ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

53 / 107
エクステンデッド達にはブロックワードはありますが、あまり出ないと思います。その方が進めやすいので・・・少しくらいなら出ると思います。


第三話 火種

ドミニオンに戻ったエクストラ。エクストラから降りるのは赤い髪をした少年、レオだった。

 

「なんとか戻れたが・・・なんなんだアイツ。4人で囲んでも勝てないとは・・・」

 

ファントムペインで掴んだ最新鋭機の情報。それらとは違う4機目の新型モビルスーツ一機に4人掛かりでも勝てなかった事に苛立ちと焦りがあった。

 

「ご苦労だった、ダイナー少尉」

「艦長。いえ、手助けに行ったつもりなのに大して役に立ちませんでしたよ」

「ザフトの最新鋭機が置いてあったんだ。かなりの警備になるのは当然だ」

「いや、それは問題無いんですが例の新型艦、それと謎の合体モビルスーツが厄介な奴でしてね・・・正直舐めていました」

「どんな状況でも油断は禁物という事だ。覚えておけ」

「了解」

(次はもう油断しない。覚えていろよ・・・アレの事なんて言えばいいんだ?)

「お疲れレオ」

 

後ろから水色の髪と瞳の少女、アリスが声をかける

 

「ああ・・・お前にも苦労かけたな」

「そうだよ・・・エクストラを侵入させる為に大暴れしたんだから」

 

エクストラの隣にはストライクと瓜二つの機体、スクラッシュがディアクティブ状態で置かれていた

彼女はエクストラがアーモリー1に近づく際に、ザフト軍の目を引く為にドミニオンと共に囮として出ていた

 

「まぁそこは良いんだけどさ、レオがあそこまでやられるの珍しいね。というか初めて見た」

「ああ。だが次は勝つ」

「勝てると良いね。というか私も気になる。次会うのが楽しみね。ミネルバと・・・なんて言うのあの機体?」

「俺も知らん」

「だよね・・・というか、次どうするんだろ、私達?」

 

ミネルバに帰還したジャッジメントと白ザクファントムとインパルス

コクピットから降りるレイとエリス

 

「とりあえず私達はこのまま奴らを追うわ。ザクファントムとザクウォーリアは要整備の必要があるわね」

「なら、今出撃出来るのはシンと」

「マユと私ね。と言っても私は停戦が破棄にでもされないと特別な状況でもないと出れないし、マユはあまり出したく無いわ。戦力的というより、倫理的にね」

 

マユは飛び級で赤服でアカデミーを卒業する程のエリートではあるが、まだ11歳の未成年である。過去に戦争で両親を亡くした事から戦争に巻き込まれる人を守りたい、その強い意志故に特例を認められてはいる。だがなるべく危険な目には、ましてや相手を撃墜して殺させる真似は極力避けようとするのがミネルバメンバー全員の総意だった

 

「だからと言ってシン一人に任せるのはね・・・」

 

インパルスから降りるシン

 

「シン?」

「おい、大丈夫か?」

「・・・悪い。また後でな」

 

そのまま更衣室に向かおうとするシン。その顔には疲れだけでなく、また争いが起こった事に対する怒りが出ていた

 

「・・・レイ。貴方はブリッジに行って状況の確認をしてきなさい」

「了解です。隊長は?」

「シンのメンタルフォローでもしてくるわ。部下の面倒くらいみないと隊長らしいとこほぼ無いからね、私」

 

シンの後を追おうとするエリス

その瞬間、ミネルバが激しく揺れる

 

「グゥ⁉︎」

「何事⁉︎」

「クソ!またかよ!」

 

来た道を戻ってくるシン

その直後に艦内放送が始まる

 

「全官に通達する。本艦はこれより更なるボギーワンの追撃戦を開始する。突然の状況から思いもかけぬ初陣となったが、これは非常に重大な任務である。各院、日頃の訓練の成果を存分に発揮出来るよう努めよ」

「ボギーワン?相手の艦ってところね」

「・・・また戦争になるのかな?」

 

独り言の様に呟くシン

 

「シン、とりあえずすぐに出撃になることは無いわ。だから着替えてきなさい。そのままだと休めないでしょ」

「・・・了解」

 

ガーティ・ルーに帰還してきたスティング達

 

「はー疲れた。なんだったんだよ、アイツ」

「さぁな。だが次は俺達が勝つぞ」

「アイツ、今度は容赦しない」

「全員帰って来たようだな、お疲れさん」

 

スティング達に労いの声をかけるネオ

 

「あ、ネオ!アレなんなんだよ!聞いてなかったぞ!」

「ああ、その事についてはすまん。俺もあんなの居たとは知らなくてな」

「ネオも知らなかったのかよ?」

「ああ。それにレオに援軍として来て貰ったのに、返り討ちとはな。ザフトにまだあんなのが居たなんてな」

「次は俺達が勝つさ!」

「そうだな、OSを俺達用に書き換えたら、今度こそ」

「ネオ、アイツはいつ来る?」

「それはまだ分からん。だが奴らも追って来てはいるからな。すぐに出番になるだろうよ。だからほら」

 

ネオが指差したのは人が入れる程の大きさのカプセル状の機械、ゆりかごだった

 

「お前らはアレで調整しないとだろ?でないとし・・・体が悪くなるからな」

「分かったよネオ。でもアイツの記憶だけは残してくれよ。次会った時に誰狙うか分からなくなるのは嫌だからな」

「俺もだ。それ以外はまぁ、良いさ」

 

スティングとアウルがゆりかごに入っていく

 

「ステラ?お前もゆりかごに」

「ステラは、良い。今日は血飲む」

「そうなのか?まぁ好きにすれば良いが・・・」

「ああ、ネオ。ステラは気合い入れる時は血飲む事にしてるんだよ。その方が力の入り具合が違うらしいんだとよ。俺は味嫌いだからやだけど」

「俺もあんまりだな」

「なら好きにすれば良いさ。次も大変な戦いになるからな」

 

ミネルバ内の部屋で会談するデュランダルとカガリ

デュランダルの後ろにはタリア、カガリの後ろにはアレックスが控えている

 

「本当にお詫びの言葉も無い。姫までこの様な事態に巻き込んでしまうとは。ですがどうかご理解頂きたい」

「あの部隊についてはまだ全く何も分かっていないのか?」

「ええまぁ、そうですね。艦などにもハッキリと何かを示す様なものは何も。しかしだからこそ我々は一刻も早くこの事態を収集しなくてはならないのです。取り返しの付かない事になる前に」

「ああ分かってる。それは当然だ、議長。今はなんであれ、世界を刺激する様な事はあってはならないんだ。絶対に」

(もう、セナみたいな事に誰かがならない様にしてはいけないんだ。それにまた戦争になったらセナは、今度こそ・・・)

「ありがとうございます。姫ならばそうおっしゃってくださると信じておりました。

 よろしければ、まだ時間のある内に少し艦内をご覧になってください」

「議長」

 

デュランダルの提案に驚くタリア

仮にもカガリ達は客人であり、もう出撃しているとはいえミネルバは最近完成したばかりの新造艦であり、まだ機密事項もあるミネルバを案内する事にタリアは反対だった

 

「一時的とはいえ、いわば命をお預け頂く事になるのです。それが盟友としての我が国の相応の誠意かと」

「・・・分かりました。では、エリスをそちらに置いてください。私はこれで」

「え、エリス?」

「ああ、すまなかったね。では、こちらへ」

 

格納庫に置いてあるザクを見つめるマユ

 

「ん?そんなところでどうしたのマユ?」

 

後ろから近寄り声をかけるルナマリア

 

「ルナ。アレ誰の機体?ミネルバ配備の奴じゃないよね?」

「ああ、アレはアスハ代表の護衛が乗ってたのよ。アレックスって言ってたけど・・・でも代表が咄嗟にアスランって言ったのよ!あのアスラン・ザラがあのザクに乗ってたかもしれないのよね!」

「おお、テンション上がってるね・・・でも、オーブか」

 

少し曇った顔をするマユ

 

「どうしたの?急な出撃に緊張してるの?」

「そんなんじゃないよ!いやそれも少しはあるけど、私とお兄ちゃんは昔」

「ザクはもうご存知でしょう?現在のザフト軍の主力機体です」

 

艦内の案内をしているデュランダルがカガリとアレックスを連れて来る

後ろからエリスも付いて来てるが、表情が少し固くなっている

 

「え、デュランダル議長?なんでここに・・・乗ってるのは知ってたけど」

「あ、ほら見てマユ!あそこ!」

 

ルナマリアが指差した先にカガリとアレックスの姿が見える

 

「アレよアレ!本物なのかな?かなりカッコいいじゃない!」

「あれが前大戦の英雄、アスラン・ザラ。エリスね、隊長の同期の・・・」

「なんかオーラがあると思わない!アスハ代表もだけどさ!」

「確かにね、でもなんでここにその二人を?」

「さぁね?ていうかアレ、何かあそこの空気、やばいんじゃない?」

 

デュランダルと会話していたカガリに不穏な気配を感じるルナマリア

 

「力か・・・争いが無くならないから力が必要だとおっしゃったな、議長は」

「・・・ええ」

「だが、ではこの度の事はどうお考えになる!あのたった3機の新型モビルスーツの為に、貴国が被った被害の事は!」

「代表」

「だから、力など持つべきではないのだと?」

「そもそも何故必要なのだ!そんなものが今更!」

 

声を荒げ始めるカガリ

 

「うわ、なんか揉めちゃってるよ・・・」

「なんなのよ、急に来て勝手に・・・一言言ってくる」

「ちょっ、待ちなさいマユ!相手は国の代表よ!問題起こさないでよね!下手したらコッチが!」

「でも!あんな言われっぱなしで」

「分からなくは無いけど、そういう事じゃ」

「もう悲劇は繰り返さない!互いに手を取り合う道を選ぶと!」

「それは、しかし姫」

「流石綺麗事は、アスハのお家芸だな‼︎」

「え⁉︎」

 

全員が声のした方向を振り向くとシンが睨みつけていた

 

「シン⁉︎」

「お兄ちゃん⁉︎」

「あちゃあ・・・やばいよこれは・・・」

 

エリスが通路から飛び降りてシンに向かって行く

 

「エリス隊長⁉︎」

「あ、エリス!」

「この、バカチンがぁ‼︎」

「な⁉︎ゲフ!」

 

シンの顔に勢いを付けた蹴りを入れるエリス

勢いよく壁に叩きつけられるシン

 

「痛ぇ、何するんだよ!エリス、隊長!」

「何するはこっちのセリフよバカ!相手は国の代表!そして議長の前なのよ!噛み付く相手くらい選びなさい!」

「はあぁ⁉︎そんなのアッチが」

「とにかく謝りなさい!」

 

シンの頭を強引に下げさせるエリス

 

「痛て、ちょっ、おい!」

「この度はうちのシンが申し訳ありませんでした!」

 

まさかの展開に唖然とする一同

 

「・・・なぁ、こんなので謝っても誠意伝わらないだろ?」

「アンタが誠意込めて謝るんでしょうが!この!」

 

シンにデコピンするエリス

 

「痛⁉︎」

「ほら、謝る!」

「敵艦補足!距離8000!コンディション・レッド発令!パイロットは搭乗機にて待機せよ!」

 

戦闘開始を伝える放送が鳴り響く

 

「あ、やば。行くよマユ」

「あ、うん・・・」

「はぁ、仕方ない。シン!帰って来たら私の部屋来なさい!教育的指導の時間だからね!」

「了解しましたよ」

「それではまた後ほど」

 

出撃準備を始めるシン達

 

「・・・彼は、一体?」

「本当に申し訳ない姫。彼はオーブからの移住者で」

「え⁉︎」

「よもやあんな事を言うとは思いもしませんでしたのですが・・・」

「・・・彼が、オーブの・・・」

 

オーブからの移住者。それはあの日、自分達が守りきれなかった者、自分達の行動で出てしまった被害者である事を物語っており、彼の言葉に、怒りにカガリは何も詫びる事はできなかった

 

「向こうもよもやデブリの中に入ろうとはしないでしょうけど、危険な宙域での戦闘になるわ。操艦、頼むわよ」

「はっ!」

「シンとルナマリアとレイで先制します。終わってるわね?」

「はい!」

「目標まであと6500」

 

ブリッジにデュランダル達が上がってくる

 

「議長⁉︎」

「良いかな艦長?私はオーブの方々にもブリッジに入って頂きたいと思うのだが」

「え、あ・・・いえそれは」

「君も知っての通り、代表は先の大戦で艦の指揮も取り数多くの戦闘を経験されてきた方だ。そうした視点からこの艦の戦いを見て頂こうと思ってね」

「分かりました。議長がそうお望みなのでしたら・・・」

 

渋々承諾するタリア

 

「ありがとう、タリア」

「ブリッジ遮蔽!対艦、対モビルスーツ戦闘用意!」

 

出撃準備をするスティング達

 

「あの新型艦だって?」

「ああ。来るのはあの合体野郎かな?」

「なら、今度こそバラバラか生け捕るか」

「どっちにしろ、今度はコッチが勝ってみせるぞ、ステラ」

「・・・アイツはステラが、やる」

「おいおい、リベンジしたいのはお前だけじゃ無いぜ。それにレオとアリスも出るらしいぜ」

「レオ!それにアリスも!ほんと?」

「ああ。奴もこれで終わりだな」

 

出撃するカオス達

その後方からエクストラと全身水色のスクラッシュが付いてくる

スクラッシュはエールストライカーを装備していた

 

「ステラ!久しぶり。というかスティングもアウルもだよね」

「そうだよ、忘れるなよな」

「ごめんて。というか忘れるのはそっちもでしょう」

「それは俺達じゃねーよ。ゆりかごを起動させる奴らに言ってくれ」

「お前ら、無駄話はここまでだ。次はやるぞ。まず作戦なんだが」

 

出撃する赤ザクウォーリアと白ザクファントムとコアスプレンダー

後から来たフライヤーとブラストシルエットと合体し、インパルスが全身を青と黒と白で染め上がる

 

「相変わらず、凄い合体技術よね。それをそつなくこなせるシンも凄いけど」

「これだけが上手くても、戦闘で結果が出なけりゃ意味ねーよ」

 

機嫌が悪そうに返すシン

 

「何よ、さっきの事まだ気にしてるの?」

「そんなんじゃあ!」

「二人共、これは訓練では無いんだぞ。もう少し緊張を」

「分かってる!」

 

先行するインパルス

 

「あ、もう!何なのよシンの奴」

「仕方ない。いつも通りだ。俺とルナマリアでシンの手綱を握るぞ」

「分かった。でも何かあったら」

「ああ、いつも通りにな」

 

ミネルバブリッジ

 

「ボギーワンか・・・本当の名はなんと言うのだろうね?あの艦の」

「は?」

「名はその存在を示すものだ。ならばもし、それが偽りだったとしたら?それが偽りだとしたら、それはその存在そのものも偽り。という事になるのかな?アレックス・・・いや、アスラン・ザラ君」

「な⁉︎」

「議長、それは・・・」

 

艦内に衝撃の事実と共に、重苦しい空気となる




エクステンデッドには追加のオリジナル設定として、ゆりかごでの調整の代わりに人の血液を摂取でも良くなっています。単純に専用の設備以外でも生き延びれる手段が有れば使いやすくなるだろうと考えた末に、思いついたのが、敵の血とか吸って戦闘続行出来る兵士とかなら作ったりしそうという考えで追加設定を入れました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。