シンの見舞いに来たマユとアスランは医務室の扉の前で様子見をしていた
「・・・入りづらいな」
「そうだね・・・もう少し待ちますか」
「ああ・・・」
敵同士だったにも関わらずそれを感じさせないほど、二人だけの世界に没頭するシンとステラを見て、入りづらくなっていた
「それにしてもあの子、ステラだったか?どうして彼女が連合に・・・」
「それは分からないです。ステラはナチュラルだけど、両親もちゃんと居た筈なので・・・離れた後のことは本人に聞かないとですけど」
「あの感じだとディオキアで会った時は覚えていそうだが、それ以前の記憶は無いだろうな」
「・・・よくもステラをあんな・・・許せませんよ、連合の奴ら」
拳を力強く握りしめるマユの目に、連合に対する強い怒りが溢れていた
「気持ちは分かるがな、怒りに捉われないようにするんだぞ。ただ撃つだけじゃあ何も終わらない。こういった悲劇を終わらせるためにどうするべきかを考えるんだ」
怒りが溢れ出すマユを宥めようとするアスラン。かつての自分の様に敵だからと考えることをやめ、キラと殺し合った事を後悔しているアスランは、マユに同じ思いをさせたくないと諭そうとしていた。
「なんですかそれ?前回はともかく、今回はあっちのバカみたいな理屈で無理矢理起こった戦争ですよ。話し合いが通じる相手じゃないですよ、連合は」
ただ今のマユには、それが分からなかった。その上今の連合、というよりロゴスの命令で動く大西洋連邦には言葉だけで止める事は出来ないとアスランも分かってはいた。
「けど、それで諦めたら本当に止まらなくなるぞ。それだといつか、後悔することに」
「後悔ならもう十分しましたよ。私のせいでお父さんもお母さんも死なせて、お兄ちゃんを傷つけて、今も守られてばかり・・・その償いが出来るのなら、私は迷いませんよ」
マユは自分のせいで家族を失った罪悪感と、償う為に力を尽くす事が戦う理由になっていた。その為に敵を撃つ事に、人を殺すことに躊躇いは無くなっていた。
「マユ・・・それは」
(だからカガリをアイツに預けたの?カガリの気持ちすら聞かず一方的に?)
セナの言葉を思い出し、言葉が出なくなるアスラン。戦争を終わらせるためにザフトに復帰したが、それは早期解決のためであって、連合を撃つ為では無い、だがそれはアスランの理由であった。それを戦う理由が違うマユに一方的に押し付けても変わらないと思ったアスランは言おうとした事を心に押し留めてしまった。
「行きましょうアスラン。お兄ちゃんの分も、私達は戦うしかないんですから」
「・・・ああ、そうだな」
(結局俺は、何をしているんだろうな。なんのために俺は・・・)
海中に潜んでいるアークエンジェルは、オーブの次の動きに備えていた
「ごめんね。せっかくアスランに会えたのになんか喧嘩しちゃって・・・」
キラとラクスに懺悔する様に謝るセナ。この間のアスランと再会した時の事をセナは後悔していた。
「セナだけが悪いわけじゃないから。多分僕が行っても同じだったと思うよ」
「今は、仕方のない事ですわセナ。だからあまり自分を責めないでください」
「・・・ありがとう」
落ち込むセナの頭を撫でながら慰めるラクスと隣に座るキラ
「アスランの言うことも、分かるからさ・・・けど」
「プラントがアスランの言う通りだったら私達はどうするべきなんだろうね」
オーブを守りたいが故に連合にもザフトにも攻撃している自分達が正しいとは一概に言えない事はセナ達も分かってはいた。だがアスランの言う通りに連合との同盟をどうにか出来るとも思えず、またどうすれば良いか悩んでいた。
「今更オーブに戻ったところでね・・・けどまた乱入しても効果なさそうだしね・・・」
「ミトメタクナイ、ミトメタクナ〜イ」
「それなら私、見て参りますわ。プラントの様子を」
「えっ⁉︎」
「本気なのラクス?」
ラクスの提案に驚きを隠せないキラとラクスの覚悟を確かめるセナ
「このままではどうしようもありませんわ。道を探すにも手がかりは必要ですわ」
「けど!それだけはダメだ!君はプラントには」
「大丈夫です、キラ。私ももう大丈夫ですから」
「ラクス・・・」
「せめてキラも連れて行ったら?ここは私に任せて」
「いいえセナ。オーブ軍を止めるためにキラとセナの力は必要ですわ。だから大丈夫です。信じてください」
キラに抱きつくラクス。ラクスの決意を前にしたセナはラクスの意見を尊重することにした。
「ラクス・・・分かったよ。けど見送りくらいはさせてあげなよ。ね?」
「うん・・・宇宙に上がるまでは、守るから」
「セナ、キラ・・・ありがとうございます」
ディオキアのザフト軍基地を訪れるラクスとバルトフェルド。バルトフェルドとアイシャは顔を隠す様にカツラとサングラスをかけており、ラクスはミーアの口調を真似していた。
「皆さ〜ん、お疲れ様で〜す」
「おお、ラクス様!」
「ラクス様こそご苦労様です」
「いえいえ、それほどでも〜」
「早速で悪いんだけどな、時間がないんや、シャトルの準備、急ぎで頼むで」
「お願いします」
「あ、はい。しかし定刻より少々速いご到着ですので、その」
「急いでいるから早う来たんや。そっちも頼んますわ」
「あ、はい」
ラクスのミーアのモノマネもところどころに粗がある為、長居するとバレてしまう為、強引にシャトルの発進を急がせるバルトフェルド。しかしバルトフェルドの関西弁もところどころ怪しいところがあるとラクスとアイシャは思っていた。
しばらくしてシャトルの準備が終えたので乗り込むわ否や乗組員を急いで制圧するバルトフェルドとアイシャとその部下達
「ごめんなさい・・・ですが今は」
「気にする事はないさ。こっちも手段を選んでいる場合じゃないからね」
「さぁ、座ってて。発進はこっちでやるから」
「バルトフェルド隊長、アイシャさん、ありがとうございます」
「じゃあ、行くぞ」
バルトフェルドの操縦で発進するシャトル。だがその直後にバビの部隊が追いかけられ、ガズウートの部隊が地上から砲撃されてしまう。
「くそっ、もう気づかれたようだな」
「追っ手が速いわね。どうするの?」
「こっちは全力で逃げるだけだ。あとは」
シャトルに向かうミサイルがフリーダムのハイマットフルバーストで撃ち落とされる
「何⁉︎」
「頼むぞキラ」
「キラ・・・」
シャトルの無事を確認したフリーダムはバビに素早く接近して頭部をビームサーベルできり落としていく
「ラクスに手出しはさせない!」
バビの砲撃を躱しながらバラエーナとレールガンで無力化していくフリーダム
バビ部隊を全て鎮圧した後、地上のガズウート達をレールガンで無力化し、基地を荒らして新手を出せないようにしてからシャトルを見送るに行く
「ラクス、大丈夫?」
「キラ」
「ご苦労さん。あとは任せとけ」
「貴方もそろそろ戻りなさい」
「・・・やっぱり心配だ。僕も一緒に」
「いいえ、それはいけませんわ。貴方が居なくなったらセナ一人に負担がかかります」
「それは・・・」
キラはラクスとセナのどちらを取るのか、今も悩んでいた。だが、再び戦闘になった時に、アークエンジェルを守るにはセナ一人では厳しいとキラも頭では分かっていた。
「私は必ず帰ってきます。貴方の元へ」
「うん・・・分かった。信じるよ・・・気をつけ」
フリーダムとシャトルで距離が空きすぎたために途中で通信が途切れてしまった。宇宙に上がっていくシャトルを見えなくなるまでフリーダムは見送り続けていた。
「そうか・・・連合であるかは不明だが、おそらく奴らの狙いは彼女の姿を騙ってプラントを混乱させることが狙いだろう。一刻も速く奴らを取り押さえたい。頼むぞ」
「はっ、心得ています」
ミーアが乗る筈だったシャトルがハイジャックされた事を報告されたデュランダルはラクスの捜索を命じて通信を切る
(まさかこうも大胆な動きに出るとは・・・だが奴らが離れたのは幸いか。ラクス・クライン、キラ・ヤマト、そして太陽の少女。分断している内にどちらかは倒しておかないとな。だが問題はそれだけでは無い)
先日、ロドニアにある施設の調査をミネルバに命じたところ、ニュスピシースとエクステンデッドの研究施設である事、そしてそれを破壊しにきたと推測されるガイアを撃墜し、そのパイロットを生け取りにしたとこまでは良かった。
だがその捕虜であるステラがミネルバ内で大暴れ、その結果シンが負傷しミネルバのパイロットが一人減る事態になってしまった事はデュランダルも頭を抱えることとなってしまった。
(エリスとアスランがいるなら最悪の事態にはならないだろうが・・・もしもという事もある。こうなったらアレをミネルバに送るか・・・)
「私は過ぎた事をいつまでもネチネチと言う男ではないがね、だが失敗にそういつまでも寛容なわけでもない」
「「はっ」」
ジブリールに通信で呼び出されたナタルとネオ。先日ロドニアのラボを処理しきれなかった事、ガイアを失った事、そしていつまでもミネルバを落とせていない事を追求されていた。
「今回のエクステンデッドの損失もまぁ仕方がないさ。戦闘となれば敵も必死だ。そうそう君の思った通りには行かないだろう。それも分かっている、だが目的は達せられなければならないのだよ。全ての命令は必要だから出ているのだ。遊びでやっているのではない」
「ええ、それは十分に」
内心一言申したい事を胸の内に留めて当たり障りのない様返事をするネオ。ジブリールの言う事も一理あるのは分かっているが、それをただ安全なところで待っているだけのジブリールに言われるのは癪だった。
実際に命がけで戦っているのは自分達であり、スティング達の様な子供達であった。それをただの道具で駒としか見ていないジブリールに心の中で怒りを抱えていた。
「分かっているのならさっさとやり遂げてくれないかね、言われた通りのことを。出ないとこちらの計画もみな狂う」
計画が狂って困るのはお前だけだろ、という言葉をなんとか言わないようにするネオ。その様子を横目で見たナタルも同情していた
「あのミネルバは今や正義の味方のザフト軍だなどと反連合勢力に祭り上げられヒーローの様になってしまっているじゃないか。全くコーディネイター共の艦だというのに、それもこれも奴らが勝ち続けるからだろう」
「そうですかね?」
「民衆は愚かなものさ。先の事などまるで考えもせずに、今自分達に都合の良いものばかりを歓迎する」
「それはまぁ、確かに」
「何故ああも簡単に騙されるのか、コーディネイター共が我等ナチュラルに本気で手を差し伸べることなどあるはずもないだろ。どうせまたすぐに手を返される。
だからあの艦は困るんだよ、危険なのだ!これ以上のさばられては。今度こそ撃てよネオ、ナタル。そのためのお前達だという事を忘れるなよ」
「ええ、肝に銘じて」
「・・・了解しました」
ジブリールとの通信を終えたネオは疲れ切ったように背もたれによしかかる
「はぁ・・・全く嫌になってくるねぇ、中間管理ってのは」
「お気持ちは分かりますよ。ロアノーク大佐」
「今度こそ撃てと言われたが、どうしたものかな・・・」
はっきり言って今の自分達に勝ち目があるとは思えなかった。オーブ軍の戦力を借りた前回でさえ敵を一人も撃墜出来ず、サンシャインとフリーダムに場を荒らされて敵が一機撃墜されるまでに尋常じゃない被害が出てしまった。
その上今はステラとガイアを失い、戦力も減少してしまった今では尚更勝てる見込みが無かった。サンシャインらの乱入の可能性がある以上、こちらがどれだけ作戦を練ろうが全て滅茶苦茶にされ、かと言って作戦もなくただ正面からぶつかってもインパルスやプロトインパルスにジャッジメント、セイバーに返り討ちに遭う未来しか見えなかった。
「少なくともあのモビルスーツ達は倒せないまでもこちらも倒される事はほぼありません。その隙にミネルバをオーブ軍に狙わせれば」
「今のオーブ軍が役に立つと思うか?一人一人の練度は大体の連合兵よりは高いが、スティング達程でもないしアイツらには通用していない。
というよりも指揮官が力押し過ぎてせっかくの軍勢を活かしきれていない。あれではどうしようもないさ。あっちの将校には同情するよ」
「それは・・・しかしやらねばならないのですよ」
「分かってるさ。次は俺も出る。お互い全力を尽くすしかあるまいな」
「ええ・・・そうですね」
艦長室に訪れたルナマリアが写真と音声データをタリアに渡す
「指示されたものです。ご報告が遅れて申し訳ありませんでした」
「良いのよ。騒ぎばかりで私もとてもそんな状況じゃなかったもの。悪かったわね、スパイみたいなマネさせて」
「いえ、艦長もフェイスという立場ですのでその辺りの事は理解しているつもりです。でもその、出来ましたら少し質問をお許し頂けますでしょうか?」
「・・・当然の思いよね」
わざわざルナマリアにフェイス権限で命令してまでアスランの後を追わせて調査をさせたのだ。ルナマリアも何故このようなことになったのか気になる事があるのは当然だった。
「良いわよ。答えられるものには答えましょう」
「ありがとうございます。アスランが先の戦争終盤ではザフトを脱走し、同じく地球軍を脱走したアークエンジェルと共に両軍と戦ったというのは既に知られている話です」
「ええそうね。本人も隠すつもりは無いからね」
「しかしその事も百も承知でデュランダル議長自ら複隊を認め、フェイスとされたという事も聞いています。ですが今回のことはあの、そんな彼に未だ何かの嫌疑があるという事なのでしょうか?
私たちはフェイスである事、また議長にも特に信任されている方という事でその指示にも従っています。ですがそれがもし」
「そういう事では無いわルナマリア。貴女がそう思うのも無理はないけど、今回の事に関しては目的はおそらくサンシャインとフリーダムの事だけよ。
彼が実に真面目で正義感あふれる良い人間だというのは私も疑っていないわ。スパイであるとか裏切るとかそういうことは無いでしょう。そんな風には誰も思っていないでしょうし」
タリアも本気でアスランが裏切るとは思っていなかった。ただアスランがサンシャインやフリーダムのパイロットと会い、何を話したのか、何を知ろうとしたのか確かめてたかっただけであった。
「ただ、サンシャインとフリーダムのパイロットの方はどうかしらね?確かに前の大戦の時はラクス・クラインと共に暴走する両軍と戦って戦争を止めた英雄かもしれないわ。でも今は?オーブが連合の陣営に入ろうとしたら突如現れて国家元首を攫い、そして先日のアレでしょ」
「はい・・・」
タリアもルナマリアも、アスランですらサンシャインとフリーダムが何を思ってあの行動に出たのか意味が分からなかった。オーブ軍を戦争に巻き込まないようにしたいのは確かなのかもしれないが、それにしても他にやり方というものがあるとあの戦場にいた全員が思ったことだろう。
「どうしたって今知りたいのはそれでしょう。アスランもそう言って艦を離れたのだけど、でも彼はまだあの時の仲間の事を信じているわ。オーブの事も本当は戦いたく無いんでしょう」
タリアは口には出さなかったが、今のアスランの境遇に同情していた。一度は背中を預けた仲間が錯乱したかの如く戦場を滅茶苦茶にしにきたのだ。何を考えてるか分からず確かめに行きたい気持ちも分からなくは無かった。
「だからそういう事だと思っておいてもらいたいのだけど、良い?」
「あっはい・・・あ、もう一つだけよろしいでしょうか?」
「他に何かあるの?」
「あの時のサンシャインのパイロットは本当にあの太陽の少女なのでしょうか?」
「・・・どういう事かしら?」
タリアにはルナマリアの質問の意図が分からなかった。噂の太陽の少女はその存在は軍に携わるものなら今や誰もが知る存在であるが、その正体は謎に包まれていた。故に今日まで行方不明とされていたサンシャインに乗っていたのが太陽の少女と考えるのが普通だと思っていたからだった。
「あ、いえ。おそらくあの時のパイロットが太陽の少女だとは私も思っています。ですがこの写真に映る彼女、オレンジの髪の少女には一度オーブで会った事があります。おそらく彼女が太陽の少女だと思います」
「それは本当?いつ、どこで?」
「オーブで休暇中にマユやメイリンと街に出かけた時に会いまして・・・その時はオーブに住んでいる人だとしか思わなかったのですが、マユは一度この人に会った気がするとは言ってました。どこで会ったのか思い出せなかったそうですが」
オーブの街中でぶつかったオレンジの髪の少女、セナと出会った時の事を思い返すルナマリア
「まぁマユはオーブ出身だからね、彼女がオーブに住んでいるのなら一度顔を見た事があっても不思議では無いわ。けどそれだけでは判断出来ないわね。
パイロットなのかも断定出来ないし、仮にパイロットだとしてもただアスハ代表についてきた護衛なのかも知れないわ。サンシャインのパイロットかはまだ分からないわよ」
「それは・・・いえ、失礼しました。私はこれで」
「ええ、ありがとう」
ルナマリアが退室する
「・・・この子が太陽の少女?確かにアスランと会話している以上、何かしらの関係者だとは考えられるけど・・・」
医務室で体を休めるシンとステラ
「・・・ステラ、体は大丈夫なのか?」
「え?うん。怪我はもう」
エクステンデッドである以上薬の効果は効きにくくなってはいるものの、頑丈な体のお陰でもう普通に動ける様にはなっていた。手錠と首についた紐のせいで動きは制限されてはいるが、それでもシンに容易に近づける様にはなっていた。
「そうか・・・良かった。オレも、速く体治さないとな。ステラやみんなを守る為に」
「守る・・・シンは、なんで私を守るの?」
「えっ?」
「だって、あの時初めて会ったのに、私の事守ろうとしてくれた。どうしてなの?」
「・・・似ていたんだよ。オレの幼なじみに」
「えっ?」
「昔遊んだ幼なじみ。随分前に引っ越しちゃってそれから会えていないんだけど、いつかまた会おうって約束したんだ。その子に似ているからかな、なんか放って置けなくて」
シンは幼なじみのステラと過ごしていた時の話しをした。事実をそのまま伝えてもステラは困惑すると考えてシンとステラが幼なじみだという事をぼかした上で昔を懐かしむ様に話した。
「そう、なんだ・・・また会えると良いね」
(あれ?なんで胸が痛いんだろう・・・今日は体調は悪くない筈なのに?)
「ステラ?」
「えっ?う、ううん大丈夫、なんでもないよ」
「そうか・・・ってあぁ⁉︎」
「わっ⁉︎」
突如大声を上げるシンに驚くステラ
「どうしたのシン?急に大声を」
「くっ、なんで大事な事を忘れてたんだオレは・・・ステラ、ほら」
自分の服をはだけさせ、肩を露出させるシン
「えっ?どうしたの?」
「良いからほら。血を飲めば大丈夫なんだろ?」
「え、あぁそういう・・・」
シンがステラの様子がおかしいのは処置がされない事で体に不調をきたしたと勘違いしていた。それで自分の血をステラに飲ませようとしていた。
「確か前の時に血を飲んで落ち着いただろ?だから」
「いや、今は大丈夫だから」
「心配するな、ステラはオレが守るからさ」
「・・・なんでそんなに、自分の事を犠牲に出来るの?」
「えっ?」
「なんでそんなボロボロになってまで、シンは守ろうとするの?」
目を潤わせながらシンに質問するステラ
「えっ?いや体がボロボロなのはステラの方だろ?薬とかで色々。だからオレなんかよりも」
「なんかじゃない⁉︎ステラはシンの事も大事だよ!だからなんかなんて言わないで!自分のことも、大事にしてよ・・・」
「ステラ・・・ありがとう。けど本当に大丈夫だからさ。ほら、ステラの面倒見る様に頼まれてたからさ。
まぁ言われなくてもステラの事はオレが守るからさ。今は自分で動けないから説得力無いけどさ」
「シン・・・」
わざとらしい位に明るく接するシンに後ろめたいものを感じつつ、シンの優しさを無碍に出来ないステラはシンに近づき、肩にかぶりつく
「うっ!」
「大丈夫?痛くない?」
「だ、大丈夫。これくらいなんでもない、からさ」
「・・・ごめんね、ありがとう」
シンの下手な嘘に敢えて気づかないふりをしてシンの血を舐めるステラ
「ん、ん、ぷはぁ、もう大丈夫だよ」
シンの肩から口を離すステラ
「もう良いのか?」
「うん。前にも思ったけどシンの血、美味しい。きっと私とシンの体の相性が良いんだよ」
「体⁉︎・・・そ、そうか。それは良かったな、ははは」
「ん?何か変な事言ったかな?」
「い、いや大丈夫!なんでも無いから!」
ステラの体の相性が良い発言で少しだけやらしい事を想像してしまったシン。ステラを守ろうと、心配させない様にと見栄を張っていたがシンもなんだかんだで男なのである。目の前の可愛い女の子にそんな事を言われたらシンも意識してしまうのは無理もない話しだった。
今回はあまり話しは進みませんでしたがそれぞれキャラが何を思い、何を考え動いていくのか、今後をお楽しみに。