今まで何度もセナに助けられてきたんだ。今度は僕達が守るからさ」

「キラ・・・」

 

キラ達が気丈に振る舞う理由は自分を庇う為なのはセナには分かっていた。だが自分が必要無くなった様に思われるその態度に、耐えきれずセナはモルゲンレーテから飛び出して行く。

 

「あ、セナ!・・・お前ら、ちょっと冷たくないか?いきなりあんな」

 

カガリも個人的にはともかく、セナが仲間を守る為に戦っていた事を知っている為セナの心情も分かるが故にキラ達の態度に少しだけ怒りを感じていた

 

「カガリの言うことも分かるよ。でも」

「セナはずっと前から限界だったんだ。心のな。それを酷使した俺達が言える事じゃないが、もう休んで欲しいと思っている」

「それは・・・そうかもしれないが」

「今のあいつには、その選択があるんだ。俺達がここを離れる時になったら、セナをよろしくな」

「・・・分かりました。せっかくだしモルゲンレーテに引き抜きましょうかね。いきなり何もしなくていいと言われても混乱するでしょうし、戦場で戦わせるよりはマシでしょう」

「お願いします、エリカさん。カガリも、セナの事頼んだよ」

「キラ・・・」

 

公園に足を運び、ベンチに座るセナ

 

「分かっている、みんな私の為に・・・けど今更、他の道なんて・・・」

「あれ?あそこにいるのって」

 

セナに近づく少年

 

「おーい、そこで何してるのお姉さん?」

「ん?」

 

セナが顔を上げると黒髪に赤い瞳の少年がいた

 

「君、あの時の・・・久しぶりね」

「うん、久しぶり。この前は妹がお世話になりました」

「良いのよそれくらい」

「ところでお姉さんは、どうしたの?こんなところで」

「あ、その・・・少し悩み事をね」

 

子供の前で悩む姿は見せたくないと思い、気丈に振る舞おうとしたが上手く出来なかった

 

「そうなんだ。大丈夫?」

「分からない・・・今までやって来たことを否定されたみたいで。もう貴女はいらないって言われたみたいで・・・違うって分かってるのに、でもどうしたら良いのか・・・」

「きっと、お姉さんの事を思って言ってるんじゃない?その人達」

「え?」

 

少年の言葉に顔を上げるセナ

 

「僕はよく分かんないけど、お姉さんはきっと困っている人を放っておけないでしょ?それでお姉さんに助けられた人はたくさん居るよ。僕達もお姉さんに助けられたんだし」

「そうかな?自分じゃあよく分からないけど」

「う〜ん、とりあえず今は何がしたいかを考えたら?お姉さんは悩んでいるよりあの日みたいに笑っている顔が似合っているよ」

 

少年の言葉に励まされ、少しだけ心が軽くなったセナは少年に笑いかける

 

「何それ、ナンパ?まだ君には速いわよ少年」

「いや、そんなつもりじゃあ・・・それに少年じゃない、僕は」

「でも元気出た。ありがとう」

 

少年の頭を撫でるセナ

 

「え、あ・・・ど、どういたしまして?」

「ふふふ、君は将来モテそうね」

「そうかな?でも元気が出て良かった」

「うん、ありがとう。私、ちょっと用事出来た。じゃあね」

「うん、じゃあねお姉さん」

 

セナが公園を出る

 

「あ、お姉さんの名前、聞きそびれちゃった・・・また会えるかな?」

「居た!お兄ちゃ〜ん!」

 

茶髪の少女が少年に駆け寄る

 

「ん?どうしたんだよこんなに慌てて。まだお昼の時間じゃあ」

「そうじゃないの!聞いてないの?避難命令!オーブが攻められるらしいって」

「え⁉︎それ本当かよ!」

「だから逃げようって!お父さんとお母さんも準備しているから速く!」

 

少年と少女が走り出す

運命は既に動き出していた




というわけでオリジナルモビルスーツのジャッジメント、初お披露目です。今後どのような活躍をするかお楽しみに。
エリスの言動や性格が変わったように見えると思いますが、エリスは元からナチュラルという種族に強い憎悪を持っています。ただナチュラルだからといって無条件に見下すような差別的な思考では無いです。あくまで連合やブルーコスモスのような思考をするものを嫌っています。
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