SEED編を一から見直して、読みやすい様に直したりしてますが、前と今とで描き方が思ったより変わっていましたね。
ミネルバの出航を確認するオーブ軍
「ミネルバ、出航しました」
「かなりの高速艦という事だからな。領海を出るのもすぐだろう。あちらへの連絡は?」
「はっ。既に」
「こちらの配備は終わっているな」
「はい」
「ふん、さて、どうなるかな」
不敵に笑うユウナと内心ミネルバに対して申し訳なさそうなオーブ兵
オーブ領海を進むミネルバ
「間も無くオーブ領海を抜けます」
「降下作戦はどうなってるのかしらね・・・カーペンタリアからの連絡は?まだ取れない?」
「はい。呼び出しはずっと続けているんですが・・・」
「本艦前方20に多数の熱紋反応。これは、地球軍艦隊です!」
「えっ⁉︎」
「スペングラー級4、ダニロフ級8、他にも10隻程の中小艦隊を確認。本艦前方左右に展開しています」
「ええ⁉︎」
「更にこれは・・・アークエンジェル級!ドミニオンです!」
「ええ⁉︎」
「ドミニオンですって⁉︎」
ミネルバの前方にはオーブから連絡を受け待ち構えていた連合の艦隊軍があった
「ここにいたんだねミネルバ。というか私達出ても良いの?あの強奪作戦の事ばれちゃうでしょ?」
「どうせ向こうも分かっていると思うわ。だから心配しなくて良いわ。それに、ここで撃墜すればバレないでしょ」
「それで良いんですか隊長・・・」
隊長と呼ばれた女性、フレイは余裕そうに答える
「あの3機も戦闘に出すでしょうから隠すだけ無駄でしょうからね。ようやくアルスター隊が正式に出られるわね。行くよ」
「「了解」」
「どういう事ですか!オーブの領海を出た途端にこんな」
「本艦を待ち構えていたということか」
「後方オーブ領海線にオーブ艦隊、展開中です」
「えっ?」
「砲塔旋回、本艦に向けられています!」
「引き返す事は許さないってわけね・・・連合への土産にでもされた様ね。条約締結もまだなのに、やってくれるわねオーブも」
(と言ってもアスハ代表はそんな事をする人じゃない・・・砂漠の虎からの忠告はこれを指していたって事かしら?)
「ともかくこのままやられるわけにもいかないわ。コンディション・レッド発令!ブリッジ遮蔽!対艦対モビルスーツ戦闘用意!」
「はい!」
ミネルバ艦内に戦闘用意のアラームが上がる
「えっ⁉︎」
「もう!速くない?」
「チッ、オーブめ・・・」
「話は後。とにかく出るわよ!」
「「「了解」」」
「・・・了解」
艦内放送でタリアから状況説明がされる
「艦長タリア・グラディスよりミネルバ全クルーへ。本艦の前面には空母4隻を含む地球軍艦隊が。そして後方には自国の領海警護と思われるオーブ軍艦隊が展開中である」
「地球軍がもう⁉︎」
「オーブがそんな・・・」
地球軍の速すぎる動きとオーブからの裏切りに戸惑うルナマリアとマユ。レイとエリスも内心僅かに驚愕していた。
「地球軍は本艦の出航を知り網を張っていたと思われ、またオーブはミネルバが引き返す事を許していない。我々には前方の地球軍艦隊突破以外に活路はない。
これより開始される戦闘はかつてない程厳しいものになると思われるが、本艦は何としてもこれを突破しなければならない。このミネルバクルーとしての誇りを持ち最後まで諦めない奮闘を期待する」
「だそうよ。分かったわね?」
かなりの戦力差に緊張しながらもそれを隠しながらレイ達に確認するエリス
「了解です、隊長」
「了解です・・・」
「了解・・・やりますよ」
レイは冷静に、ルナマリアは不安が少し見えるがそれでも気丈に振る舞い、マユは覚悟を決めていた
「うん。それでシンはどうなの?」
「どうって・・・やるならやる、それだけでしょう」
「貴方ねぇ・・・まぁ尻込みしてないなら問題無さそうね。行きましょう」
ぶっきらぼうに答えるシンに何かを感じ取るエリスだが、それよりも出撃を急ぐ事を重視した
連合がウィンダムの部隊を出撃させる
ミネルバも戦闘用意をする
「エリスとシンとマユにはあまり艦から離れるなと言って。レイとルナマリアは甲板から上空のモビルスーツを狙撃」
「はい」
「イゾルデとトリスタンは左舷の巡洋艦に火力を集中。左を突破する」
「はい!」
「発進どうぞ」
ミネルバからシルファ隊が出撃する
「海に落ちるなよルナマリア。落ちても拾ってはやれない」
「意地悪ね」
「良いシン。マユ。敵は多いけど回りをよく見て戦えば勝てるわよ。だから落ち着く様に。特にシン」
「了解です、隊長」
「なんでオレだけ念を押すんですか」
「今のシンは本調子じゃないでしょ、心の方が。出航前のアスハ代表とのやり取りから苛つきが出てるの気づかない?」
シンは明らかにオーブを出航する直前の事を気にしていた。それはエリスだけでなく、全員が感じていた事だった。
「なんだよそれ。オレがアスハを、オーブを気にしてる?そんなわけ」
「お兄ちゃん、そういうのは良いから」
「マユまで・・・もしかしてレイやルナも一緒か?」
「ああ。今のシンはいつものシンじゃない」
「ええそうね。ねぇシン、アンタも後ろでミネルバを」
「バカにするな!オレだって・・・やってやるよ!」
内心を突かれ、誤魔化す様に強がるシン
「はぁ、しょうがない。シルファ隊、行くわよ」
「「「了解」」」
ウィンダム部隊の中心に飛び込むジャッジメントとインパルス
「このぉ!」
プロトインパルスがウィンダム部隊の包囲網の外からビームライフルを撃ちウィンダムを一機撃墜する
プロトインパルスに気を取られたウィンダムをビームソードガンで数機切り捨てていくジャッジメント
「お前らなんかに!」
インパルスがウィンダムのビームライフルを回避しながらビームライフルで撃ち落としていく
「イゾルデ!ランチャーワン、1番から4番パルシファル!撃て!」
ミネルバの砲撃で地球軍艦が三隻撃墜される
ミネルバに近づいてきたウィンダムを赤ザクウォーリアのオルトロス白ザクファントムのビーム突撃銃で撃ち落としていく
「数が多いわね!」
「嘆いても何にもならないぞ」
「分かってるわよ!」
「ごめん!全部は止められない!」
「悪いけどルナマリアとレイが最後の砦よ。頑張って」
「「了解」」
「こんなところで」
ウィンダムをビームサーベルで縦に真っ二つにするインパルス
「やられてたまるかよ!」
そのままウィンダム部隊に突撃するインパルス
「ちょ、シン!あまり離れないでよ!」
「分かってるよ!」
「あちゃぁ・・・マユはこの距離感を維持してて。私がシンをサポートするから」
「分かりました」
ミネルバの奮戦を見つめるフレイ達
「やっぱ強いね。というかこっちが弱いよね」
「それだけナチュラルとコーディネイターに差があるって事だよ。スティング達の様になるか、俺達みたいにでもしないと普通は勝てないんだよ・・・」
嫌そうな顔をしながら喋るレオ
「本当に同じ人間なのか疑うよね。というか連合の方が人手なしだよね」
「貴方達、無駄話はその辺にしときなさい。私達の狙いはジャッジメントよ」
「ジャッジメントを、ですか?」
「あの合体野郎を狙った方が良くないですか?というか3人でジャッジメントに勝てますか?」
ジャッジメントとユニウスセブンで対峙した時に自分達との実力差をはっきりと痛感していた。その為レオもアリスも、フレイを合わせた3人で掛かっても勝てる見込みは見えなかった。
「こう言うとあれだけど、私達は勝たなくても良いの。陽動だからね」
「陽動?なんのですか?というか何の為の?」
「まさか、アレを出す気なのかよ・・・」
「はい正解。あの新型を速く試したいそうよ、上の連中は」
「その為に俺らにまでこんな・・・相変わらず勝手な連中だよな」
「そろそろ出るわよ。良いわね?」
「「了解」」
ドミニオンからエクストラとスクラッシュ、そしてキメラプロトが出撃した
「艦長!ドミニオンから例の二機が出撃しました!」
「あの機体が・・・やはりカオス達を強奪したのは地球軍だったわね」
「アレは⁉︎・・・キメラプロト・・・フレイ、なの?」
「アイツら!やっぱり地球軍かよ!お前らのせいでまた!」
インパルスがキメラプロトに突撃する
「シン!勝手に動くな!」
「コイツらは許せない!コイツらは‼︎」
頭に血が上ったシンにエリスの言葉は届いていなかった
「ああ、もう!ルナマリア!レイ!マユ!ミネルバは任せたよ」
「了解」
「お気をつけて隊長」
「お兄ちゃんの事、頼みます」
インパルスのビームライフルを避けるキメラプロト
「アンタじゃないのに!仕方ないわね」
「こうなったらコイツをやるしかないですよね?というかコイツは私達で倒したかったのよ!」
スクラッシュがビームサーベルでインパルスに切りかかるがシールドで防がれる
「アリス、下から行け!俺は上から」
「分かった!」
インパルスのビームサーベルを後退して躱したスクラッシュが高度を下げて下からビームライフルを撃つ
「これで!」
躱したインパルスに上からビームライフルを撃つエクストラ
「そんなもんで!」
「ならこれはどう?」
上からの射撃をシールドで防いだインパルスに正面からスキュラを撃つキメラプロト
「な⁉︎しまっ」
インパルスの前に立ち両腕の小型シールドでスキュラを受け止めるジャッジメント
「隊長!」
「シン!アンタねぇ、これは明らかに罠でしょうが!」
「けど!」
「なんか予定外だけど、引き付けは出来たわね。艦長!」
ドミニオンに通信を繋げるフレイ
「分かっている。ご苦労だアルスター大尉。そのまま後退しつつ出来るだけミネルバから引き離してくれ」
「了解、やってみます。アンタ達、分かってるわね?」
「分かってるよ」
「分かってる。というかまだ足りないくらいだけどね!」
後退するアルスター隊
「逃げる気かよ!この」
「だから、無闇に追っちゃダメよ!」
追いかけようとするインパルスを抑えるジャッジメント
その横から高威力のビームが飛んできて咄嗟に躱わすジャッジメントとインパルス
「今のは⁉︎」
「横?って何アレ⁉︎」
インパルスとジャッジメントに新型のモビルアーマー、ザムザザーが襲ってきた
「なんだアレは⁉︎」
「デカイわね、この!」
ジャッジメントのビームソードガンの二丁拳銃を躱わすザムザザー
「速い!あの巨体でなんて機動力なの⁉︎」
「なら近づいて!」
ビームサーベルで切り掛かろうとするインパルスをガムザートフで引き剥がすザムザザー
「うわっ⁉︎」
「なんて機体・・・これは放っておけないわね」
ザムザザーに苦戦するインパルスとジャッジメント
その様子をミネルバも確認していた
「アンノウン接近。これは・・・」
「光学映像、出ます」
「何だあれは⁉︎」
「モビルアーマー・・・」
「あんなにデカイ!」
「あんなのに取りつかれたら終わりだわ。アーサー、タンホイザー起動。インパルスとジャッジメントが離れ次第前方の艦隊事薙ぎ払って」
「えええ⁉︎」
「沈みたいの?」
「いいえ、じゃない了解!タンホイザー起動!照準敵モビルアーマー!撃て!」
「避けてくださいエリス隊長!シン!」
「分かったわ!」
「了解!」
タンホイザーの発射と同時に高度を上げて避けるインパルスとジャッジメント
「敵艦、陽電子砲発射を確認」
「陽電子リフレクター展開」
「敵艦に向けリフレクション姿勢」
前方に傾いたザムザザーがリフレクターを起動させタンホイザーを受け止める
「何⁉︎」
「嘘でしょ⁉︎」
「そんな⁉︎タンホイザーが・・・」
「厄介な機体ね・・・」
「ミネルバじゃあ相性が悪い。なら」
インパルスがザムザザーの前に立ち塞がる
「エリス隊長!マユ!飛べるオレ達で止めましょう!」
「お兄ちゃん、分かった!」
「その判断は正しいわ。私達で倒すわよ!」
上からビームソードガンの二丁拳銃を撃つジャッジメント
躱したザムザザーにビームサーベルで切り掛かるインパルスだがそれも躱される
「速い・・・なんなんだよコイツ!」
「このぉ!」
プロトインパルスがビームライフルを撃つがリフレクターで防がれる
単装砲とイーゲルシュテルンの乱れ撃ちに後退させられるインパルスとジャッジメント
「隊長!お兄ちゃん!」
「平気だ!けど、どうすれば」
「二人はそのまま前に居て!」
後ろに回り込んだジャッジメントが背部ビーム砲を撃つが、上に躱される
「嘘⁉︎振り向きもしてないのに攻撃の位置が分かるのコイツ?」
そのままの向きでガムザートフと単装砲を撃たれるジャッジメント
「な⁉︎くっ!」
咄嗟に小型シールドで防ぐが耐えきれず弾き飛ばされ海に落ちるジャッジメント
「隊長⁉︎」
「そんな・・・」
「ジャッジメント落水!」
「えええ⁉︎」
「エリスがこうも簡単に・・・」
ザムザザーに苦戦するインパルス達をドミニオンに戻ったフレイ達が見ている
「あんな簡単にやられるなんて拍子抜けね。というか私達も一緒に行けばもっと速く終わらない?」
「あくまでアレ一機で倒したいそうよ。下らないプライド丸出しだけどね」
「無駄口はそこまでにしとけよ。いざというときの予備戦力なのだぞ、我々は」
「ならもう良いでしょ。というかこんだけ戦力集めたのに予備も無いでしょ」
つまらなさそうに答えるアリス。元々リベンジのつもりでここに来た筈なのにザムザザーの初陣の為の土台にされた事に腹が立っていた。
「だから念の為の予備と言っているだろティファン少尉」
「ああ、艦長。その辺にして戦局を見ましょうよ」
「分かっているさ」
「あれ?もう終わりなのかよアリス?」
「まさかもうやられたのか?呆気ないな」
地球に降りた際にドミニオンに乗り込む事になり、待機していたスティング達が話しかける
「そんなわけないでしょ!というかアンタらは出なくて良かったの?」
「ネオが居ないし、俺らはドミニオンの部隊じゃない扱いらしいぜ。だから出なくて良いってさ」
「訳わかんねよな。同じ連合のくせにややこしいよな」
「分かる。というか変なこだわりあるよね軍って。ほんとバカよね」
雑談が盛り上がるアリス達
それに混じらずにインパルスの戦闘を見続けるステラ
「お前は良いのか?あっちに入らなくて」
「うん、ステラ、アイツを倒したい」
「そっか。ステラには悪いけど、多分あのモビルスーツは」
「負けない。あの機体は、生き残る」
インパルスの戦闘を見続けるステラ。その顔には敵、というより昔馴染みを見るような懐かしむ様な表情をしていた。
「なんでそんな事分かるのよ?」
「なんとなく。それに、もう少しでアイツの攻撃パターン、覚えられるから」
「ほんと、あれに固執してるのねステラ。珍しい・・・何?アレのパイロットに何か恨みでも?」
「そんなんじゃない」
首を横に振り否定するステラ
「なら・・・一目惚れ?」
「そんなんじゃ、ないよ!」
少しニヤけながら問い詰めるプレイに顔を赤らめて否定するステラ
「本当に〜?アーモリー1でも男の子とやる事やってたっていうじゃないの?」
「それも違うから!」
「そんな必死に否定すると逆に怪しいな〜?そら今のうちに白状しなさい」
後ろからステラの首に腕を回し抱きつくフレイ
「いや、そんなんじゃぁ・・・」
「ん?聞こえないわよ?」
「・・・あー艦長。こっちはもうほぼ戦闘終わった気になっています。申し訳ありません」
「ダイナー少尉は悪くないさ。保護者無しで彼らを置いた事と集中力のないアルスター大尉のせいだからな」
レオは、戦場にいるとは思えない雰囲気の自分の仲間達に、少しだけ頭を悩ませていた。
ザムザザーがヴァシリエフを出してインパルスに襲いかかる
「くっ⁉︎」
咄嗟に躱し右に回り込むが低圧砲で弾き飛ばされるインパルス
「ぐぅ!横にも隙がないなんて・・・」
「お兄ちゃん!一人じゃあ無理だよ!」
「お前が来てもどうにもならないだろマユ!エリス隊長はまだやられていない筈。戻るまでこのまま時間稼ぎするしか」
「だったら交代してよ!いつもの様に・・・訓練の時は逆だったでしょ!」
「それは・・・」
アカデミーでの訓練の時はマユが前衛、シンが後衛をする事が多かった。だが実戦ではその通りにする事は今まで無かった。マユを前に出す事はそれだけ危険である事を、そんな事を未成年の少女にさせる事をシンもシン以外も出来るだけそれは避けようとしていた。だがそれでは勝つ見込みが無いのも事実だった。
「けど、このままじゃあ・・・分かった、頼む!」
「任せてよ!」
インパルスが下がり、プロトインパルスが前に出る
「ちょっシン!良いの?」
「お前が了承するとは珍しいなシン」
「今はこれしか手が無いだろ!分かってるんだよ、自分の実力くらいは・・・」
「シン・・・」
悔しそうに答えるシン。兄である筈の自分が守りたい妹を前に出して自分は下がる。それがどれだけ苦渋の決断であるかは、誰にだって分かっていた。
しかしアカデミーでの成績も、普段のシュミレーションでのスコアでもマユに負けているシンには、そちらの方が勝率が高い事を分かっていた。
「今は、ここを突破する事だけを考えるしか無い」
「シン・・・分かったわ。レイ、ルナマリア、なるべくマユの援護をして。二人だけにアレを任せるのは危険だから」
「艦長、本当に?」
「仕方ないでしょう?今は」
タリアもシンが自分のプライドより勝利の為の事を考えている事を理解していた。だからこそなるべくマユの負担を、そしてシンのメンタルをなるべく軽くする為にミネルバの護衛よりザムザザー撃退を優先させる事にした。
「「了解」」
「レイ、ルナ、アイツは横側にはリフレクターは張れない。隙を見つけたらどんどん撃ってくれ!」
「二人共お願い。タイミングは任せるから」
「分かった。お前達も気をつけろよ」
「任せて!」
ザムザザーのガムザートフと単装砲を回避しながら近づくプロトインパルス
「何⁉︎」
「コイツ、さっきの奴より強い・・・」
「そう何度も」
赤ザクウォーリアのオルトロスを回避するザムザザー
その隙に更に接近するプロトインパルス
「ハァァ!」
「くっ、食らえ!」
ザムザザーのヴァシリエフを上に回避してビームライフルで単装砲を一つ撃ち抜くプロトインパルス
「やらせると思わないで!」
「何⁉︎」
「なんて奴だ・・・こんなパイロットがいたとは・・・」
善戦するプロトインパルスに歓喜するミネルバのブリッジ
「凄いですよ!マユは!」
「ええそうね・・・」
(才能はマユの方があるのは事実だけど、それでもまだ拮抗しているわね・・・)
プロトインパルスとザムザザーの戦闘をモニターしているオーブ軍
「いや凄いですね、あの兵器」
「陽電子砲を跳ね返しちゃうとはなぁ」
「何をしている?」
カガリが司令部に入ってくる
「カガリ」
「ユウナ。これはどういう事だ?ミネルバが地球軍と戦っているのか?地球軍と」
「そうだよ、オーブの領海の外でね」
「あんな大軍相手に・・・」
「心配いらないよカガリ。既に領海線に護衛艦は出してある」
「領海にミネルバを入れさせない気か・・・」
「だがそれがオーブのルールだろ?」
カガリもそれは分かっていた。カガリを保護しオーブまで送迎してくれた事とユニウスセブンの破砕作業に尽力してくれたお礼でミネルバの修復の間だけ滞在を許されていただけだった。オーブを一度抜けてしまえば、これ以上ミネルバを贔屓するのは中立国の範疇を越える事だからだ。
だからカガリ個人的にはもどかしくもユウナ達の判断は間違っていない、国の代表としてはそう捉えるしか無かった。
「それに正式に調印はまだとはいえ、我々は大西洋連邦との同盟条約締結を決めたんだ。ならば今ここで我々がどんな姿勢を取るべきなのかは君にも分かるだろう?」
「それは・・・」
インパルスのビームライフルと赤ザクウォーリアのオルトロスをリフレクターで防ぐザムザザー
その隙に切り掛かるプロトインパルスだがガムザートフをシールドで受け止め弾き飛ばされる
「グゥ⁉︎」
「マユ!くそ、なんてパワーとスピードだよ」
「くっ・・・ってまずい、プロトインパルスのパワーが残り少ない」
「オレの方もだ・・・どうするマユ?」
「どうするって・・・」
「このまま戦うか、マユが補給に戻るか、どっちか選ぶしか・・・」
「戻ったりしたらお兄ちゃん一人になるでしょ!それにミネルバにも敵が多いし・・・」
オーブ領海線に近づいたミネルバに当たるギリギリに威嚇射撃をするオーブ戦艦
「な⁉︎」
「ミネルバが!」
「当たらない・・・わざと外した?」
「オーブにもこちらを味方してくれる人でもいるのかもしれないわね・・・」
ミネルバに直撃しなかったのは、ユウナからの指示で攻撃の命令を受けたトダカが、カガリを送り届けた事とユニウスセブンの破砕作業の礼の為にわざと外しているのだが、外から見ているマユとシンにはその真意は分からなかった。
「そんな・・・オーブが、本気で・・・」
「マユ・・・⁉︎危ない!」
「えっ?」
ミネルバへの砲撃に気を取られたプロトインパルスを突き飛ばし身代わりになるインパルス
ザムザザーのヴァシリエフに右足を掴まれ振り回されるインパルス
「うあああ!」
「お兄ちゃん⁉︎」
「艦長!シンが!」
「えええ⁉︎」
「なんですって⁉︎」
「そんな、私を庇って・・・」
マユの中で、オーブと地球軍の戦闘に巻き込まれた時の事がよぎる
(あの時と同じだ。私のせいでお兄ちゃんが・・・こんな事を繰り返したくなくてザフトに入ったのに。お兄ちゃんに、みんなに迷惑かけて、それでも戦場に出たのにこんな・・・いや!)
「もう私は、同じ過ちを繰り返したく無い‼︎」
マユのSEEDが発動する
「くっ、このぉ!」
ビームサーベルでザムザザーの足を切り落とし脱出するインパルス
「インパルス脱出しました!」
「くっ・・・けどエネルギーがもう」
「ミネルバ!メイリン!デュートリオンビームを!それからソードシルエット出して!ごめんお兄ちゃん!すぐ戻るから!」
ミネルバに引き返すプロトインパルス
「マユ・・・」
「良いからやって!」
「指示に従って」
「はい!」
「分かったけど、急いでくれよな!」
「勿論よ!ただ逃げてるだけで良いからね!」
「分かってるが・・・」
ミネルバの前に来たプロトインパルス
「デュートリオンビーム照射!」
額からデュートリオンビームを受け取りエネルギーを回復するプロトインパルス
「これで!」
ザムザザーに近づくプロトインパルス
「マユ!合わせろ!」
「お兄ちゃん・・・うん!」
ザムザザーのヴァシリエフをシールドで受け止めるインパルス
その隙を上からビームサーベルで突き刺しザムザザーを撃墜するプロトインパルス
「敵モビルアーマー撃墜!」
「やったなマユ!」
インパルスがフェイズシフトダウンする
「あ⁉︎やば」
「お兄ちゃんは下がって補給して!メイリン!ソードシルエット!」
「り、了解!」
射出されたソードシルエットに空中で換装してソードカラーになるプロトインパルス
「今度は、こっちの番だ!」
エクスカリバーを連結させて連合艦隊に向かうプロトインパルス
「敵モビルスーツ接近!」
「くっ・・・こうなったら最後の一機を出せ!」
「了解!」
ザムザザーがもう一機出撃する
「な⁉︎もう一機!」
「まだいたの⁉︎」
「マユ下がれ!一人じゃあ」
「いや、マユはそのまま前に行きなさい!コイツは私が」
海上に浮上したジャッジメントがザムザザーの前に現れる
「隊長!良かった」
「待たせて悪かったわね。コイツの攻撃は、もう見切った!」
エリスのSEEDが発動する
ザムザザーのガムザートフを回避しながら接近し、すれ違い様にビームソードガンで両足を切り落とすジャッジメント
「な⁉︎速い!」
「これがジャッジメントの本気か!」
「どこに行った?」
上に回り込んだジャッジメントが背部ビーム砲でザムザザーを撃墜する
「ザムザザー、撃墜されました!」
「なんだと⁉︎早すぎるぞ!」
「ウオリャァァァァァァ‼︎」
プロトインパルスが連結したエクスカリバーで連合軍艦を滅多切りにして撃墜する。
「次!」
別の軍艦に飛び移り、滅多切りにして落とすプロトインパルス
「マユ・・・」
「やるわね・・・これは私もうかうかしてたら抜かされるわね」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」
プロトインパルスに次々と戦艦を撃墜され撤退を始める地球軍
その様子を見ていたオーブ軍も戦慄させるほどだった
「アレは・・・」
「地球軍艦隊、撤退します」
「あんなのと地球軍は、戦っているのか・・・」
「ユウナ、アレがザフトの力だ。オーブ軍の力でもアレには及ばない」
「そんなの、まだ分からないじゃないか!そ、そうだ!アイツは、太陽の少女がいるだろ!ソイツの力を」
太陽の少女の存在はオーブ政府にも伝わっている。前大戦の折に無傷無敗で戦い抜いた最強のモビルスーツとパイロット。連合もザフトもその存在は認識しているが、太陽の少女の居場所を知っているのはオーブの関係者でもごく少数であった。
「ダメだ。アイツはもう戦わない。戦える状態じゃないさ・・・」
(それに、これは私達の問題だ。セナを巻き込むわけにはいかないからな)
「そんな・・・」
オーブの海辺に佇むセナは、地球軍とザフトの戦闘の一部始終を見ていた
「地球軍とザフトがこんなところで・・・」
「セナ。こんなところに居たんだ」
キラとラクスが後ろから近づく
「一体何を・・・セナ、帰りましょう」
「そうだねラクス。ほらセナ、帰ろう?」
セナに手を差し出すキラ。その手をセナは、受け取らなかった。
「ごめんキラ・・・やっぱりまた続いているんだね、戦争」
セナの一言に黙り込んでしまうキラとラクスは、セナがまた心に傷を負わないか不安だった。セナの手は力強く握り締められていた。一度止めた戦争が再開した事に複雑な感情を抱いていた。
ここでマユとエリスのSEED発動回でした。エリスはSEED発動の予定は無かったのですが、流石に前大戦を経験したのならもう少しできるだろうと思い、ザムザザーを一人で撃墜させて強さを見せつける事にしました。シンの覚醒回は後になりますのでお楽しみに。
フレイ達回りをふざけさせ過ぎた気がしますね。少なくとも戦場でこれは緊張感がなさ過ぎましたね・・・