ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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マユもオーブに対して少し怒りの感情はありますが、それ以上にシンが怒っている事に戸惑っている事が多いです。寧ろシンがここまで変わる事になった原因であるが故にその事に対してマユは怒っています。


第五話 癒えない傷

ミネルバの通路を歩きながら会話するマユ達

 

「ふーん、あの人本当にアスランって人なんだね」

「そうなのよ。私、ブリッジで聞いちゃったんだから」

「へぇ、で本当に名前まで変えないといけないものなの?あの人なんか偉い人の息子さんだったんでしょ?なのに」

「あのねマユ。いくら昔・・・」

 

休憩室で黄昏ているアスランを見つけるマユ達

 

「あの人がね・・・とてもそうには見えないけど」

「子供?って君⁉︎その服・・・」

「なんですか、見た目で判断するんですか?伝説的なエース様が?」

「え、いや・・・」

 

年齢だけで判断されそうになり喧嘩腰で話すマユ

 

「よせマユ。知らない人からしたら疑問に思っても仕方ない事だ。お前の場合はな」

「むぅ・・・分かった、分かりましたよ」

「ああ、いや。こちらこそその、すまなかったな」

「艦の危機を救って下さったんですよね。ありがとうございました」

「ああ。けど君達もかなり強いんだな。初陣で死ぬ奴も結構多いのに」

 

ヘリオポリスでラスティとミゲルが戦死した事が頭に浮かび、顔が曇るアスラン

 

「いえ、そんな・・・なんとか生き残っただけですよ。私達は」

「私は後から来ただけですし、普段の訓練通りにやっただけですよ」

「俺達は目の前の敵で精一杯でした。けどシンは複数の敵と戦いながら俺達の事を気にかけたりもしてますよ。機体の性能もあるとはいえ、アイツは最初から戦えていましたよ」

「シン・・・ああ、さっきの」

 

先程格納庫でカガリを睨みつけていたシンの事が頭によぎるアスラン

 

「その事については、申し訳ありません。まさかあんな事を言うなんて」

「ああ、良いんだ別に。エリスが指導するんだろ?なら大丈夫だろう」

「アスランさんってエリス隊長と知り合いなんですよね?」

「ああ、エリスは俺と同期でな。エリスには何度も助けられたからな・・・あっちは俺達の事を恨んでいると思うが・・・」

「恨んでいる、ですか?」

「ああ。ヤキン・ドゥーエでの戦いでな・・・」

 

前回の戦いを思い返すアスラン

終戦後にキラに、あの時のエリスは怒りのあまり、普段の冷静さが消えて荒々しい戦い方をしてたとアスランは聞いていた

 

「そうなんですね。エリス隊長はその時の事全然教えてくれないんですよね」

「言いたくない事があるんだろう。あまり話題に出さない方が良い」

「ふーん・・・そういえばエリス隊長ってやたらシンと距離近いよね」

「距離が近い?」

「はい。今回もそうなんですけど、何か問題を起こしたらお仕置きの名目でよく自分の部屋に連れていくんですよね。他の人は隊長の部屋に入った事は無いのに」

「単純に何度も問題を起こすらお仕置きされてるだけなんじゃないの?」

「まぁシンは実力はともかく問題児ではあるからな・・・」

「私、偶に部屋に遊びに行くよ」

「え、そうなの⁉︎良いの?どんな部屋?」

「いや、普通の部屋だよ。ベッドが二つと机があるだけの私達の部屋とあまり変わらないわよ」

 

部屋のベッドに座って寛ぐエリス

 

「失礼します」

 

シンが部屋に入ってくる

 

「・・・よく来たね。そこ座りなさい」

 

エリスが椅子を指差し、座る様促す

椅子に座りエリスと正面で向き合うシン

 

「さて、どうしてここに呼ばれたかは分かっているわよね?」

「・・・アスハ、代表に失礼な事言ったからですよね?」

「そうよ。カガリはあれくらいなら問題にはしないけど、国の代表を怒らせたらまた争いの火種になるわよ。だからなるべく口に出さない、言葉には気をつける。以上よ」

「いやそっちも名前呼び捨てじゃん。というよりもう終わりなの?」

「ええ。あの場で頭は下げさせたし、カガリは一周回って冷静になったからね。それとカガリとは個人的な知り合いなのよ」

「アスハと・・・」

 

拳を強く握りしめるシン

 

「オーブが攻め込まれる前にちょっとね。その時はお互い立場が分かってなかった状態だけどね」

「そうだったんだ・・・ですか」

「二人きりの時とかマユと3人でいる時は敬語じゃなくて良いわよ。私もその方が楽だし。それよりほら、こっち」

 

ベッドをポンと叩いて自分の隣に座る様促すエリス

 

「分かったよエリス」

 

エリスの隣に座るシン

 

「まさかアスランとも再開するとは思わなかったわ。あんな雑な変装、アンタ達世代じゃないと誤魔化せないわよ」

「アスランとは、どういった関係なんだよ?」

「アスランは同期よ。共に足つきを追って戦っていたわ。ま、あっちに寝返って戦争を終わらせる為にザフトに牙向いたわけだけど」

「そうなんだ・・・」

「けど私達の初陣と比べたら、アンタはよくやった方よ。だから自信持ちなさい。アカデミーの成績なんて所詮、基準の一つでしかないの。本当に強いのは実戦で鍛えられた奴よ」

「エリス・・・」

「けど、出来れば前みたいな戦争は回避したいわよね。昔の私なら、奴らと戦うのに躊躇いは無かったけどね・・・」

 

真っ直ぐ何かを睨みつけるエリス

それは何かを見ている様で、何も見ていない、ここには居ない誰かに向けているとシンは感じた

 

「・・・アンタも、なんかあったんだよな?」

「ええ・・・あの日の事もあの戦いの事も、今は言いたくないわ。だからじゃないけど、シンも無理に言わなくて良いのよ」

「え?」

「オーブ出身のアンタがオーブやアスハの事を嫌うの、よっぽどの事があったんでしょ?」

「・・・ああ」

 

両親の無惨な姿が頭によぎるシン

 

「今は言わなくても良いわ。嫌うなとも言わない。とりあえずあの二人が帰るまでは過激な事は言わないでね」

「分かったよ・・・」

「けど正直スカッとはしたわよ。あそこで噛み付いたの」

「え?」

「だってカガリったら、今の状況がなんも分かって無いんだもの。元々奴らから仕掛けた戦争なのにこちらの戦力にケチ付けるなんてね。私が隊長の立場じゃなかったら、一回締めてたわ」

「おいおい」

 

エリスの過激な発言に呆れるシン

 

「隊長がそんなんで良いのかよ?」

「人前じゃなければこんなんで良いのよ・・・少しは気持ち紛れた?」

「え?紛れるって」

「アーモリー1で戦ってから目つき、ずっと鋭いわよ。だから少しは労って上げないとね。これでも隊長だし」

「ほとんど出撃しない癖にな」

「あ、言ったな、この」

 

シンの首に腕を回して緩く締めるエリス

 

「痛て、やめろよ」

 

口ではそう言いつつもそこまで痛がらないシン

 

「あ、そういえば忘れてた」

 

シンを離すエリス

 

「ん、どうしたんだよ?」

「いや、アスランが持ってきたザクだけどさ、修理出来たら私が乗ろうかなって。ジャッジメントはユニウス条約のせいで使いずらいからさ」

「確かに。でもジャッジメントの方が強いだろ?」

「どうせ乗る人居ないなら普段出づらい私が使って良いでしょ。艦長に聞いてみるわ」

「そっか。俺もマユ達のとこに行くよ」

「うん、じゃあまた後でね」

 

ユニウスセブンが動いているという情報がミネルバにも通達される

 

「なんだって⁉︎ユニウスセブンが動いているって、一体何故⁉︎」

「それは分かりません。だが動いているのです。それもかなりの速度で。最も危険な軌道を」

「それは既に本艦でも確認致しました」

「しかし何故そんな事に!あれは100年の単位で安定軌道にあると言われていた筈のもので」

「隕石の衝突か、はたまた他の要因か・・・ともかく動いているのですよ。今この時も。地球に向かってね」

「落ちたら、落ちたらどうなるのだ?オーブは、いや地球は」

 

震えているカガリ

それは復興したばかりのオーブに壊滅的な被害が出る事を、それ以外の国にも出るであろう被害の規模を想像してしまったからこその恐怖であった

 

「アレだけの質量のものです。申し上げずともそれは姫にもお分かりでしょう。

 原因の究明や回避手段の模索に今プラントも全力を挙げています。またもやのアクシデントで姫には大変申し訳ないのですが、私はまもなく終わる修理を待ってこのミネルバにもユニウスセブンに向かう様特命を出しました。幸い位置も近いので。姫にもどうかそれをご了承頂きたいと」

「無論だ。これは私達にとっても、いや寧ろこちらにとっての重大事だぞ。私にも何か出来るのなら」

「お気持ちは分かりますが、どうか落ち着いて下さい姫。お力をお借りしたい事がありましたら、こちらからも申し上げます」

「難しくはありますが、お国下とも直接連絡を取れる様試みてみます。出迎えの船とも早急に合流出来るよう計らいますので」

「・・・ああ、すまない」

 

休憩室で休んでいたマユ達にもユニウスセブンの情報が行き届く

 

「ユニウスセブンって、農業プラントだったよね?あの・・・」

「ええ。でも地球に向かう事は無いって事だったんだけどね」

「けどなんで急に?」

「隕石でも当たったか、何かの影響で軌道がズレたか」

「みんな、なんの話ししてるんだ?」

「ふんふふんふん♪ようやく私もまともに出撃が出来る♪」

 

休憩室に何も知らされていないシンと機嫌の良いエリスが入ってくる

 

「みんな、聞いて喜びなさい!これで・・・なんかあったの?」

「なんかあったどころじゃないですよ。ユニウスセブンが地球に向かってるんですよ!」

「ユニウスセブンが?原因は?」

「まだ分からないんですよ。隕石がぶつかって軌道がズレたか」

「それは無いわね。アレだけの重さのものの軌道を変えようとしたら人為的じゃ無いと無理ね」

「つまり、隊長は誰かがわざと落としているとお考えなのですか?」

「推測でしか無いけどね。誰がなんのメリットがあってするのか知らないけど」

「はぁ・・・アーモリーでは強奪騒ぎだし、それもまだ片付いてないのに今度はこれ?どうなっちゃってんのよ」

 

重苦しい雰囲気になる休憩室

 

「で、今度はそのユニウスセブンをどうすれば良いの?」

「あ?」

「え?」

 

ルナマリアに突然聞かれて困惑するヨウランとヴィーノ

 

「砕くしか無い」

「砕くって⁉︎」

「アレをか⁉︎」

「レイ、それって可能なの?」

「軌道の変更など不可能だ。衝突を回避したいのなら、砕くしか無い」

「でも、デカいぜアレ!ほぼ半分に割れているっていっても、最長部は8キロは」

「そんなもん、どうやって砕くの?」

 

レイの提案に困惑するヨウラン達

 

「それにあそこにはまだ、死んだ人達の遺体もたくさん」

「だが衝突すれば地球は壊滅する。そうなれば何も残らないぞ。そこにいる生きるものも」

「地球、滅亡・・・」

「だな」

「そんなの、なんとかしないと!」

「でもまぁ、それもしょうがないっちゃあしょうがないか?不可抗力だろ。けど変なゴタゴタも綺麗に無くなって、案外楽かも。俺達プラントには」

「よくそんな事が言えるな!お前達は!」

 

休憩室の外で聞いていたカガリが割り込んでくる

 

「しょうがないだと?案外楽だと?これがどんな事態なのか、地球がどうなるか、どれだけの人間が死ぬ事になるのか、本当に分かって言っているのかお前達は!」

「すいません・・・」

「やはりそういう考えなのか、お前達ザフトは?アレだけの戦争をして!アレだけの思いをして!やっとデュランダル議長の市政の元で変わったんじゃなかったのか!」

「よせよカガリ」

「申し訳ありませんが代表、彼の発言に迂闊なところはあったかもしれませんが、それがザフトの総意ではありません。それ以上は」

 

カガリを宥めようとするアスランとエリス

 

「別に本気で言ってたわけじゃないさ、ヨウランも。そんくらいの事も分かんないのかよ、アンタは?」

 

ヨウラン達を庇う様に前に立ちカガリを煽るシン

 

「なんだと!」

「カガリ」

「シン、言葉に気をつけろ」

「あ?ああそうでしたね、この人偉いんでした、オーブの代表でしたもんね」

「お前!」

「いい加減にしろカガリ!」

 

シンの態度にキレているカガリを諭すアスラン

 

「君はオーブが大分嫌いな様だが、何故なんだ?昔はオーブに居たという話しだが、下らない理由で関係ない代表にまで突っかかるというのなら、ただではおかないぞ」

 

アスランもシンの態度に少しだけ憤っていた

 

「下らない?下らないなんて言わせるか!」

 

だがその言葉は、シンにとっても許せない言葉だった

 

「関係ないってのも大間違いだね!」

「お兄ちゃん・・・」

「ちょっシン⁉︎」

「よせシン!お前」

 

同期達の静止を無視して詰め寄るシン

 

「俺の両親は、アスハに殺されたんだ!」

「え?」

「な⁉︎」

「へ⁉︎どういう事・・・」

「シン、お前・・・」

 

シンのカミングアウトに驚愕する一同

エリスだけは静観していた

 

「国を信じて、アンタ達の理想とかってのを信じて、そして最後にオノゴロで殺された!」

「え⁉︎」

「両親だけじゃない!マユもあの流れ弾で、死にかけた!それだけの傷を負ったんだよ!」

 

マユの方を振り返るルナマリア達

マユの目は僅かに潤んでいた

 

「マユ、本当なの?」

「うん・・・お父さんとお母さんがその時に亡くなったって・・・私もお腹、まだ残ってるし・・・」

 

何をとは誰も聞けなかった。聞かなくても察せるから、それがマユにとって辛い事だと分かっているから誰も聞かなかった

 

「だからオレはアンタ達を信じない!オーブなんて国も信じない!そんなアンタ達の言う綺麗事を信じない‼︎」

 

怒りのあまり手に持っていた缶を握りつぶすシン

 

「この国の正義を貫くって、アンタ達だってあの時!自分達のその言葉で!誰が死ぬ事になるのかちゃんと考えたのかよ‼︎」

「な・・・」

「君は・・・」

「何も分かってない様な奴が、分かった事言わないでほしいね」

 

部屋から立ち去るシン

 

「お兄ちゃん・・・」

「・・・君も、オーブは信じられないか?」

「え?」

 

アスランに聞かれて戸惑うマユ

 

「ああ、すまない。辛い事を思い出させたかな?」

「いえ私はあの時すぐ気を失っちゃってて、気づいた時にはベッドの上で何もかも終わっていて・・・だからお父さんとお母さんのこと、何も分かんないんです。なんで亡くなったのか、どんな状態だったのかも、お兄ちゃん、答えてくれなくて・・・」

「・・・シンについては私から後で言っておきます。だからこの話しはこれで終わってください」

 

アスランとマユの間に入るエリス

 

「エリス・・・でも」

「まだ分からないのですかアスハ代表?貴女の言葉は、理想は、正しいものなのかもしれない。けどそれで救われない人もいるんですよ」

 

自分の過去を思い返すエリス

 

「貴女はもう少し現実を見てください。想いだけで平和になる様な世界なら、私はここには居ない!」

「エリス、隊長・・・」

「マユ、行きましょう」

「あ、はい」

 

エリスとマユと退室する

残されたのはまさかの展開に困惑しているルナマリア達とシンの心の叫びにただ立ち尽くしてしまうだけのカガリとアスランだった

 

地球の豪邸でビリヤードをするロゴスのメンバー達

 

「さてと、とんでもない事態じゃのう」

「まさに未曾有の危機。地球滅亡のシナリオですな」

「ふっ、書いたものがいるのかね?」

 

世界の危機なのだが、周りには焦りの色はみえない

 

「それはファントムペインに調査を命じて戻らせました。一応」

「大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ」

「今更、なんぞ役に立つのかな?そんなものを調べて」

「それを調べるんですよ」

「しかしこの招集はなんだジブリール?まぁ大西洋連邦をはじめとする各国政府が、よもやアレをあのまま落とすとも思ってはおらんが。一応避難や対策に忙しいのだぞ、皆」

「この度の事は正直申し上げて、私も大変ショックを受けましてね。ユニウスセブンが、まさかそんな、一体何故?まず思ったのはそんな事ばかりでした」

 

わざとらしく大袈裟な物言いをするジブリール

 

「前置きは良いよジブリール」

「いえ、ここが肝心なのです。やがてこの事態、世界中の誰もがそう思う事となるでしょう。ならば我々はそれに答えを与えてやらねば」

 

ジブリールの言葉に今そんな事を考えている場合なのかとその場の全員に疑問が生じている

だがジブリールは自分の考えが絶対だと主張するがの如く、話を続ける

 

「プラントのデュランダルは既に各国に警告を発し回避、対応に自分達も全力を挙げるとメッセージを送ってきました」

「速い対応だったな」

「奴らも慌てていた、という事でしょう」

「ならばこれは本当に自然現象という事かの?だがそれでは」

「いえ、そんな事ももうどうでも良いのですよ。重要なのはこの災難の後、何故こんな事にと嘆く民衆に我々が与えてやる答えの方でしょう」

「やれやれ、もうそんな先の算段か?」

「無論、原因がなんであれあの無様でバカな塊がまもなく地球に、我らの頭上に落ちてくる事だけは確かなのです。どういう事です、これは?あんなものの為にこの私達までもが顔色を変えて逃げ回らなければならないとは。この屈辱はどうあっても晴らさねばなりますまい。

 誰に?当然あんなものをドカドカ宇宙に作ったコーディネイター共にです。違いますか?」

 

過激なジブリールの発言に少し否定気味の一同

それはこじ付けが過ぎる。ただこちらが相手を攻撃したい、そんな意思が丸見えだった

 

「・・・それは構わんがの」

「だがこれでは、被る被害によっては戦争をするだけの体力すら残らんぞ」

「だから今日お集まり頂いたのです。避難も脱出もよろしいですが、その後には我々は一気に撃って出ますよ、例のプランでね。その事だけは皆様にもご承知おき頂きたくてね」

「なるほど」

「強気だな」

「コーディネイター憎しで、却って力が湧きますな、民主は」

「残っていればね」

「残りを纏めるんでしょ?憎しみという名の愛で」

「・・・皆プランに依存は無い様じゃの、ジブリール」

「ありがとうございます」

「では、次は事態の後じゃな。君はそれまでに詳細な具体案を」

「はい」

 

ロゴスメンバーが解散する

 

「全く、どいつもこいつも日和った耄碌共ばかりだな・・・」

 

ミネルバのブリッジに上がるアスラン

 

「ボルテールとの回線開ける?」

「いえ、通常回線はまだ」

「どうしたのかねアスラン?いやアレックス君か」

「・・・無理を承知でお願い致します。私にもモビルスーツをお貸し下さい」

「・・・確かに無理な話ね。今は他国の民間人である貴方にそんな許可が出せると思って?カナーバ前議長のせっかくの計らいを無駄にでもしたいの?」

「分かっています。でもこの状況をただ見ている事など出来ません。使える機体があるのならどうか」

 

頭を下げてお願いするアスラン

 

「気持ちは分かるけど」

「良いだろう。私が許可しよう。議長権限の特例として」

「議長⁉︎ですが」

「戦闘では無いんだ艦長。出せる機体は一機でも多い方が良い。腕が確かなのは君だって知っているだろう」

 

モビルスーツの発進スタンバイをするシン達

 

「粉砕作業の支援たって、何すれば良いのよ?」

「出たら分かるよルナ。戦闘じゃないのなら私も出て良いって言われたし」

「そうね、ほんと良かったわね」

 

少し機嫌が悪くなっているエリス

 

「隊長、どうしたの?」

「多分だけど、自分のザクがアスランに取られたから少し機嫌悪いのよ・・・」

「アスラン?あの人も出るの?」

「作業支援なら一機でも多い方が良いって」

「へぇ、まぁモビルスーツには乗れるもんね」

「アスランめ・・・壊したら承知しないんだからね!」

 

コクピットに乗り込むエリス

 

「・・・ねぇマユ。大丈夫?」

「私は大丈夫だよ。けどお兄ちゃんは・・・」

 

シンもコアスプレンダーに乗り込む

その顔はいつもにも増して怖い顔つきをしていた

 

「移住してきたってのは聞いてたけど、まさかそんな事があったとはね・・・だからアカデミーでも荒れていたんだ。まぁシンの場合、それだけじゃないとは思うけどね」

「・・・行こうルナ」

「発進停止。状況変化。ユニウスセブンにてジュール隊がアンノウンと交戦中」

 

艦内放送でユニウスセブンで戦闘が起こっている事が知らされる

 

「え⁉︎」

「なんだと⁉︎」

「イザーク?」

「アンノウン?こんな時に?」

「各機、対モビルスーツ戦闘用に装備を変更してください」

「更にボギーワン確認B25デルタ!」

「ボギーワン⁉︎」

「なんでこんな・・・」

「どういう事だ?」

「分かりません。しかし、本艦の任務はジュール隊の支援である事に変わり無し。換装終了次第、各機、発進願います」

「なら最初に私から出るわ。エリス・シルファ、ジャッジメント、出ます」

「シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます」

 

ジャッジメントとコアスプレンダーが出撃する

合体してフォースインパルスとなってジャッジメントの後を追う

 

「状況が変わりましたね、危ないですよ。お辞めになります?」

「・・・バカにするな」

「レイ・ザ・バレル、ザク、発進する」

「ルナマリア・ホーク、ザク、出るわよ」

「マユ・アスカ、プロトインパルス、出るよ」

 

白ザクファントムと赤ザクウォーリアとフォースシルエットに換装したプロトインパルスが出撃する

 

「アスラン・ザラ、出る」

 

アスランのザクウォーリアも出撃する

 

「全員出たわね?なら急いで向かうわよ。着いたらイザークの言う事聞いて行動してよ」

「「「了解」」」

「アスラン。貴方も無理言って来た以上、ビシバシ使っていくからね。あとそのザク壊さないでよ。私が後で使う機体なんだから」

「分かっている」

 

ユニウスセブンに向かい急行するシルファ隊

そこに待っていたのは思いもよらない悪意だった




カガリもアスランもマユの存在には驚いていますが、それよりもシンの言葉の方が効いていそうですよね。
エリスはカガリ達の理想や考えを否定はしませんが、致命的に自分とは合わないと思っています。なのでシン側に共感しているので、今回のシンの処遇は甘いです。普段ならもう少し強くお仕置きしています。
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