ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

51 / 107
シードDESTINY編開始です。色んなキャラの設定が変わる部分がありますが、ご了承ください。


第一話 怒れる瞳

C.E.71年

オーブのオノゴロ島で地球軍が攻めてきたあの日に、山を降りて避難する家族がいた

 

「ハァ、ハァ、ハァ、お父さん」

「貴方・・・」

「大丈夫だよ。連中の狙いは軍の施設だろうからな」

 

頭上をカラミティを乗せたレイダーが通る

 

「キャァァ!」

「クッ・・・大丈夫かみんな?」

「ええ」

「僕も・・・」

(なんでだよ、なんでこんな・・・)

 

カラミティが近くに降りる

空ではフリーダムとフォビドゥン、レイダーが戦闘をしていた

 

「マユ!頑張って!」

「ハァ、ハァ、ハァ」

 

鞄からピンクの携帯が転がり落ちる

 

「ああ、マユの携帯が!」

「そんなの良いから!」

「嫌ぁ!」

「・・・待ってて!」

 

斜面を滑り降りる少年

落ちていた携帯を拾った瞬間に後ろで爆発が起こり吹き飛ばされる

 

「グワァァ!」

 

山の麓まで転がり落ちる少年

その頭から血が流れていた

 

「痛て・・・一体何が?」

 

振り返った少年の視線の先には流れ弾が飛んできて大きく抉れた斜面が見えていた

 

「そんな・・・父さんは?母さんは?マユは?」

 

斜面を駆け上り家族を探し出す少年

 

「父さん!母さん!マユ!どこにいるんだ!返事して!」

(今の爆発、まさか・・・いやそんな筈は)

 

地面で倒れている少女を見つける少年

 

「マユ!」

 

駆け寄った少年が見たのは、落ちた瓦礫の破片で腹部が出血している少女の姿だった

 

「マユ⁉︎おいマユ!大丈夫か⁉︎」

「おい君!大丈夫か?ここは危ない、速く避難を・・・」

 

少年に駆け寄るオーブ兵

 

「アンタ、マユが!助けてくれ!」

「落ち着いて、分かってる。すぐに救護班を呼んでくる!君も速く」

「父さんは?母さんも近くに・・・はぁ⁉︎」

「ちょっ!君もそんな状態で」

 

少年が見たのは、流れ弾に巻き込まれて変わり果てた姿となった両親の姿だった

 

「あ、あぁ、そんな・・・うぅ、うう」

 

その場で膝をつく少年

その目から涙が溢れ出してくる

 

「うぅ、ど、どうして、こんな・・・うぅ」

「ここは危ない。それにあの子と君の治療もしないといけない。だから」

「何してるんですか⁉︎ここは危ないですよ!」

 

モビルスーツからスピーカーで女性の声が聞こえてくる

振り返った少年が見たのは全身をオレンジ色に染めたモビルスーツ、サンシャインの背中だった

 

「まだここに避難が遅れた人がいるんだ!」

「嘘⁉︎どこに・・・」

 

前から飛んできた攻撃をシールドで防ぐサンシャイン

 

「今のうちにに離れて下さい!私がアイツらを引きつけます!」

「誰なのか知らないが、頼む!」

 

その場を離れていくサンシャインの背中を見つめる少年

 

(なんだよ・・・どうしてアンタは、僕の父さんを、母さんを、マユを・・・巻き込んでこんな・・・)

「うぅ、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

空で戦闘をするサンシャイン達を見上げる少年、シン・アスカの悲痛な叫びは戦場の音にかき消されていた

 

C.E.73年

地球連合とプラントとの戦争から一年半。休戦条約を結んでからも双方は、次の抗争の為の準備をしていた

 

アーモリー1

格納庫から出てきたジンと軍用のオフローダーがぶつかりかける

 

「うわぁ⁉︎」

「おわぁ⁉︎」

「ヒャァ⁉︎」

 

運転しているヴィーノの急ハンドルで回避するオフローダー

 

「はぁ、なんかもうごちゃごちゃね」

「仕方ないよ。こんなの久しぶりっていうか、初めての奴も多いんだし、俺達みたいに。

 でもこれで、ミネルバもいよいよ出撃だ。配備は噂通り月軌道かな?」

「さぁね、知らないわよ。それよりさっきの奴、一体どこのどいつなのよ!」

 

オフロードの後ろから顔を出す赤服を着た茶髪の少女、マユ・アスカ。彼女は前大戦の時にオーブで重症を負っていたが半年も経たずに回復、その後軍事アカデミーに入る。彼女のモビルスーツパイロットとしての才能は歴代のパイロットと比較しても上位に入る程であり、本人の強い意志とその才能を認められミネルバでの予備パイロットとして軍入りを認められた。

 

「それもそうよね。あのジン、前見えてないのかしら?」

「ほんとにアカデミーを卒業したのかな、アレ?まさか素人じゃ無いわよね?」

「お二人共厳しいな・・・まぁ気持ちは分かるけど」

「一歩間違えたらペシャンコだったのよ!中の奴調べたら一発やってやるわよ」

 

パンチの素振りをするマユ

 

「その前に俺達ここを出るでしょうが」

「何よヴィーノ!そんなんじゃこの先やっていけないわよ!」

「誰とやるんだよ、一応味方だぞアレも」

「確かにそうね。ほらマユ、今会ったことは忘れてこれからの事を考えましょうよ」

「ルナ・・・分かったよ」

 

ザフト兵に案内された部屋に入るカガリとアレックス

 

「やぁ、これは姫。遠路お越し頂き、申し訳ありません」

 

デュランダルが声をかけながら近づく

 

「いや、議長にもご多忙のところお時間頂き、有り難く思う」

 

握手するカガリとデュランダル

 

「お国の方は如何ですか?姫が代表となってからは実に多くの問題も解決されて、私も盟友として大変嬉しく、また羨ましく思いますが」

「まだまだ至らぬ事ばかりだ」

「で?この情勢下代表がお忍びで、それも火急なご用件とは、一体どうした事でしょうか?」

「我が国は再三再四、かのオーブ戦での折に流出した我が国の技術と人的資源の、そちらでの軍事利用をやめて頂きたいと申し入れている」

「なるほど・・・その事でしたか」

「なのに何故、未だなんらかの御解答さえいただけない」

 

街中を歩く三人の男女

ガラスに映る自分の姿を見ながら踊り出す金髪の少女、ステラ

 

「何やってんだ、あれ?」

「浮かれてるバカの演出、じゃねーのか?お前もバカをやれよ」

「やだよ。バカはアイツだけで良いよ」

 

先を歩く緑髪のスティングと青髪のアウル

 

「ウフフ、アハハハ」

「・・・うわっ⁉︎」

「ああ⁉︎」

 

踊りながら進んでいるステラが路地から出たシンにぶつかる

 

「ふー、大丈夫?」

 

ステラを支えるシン

 

「誰?」

 

後ろを振り向くステラ

 

「え・・・君、もしかして」

 

少年の顔を見たあと、胸を触られている事に気づいて突き飛ばす

 

「痛っ⁉︎」

「もう!」

 

走り去っていくステラ

 

「痛てて・・・あ、待って!その」

「相変わらずだなシン」

「相変わらずって、何が?」

「あの子の胸、掴んでいただろ」

「うえっ⁉︎マジか・・・」

 

赤面しながら自分の両手を見るシン

 

「このラッキースケベ」

「いや、違っ、わざとじゃないんだ!」

「どうだかな。いつもの事だしな・・・マユが居るってのにお前は」

「だからわざとじゃ!それにマユは関係ないだろ」

「おいおい、マジかよコイツ」

「ったく、買い出しはこれで終わりだろ?ならさっさと行こうぜ」

 

モビルスーツの格納庫エリアを歩くデュランダル達

 

「姫は先の戦争でも自らモビルスーツに乗って戦われた勇敢なお方だ。また最後まで圧力に屈せず自国の理念を貫かれたオーブの獅子、ウズミ様の後継者でもいらっしゃる。

 ならば、今のこの世界情勢の中我々はどうあるべきか、よくお分かりの事と思われますが」

「我らは自国の理念を守り抜く。それだけだ」

「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」

「そうだ」

「それは我々も同じです。だが力なくばそれは叶わない。それは姫とて、いや姫の方がよくお分かりでしょうに。だからこそオーブも軍備は整えていらっしゃるのでしょう?」

「・・・その姫というのはやめて頂けないか」

「これは失礼しました、アスハ代表。

 しかしならば何故、何を怖がっていらっしゃるのですか、貴女は?大西洋連邦の圧力ですか?オーブが我々に条約違反の軍事供用をしていると?だがそんな事実は無論無い。かのオーブ防衛戦での折、難民となったオーブの同胞達を我らが温かく迎え入れた事はありますが、その彼らがここで暮らしていく為にその持てる技術を活かそうとするのは仕方のない事なのではありませんか?」

「だが!強すぎる力は、また争いを呼ぶ!」

「いいえ姫。争いが無くならぬから、力は必要なのです。それに強すぎる力というのはそちらのサンシャインの方ではございませんか?」

 

何かを探るようにサンシャインの名を出すデュランダル

 

「サンシャイン?あれは今我が国には存在していないさ」

「そうなのですか?いや、事実がどうであれ、互いに核の使用を防がれた今、我々も彼方もあの機体を止める術は無いのです。そして万が一、プロミネンスカノンを撃たれたら我々は成す術なく滅びるでしょう」

「そんな事セ、アイツも我々もしない!」

「それは分かっています。しかしその危険性がある以上、このままではいけないのは姫も分かってくれましょう」

「だが、これ以上の力が必要だとでも言うのか?アレだけ揃えておいて!」

 

カガリが指差した先には複数のザクウォーリアがあった

 

「ええ、寧ろ足りないくらいですよ。彼方も今はともかく次に備えて力を蓄えています。そうでもしないと守れないから。一人で戦局を変えられるほどのエースが居ない限り、数を揃えるしか無いのですよ。あの太陽の少女の様に」

「彼女はもういない。それに」

 

突如警報が鳴り響く

 

「警報⁉︎」

「どうした⁉︎」

「なんだ⁉︎」

 

格納庫内からビームが飛び出してジンを撃ち抜く

 

「議長!」

「カガリ!」

 

カガリとデュランダルを庇う護衛達

格納庫からカオス、アビス、ガイアが現れる

 

「まずはハンガーを潰す。モビルスーツが出てくるぞ」

「ステラ、お前は左な」

「分かった」

 

変形したガイアが背部のビーム砲で格納庫内のモビルスーツを破壊する

アビスが肩部シールドの連装砲でモビルスーツを破壊する

カオスがビームライフルで外のモビルスーツを破壊する

 

「発進急げ!」

「6番ハンガーの新型だ!」

「何者かに強奪された!」

「なんだと⁉︎」

「新型?」

 

暴れるアビスを見つけるカガリとアレックス

 

「アレは⁉︎」

「ガンダム・・・」

 

カオスの機動兵装ポッドのミサイルで格納庫内の白ザクファントムと赤ザクウォーリアが倒れる

自機に乗り込もうとしたレイとルナマリアだが瓦礫のせいで乗り込めなくなる

 

「くっ・・・」

「どうするのよ、レイ?」

「なんとかアレを退けて乗り込むしかない」

「なら急がないとね!」

 

避難をするカガリとアレックス

 

「こっちだ!」

「なんで・・・なんでこんな」

 

カガリとアレックスの近くにザクウォーリアが倒れ込む

 

「アスラン」

「大丈夫だ・・・来い!」

「え⁉︎」

 

ザクウォーリアに乗り込むカガリとアレックス

 

「お前」

「こんなところで、君を死なせるわけにいくか!」

 

立ち上がるザクウォーリア

 

「ん?なんなの」

 

ザクウォーリアに気づいたガイアがビームライフルで狙い撃つ

横に躱して体当たりをするザクウォーリア

 

「グゥゥ!コイツ」

 

ビームサーベルを取り出して切り掛かるガイア

ザクウォーリアもビームトマホークを取り出して応戦するがパワー負けして弾き飛ばされる

 

「ウエェェェェイ‼︎」

「グッ⁉︎」

 

追撃のビームサーベルを後退して躱わすザクウォーリア

その後ろからカオスがビームサーベルを出して襲ってくる

 

「ステラ!」

「な⁉︎」

「もう一機!」

 

ビームサーベルでザクウォーリアの左腕を切り落とすカオスだが後ろからミサイルが直撃する

 

「グゥゥ⁉︎」

「何?」

 

上空をコアスプレンダーとチェストフライヤーとレッグフライヤーが飛んでいる

 

「なんだありゃ⁉︎」

「モビルアーマー?ザフトが?」

 

折り畳まれたコアスプレンダーがレッグフライヤーと合体する。更に上から降りてきたチェストフライヤーと合体してインパルスになる

 

「アレは!」

「ガンダム・・・まだ居たのか」

「なんだあの機体⁉︎」

「聞いてねーんだけど!」

「・・・敵?」

 

飛んできたソードシルエットが背中とくっつき、赤と白い色になるインパルス

 

「何⁉︎」

「来る⁉︎」

 

背中のエクスカリバーを取り出してガイアに振り下ろすインパルス

咄嗟に後退するガイア

 

「大丈夫か、ステラ?」

「うん、でもコイツ・・・強い」

「なんでこんな事・・・また戦争がしたいのか、アンタ達は!」

 

エクスカリバーを連結させてガイアに切り掛かるインパルス

上から振り下ろされたエクスカリバーをしゃがんで回避するが、横スイングの一撃を躱せず弾き飛ばされるガイア

 

「なんだコイツは⁉︎」

 

ガイアに向けてビームライフルを撃つインパルス

横に回避するガイア

 

「アレも新型か?ガンダム、どういう事だ・・・あんな機体の情報は」

 

変形したガイアがインパルスに突撃する

 

「まだやる気かよ!」

「何⁉︎」

 

真っ直ぐ向かうインパルスを跳躍して後ろに回り込み、背部ビーム砲で狙い撃つ

シールドで防いでエクスカリバーを片方投げてガイアに当てるインパルス

 

「シン!命令は捕獲だぞ!分かってるんだろうな?アレは我が軍の」

「分かってます!でも出来るかは分かりませんよ。大体、なんでこんな事になったんです!」

「コイツゥゥ‼︎」

 

ガイアのビームサーベルを躱してエクスカリバーで追い払うインパルス

 

「なんだってこんな簡単に、敵に!」

「今はそんなお喋りしている時じゃないでしょ!演習でもないのよ、気を引き締めなさい!」

「と言われても・・・」

「お前ら下がれ!ソイツは俺が!」

 

インパルスの上からビームサーベルで切り掛かる紫色のイージスそっくりのモビルスーツ、エクストラ

 

「何⁉︎新手か!」

「な、イージス⁉︎」

「なんでアレがここに⁉︎」

 

後ろに下がりながらビームライフルを撃つインパルス

ガイアの前に立ち、シールドで防ぐエクストラ

 

「レオ!」

「お前、なんでここに?」

「なんか嫌な予感がして一応来たんだよ。お前らはさっさとそれ持ち帰れ」

「クソ!なんなんだよ一体!」

 

エクストラにエクスカリバーを振り下ろすインパルス

シールドで防ぎつつ腕からビームサーベルを出して切り掛かるがシールドで防がれる

 

「中々やる様だが、ここで倒させてもらう!」

「なんでだ、なんでまた戦おうとするんだよ!あんな事を、繰り返す気かよ‼︎」

 

インパルスとエクストラの鍔迫り合いを見るカガリとアレックスの脳裏にはかつてのヘリオポリスの出来事がよぎっていた




インパルスの合体シーンですが、多分次からは省略されていると思います。一つ一つ書くと思ったより長い・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。