ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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少し更新遅れましたね、申し訳ありません。


第十四話 動き出す三者

アークエンジェルがカガリを連れて行ってからしばらくして、オーブに寄る変形したセイバー

 

「オーブコントロール。こちらは貴国へ接近中よザフト軍モビルスーツ。入港中のザフト艦、ミネルバとの合流の為入国を希望する。許可されたし」

 

しばらくしてから、ムラサメ部隊がセイバーに向けて機関銃を撃ってくる

 

「何⁉︎オーブコントロール。一体どういう事だ!」

 

驚きながらも冷静にムラサメの機関銃を避けるセイバー

空対空ミサイルを撃ってくるムラサメ

 

「こちらに貴国攻撃の意思は無い!なぜ撃ってくる?」

「寝ぼけた事を言うな。オーブが世界安全条約機構に加盟した今、プラントは敵性国家だ。我が軍はまだザフトと交戦状態にはないが入国など認められない」

「大西洋連邦との同盟に合意した、そんな・・・カガリは首長会を抑えられなかったのか」

 

ムラサメの空対空ミサイルと機関銃を躱しながら対話するセイバー

 

「行政府、こちら市民番号2500474C、アスハ家のアレックス・ディノだ。代表へ繋いでくれ」

「こちらは行政府だ。要望には応じられない」

「緊急を要する事だ!頼む」

「残念だが不可能だ。どういう作戦のつもりかは知らないが既に居もしないミネルバをだしにするなどマヌケすぎるぞ」

「ミネルバが、居ない⁉︎」

(既に出たのか?まだ修理が完了するまで時間がかかる筈・・・まさか、連合に襲われた?その可能性を危惧してもう出たのか?)

 

モビルスーツ形態に戻ったセイバーがビームライフルでムラサメ達のビームライフルを撃ち落とし、撤退する

 

「カガリ・・・クソッ!」

 

海中に潜航して身を潜めるアークエンジェル

 

「一体どういうつもりなんだ!こんなバカな事をして!あなた方まで何故!」

 

カガリは自分を攫い、オーブから脱走してきたセナ達を問い詰めていた

 

「結婚式場から国家元首を攫うなど国際手配の犯罪者だぞ!正気の沙汰か?こんな事をしてくれと誰が頼んだ!」

 

カガリの言い分に、誰も返すことはできなかった。結婚式場に着陸の為にオーブ軍と交戦までしてやってきたサンシャイン、国の首長の一人であるユウナへの暴行、国の代表を拉致・・・あまりにも大胆な国家反逆の所業はテロリストも同然であった。

 

「カガリさん・・・」

「いや、まあねぇ・・・それはわかっちゃいるんだけど」

 

自分達にもその自覚があるからか、ぐうの音も出ないバルトフェルド達。その中で一人だけ飄々としている元凶がいた。

 

「まぁ仕方ないんじゃない?成り行きって事で、許して?」

「成り行きだと?ふざけるな!」

 

舌出しウインクをして謝るセナの態度に怒るカガリ

 

「お前は自分が何をしたのか分かっているのか!ええ?」

「だから成り行きだって言ったのよ。オーブという国にキラやラクス、バルトフェルドさんやアイシャさん、それにアスランの様なコーディネイターの居場所は無くなるし、ザフトにラクスは狙われるし、そんな中でカガリが国の為にあんな頼り甲斐の無い痩せっぽちと結婚?全くどうしようもないわね。それでも国の代表?」

「なんだと?何が言いたい!」

「なんの為に私達は、ウズミ様が地球軍と戦ってまで中立を保とうとしたのか忘れたの?娘の貴女が?」

 

カガリの脳裏にウズミの言葉がよぎる

 

(このまま進めば、世界はやがて認めぬもの同士が際限なく争うばかりのものとなろう。そんなもので良いか?)

 

「それは・・・」

 

その直後にシンの言葉が脳裏によぎる

 

(俺の両親は、アスハに殺されたんだ!)

(この国の正義を貫くって、アンタ達だってあの時!自分達のその言葉で!誰が死ぬ事になるのかちゃんと考えたのかよ‼︎)

 

「仕方、ないだろ・・・こうでもしないと、またオーブが焼かれる・・・それだけは避けないといけないんだ!」

 

苦悩に塗れた表情でセナに答えるカガリ

 

「こうでもしないとまたオーブが、責められる。またお前達を戦わせることになる・・・またシンの様な目に遭う人が、出てしまう」

「シン?」

「私はオーブの代表だ。だからオーブを守る為に・・・セイランや首長達とどうするかを考えて、考えて・・・それで出した答えだ。もちろんキラ達や、オーブに住むコーディネイターからしたら、酷い代表に見えるかもしれない・・・ユニウスセブン破砕に尽力してくれたミネルバやザフトからしたら恩知らずなのかもしれない・・・けど!もう私には、これしか方法が無かったんだ!」

 

悔しそうな顔で思った事を吐き出すカガリ。代表としての決断に内心納得していないが、それでも選ばざるを得ない状況に苦しんでいたカガリの本音だった。

 

「でも、そうして焼かれなければ他の国は良いの?もしもオーブがプラントや他の国を焼く事になっても良いの?」

「いや、それは・・・」

「ウズミ様の言ってた事は?」

「分かってる、でも・・・」

 

キラの鋭い指摘に段々と声が小さくなっていくカガリ。言われた事はカガリも危惧していた事ではあったが、カガリにはどうしようも無かった。

 

「カガリが大変な事は分かっているよ。今まで何も助けになれなくてごめん。僕がカガリを責める資格なんてほんとはないんだと思う。

 でも、今ならまだ間に合うと思ったから。僕達にもどうすれば良いかは分からない。だからこそ、一緒に考えようよカガリ」

 

キラの言葉に賛同する様に頷く一同

 

「キラ・・・うぅ、うう」

 

その場で泣き崩れるカガリ

 

「カガリ・・・一緒に考えよう。僕はもう逃げない、みんなで答えを見つけよう」

「うぅ、うああ、あああ」

 

カガリを抱きしめ、宥めるキラ。その顔には強い決意が見えていた。

 

「カガリさん・・・」

「大変なのはこれからさ。この先どうするかね?国や世界の事もだが、まずは自分達の隠れ家だな」

「それも考えないとですね・・・でもその前に、色々言いたい事があるんだけど・・・」

「えっと・・・勢いでやりすぎました、ごめんなさい」

 

頭を下げるセナ

 

「全く・・・なんだったのあの格好は?」

「いや、花嫁攫うなら駆け落ちなのかなって・・・」

「そんな理由?それでこんなに目立ってどうする気なんだよセナは・・・」

「だって、アスランどこにいるか分かんないし・・・これならどこに居たって分かるだろうって・・・」

「アスラン・・・確かに、どこに行ったんだろうね・・・」

 

カーペンタリアで待機中のミネルバ。修理が終わるまで、軍からの指令が出るまで待機中となったミネルバ隊は、一時的な休暇をそれぞれ満喫していた

 

「お兄ちゃん、部屋かな?」

 

マユが部屋に入るとシンが机にうつ伏せになって寝ていた

 

「お兄ちゃん?また寝落ち?」

 

机には開いたままの本が置いてあり、読書中に寝てしまった様だった

 

「相変わらずね・・・」

 

音を立てないように忍び足でシンに近づくマユ

 

「へへへ♪無防備なお兄ちゃんが悪いんだからね♪」

 

後ろからシンにちょっかいをかけようとするマユだったが、突如起き上がったシンに腕を掴まれてベッドに押し倒される

 

「キャッ⁉︎・・・ど、どうして分かったの?」

「ふふん、たとえ寝ていようともマユの気配ならいつだって分かるさ」

「ええ・・・」

 

自慢げに答えるシンに少しだけ引くマユ

 

「それよりも、寝込みを襲うとは悪い子だな?そんな子にはお仕置きがいるかな?」

「へ⁉︎や、ちょっと・・・」

 

マユに抱きついたままベッドに横になるシン

 

「お、お兄ちゃん⁉︎」

「悪いマユ、今眠いからな。このまま寝させてくれ」

「え、それくらいは良いけど・・・これがお仕置き?」

 

予想外の答えに少し疑問を持つマユ。昔はちょっかいをかけられるとくすぐりで返される事がほとんどだった。だが今回はそれが無かった。

一緒に寝た事も何度もある事ではあったが、マユから言い出す事が殆どであり、シンから言う事は無かった。

 

「良いから・・・寝るぞ」

「う、うん・・・」

 

マユに正面から抱きついたまま寝るシン

マユもそのまま寝ようとした時に、視線を感じて振り向くとそこには

 

「あ、バレちゃった」

 

部屋に入っていて、こっそり様子を見ていたエリスに気づいてしまった

 

「エ、エリスお姉ちゃん⁉︎いつから!」

「そうね、楽しそうな顔で『無防備なお兄ちゃんが悪いんだからね♪』って言ってた辺りからかな」

「結構見られてた!」

 

ニマニマしながら揶揄うエリスと見られた事に赤面して驚愕するマユ

 

「いや〜ウチのエースも普段はこんな甘えん坊なのね〜知らなかったなぁ〜」

「うぅぅ・・・恥ずかしい」

「別に良いんじゃないかしら。マユ位の歳ならそんなもんでしょ。今のうちにお兄ちゃんに甘えときな」

「いや、人に見られてそのまま寝られるわけ無いよ・・・って動けないし」

 

起きあがろうとするマユだっだが、シンに抱きつかれており抜け出す事が出来なかった

 

「ぐっすり寝ちゃってるし・・・エリスお姉ちゃん、出して」

「今は大丈夫でしょ?ミネルバの修理もまだだし、出撃の命令も無いんだから。私はちょっと買い物に行ってくるわ。二人っきりにしてあげるから」

「今は良いよその気遣いは」

 

エリスが退室する

 

「もう・・・後で絶対揶揄われるよ・・・っていうかよく寝られるわねお兄ちゃんは」

 

シンの寝顔を見るマユ。その寝顔はとても安らかだった。

 

「気持ち良さそうに寝ちゃって・・・ふふ」

 

シンの背中に腕を回して抱きつくマユ。シンの胸に顔を埋めるマユの顔は少しだけ赤くなっていた。

 

外に買い物に出たエリス。その両手一杯に荷物を持っていた。

 

「こんなものかな・・・それにしても仲良いわね、シンとマユは。あの二人に必要なのは力じゃなくてああいう時間なんでしょうけどね・・・」

 

カーペンタリアに着いた後、シンは一人でモビルスーツの操縦のシュミレーションをしている事をエリスは知っていた。徹夜で訓練をしており、時にはエリスに相手をしてもらう事も何度かあったのだ。その為昼間は寝ている事が増えていた。

 

「シンは自分がマユを守りたいと思って強くなろうとしてるんだろうけど、アンタも守られる側なのよ、本当は・・・」

 

余裕のないシンに対して心配するエリス。エリスもかつてはクルーゼに引き取られ、育ててもらい、クルーゼの部下として戦場に出ていた。だからこそ自分もクルーゼにしてもらった様にシンとマユの世話をして、守ろうと密かに決意していた。

 

「私がちゃんと見てあげないとね・・・ん?何あれ?」

 

ミネルバに着艦するセイバーを遠目で見たエリスはミネルバに急いで戻る

 

ミネルバに着艦したセイバーに集まるルナマリア達

 

「何なのこの新型?」

 

その場に居た全員がセイバーがやってくる事を知らない為、困惑していた。その中で降りてくるアスランがヘルメットを外して話しかける。

 

「認識番号285002特務隊フェイス所属、アスラン・ザラ。乗艦許可を」

「ア、アスランさん⁉︎」

「ねぇ、さっきの・・・ってアスラン⁉︎」

 

走って戻ってきたエリスがアスランの姿を見て驚愕する

 

「なんで、アンタがザフトに・・・ってフェイス⁉︎」

「ん?なんでみんな集まってるの?」

「ふわぁ・・・久々によく寝た」

 

騒ぎを聞いてやってきたマユとシン。シンの頭には寝癖が付いていた。

 

「ってアンタ⁉︎なんでここに?」

「ちょっとシン!アンタねぇ口の聞き方に気をつけてよ」

「アスランさん?どうしてここに?」

「マユ、アスランさんはフェイスよ」

「え?ええ⁉︎」

「ああ、ちょっと色々あって複隊する事になったんだ」

「らしいよ・・・これ持ってシン」

「え?」

 

シンに荷物を渡してアスランに敬礼するエリス。それに続いてその場に居た全員が敬礼をする。

 

「えっと・・・マユ、これ」

 

マユに荷物を渡して普段は開けている第一ボタンと襟のホックを留めて敬礼するシン

 

「ちょっと!・・・メイリン、お願い」

「え、もう!」

 

メイリンに荷物を押し付けたマユも襟のホックを留めて敬礼する

その様子を見たアスランは笑いを堪えていた

 

「ふっ・・・ああ、よろしく頼むよ」

 

アスランも全員に敬礼をする

 

「艦長は艦橋ですか?」

「ああ、はい。だと思います」

「メイリン、先に行って艦長に確認してきて。案内は・・・ルナマリア、頼むわよ」

「了解です隊長!」

「了解・・・案内は私がしたかったな」

 

エリスの指示に意気揚々と返事するルナマリアと少しだけ不満げなメイリン

 

「こちらです」

「ありがとう」

 

ルナマリアに連れられて行くアスラン

 

「なんで、あの人が・・・」

「さぁね。ま、正義感は強い奴だし、戦争を終わらせる為とかなんとかってところでしょう・・・けどフェイスか」

「隊長?何かあるんですか?」

 

少し不安げなエリスに疑問を抱くマユ

 

「フェイスって結構立場強いのよ。独自の権限を持っているし・・・つまり私の隊長の立場が奪われるかもなのよ!どうしようマユ!」

 

マユに泣きつくエリス

 

「せっかくここで築き上げた私の威厳が・・・」

「えっと・・・そこは大した問題じゃないかと」

「元々無かったろ、あんまり」

「ああ!言ったな!このぉ!」

 

シンを追いかけるエリス

 

「うわ!そういうところが威厳無いんだろうが、ですよ!」

「うるさい!待ちなさいシン!」

「やれやれ、確かにシンの言う通りあの人に威厳は無いよな」

「だよな」

「みんな酷くない⁉︎」

 

エリスに辛辣な一言を浴びせる一同だったが、別にエリスを嫌って言っているわけではない。

 エリスは隊長にしては部下やミネルバの他メンバーとフランクに接するので、上下関係はあれどそこまで畏まらず自然体でいられるので寧ろ慕ってはいるのだが、近い距離感であるが故にこの様ないじっていじられての関係にもなるのだった。

 

「まぁ隊長はそのままで良いと思いますよ・・・多分、きっと」

「ねぇマユ、こっち見て話してよ。目を見て」

「えっと・・・ごめんなさい」

「なんで謝るのよぉ〜」

「・・・なんだアレ?」

「ああ・・・いつもあんな感じですよ隊長は」

 

遠目で見ていたアスランは困惑し、ルナマリアはいつも通りの光景に呆れていた

 

「そうか・・・知らなかったよ。エリスの奴、思ったより楽しくやってるんだな」

「ええ、まぁ、ミネルバは他の部隊よりは明るい方ですね」

 

エレベーターに乗り込みながら話すアスランとルナマリア

 

「ああそうだった、そういえばオーブをいつ出たんだミネルバは?オーブに行ったらもう居ないって言われて」

「ええ⁉︎オーブに行ったんですか⁉︎大丈夫でした?」

「スクランブルかけられたよ」

 

アスランの答えにオーブに怒りを通り越して呆れが出てくるルナマリア

 

「やっぱり・・・なんだかシンが怒るのも少し分かる気がします。めちゃくちゃですよ、あの国。オーブを出る時、私達がどんな目に遭ったと思います?地球軍の艦隊に待ち伏せされてホント死ぬとこだったわ。マユの頑張りが無かったら間違いなく沈んでましたよ、ミネルバ」

「けど、カガリはそんな」

「私も前はちょっと憧れたりしてたんですけどね、カガリ・ユラ・アスハ。でもちょっとがっかり。大西洋連邦とは同盟結んじゃうし、変な奴と結婚しちゃうし」

「結婚‼︎?」

 

カガリが結婚という話題に思わず手に持っていた荷物すら落として困惑するアスラン

 

「え⁉︎ええ、ちょっと前に生中継されて・・・」

「あ、そう・・・なのか・・・」

 

エレベーターを出るが、心ここにあらずなアスラン

 

「あの・・・でも式の途中で変な人に攫われて、今は行方不明に」

「ええ⁉︎誰だソイツは⁉︎」

「えっと・・・誰なのかはよく分かってはいないんですよ、変な仮面で顔を隠していましたし・・・けどサンシャインに乗っていたから太陽の少女なんじゃないかって」

「サンシャイン⁉︎」

(なんでサンシャインが?乗ったのはセナだろうが・・・セナがまたモビルスーツに乗るなんて、何があったんだ?)

「でもソイツ、アスハ代表にキスしましたからね、カメラの前で見せつける様に。我が妻とかキザな事言って」

「へ?キス??」

 

次々と出てくる衝撃的な話にキャパオーバーするアスラン

 

「あの、アスランさん?」

「・・・え、あ、ああ大丈夫だたぶん」

「本当ですか?少し休んでからでも」

「も、問題ないさ、いこう」

「はぁ・・・」

 

艦長室に入ったアスランがタリアとアーサーに議長に手渡されていた荷物を渡す。その中には軍本部からの指令とフェイスバッジがあった。

 

「貴方をフェイスに戻し、最新鋭の機体を渡してこの艦に寄越し、私にまでフェイス?一体何を考えているのかしらね議長は?それに貴方も?」

「申し訳ありません」

「別に謝る事じゃないけど。それで?この命令内容は貴方知ってる?」

「いえ、自分は聞かされておりません」

「そう、中々面白い内容よ。ミネルバは出撃可能になり次第ジブラルタルへ向かい、現在スエズ攻略を行っている駐留軍を支援せよってね」

「スエズの駐留軍支援ですか!我々が?」

 

アーサーが驚きのあまりタリアに聞き返す。元々ミネルバは月艦隊に着く筈の戦艦だった。それが成り行きで地球に来たと思えばそのまま地球での作戦に出される事になったのだった。驚くのも無理は無かった。

 

「ユーラシア西側の紛争もあって今一番ゴタゴタしているところよ。確かにスエズの地球軍拠点はジブラルタルにとって問題だけど、何も私達がここから行かされるようなものでも無いと思うわね」

「ですよね。ミネルバは地上艦じゃないし、一体なんでまた」

「ユーラシア西側の紛争というのは?」

「常に大西洋連邦に同調し、というか言いなりにされているユーラシアから一部の地域が分離独立を叫んで揉めだしたのよ。つい最近の事よ。知らなくても無理は無いわ」

「そんな事が・・・」

 

ユニウスセブン落下の影響で争いの火が起こりだした事に内心複雑になるアスラン

 

「開戦の頃からですよね」

「ええ」

「確かにずっと火種はありましたが」

「開戦で一気に火が付いたのね。徴兵されたり制限されたり、そんな事はもうゴメンだ、というのが抵抗している地域の住民の言い分よ。それを地球軍側は力で制圧しようとしかなり酷い状態になっているみたいね・・・そこへ行けという事でしょ、つまりは。

 我々の戦いは積極的自衛権の行使である、プラントに領土的野心はない。そう言ってる以上下手に介入は出来ないでしょうけど、行かなくてはならないのはそういう場所よ。しかもフェイスである私達二人が」

「・・・はい」

 

艦長室を出たアスランは格納庫のセイバーの元に行った

 

「あ、やっと来た」

「アスランさん!」

「ん?」

 

セイバーの足元で待っていたマユとルナマリアに気づくアスラン

 

「君達・・・どうした?何か用か?」

「用って、来たからには挨拶しに来ただけですよ。って自己紹介してなかったっけ?私はマユ・アスカです。プロトインパルスのパイロットをしています」

「私はルナマリア・ホークです。ザクウォーリアのパイロットです。よろしくお願いしますアスランさん」

「あ、ああよろしく」

 

ルナマリア達の勢いに少し戸惑いながらも挨拶をするアスラン

 

「それでこの機体は?最新鋭ですよね?」

「インパルスと同じセカンドステージシリーズ、ですよね?」

「ああ・・・良かったらコクピットの中、見るか?」

「ええ⁉︎良いんですか⁉︎」

「良いけど、動かすなよ」

「分かってますよ」

 

セイバーのコクピットに乗り込むルナマリア

 

「マユは良いのか?」

「私は良いです。味方の事を知りたかっただけですから」

「そうか・・・そういえばオーブを出る時に活躍したそうだな」

「へ?ああ・・・私だけの力じゃないですよ、エリス隊長とお兄ちゃんの頑張りがあってですから。私は最後に暴れ回っただけですから」

「暴れ・・・」

 

アスランはマユの見た目とイメージとは違った戦い方をするマユに少し驚いていた

 

「そういえば、エリス以外のパイロットは良く分かっていないからな・・・教えてくれないか?」

「ええ、それくらいは・・・私とお兄ちゃんはシルエットを変えて状況に合わせて、ですけど、今はお兄ちゃんが前に出る事が多いですね」

「シン、だったよな?君のお兄さんは」

「はい。それが何か?」

「いや、あんな事があったしな・・・どういう奴なのか気になっていてな。なんかいつも機嫌が悪そうだったしな」

 

アスランの記憶しているシンはオーブやカガリに怒っているイメージが強かった。その為普段のシンがどんななのか分かっていなかった。

 

「お兄ちゃんか・・・いつもあんなに怒っているわけじゃないですよ。読書中に寝落ちするくらいには隙だらけですよ。かと思えば私の気配なら寝ていても分かるとか言い出すし・・・全く」

「そうか。妹思いなんだな、シンは」

「はい。お兄ちゃんは優しいですよ。そんなお兄ちゃんを私は・・・好きです」

「そうか、兄妹仲が良いんだな」

 

マユも兄思いの子である、アスランはそう認識した

 

「あら、いつの間に随分と仲良いじゃないアスラン?」

 

アスランとマユの間にジト目のエリスが割り込んでくる

 

「エ、エリス・・・どうしたんだ?」

「どうしたもこうしたも無いわよ。私の部下がみんなアスランに注目しちゃって、取られないか気が気じゃないのよ。ただでさえ隊長の座が取られそうでヒヤヒヤしているのに」

 

エリスとアスランは赤服であるが、アスランはフェイスに任命されており、二人の立場や権力には差が出来ていたのだった

 

「いや、フェイスだからってどうこうじゃないぞエリス。それに俺もシルファ隊に入るだけだぞ」

「本当に?でもフェイスがいるなら指揮系統がバラバラになるからアンタが隊長した方が」

「俺はミネルバの事もメンバーの事もあまり知らないからな。基本的にはエリスの指示に従う方がやりやすいだろ」

「アスラン・・・」

「エリスになら任せられるしな。よろしく頼む、隊長」

「アスラン、ありがとう・・・アンタ良いやつね」

 

アスランの気遣いに目を輝かせて喜ぶエリス

 

(・・・そういうところな気がするよ、エリスお姉ちゃん)

 

マユはそんな言葉を心に留めて置いた

 

海上で待機するドミニオンの甲板で海を眺めているステラ

 

「やっぱりここに居た。探したよステラ」

「ん、アリス、レオ」

 

後ろからアリスとレオが近づいてくる

 

「海好きよね。というかそれ以外に好きなの分かんないし」

「俺は分かんないな。これずっと見てられるものなのか?」

 

ステラの隣に座るアリスとレオ

 

「うん。ステラ、海、好き」

「そうか・・・それよりも、やっぱこのまま一緒なのか、ステラ達も」

「うん。ネオも、私達も、ここに居ろって」

「そうなんだ、私達一緒なの滅多にないから嬉しいわ。というか私達分けないで一緒にした方が良いのにね」

「一箇所に戦力を固めるのは良くないって事なんじゃないのか?普通のパイロットはあんまり強くないからすぐやられるしな」

「やられる?それって」

 

ステラのブロックワードに引っかかりそうになり、慌てて訂正するレオ

 

「大丈夫だよステラ。俺達は強いからな。俺達は負けないよ」

「うん・・・でも、アイツ、倒せなかった」

「・・・ああ、だが次は勝つ。だろ?」

「うん・・・レオ、アリス、ちょっと付き合って」

 

立ち上がってアリスとレオを誘うステラ

 

「特訓でもするの?良いよ。というか退屈だから体動かしたいところだったのよ」

「分かったよ。どうせならスティング達も呼ぶか?アルスター隊長は?」

「フレイは・・・いい。スティング達はどっちでも」

「前のこと、まだ怒ってたか・・・」

「え、何?なんかあったの?」

「何も、無かった。それで良いね?」

「あ、はい」

「今度こそ・・・アイツを」

 

インパルスとのリベンジに燃えるステラ。両者が再び激突するのは、それからすぐだった。




この辺りからどの陣営も雰囲気が殺伐とするので、なるべく明るくなる様にしたつもりでしたが、少しやりすぎたかもしれません。
それにしてもエリスはこう、普段のキリっとした感じよりもこっちの残念美人っぽい感じの方が描いてて楽しいですね。というかシンの出番が少なすぎる気が・・・一応DESTENY編の主役のつもりなのですが、次はもう少し出番が増えると思います。
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