「一体どうなっているのです!」
ロゴスの集会で開口一番にジブリールが怒鳴る
「それは君だって知っているだろう。プランの準備がまだ完全に整っていなかった所へ持ってきて、あの被害。それでも君の言うとおり強引に開戦してみればこちらの攻撃は全てかわされ、あっという間に手詰まりだ。これではあちこちで民衆が跳ねっ返り、ゴリ押しで結んだ同盟が綻び始めるのも無理はないさ」
「私はそんな話が聞きたいのではない!私はそんな現状に対してあなた方がどんな手を打ってらっしゃるのかを聞いているのです!コーディネイターを倒せ滅ぼせやっつけろとあれだけ盛り上げて差し上げたのに、その火を消してしまうおつもりですか!」
「ジブリール」
最早自分達ですら強引とも思える理由で開戦したにも関わらず、考えなしの核ミサイルのせいで同じ地球国家にすら見限られ始められている中、自分の非を認めず他人を責めるばかりのジブリールにその場にいる全員が呆れていた。
「弱い者はどうせ最後には強い方につくんです。勝つ者が正義なのですよ。ユーラシア西側の様な状況をいつまでも許しておくからあちこちで跳ねっ返りが出るんです」
「だが我らとて手一杯なのだ。大体君のファントムペインだって大した成果は上げられていないじゃないか」
「ですから!あっそうだ、オーブですよ」
「えっ?」
「あの国は今は我々の陣営だ。その戦力は中々なものの筈。何よりあの国には、最強の戦士が、太陽の少女がいる。彼女らに黒海に行って貰えれば良いんですよ。最早あの国にノーは言えますまい」
「しかしだな、サンシャインはアークエンジェルと共にオーブを出て行っただろ。おそらく太陽の少女も我らの同盟に賛成しているとは思えないのだが」
「ふん、どうせ奴もオーブの為に立ち上がる、そんな単純な奴ですよ。仮に太陽の少女が居なくともオーブ軍の戦力なら十分の筈だ」
単純なのはどちらなのか?その問いは誰も口には出さずとも同じ疑問を持っていた。
スエズに向けて航行中のドミニオン
「嫌!嫌よ!触らないで!」
「分かったから、それは触らないから」
「ごめんごめん、取ったりしないから」
「どうしたんだ、この騒ぎ?」
ステラが嫌がる声を聞いて駆けつけるネオ
「ネオ」
「ああいえ、足の傷を診ようとしたら怒り出しまして。あのハンカチに触るなと言われて・・・最近はゆりかごにも入らないし機嫌が悪いのかすぐに怒り出すしで」
「なんだそういう・・・ごめんよステラ。大丈夫。誰もステラの大事なものを取らないから」
「本当に?取らない?シンのハンカチ」
「シン・・・だと⁉︎」
ネオとフレイは休暇と言いつつ一応ディオキアに居たザフト兵について調査をした際にミネルバの搭乗員の情報を掴んでいた。もちろんシンの情報も掴んでおり、過去に血まみれの狂犬の二つ名がついていた事と、建設中の基地で生身の兵士に攻撃した事から人格面で危険視していた。
「うん、ステラの事、守るって言ってた。約束した。だから」
「そうか・・・なら、また会う為に体調良くしとかないとな。だからほら」
「嫌、ステラは血で良いから」
「けどなステラ。最近はずっと血で済ましているだろ?それは緊急手段であってずっと続けるとやがて衰弱するぞ」
エクステンデッドの体調を整える手段はゆりかごと人の血の摂取の二つである。だが血の摂取はゆりかごと比べると記憶を消す事が無い代わりに遺伝子的に相性の良い血液でないとその効果はあまり無く、衰弱するのを遅らせる程度でしかない。
「嫌!血で良いから!」
「けどなステラ・・・」
「なんで今日はダメなの?ステラ、体の調子、良いのに?」
「それはだな・・・そういうのは悪化する前に良くするのが良いからでだな」
(まぁ、苦しい言い訳だな、ステラにも怪しまれるとはな・・・全く)
ネオはステラの体を気遣って言っているが、それだけが理由では無かった。ステラが仲良くなったシンは、自分達と戦うインパルスのパイロットである事をネオは知っている。そしてステラが打倒インパルスに燃えていることも知っていた。
そのシンの正体をステラが知ってしまうと、戦闘時に支障が出てしまい、最悪撃墜される危険があったのだ。故にシンの記憶を消して戦闘に影響の無い様にしたかったのだった。
「むぅ・・・ネオが言うのならそうするけど、記憶はそのままにしてね」
「分かったよ。そうするから」
ステラがゆりかごの中に入って調整を受ける
「・・・やれやれ。我ながら悪いおじさんになった気がするよ。何が大事なものを取ったりはしないだか・・・」
「毎度毎度お見事ですよ」
「記憶ってのはあった方が幸せなのか、無い方が幸せなのか、アイツら見ていると考えてしまうよ。
あれだけ騒ぐって事はよっぽど何かあったって事だろ?」
「そうですね。ちょっと、いやかなり強く印象に残っている様ですが、まぁ消えるでしょう。彼等には記憶が無い方が幸せだと思いますよ。指示された敵を殺すだけの戦闘マシーンに余計な感情は邪魔なだけです。効率も悪くなる」
「・・・ああ、分かってるよ」
「相変わらず嫌な光景ね」
アリスが部屋に入ってくる
「何が余計な感情は邪魔よ。消されてないアンタらが言っても他人事でしょうが」
「おいおいアリス、それを言われるとこっちは頭が痛いぜ。けどな、これを止めてどうなる?今更体を元に戻すなんて事、させてくれると思うか?」
「だから嫌なのよね、上の奴ら。偉そうな事言う癖に人の体滅茶苦茶にして無理矢理戦わせて自分達は安全圏で楽しくやるだなんて、身勝手すぎるわよ」
「その辺にしとけよ。その嫌な上の奴から直々に命令を受けるのがファントムペインだからな。それに、シンって奴の記憶は残しておくと後々面倒だからな。仕方ないって奴さ」
「分かってるよ!けど、嫌なものは嫌なのよ!」
アリスが退室する
「やれやれ、彼女らも困ったものですな。なまじ優秀でコストが掛からないばかりにこうも反抗的だと」
「仕方ないさ。彼等は反抗期盛りの子供だからな。それに人ってのは自分の立場で物事を捉えがちなのさ何事も。だから分かり合えない奴ってのも必ず現れる。これも運命って奴さ。そのまま頼むぞ」
「了解です」
ディオキアで待機中のミネルバの待機室に集まるシルファ隊
「レイ・ザ・バレルであります」
「ああ、白いザクファントムね。ハイネ・ヴェステンフルスだ、よろしく」
「ようこそ、ミネルバへ。どうですか、この艦と我が部隊は?」
「エリス隊長、どうしたの?」
「きっと張り切って隊長らしく見せたいのよ」
「そこ、変な事言うと後でディオキア一周でもしてもらおうかしら?」
「「理不尽ですよ!」」
「ははは、仲良いな。しっかし流石に最新鋭だな、ミネルバは。ナスカ級とは大違いだぜ」
「えっ⁉︎まぁそうですね」
「ヴェステンフルス隊長は今までナスカ級に?」
「ハイネで良いよ。そんな堅っ苦しい、ザフトのパイロットはそれが基本だろ?君はルナマリアだったね?」
「あっ、はい」
「俺は今まで軍本部だよ。この間の開戦時の防衛戦にも出たぜ」
「エリス、隊長。あの・・・」
「ヴェステンフルス隊長の方が先任よシン。だから・・・うぅ」
隊長職が取られそうになる事を嫌がるエリス
「ハイネだよ」
「あっ・・・」
「あっでも何?お前隊長って呼ばれてるの?」
「戦闘指揮を取られますので、我々がそう呼んでいます」
「その割には扱い雑だけどね」
「ふ〜ん、でもさぁそうやって壁を作って仲間はずれにするのは良くないんじゃないの?まぁお前らはそれとは関係なく仲良さそうだけど」
「確かに仲は良い気がしますけど・・・」
「でも、普段と戦闘中は分けないといけないのではと思いますが」
「俺達ザフトのモビルスーツパイロットは戦場へ出れば皆同じだろ。フェイスだろうが赤服だろうが緑だろうが命令通りにワアワア群れなきゃ戦えない地球軍のアホどもとは違うだろ」
「それもそうね。あのアホ共と比べたらうちの子達は優秀よ。ね?」
シンの肩に手を置くエリス
「いやなんでオレに言うんですか?」
「別に他意は無いわよ〜休暇中にエマージェンシー出す奴でも、女の子と半裸で抱き合う奴でも戦闘は出来る奴だもんね」
「それ言うなよ‼︎」
「えっ何?脱がせたの?」
「シン、それは最低よ」
ジト目でシンを見るマユとルナマリア
「乾かす為だし‼︎というか見てないわ‼︎」
「・・・まぁ、一人おかしい奴はいるけどみんな同じで良いんだよ」
「誰がおかしい奴だ!」
「というかお前もお前だエリス。なんで名前で呼べと言わないんだよ」
「えっ、その・・・クルーゼ隊長の様に隊長って呼ばれるの、憧れてて、それで・・・」
照れながら答えるエリス
「ああそういう・・・まっ、今日からこのメンバーが仲間ってことだ。息合わせてばっちり行こうぜ」
「よろしくお願いします、ハイネさん」
「よろしくお願いしますヴェステンフルスさん」
「いや、ハイネだよ!まぁ良いや。お前もよろしくなマユ。その歳でかなり活躍していると聞いている。俺も負けてられないな」
「はい!よろしくお願いしますハイネ」
「そうそう、みんなもマユの様に呼び捨てで良いんだぞ」
歩き出すハイネについていくマユ達
「俺も、ああいう風にやれたら良いんだけどな・・・けど中々難しいんだよな」
「アスランさん・・・」
「アスランだ、シン」
「あっ・・・」
「けど、エリスはあまり変わらなくて良さそうだな」
「それどういう意味よ?」
「おーい、何やってんだよ、お前が案内してるんだろうが!」
「あ、すみません」
「オレ達も行かないとなシン」
「分かってますよアスラン」
黒海に向かうオーブ艦隊
「大分荒れて来ましたね」
「まだ序の口だろうがな」
「そうですね・・・しかしこの様な事は口にしてはいけないのでありましょうが今回の派兵、自分にはやはり疑問です。
他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない。それがオーブの理念であり、我等オーブ軍の理念であった筈です。なのに・・・」
アマギの言葉にトダカは心の中で頷いていた。
「ああ、分かっている。だが国を守る為と言えば為だ。本当はいかなる理由があろうともオーブの理念は守られてほしいと我等はアークエンジェルとカガリ様、そして太陽の少女に願いをかけたがな・・・間に合わぬならせめてどこかでこの戦いをカガリ様が見ていてくださる事を祈ろう」
(そして願わくば、あの子達が我等の前に来ない事を祈るしか無いな・・・彼等には、見せられないな、今のオーブは)
スエズで待機中のドミニオン
「ふむ、オーブの派遣軍か・・・まさか、オーブと我々が共に戦う時が来るとはな」
「空母1、護衛艦6、明日の夕刻にはこちらに来るそうだが、それを使って黒海を取り戻せか・・・色々大変だなぁ俺達も」
「いずれにしてもあの辺りは抑えとかなければならない場所です。今は頼もしい仲間として考えましょう」
「そうだな」
ゆりかごから目覚めたスティング達
「ふわぁ・・・よく寝たぜ」
「だね。けどお陰で、絶好調だぜ。次は勝つよ、アイツに」
「そうだな。ステラ、どうだ?久々のゆりかごは」
「うん・・・なんかふわふわしてる」
「そうか、まぁそのうち慣れるだろ」
「おーい、もう良いかスティング、アウル、ステラ」
「ああ、今行く」
スティングとアウルが部屋に入ってきたレオに近づく。アリスはその二人の横を通りステラに近づいた
「ステラ、大丈夫?」
「アリス・・・うん。大丈夫」
「そう・・・なら行きましょう」
「うん・・・ん?」
ステラが手に持っていたシンのハンカチに気づく
「ステラ・・・それは」
「・・・ううん、今行く」
シンのハンカチを懐に入れるステラ
「へっ⁉︎」
(あのハンカチを入れた?記憶を消されてる筈なのに?)
「どうしたのアリス?なんか付いてた?」
「えっ、いや付いてたというか持ってたというか・・・」
「ん?変なの。行こう」
「あ、うん・・・」
違和感を感じながらもアリスはステラと共に部屋を出た
「それ、本当なのか・・・」
「オーブが・・・嘘でしょ?」
ミネルバの休憩室に居たシンとマユにオーブが連合と共に戦場に出てきた事が知らされる
「そうよ。援軍、オーブだって・・・信じられないわよねほんと。こんなとこまで、でも今は地球軍だもんねーそういう事もあるか」
「シン、マユ、大丈夫か?」
「レイ・・・私は大丈夫だよ。たとえオーブが相手でも、戦うよ」
「マユ・・・」
マユはオーブと戦う覚悟が出来ていた
「マユ、良いのか?」
「うん、今の私はザフトでオーブはもう・・・敵だから」
「そうか・・・」
「・・・シン?」
シンが休憩室から出ようとするのを呼び止めるルナマリア
「シンは・・・大丈夫なの?」
「大丈夫って・・・肩ならもう治ってるよ」
「いやそっちもだけど・・・オーブと戦えるの?」
「・・・あっちが来るなら、戦うしかないだろ。大した話しじゃない」
「シン・・・」
ミネルバの甲板で黄昏るアスラン
(オーブが来るなんて・・・俺は)
「オーブに居たのか?大戦の後ずっと」
ハイネがアスランに声をかける
「良い国らしいよな、あそこは」
「ええ、そうですね・・・」
「・・・戦いたくないか?オーブとは」
「・・・はい」
「じゃあお前、どことなら戦いたい?」
「えっ?いや何処とならって、そんな事は・・・」
そもそもアスランは戦争を終わらせる為にザフトに復帰した。出来るのであればどことも戦いたくは無かった、戦う事にはうんざりだった。
「あ、やっぱり?俺もさ・・・そういう事だろ?」
先程まで明るく振る舞っていたハイネが声色を一つ低くする
「あっ・・・」
「割り切れよ。今は戦争で、俺達は軍人なんだからさ。でないと・・・死ぬぞ」
「・・・はい」
連合の艦隊とオーブの艦隊が黒海に向けて航行していた
「私ならこの辺りで迎え撃つ事にするかな。海峡を出てきた艦を叩いていけば良いんだから、そう考えるのが最良かと。
ザフトにはあのミネルバが居るという事だけれども、まぁ作戦次第でしょう。あれが要というのなら逆にアレを落とせばヤツらは総崩れでしょうし」
「流石はオーブの最高司令官殿ですね。頼もしい話しです」
心にもないお世辞を言うネオ。ユウナが何故そこまで強気なのかは誰も分かっていなかったが、ネオとナタルからすれば自意識過剰なユウナはおだてれば自分達の思う様に動くと内心確信していた。
「では先陣はオーブの方々に左右のどちらかに誘っていただき、こちらはその側面からという事で」
「ああ、そうですね。それが美しい」
「はぁ・・・」
美しさにこだわるユウナに呆れるオーブ兵達。どう考えても危険な役割を押し付けられているというのに気づかないユウナをどうしようもないと思っていた。しかもミネルバとの戦闘を間近に見ていたものからすれば驚異的なその戦力は正面からぶつかるのは避けていきたいところだった。
だが今はこのユウナが最高司令である為、ユウナが首を縦に振ってしまった以上やらざるを得なくなってしまった。たとえいたずらに兵を死なせる事になると分かっていても彼等はユウナに逆らうことが出来ないからだ。
「海峡を抜ければすぐに会敵すると思いますが、よろしくお願いしますよ」
「ええ、お任せ下さい。我が軍の力、とくとご覧に入れましょう」
オーブ軍がスエズに派遣された事を知ったアークエンジェル
「そんな・・・ウナトは、首長会は一体何を?」
「だが仕方なかろう同盟を結ぶとはそういう事だ」
「そして、それを認めちゃったのはカガリでしょう?」
「キラ・・・」
「こうなるとは思っていなかったの?」
「わ、私は・・・」
キラの指摘に言葉が詰まるカガリ。こうなる事は予想していなかったわけでは無かったが、カガリにはそれを突っぱねる為の力も現状を変える方法も無かったのだった。
「そう言わないの。私達だって強引にカガリさんを連れてきちゃって、彼女がオーブに居たらこんな事にだけはならなかったかもしれないのよ」
「いえ、同じ事だったと思いますよ。あの時のカガリにこれを止められたとは思えない」
宥めようとするマリューとは別に、カガリに厳しく接するキラ
「分かってる・・・けど」
「いや、分かってないよカガリは」
カガリの言葉を静止してセナが割り込む
「カガリには・・・荷が重いよ。だからどうしようも無かったのよ」
「セナ・・・」
「そして次にはこう言うでしょ。派遣された軍を今すぐ撤退させたい。オーブ軍の兵士達を死なせたくないって・・・机上の空論を」
「な⁉︎」
カガリはセナに思っていた事を見透かされた事にも驚いた。だがそれ以上に自分の考えを無理な事だと取り合ってもくれない態度に驚愕していた。
「セナ・・・私は」
「まだ分かってない様だから、ここで言ってあげるけどね。一度戦場に出たら簡単に退けないのよ。そんなの唯の学生にも分かった事だけど」
「ぐっ・・・だけど、私は・・・これ以上」
「今カガリが出たところで何にもならないわよ。それどころか、カガリを連れ出した私達にも、匿っているスカンジナビアにも迷惑かかるの分かってる?」
「・・・分かっているさ。なら私一人でも」
カガリの胸ぐらを掴んで壁に叩きつけるセナ
「ちょセナ⁉︎」
「セナさん⁉︎貴女」
「グッ⁉︎何する」
「ほんっとに分かってないわね。そんな事したら私達の行動が無駄になるでしょうが!私達を永久にオーブから追放する気なの?」
「それは・・・けど」
「本当にオーブ軍を止めようと思うのなら、同盟を結ぶ事を反対しようと言うのなら・・・カガリはまず私を、私達を頼るべきだったのよ」
「セナ・・・」
太陽の少女の力は、今でも最強の力として連合、ザフト両方に恐れられている。その上フリーダムやアークエンジェルなどのかつて共に戦った仲間達の力も集めていれば、それだけの力があるとオーブ軍にも首長達にも示していれば同盟を突っぱねても追い返す事が出来たとセナは考えていた。
キラやマリュー達も一度でも相談してくれれば出来る限り答えようとしていた。だがカガリはそれをしなかった。それを今更慌てても全てが遅いのだった。
「けど、そうしたらまたお前が・・・」
「その気遣いのせいでこうなってるんだけど、もうどうしようもないところにまで行ってるんだけど・・・ここまで行っちゃったら私でも止められないよ」
「・・・そうだ、私はまだまだ未熟だ。弱いさ・・・だからってあの戦闘を、あそこで犠牲になるかもしれないオーブ軍を、私は見捨てたくない!」
セナを押し返すカガリ
「今更かもしれないけど・・・それでも、私はこの戦闘を止めたい!」
「カガリ・・・だから」
「だから・・・手を貸してくれ。もう遅いかもだけど、もう私には、それしか・・・」
その場で崩れて涙を流すカガリ
「・・・カガリ、顔をあげてよ」
「キラ・・・」
「分かったよ。出来るだけの事はするよ。みんなもそれで良いですよね?」
「ええ、そうね」
「まぁ放ってはおけんからな」
「私達も、覚悟は出来てるわ」
「行きましょう、カガリさん」
「みんな・・・ありがとう」
涙を流しながら感謝するカガリ
「セナはどうするの?」
「まぁ行くけど・・・う〜ん、どうやって止めよう?カガリの呼びかけでオーブ軍も多少は動揺して動きは止まるだろうけど・・・」
「最低でも、連合とザフトの戦闘は想定した方が良いね」
「そうね。けどこの戦力じゃあね」
サンシャインとフリーダム、前大戦でもトップクラスだった機体が2機もあるとはいえ軍勢として見ればその戦力差は明らかだった
「いっそキラにオーブ軍の機体を無力化してもらって物理的に退かせる?」
「いや、無力化した側からザフトの攻撃を受けるかもしれないしオーブ軍に敵対認定されて本格的に攻撃されたらどうしようもなくなるよ」
「それに邪魔をすると連合にも狙われそうね。それは最後の手段にした方が良さそうね」
「だがザフトに攻撃したら奴らの手助けになるからな。益々連中はオーブ軍の力を借りるだろうな。太陽の少女の力を利用する為に」
「そうなりますかね?邪魔だからって両方から狙われると思いますけど」
「なんか三隻同盟の時に戻ったみたいね。両方から狙われて・・・同時に襲われた時は大分混乱してたもんね戦局が・・・あっその手があったわね」
何か思いついたセナの方を振り向く一同
「何か策を思いついたのかセナ?」
「まぁね・・・こんな手くらいしか思いつかないけど、私に出来るのはこれくらいね」
「私に?・・・ってまさか」
私にと言うセナに何か嫌な予感を感じるキラ
「えっと・・・具体的にどうする気?」
「ふっふっふ、散々振り回されたからねこっちは・・・これからは、私達の反撃の番だよ」
セナの顔には、いたずらを思いついた子供の様な無邪気な、そして悪どい笑顔が浮かんでいた。
やはりごちゃごちゃしてきましたね。この辺はどれか一つに視点を絞って描いた方が分かりやすいですかね?けどまとめきれないと思ってもどの陣営も描きたくなるんですよね・・・