イザークとディアッカが話し合っている
「フリーダムのパイロット、アイツが前のストライクのパイロットさ。お前が狙っていた奴だ」
「何⁉︎」
「アイツもコーディネイターだ。アスランとは、ガキの頃からの友達だってよ」
「なんだと・・・アイツ」
以前のアスランの事を思い返すイザーク。普段から済ましている奴という印象だったが、時間を置いて考えると友人と殺し合う事にやる気など出せる筈が無く、本気になれなかった事に納得してしまった。
「俺には奴ら程の業も覚悟無ぇけどさ、見ちまったからには・・・アイツら見て、アラスカやパナマやオーブ見て、そんでもまだザフトに戻って軍の命令通りに戦うなんて事、俺には出来ねーよ」
「ディアッカ!」
ディアッカにアークエンジェルから通信が届く
「ディアッカ!聞こえる?外にドミニオンが!戻って来て!」
「分かった!今行く!
ザフトじゃなきゃ敵だと言うのなら、撃てよ」
「騙されているんだお前は!」
「さてどっちかなそれは?」
「くっ・・・」
「分からねーけど、俺は行く。出来ればお前とは戦いたく無いがな」
バスターが飛び上がる
「俺は・・・クソ!」
メンデルの施設から出るセナとキラとムウ
「ムウさん、大丈夫ですか?」
「ああ・・・なんとかな」
「ムウさんはアークエンジェルに戻っていて下さい。今は」
「セナ!キラ!少佐!聞こえますか?今外でドミニオンがまたきました!今ジャスティスがあの3機を抑えていますが少し押されています!」
「すまん!遅くなった!」
「私とキラで向かいます」
「ムウさんは戻って下さいね」
「分かってる・・・お前ら、大丈夫だよな?」
ムウはキラが自分の出生を知り、セナは世界最強の座に勝手に座らされ、その重みを背負わされていた。その事を気にしていないのか心配だった。
「・・・どんな産まれでも僕は僕ですから」
「大丈夫です。誰が相手でも、もう迷いません」
「そうか・・・気をつけろよ」
ストライクがアークエンジェルに向かい、サンシャインとフリーダムがコロニー外に向かう
外ではジャスティスがカラミティ達に囲まれ苦戦してた
「クッ!俺一人じゃあ・・・」
「どうしたんだよ!あぁ!」
「あの白いのとセナって奴はどうしたんだよ!」
「ま、お前はここで落とすけどね」
シュラークを回避したジャスティスにミョルニルが飛んでくる
「しまっ⁉︎」
「アスラン!」
フリーダムが割って入りミョルニルを蹴り飛ばす
「何⁉︎」
「来たのか・・・アイツら!」
「キラ!」
「遅くなってごめん!」
「二人共、合わせて!」
サンシャインがシールドビーム砲でフォビドゥンを狙い撃つ
「は!そんなの!」
ビームを曲げるが、カラミティの方に飛ばしてしまう
「うお⁉︎おいシャニ!何しやがる!」
「うるさいなぁ」
「おいお前ら!前!」
「「な⁉︎」」
フォビドゥンのゲシュマイディッヒ・パンツァーを連結ビームサーベルで切り付け破壊するジャスティス
カラミティにバラエーナを撃って防がせたところをビームサーベルで右腕を切り落とすフリーダム
「ああ‼︎またやったな‼︎」
「グゥ!テメー‼︎」
「野郎!」
レイダーの速射砲を回避して顔を蹴り付けるサンシャイン
「グゥ!コイツ!調子を取り戻してやがる!」
「前は散々やってくれたわね!お返しよ!」
レイダーの腹部を蹴り付け、ビームライフルで右足を撃ち落とすサンシャイン
「ああ!この野郎‼︎」
「まずはアイツからだ‼︎」
「いい加減に‼︎」
「アンタらの戦い方はもう分かってるのよ!」
セナのSEEDが発動する
カラミティのシュラークをビームサーベルで切り払うサンシャイン
後ろからニーズヘグで切り掛かるフォビドゥンを逆回し蹴りで弾き、シールドをビームサーベルで一つ切り落とすサンシャイン
レイダーのツォーンとシールドビーム砲を撃ち合わせ、頭部に損傷を与えるサンシャイン
「グゥ⁉︎」
「なんだコイツ⁉︎」
「今までと違い過ぎる!」
「今日でコイツら倒すよ!キラ!アスラン!」
「あ、ああ」
「分かってるよ・・・」
ヴェサリウスに帰還するクルーゼとエリス
とイザーク
「隊長、無事でしたか」
「ああ、なんとかな。我らも発進するぞ。奴らに取られる前にサンシャインだけでも破壊するぞ」
「はっ!」
「エリス、連続になってしまい申し訳ないが。ジャッジメントで先行してくれ」
「任せてください」
ジャッジメントが出撃する
「私も後で出撃する。ゲイツは使えなくなったから、私のシグーを用意してくれ」
「はっ!」
「それとポッドの用意をしてくれ。あの捕虜を奴らに返してやる」
「え⁉︎り、了解です」
クルーゼがブリッジを出て自室に入る
「ハァ、ハァ・・・クソ!まだだ、まだ終われないのだよ、私は・・・」
薬を飲むクルーゼ
「あ、あの・・・」
「・・・君に最後のお願いだ。君を地球軍に返還する」
「え⁉︎」
「コレを奴らに渡して欲しい。この戦争を終わらせる最後の鍵だ。君に託す」
「戦争を終わらせる・・・分かりました」
ドミニオンに通信が入る
「地球連合軍艦アークエンジェル級に告げる。戦闘開始する前に、本艦で拘留中の捕虜を返還したい」
「な⁉︎」
ヴェサリウスらからモビルスーツ群とポッドが出てくる
「クルーゼめ、嫌な時に嫌な位置に」
「バルトフェルド艦長」
「エターナルとクサナギで迎撃する!アークエンジェルはドミニオンを!」
「分かりました」
「了解」
「ここでザフト⁉︎」
「なら俺が行く!キラとセナは」
「いや、ここは私が!多分ザフトの狙いは」
「見つけた!」
サンシャインに切り掛かるジャッジメント
「やっぱり来たわね!エリス!」
「もう容赦はしない。今度はもう、殺す!」
エリスは既にセナを殺すべき敵として認識していた。だがセナも既にエリスと戦う覚悟は出来ていた。
「私がエリスとザフトを引きつける!キラとアスランはあの3機を!」
「良いのかセナ?」
「大丈夫よ。もう、迷わないから」
「・・・気をつけてねセナ」
一度距離を取りビームソードガンの二丁拳銃と背部ビーム砲でサンシャインを追い詰めるジャッジメント
「クッ!連射が速すぎる・・・」
「セナ!」
「サンシャインはそこまで速くはないからね。このまま押し切ってあげるわ、セナ!」
「舐めるな!」
背中を向けバックパックでビームを吸収するサンシャイン
「それが狙いよ!」
ビームソードガンをソード形態にして急接近するジャッジメント
「だと思ったわよ!」
背中を向けたままシールドビーム砲を撃つサンシャイン
「な⁉︎」
咄嗟に躱しバランスを崩したジャッジメントを蹴り付けるサンシャイン
「クゥ!」
「アンタの速さも、もう慣れた!」
「本当に強い、それも才能だけで・・・ふざけるな‼︎そんな事!」
「本当に才能だけだと思ってるの⁉︎違うわよ!私だって、この戦争で色々あったのよ!」
「そんなの・・・私の苦しみには」
ジャッジメントのビームソードガンをシールドで受け止めるサンシャイン
「エリスの苦しみは、怒りは私には分からない!簡単に分かるなんて言えない事だけは分かる!だからって世界を滅ぼさせる訳にも行かない!」
「あくまで世界の滅ぼさない為に止めると・・・甘く見るな!私は決めたのよ!邪魔するなら誰でも、アンタでも殺すと!なら、アンタも殺す気で来い!」
「そんな事出来るかぁ!あんな思い、もうしたくないのよ!」
「私も!あんな事二度とごめんよ‼︎だから‼︎アンタを倒す‼︎」
エリスのSEEDが発動する
サンシャインのビームサーベルの斬りつけを上半身を逸らして回避するジャッジメント
サンシャインの回し蹴りを上に回避してサンシャインの頭部に蹴りを入れるジャッジメント
「な⁉︎」
「ハァァァァァァ‼︎」
「クッ!このぉ!」
激しく撃ち合いながら徐々に孤立して行くサンシャインとジャッジメント
「おいセナ!あまり離れすぎるな!」
「敵はソイツ以外にもいるんだ!囲まれたらお前でも」
「今他を気にする余裕が無い!」
「な⁉︎」
「それにコレを放っておいたら、誰が止められるの?私は大丈夫だから!」
「セナ!」
キラやバルトフェルド達の心配も分かってはいるが、今のエリスは自分にも匹敵する程の強敵と認識したセナは全力でジャッジメントと相対する事を選んだ。
「エリス!サンシャイン相手に一人は危険だ!地球軍もいるんだ!こちらの援護が届く距離に」
「アイツら如きに遅れは取りませんよ!それにサンシャインを自由にしたら、プロミネンスカノンを撃たれるかもしれないんですよ!」
「エリス・・・せめて見える範囲に居ろよ!」
ストライクダガーをハイマットフルバーストで無力化するフリーダム
「ハァ、ハァ・・・こんなにバラけられたら・・・フォローしきれない」
「キラ!まずいぞ・・・このままだと」
「分かってる!アスラン、君はエターナルとクサナギの援護に回って」
「キラ⁉︎お前」
「ここは僕で抑える。だから」
「キラ・・・」
一瞬だけ悩んだ後、アスランはキラに任せて自分はクサナギとエターナルのフォローに回る事にした
「バルトフェルト隊長、クサナギと共に全ての火線をヴェサリウスに集中させて下さい」
「何?」
「あの艦を突破し、宙域を離脱しましょう」
「そんな!アレに向かったら3隻からの集中砲火に晒されますよ!」
ダコスタの指摘は最もだったが、このまま囲まれて撃たれ続ければ落とされるのは時間の問題だった
「ですが、突破出来れば一番追撃される可能性も低い筈です」
「・・・なるほど」
「ヴェサリウスを突破する⁉︎」
「このまま挟まれたらどうにもならん。厳しいが一か八かだ。アークエンジェルだけでドミニオンを振り切れるか?」
「分かりました。セナさん達にも知らせて」
「アークエンジェル!」
ポッドからの国際救難チャンネルでフレイの声がアークエンジェルとドミニオンに届く
「え⁉︎」
「あ?」
「なんだ?」
「な⁉︎」
「この声⁉︎」
「・・・フレイ、なの?・・・」
「フレイ⁉︎どうして・・・そういう事なの?」
エターナルやクサナギの乗組員達は分からなかったが、アークエンジェルの乗組員とナタルにはフレイの声に反応した
「アークエンジェル!ここよ!フレイです!フレイ・アルスターです!」
「ザフト脱出ポッドより、国際救難チャンネルです」
「カラミティ!サブナック少尉!ポッドを回収しろ」
「あ?分かったよ!」
カラミティがポッドに向かう
「クッ、フレイ!」
フリーダムもポッドに向かう
「キラ!」
「ごめんアスラン!アレには僕達の友達が!」
「キラ!ソイツ抑えて!私の方が近い!」
サンシャインがポッドに向かうがジャッジメントが回り込む
「させないわよ!」
「邪魔するな‼︎」
「全機、サブナック少尉を援護しろ」
「あ?しょうがねーな!」
「要するに敵を撃てばいいんでしょ?」
「良いんですか?回収なんかして」
「彼女は亡くなったジョージ・アルスター外務次官の娘です」
「いやしかし、だから罠じゃないって事じゃあ無いの?」
「私、戦争を終わらせる為の鍵を持っています!だから!」
「鍵?」
「行かせるか!」
「お前、邪魔だよ」
フリーダムにエクツァーンを撃つフォビドゥン
躱したところにミョルニルをぶつけるレイダー
「グゥ!邪魔を!」
「お前の相手は俺達だよ!」
「ハァァ‼︎」
フォビドゥンのフレスベルグをシールドで防ぐジャスティス
「キラ!ここからじゃあ無理だ!」
「でも!」
カラミティがポッドを抱える
「鍵ねぇ・・・一体何を持っているのやら?」
「そんなもの、そちらは信用なさるのですか?」
「だって気になるでしょう?普通言いませんよ。戦争を終わらせる為の鍵なんて言葉」
「とにかくコレ持ち帰れば良いんだろ?」
「ああ、頼む」
「なんだ、そんな簡単な」
「その手を離せえええええええ‼︎」
カラミティに蹴りを入れてポッドを手放させるサンシャイン
「グアァ‼︎」
「な⁉︎」
「フレイ、聞こえる?」
「この声、セナ!生きてたの⁉︎」
「今助けるから!」
「そうはさせないわよ!」
ジャッジメントが体当たりしてサンシャインを突き飛ばす
「グゥ!何するのよエリス!」
「戦闘中なのよ。これくらいの邪魔、想定した方がいいわよ」
「このぉ!」
サンシャインのビームサーベルを躱わすジャッジメント。ビームソードガンでサンシャインに切り掛かるジャッジメント
「ほらアンタ。何ぼさっとしてるの?さっさと行く」
「誰だよお前。ま、どうでも良いさ。今日は感謝するが、次会ったら容赦はしないからな!」
「それで良いわよ。ほら」
カラミティがポッドを回収してドミニオンに戻る
「あ!フレイ!この!」
「・・・アレだけ離れたらサンシャインじゃあもう追いつけないよね」
サンシャインと距離を取るジャッジメント
「な⁉︎逃げる気なの?」
「アンタ周りを見たら?流石に地球軍に囲まれながらじゃあきついでしょ?また今度ね」
ジャッジメントが撤退する
「くぅ、逃すか!」
「セナさん、撤退して!」
「ラミアス艦長!しかし!」
目の前でフレイの救助を邪魔され、簡単にジャッジメントに撤退を許してしまったセナは頭に血が昇っていた
「あの子はドミニオンで回収された。今から取り返すのは不可能だぜ」
「それを貴方が言うんですか!」
「クサナギとエターナルでヴェサリウスを突破するのよ。そこから離脱するの。だから戻って来て頂戴」
「セナ、急げ!」
「く・・・了解・・・」
クサナギとエターナルの集中砲火で撃墜されるヴェサリウス
「よし!ここを突破する!全軍急げよ!」
「了解した!」
「了解です!キラ君、アスラン君、セナさん、急いで!」
「分かってます」
「了解した」
「・・・はい」
撤退する三隻同盟
「ヴェサリウスが・・・」
「・・・こちらも撤退する。残存部隊は座標デルタゼロに集結しろ。ここで地球軍とやり合っても何にもならんよ」
「了解・・・」
クルーゼ隊も撤退を始める
「・・・今まで良くやってくれたよ、アデス・・・」
「隊長・・・申し訳ありません。サンシャインをまた」
「仕方ないさ。アレに一人で勝つのは困難だからな。せめてもう一機、対抗出来る機体があればな・・・」
ドミニオンのブリッジに上がるフレイ
「失礼します」
「へぇー、君が?」
「はい。フレイ・アルスター二等兵です」
「なるほど。で、鍵って何?本当に持っているの?」
「コレです」
アズラエルにディスクを渡すフレイ
「なんだか本当っぽいじゃない?誰に渡されたの?」
「クルーゼって隊長。仮面を付けてた人です。中身はよく分かりません」
「ふーん、分かった。確認してみるよ」
アズラエルがブリッジを出る
「よく、無事だったな、アルスター二等兵」
「バ、バジルール中尉⁉︎」
「違う。今は少佐なんだ。次は間違えないようにな」
「申し訳ありません、バジルール少佐。それよりここは?アークエンジェルじゃないですよね?」
「ああ、ここはドミニオンだ。アークエンジェルは敵前逃亡をした。彼らはもう地球軍の敵になってしまった」
「そんな⁉︎」
フレイはアラスカで別れてからアークエンジェルがどうなっていたかを知らなかった為、その衝撃は凄まじいものだった
「一度投降する様に呼びかけたが・・・駄目だった」
「・・・もし、この戦争が終わりましたら、アークエンジェルはどうなりますか?」
「結果次第だな。もし彼らを撃墜せず確保出来たら、軍法会議で裁かれるかもしれないが、それが出来ないまま終われば、もう追う必要も無くなるかもしれん」
「本当ですか?」
「保証は出来ないが、私も軍に掛け合うつもりだ」
「なら、私にも戦わせて下さい。確か格納庫には、あのプロトみたいなのがありましたよね?」
プロトを回収して修理、改修したキメラプロトは現在はドミニオンに収艦されていたが誰も乗り手がおらず扱いに困っていた
「ああ、キメラプロトの事か。確かにアレのパイロットは決まっていないが、アレは簡単に扱えるものではないぞ。それに君はパイロットでは無いだろ?」
「お願いします!一度で良いです。試させて下さい!私もこの戦争を終わらせる為に何かしたいんです!」
「・・・まぁそこまで熱意があるのを無下には出来ないな。分かった」
「ありがとうございます、バジルール少佐」
「ハハハ!やったぞ!」
アズラエルがブリッジに上がってくる。その様子は言動はアレだが理性的だった今までとは違うはしゃぎっぷりだった。
「アズラエル理事?どうされましたか?随分浮かれていますが?」
「コレが浮かれずにいられるか!遂に!遂に使える様になったんですよ!」
「使える?何がですか?」
「君のお陰だよ!フレイ・アルスター君!君はナチュラルの救世主だよ!」
「え⁉︎えっと・・・アレに何があったんですか?」
「ふふふ、落ち着いて下さいね?アレにはね、ニュートロンジャマーキャンセラーの情報が書いてあったんだよ!」
「なんですって⁉︎」
「ニュートロンジャマーキャンセラー・・・って事は!」
「そうだよ!くくく、コレで奴らを倒せる!」
コクピットから降りたキラとアスラン
「キラ、大丈夫か?」
「うん、僕は大丈夫だよ。ごめん」
「キラ」
ラクスがキラに近づく
「大丈夫ですかキラ?」
「ラクス・・・うん、多分僕は大丈夫だよ。セナは?」
「セナさんは・・・クサナギで降りた後すぐに自室に戻ったそうです。大分お疲れの様でしたが」
「無理もないよ。ただでさえ友達のエリスが敵だった事に動揺していたのに、全ての人間に許されないなんて事まで言われて・・・」
「許されない?セナがか?」
「一体誰がその様な事を?どうしてその様な事を言われたんですか?」
少しだけ怒りが出ているラクス。セナには何度も助けられた上、ラクスにとっては数少ない対等な友達と言える存在だった。そんなセナにその様な事を言われる事に納得していなかった。
「実はメンデルの施設で、僕は遺伝子調整されたんだ。スーパーコーディネイターって奴で」
「スーパーコーディネイター?」
「キラがそのスーパーコーディネイターなのですか?」
「らしいね。でもそれの為に多くの子供達が犠牲になって、それでも成功例は僕一人、他の失敗作は酷い扱いを受けたらしいんだ。エリスもその一人らしくて、この世界そのものを恨んでいる程だった。それにラウ・ル・クルーゼって人が、ムウさんのお父さんのクローンの失敗作らしくて、寿命すら短いらしく、同じく世界を恨んでいた」
「クルーゼ隊長が・・・でもそれにセナがなんの関係が?」
怒涛の情報量に驚きながらも冷静さを失わなかったアスランはセナの事を尋ねた
「セナはメンデルと関係ないよ。ただのナチュラル、だけどセナは、スーパーコーディネイターの僕よりも強い。だからこそセナの存在は全てのコーディネイターを否定して、メンデルでの犠牲を無駄にしたと、そう言われたんだ」
「なんだと!そんなのセナは何も悪くないだろ!」
「酷すぎます」
セナは産まれただけで才能を持っていた。それだけの理由で恨まれるなど酷いとアスランとラクスは憤った。
「僕もそう思う。セナは気にしてない風を装っていたけど・・・僕には分かる。セナはとても傷ついてた。ムウさんも気づいていたと思う」
「セナ・・・」
「そして最後にフレイを目の前で連れて行かれたんだ。セナには辛い一日だと思うよ」
「そうだったのか・・・お前は大丈夫なのか?その・・・」
「うん。僕の両親の事はセナに聞かされていたし、僕は一人じゃない。たとえ産まれに罪を背負っていても、支えてくれる人が僕にはいるから」
キラも気にしていないわけでは無かった。だがそれでも自分には支えてくれる人がいる、共に戦かってくれる仲間がいる事を知っているキラはそれだけで落ち込む事は無かった。
「キラ・・・そうですわね」
「ああ、俺達はお前の仲間だ」
「うん・・・二人共、一緒にクサナギに来てくれる?セナを一人にしたくないんだ」
「ああ、勿論だ」
「セナには助けてもらいましたし、慰めてもらいました。今度は私達の番です」
「うん、ありがとう」
クサナギの自室で休むセナ
「・・・エリスとクルーゼさんにあんな過去があったなんてね・・・それにキラも、あんな業を背負わされて・・・でも私は、そんなキラ達にとって、人類にとって邪魔なの?なら私は・・・」
「セナ。入って良いか?入るぞ」
カガリが部屋に入って来る
「カガリ、せめて入って良いか答え聞いてから入ってよ」
「どうせ断る気だっただろ?一人で抱え込むのは良くないぞ」
「別に私は大丈夫だから。それよりキラの事を」
「今はお前の話をしているんだセナ」
セナに近づき密着するカガリ
「カガリ⁉︎なんか近くない?」
「お前はすぐ無理をするからな。隠すの下手くそだしな」
「勝手な事を・・・」
違うと否定する事がセナには出来なかった。取り繕う余裕すら今のセナには残っていなかった。
「それにセナには私が辛い時に慰めてもらったからな。今度は私達が慰める番だ」
「カガリ・・・ん?私達?」
キラとアスランとラクスが部屋に入って来る
「キラ⁉︎アンタ、大丈夫なの?」
「うん。それよりセナこそ大丈夫なの?」
「私は別に問題無いわよ」
キラも先程の事で心が傷ついている、そう思ったセナはせめて弟の前では強くあろうと大丈夫なふりをした。それは誰がどう見ても大丈夫な人がする声でも表情でも無かった。
「本当にそうですか?」
「ラクス・・・ちょっと疲れが出ただけだから。少し休んだら大丈夫だから」
「本当か?さっきの戦い、全然余裕無かったのにか?」
「仕方ないでしょ。私は元々必死なだけだから」
「でも僕達を守る為に、ずっと耐えてくれたんでしょ?ヘリオポリスの時から」
「え・・・急に何を」
いきなりヘリオポリスのことを出されたセナは遂に平気なふりを保つ事が出来なくなる。
「本当は震えるくらい怖かった筈なのに、僕達を安心させようと敢えて普段通りにみんなを引っ張ってくれたんでしょ?アークエンジェルで唯一のコーディネイターだった僕の負担を減らす為に進んで前に出ようとしてくれたでしょ?」
「キ、キラ。貴方何を・・・」
「ずっと・・・無理してたんでしょ?気づいてあげられなくてごめん」
「・・・そんなのみんな同じでしょ?気にする事は」
今まで隠し通せたと思ってた心の内を見破られ、動揺を隠せないセナ。その様子からセナがどれだけ背負い続けたかを知ったキラはセナを安心させる為に優しく声をかける。
「僕達の前でくらい、弱音を吐いても良いんだ。僕達は仲間で、友達で、姉弟だろ?」
「キラ・・・」
「みんな、セナには感謝しているんだ。だからこそセナの助けになりたいんだ」
「一人で抱え込まなくて良いんですよ、セナ」
「みんな・・・ありがとう。でもごめん。今日はもう寝ても良いかな?疲れているのは本当だし」
キラ達の優しさが身に染みるセナ。だが単純に身体の疲れを感じてもいたので今日はもう休む気だった。
「セナ・・・」
「・・・分かった。俺達は行くよ。けど」
「私達は今日一緒に寝ます。それで良いでしょうか?」
「へ⁉︎」
ラクスの提案に驚くセナ。だが突如誘われたカガリは寧ろ乗り気だった。
「ああ、それ良いな。こういうの一度やってみたかったんだ」
「え、まぁ良いけど・・・」
「ありがとうございます。いわゆる女子会ですね」
「いや、私はもう寝るからね?でもどうするの?横にベットは一つあるけど・・・」
「何言ってるんだ?3人そこで寝るぞ」
「はぁ⁉︎いやいや狭いでしょ3人は!」
セナはラクスとカガリが何を考えているか分からなかった。慰めようと添い寝する気らしいのはなんとか分かったが、一つのベッドや3人は色々無理があると思っていた。
だがラクスもカガリもそこまで深くは考えていなかった。セナの為もあるが、単純に身分の違い故に対等な関係というのが少ないラクスとカガリはこういった普通の友達付き合いというものに憧れがあっただけだった。
「良いですねカガリさん。私こういうのやってみたかったんです」
「ああ、私もだ」
「もう〜しょうがないなぁ」
「じゃあおやすみセナ」
「また明日だな、セナ」
「はいはい、おやすみ二人共・・・ほら、来なよ二人共」
最早どうにでもなれの精神でラクスとカガリを自身のベッドに入る様に促すセナ
「はい、失礼しますね」
「入るぞ。これなら3人でくっつけるな」
「私が奥でカガリさんが手前でいいですわね?」
「私真ん中⁉︎」
「そうだな。セナを挟もう」
「・・・何コレ」
一つのベッドにギュウギュウになるセナとラクスとカガリ
「・・・これで寝られると思ってるの?」
「確かに少し窮屈ですわね」
「だな。見切り発車過ぎたか?」
「ふふ、次やる時はもう少し大きいベッドでしないとですね」
「だな。平和になったら、また3人で寝たいな」
「ですわね。3人で可愛いパジャマ着て、お風呂も一緒に入ってみたいですわ」
「お風呂かぁ・・・良いなそれ!ってセナ?なんか静かだけど」
セナが安らかな寝息を立てて寝ていた
「・・・なんだよ、すぐに寝たじゃ無いか」
「ふふ、本当にお疲れの様ですわね」
「だな。やっぱり慰めるには人肌が一番効果的だな」
「その様ですわね。ふふ」
セナに抱きつくラクス。カガリもセナに抱きつく
「前にハグして慰めた時も思ったけど、セナって大きいな。それに柔らかい。これじゃあどっちが癒やされているか分からないな」
「確かに、少し羨ましいくらいですわ。それに良い匂いもします」
「なんか、気恥ずかしいな」
「ですわね」
ラクスとカガリも眠りにつく。その日の夜は3人揃って気持ちよさそうに寝ていた。
最後の方はなんとかセナを慰めようとしていた筈が、なんか変な雰囲気に・・・確かにセナは女子にモテそうな王子様系キャラを少し意識はしましたが、ここまで好感度上げるなんて想定外でした。