ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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前半急に恋愛要素が強めになりました。上手く出来ましたかね?


第四十一話 最終決戦

地球軍と三隻同盟の撤退を確認するザフト

 

「流石ですな、ザラ議長閣下。ジェネシスの威力、これ程のものとは」

「戦争は勝って終わらなねば意味が無かろう」

「違いませんな。ですが、奴らもジェネシスの破壊を狙って更に攻め込んで来るのは見えています」

「分かっている。その為の貴様らだ」

「無論、承知のおつもりです。では私は出撃の準備をしてきます」

「ああ、任せたぞ」

 

司令本部から退室し、自室に入るクルーゼ

 

「いよいよだな。おそらく次は月艦隊に向けて撃つ筈だ・・・その後は」

「地球を撃つ・・・それで何もかもがお終いね」

 

部屋のソファーで寛いでいたエリスが声を掛ける

 

「ここに居たのか。もう準備は出来ているのかエリス?」

 

薬を飲んでからエリスに近寄るクルーゼ

 

「ええ、ジャッジメントはいつでも出られるわ。ラウの方は?」

「機体の最終調整が終われば出られるさ。しばらくは掛かると思うがな」

「そう・・・ならお願いがあるんだけど」

 

ソファーから立ち上がり、クルーゼに抱きつくエリス

 

「どうしたエリス?」

「・・・この戦いで、世界は終わるよね?」

「ああ、終わらせるさ。その為にここまで動いて来たのさ」

「ならさ・・・ここで私の事を・・・お願い」

 

顔を赤く染めながら上目遣いでクルーゼを見つめるエリス。長い付き合いのクルーゼにはそれだけで何を意味しているのか分かってしまった。

 

「・・・本気なのか、エリス?私なんぞより」

「どうせ世界が終わるなら、最後に大切な人の事を体に刻みつけたいの。あんな変態のが最初で最後なんて嫌なの。どうせなら愛した人の色に染められたい。私が愛せるのはもうラウしかいないの」

「・・・私とエリスは家族のつもりだったのだが、いつからだ?」

「最初は私も、親代わりだと思ってた。けど、傷ついた私に貴方は優しくしてくれた。案外私はチョロかったみたいなの。その証拠にほら」

 

抱きついたエリスの胸から少し速い心臓の鼓動を感じる。上目遣いで見上げるエリスの顔は頬が少し赤くなっていた。そしてクルーゼもいつの間にかエリスの事を家族以上の感情を抱いていた事に気づいてしまった。

 

「・・・私も簡単に絆されるものだな。君の頼みなら断れない様だな。それに・・・私にも愛するという感情が有ったらしいな」

「ラウ・・・ありがとう」

 

クルーゼの顔に手を伸ばして仮面を外すエリス。背伸びをし、自身の顔をクルーゼの顔に近づけて、キスをするエリス。しばらく互いを感じ合いながらそのままベッドに倒れ込むエリスとクルーゼ。

 

残存戦力を集めるドミニオン

 

「ああそう‼︎そうだよ‼︎ったく冗談じゃない!コレは今までノタクタやってたアンタ達トップの怠慢だよ‼︎」

「艦長。チャーチーより救援要請です」

「分かった。すぐに向かうと返信しろ」

「おい‼︎ふざけた事を言うな‼︎救援だ?なんでこの艦がそんな事をすんだよ‼︎」

「アズラエル理事!しかし」

「無事な艦はすぐにもサイドの総攻撃に出るんだ‼︎そんな事より、補給と整備を急げよ‼︎」

 

ジェネシスの威力をこの目で見たアズラエルは一刻も速く決着を付けるべく全戦力を集める様に指示していた。だが集めた戦力でも勝つのは厳しいとナタルは分かっていた。

 

「そんな!無茶です!現在我が軍がどれほどのダメージを受けているのか理事にだってお分かりでしょう!」

「月本部からすぐに増援も補給も来る!状況が分かっていないのは君の方だろうが‼︎あそこにあんなもの残しておく訳には行かないんだよ‼︎何がナチュラルの野蛮な核だ!あそこからでも地球を撃てるあの兵器の方がよっぽど野蛮じゃないか!

 そして、いつその照準が地球に向けられるか分からないんだぞ!撃たれてからじゃ遅い!奴らにあんなもの作らせる時間を与えたのは、お前達軍なんだからな!無茶でもなんでも絶対に破壊してもらう。アレとプラントを、地球が撃たれる前に!」

 

それぞれ整備を進める三隻同盟達

 

「つまり、アレは巨大なガンマ線なのです。地球に向けられれば、強烈なエネルギー輻射は地上全土を焼き払い、あらゆる生物を一掃してしまうでしょう」

「撃ってくると思いますか?地球を」

「強力な遠距離大量破壊兵器も、本来の目的は抑止だろ。だがもう、撃たれちまったからな。核も、アレも。どちらももう躊躇わんだろうよ」

「あんなのを・・・アレでどれだけの人が死んだと思ってるんですか!」

「・・・戦場で初めて人を撃った時、俺は震えたよ。だがすぐ慣れると言われて、確かにすぐ慣れた」

「・・・何を言っているんですか?バルトフェルドさん」

「つまりアレのボタンも、核のボタンも同じと?」

「違うか?人はすぐ慣れるんだ。戦い、殺し合いにも。違うか、セナ?」

 

バルトフェルドの言葉に顔を顰めるセナだが、心当たりがある為反論はできなかった

 

「兵器が、争いを生むのでしょうか?それとも人の心が?」

「核にもあの光にも、絶対に互いを撃たせたらダメなんだ。そうなってからじゃあ、もう全てが遅い」

「ああ。だからこそ、絶対に止めるんだ、俺達で」

「・・・アレとプロミネンスカノン、どっちが強いかな?」

「セナ?」

「何を、言っているの?」

 

様子がいつもと違うセナの事を心配そうに見るキラ達。セナは最早平気なフリすらも出来なくなっていた。

 

「・・・あそこに巻き込まれる人が居ないのなら、私は躊躇無くアレにプロミネンスカノンを撃てます」

「だがザフトもアレの防衛に全力を尽くすだろう・・・犠牲をゼロにしてアレを破壊する事は出来んぞ」

「セナ、貴方一人でやる必要は無いのよ」

「すみません・・・」

「セナさん。一応聞くけど、大丈夫?」

「・・・分からないです。分からなくなっちゃいました」

 

マリューの問いかけに曖昧に答えるセナ。もう取り繕う余裕すら無くなった今のセナが限界であるのは誰の目から見ても明白だった。

 

「セナ・・・」

「・・・でも、たとえどんな状態でもやるしか無い事は分かってます。後戻り出来ないとこまで来てしまったので」

「・・・そうね、悪いけど、頼りにさせてもらうわ」

「はい・・・」

 

真っ直ぐ目を見て答えるセナの目は潤んでいた

 

「マリューさん・・・その」

「キラ君、分かっているわ。でももう・・・」

「・・・いえ、分かっています・・・」

「ジェネシスは連射が出来ないのが唯一の救いです。おそらく一射事にこのミラーを交換しなければならないのでしょう」

「だが本体はフェイズシフト装甲、その前にはヤキン・ドゥーエと何重にも張り巡らせた防衛だ。地球軍も総力戦で来るだろうが、こりゃ容易じゃないぜ。二射目の照準は月かそれとも・・・」

「地球軍は、また核を撃ってきますよね?」

「ええ。おそらく」

 

地球軍の艦隊が進行してくるのがレーダーにキャッチされる

 

「地球軍艦隊、進行を開始します!」

「全艦、発進準備!繰り返す!全艦、発進準備!」

「いよいよね・・・」

「行こう」

 

それぞれ発進準備の為に別れるセナ達

 

「今度は私も出られる。パーツのまま持ってきたストライクルージュがどうにか間に合った」

「ええ⁉︎」

「本当に行く気なの?いや、教えているから、実力は問題無いのは分かってるけど・・・」

「私だってやってやるさ。なんたって、セナに教えられたんだからな。じゃあな」

「ちょ、ちょっと待てカガリ!」

 

別れようとするカガリを呼び止めるアスラン

 

「出るって、ストライクルージュ?」

「なんだよ、モビルスーツの訓練は受けている。アストレイの連中より腕は上だぞ」

「いや、けど・・・」

「出来ること、望むこと、するべき事、みんな同じだろ?アスランも、セナも、キラも、ラクスも、私もさ」

「カガリ・・・」

「戦場を駆けてもダメな事もある。だが今は必要だろ?それが。そんな顔をするな。私よりお前の方が全然危なっかしいぞ」

 

カガリが出る事を心配するアスランだったが、そのアスランも人の事を気にするほど余裕がある様にはカガリには見えなかった

 

「えぇ?」

「死なせないから、お前」

「カガリ?」

「弟、かもしれないアイツも・・・」

「弟?兄さんじゃ無くて?」

「ありえん。アイツが弟だ・・・セナは姉?になるのかな?」

「う〜ん・・・キラと双子だし、けど私は一緒に育ったからで・・・うん、カガリは友達で妹!それで良いや!」

「まぁセナは仕方ないが、アイツは弟だ。絶対にそうに違いない!」

「ふっ、そうだな」

 

カガリに抱きつくアスラン

 

「あっ!え⁉︎」

「カガリに会えて良かった」

「アスラン・・・」

「君は俺が守る」

 

カガリにキスをするアスラン。カガリも頬を赤くしながらも受け入れている。やがて顔を離すと二人して顔を真っ赤にして照れていた

 

「・・・コホン、もう大丈夫かな、お二人さん?」

「え?うえぇぇぇぇぇ⁉︎」

「な⁉︎セ、セナ⁉︎」

「あのね、私もさっきまで居たでしょうが・・・それよりアスラン。うちのお姫様にキスなんて、大胆ね。オーブ軍の人に知られたらしばかれるだけで済むかな?」

「セ、セナ!その・・・」

 

狼狽えるアスランとカガリを交互に見ながら笑いだすセナ

 

「ふふ冗談よ。ったく若いって良いわね」

「いや、セナも若いだろうが・・・」

「・・・大事にしなよ、お互いに」

「セナ・・・」

「先行ってる。遅れない程度にはしなさい」

「いや!もう行くから!」

「そ、そうだぞ!もう時間が無いからな」

「あら?なら少しくらい遅れると私から言って上げるわよ?」

「「良いから‼︎」」

 

揶揄われて顔を真っ赤にしながら出撃しに向かうアスランとカガリ

 

「キラ。少し宜しいですか?」

 

キラを呼び止めるラクス

 

「ん?どうしたのラクス?」

「コレを」

 

ラクスから母親からの形見の指輪を渡されるキラ

 

「ありがとう」

「帰って来て下さいね」

「え?」

「私の元へ」

「・・・うん」

 

ラクスの頬にキスをするキラ

 

「ラクスも気をつけて。必ず、生きて帰ってくるから」

「はい・・・私も、生きてキラを待ちます」

「うん。じゃあ」

 

ドミニオンから出撃するキメラプロト達

 

「なぁフレイ。俺達はどうするんだ?アレを壊すのか?こっちの奴を守るのか?」

「ピースメーカー隊はもう守らなくて良いわよ。あのバカでかいのを壊す、それだけを考えれば良いわ」

「そしたら、終わるのか?」

「ええ、多分ね」

 

フレイには正直行って生きて帰れる保証は出来なかった。だがそれでもオルガ達を不安にさせない為に気丈に振る舞っていた。

 

「そっか。なら、最後まで生きねーとな」

「そうだな!俺達も普通に戻してくれるんだろ?」

「ええ、私が必ず戻して上げるわ」

「でもさ、元に戻ってどうするのさ?今更帰る場所なんて」

「なら私の召し使いになる?家の掃除とか簡単な事をしてくれるなら、アンタ達を引き取って上げるわよ」

「良いのか?どうしてそこまで俺達に」

「共に戦った仲間だもの。当然よ。貴方達は平和になったら、今までの分、幸せにならないといけないのよ。私の元が嫌なら別のとこ紹介するけど」

「いやフレイのとこが良い。フレイなら俺達を人間扱いしてくれるからな」

「だな。俺もフレイのとこ行きてーぜ!」

「僕も・・・これからもよろしくね」

「オルガ、クロト、シャニ・・・ええ。三人纏めて面倒見てあげるわよ!ただし、全員無事に生き延びるのよ!」

「「「分かったよ」」」

 

ジェネシスの防衛にあたるモビルスーツ部隊をビームライフルで撃ち落とすキメラプロト

 

「おし、俺らも‼︎」

「纏めて粉砕‼︎」

「ウラァァァァァ‼︎」

 

カラミティのシュラーク、レイダーの速射砲、フォビドゥンのエクツァーンで敵モビルスーツを撃ち落として行く

 

「この調子なら・・・絶対に生き延びるのよ、私達は」

 

戦場にやって来たアークエンジェル、クサナギ、エターナル

 

「ジャスティス、フリーダム。出撃スタンバイ」

「ストライクルージュ、パワーエクステンダー、フロー正常です。パイロットがルーキーです。くれぐれも支援AIの確認願います」

「ジェネシスと核と、戦いながらどっちも防げったってさ」

「じゃあ辞めれば?」

「なぁ⁉︎おい」

「嘘よ。ごめん・・・気をつけて」

「っ⁉︎・・・サンキュー」

「核を持った別動隊がいる筈だ!ソイツを探せ!」

 

ストライクのコクピット前にやってくるマリュー

 

「え⁉︎」

 

コクピットから出てくるムウ

 

「良かった、間に合わないかと思った・・・」

「なんにだよ、バカ・・・」

「ふふ・・・」

「・・・モビルアーマー乗り、だった?」

「え、ええ・・・」

「大丈夫。俺はすぐに戻ってくるさ。勝利と共にね」

「ムウ・・・」

 

キスをするムウとマリュー

 

「行ってくる」

「ええ、待っているわ」

 

サンシャインのコクピットで出撃準備をするセナ

 

「ビームトゥワイスシステムも問題なし。これなら・・・」

「ちょっと良いかしらセナ?」

「エリカさん?今出ます」

 

サンシャインのコクピットから出るとエリカが待っていた

 

「どうしたんですか?」

「いえ、ちょっとね・・・なるべくプロミネンスカノンは使わないようにね。分かっているとは思うけど」

「分かっていますよ。アレは無闇に撃ってはいけない。そしたら多くの人が」

「それだけじゃないわ。貴女の為にもよ、セナ」

「私?どういう・・・」

「撃ったら貴方まで傷付く。だからよ。みんな、貴女の事を心配しているわ。大事な仲間ですから。それだけは伝えておきたくてね」

 

前回の戦闘でプロミネンスカノンに巻き込まれた人達の事を気にしているのは全員知っていた。そしてそれを抱えて傷つき続けるセナの事を全員が心配していた。

 

「エリカさん・・・分かっています」

「そう、絶対生きて帰って来なさい」

「了解です・・・そちらもお気をつけて」

「ええ、分かったわ」

 

エリカが離れる。見送ってからセナもコクピットに乗り込む

 

「・・・うん、まだ私は行ける。まだ、戦える・・・」

 

ジェネシスのミラーが交換される

 

「照準ミラーブロック換装、間も無く完了します」

「目標点入力。月面プトレマイオスクレーター、地球軍基地」

「目標点入力開始。座標、月面、プトレマイオスクレーター、地球軍基地!」

「奴らの増援艦隊の位置は?」

「グリーンアルファ5、マーク3であります」

「我らの勝ちだな。ナチュラル共」

 

勝利を確信して笑みを浮かべるパトリック。その後ろでクルーゼも全てを終わらせる算段を整えていた。

 

「第七宙域、突破されます!」

「あと僅かだ。持ち堪えさせろ」

「では私達も出ましょう」

「ああ。クルーゼ。これ以上の失態、許さんぞ。エターナルとサンシャインを撃てなかった貴様の責任においても、奴らにプラントを撃たせるな!」

「・・・アスランを撃つ事になってもよろしいので?」

「なっ・・・構わん!」

「・・・了解しました。では」

 

パイロットスーツに着替えたクルーゼとエリス

 

「いよいよね、ラウ」

「ああ。そっちはその・・・大丈夫か?」

「戦闘に支障は無いわ。それよりもその背中の、理論は分かっているのよね?」

「ああ。使ってみせるさ。あの男に出来て私に出来ない筈はない」

「そう、なら行こう。

 エリス・シルファ、ジャッジメント、出ます!」

「ラウ・ル・クルーゼ、プロヴィデンス、出るぞ!」

 

ヤキン・ドゥーエからジャッジメントとプロヴィデンスが出撃する

 

「まずはジェネシス発射後に地球軍の奴らから叩く。背中は任せてくれ」

「分かってるわ!前の奴らは直接殺してあげる!」

 

ジェネシスが発射され、月艦隊の増援と月面基地が落とされる

 

「ふふ、ざまぁ無いわね。バカな連中。これも全て自業自得なのよ」

「む、どうやら彼らも来た様だな」

「まぁ、そうでしょうね・・・」

 

アークエンジェル、クサナギ、エターナルが戦場に現れる

 

「モビルスーツ、発進してください」

「全艦!モビルスーツ発進!」

「ムウ・ラ・フラガ、ストライク、出るぞ!」

「ディアッカ・エルスマン、バスター、発進する!」

「カガリ・ユラ・アスハ、ストライクルージュ、行くぞ!」

「アスラン・ザラ、ジャスティス、出る!」

「キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!」

「セナ・ヤマト、サンシャイン、行きます!」

 

全機出撃する

ミーティアを装備したフリーダムとジャスティスが戦場に向かう

 

「行こう!これで!」

「ああ、これで終わらせる!」

「もう、こんな事は繰り返させない!私が、私達が、終わらせる!」




一応、R 15の範囲になる様にぼかしたつもりですが、あの二人は・・・そういう事です。
まぁその前にもっと生々しい事をやった気がしますが・・・
いよいよ最終決戦ですね。というかもうここまで来たという気持ちの方が強いですね・・・
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