ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

8 / 107
少し前置きが長くなってしまったかもしれません。


第六話 戦う訳

アークエンジェルが航行している

 

「で、これからどうするんだ?」

「本艦はまだ戦闘中です。ザフト艦の動き掴める?」

「無理です。残骸の中には熱をもつものも多く、これではレーダーも熱探知も・・・」

「向こうも同じだと思うがね。追撃があると?」

「あると想定して動くべきです。最も今攻撃を受けたらこちらに勝ち目はありませんが」

「だな。こっちにはあの虎の子のストライクと俺のボロボロのゼロ。後実戦用じゃないプロトのみだ。艦もこの人員じゃ戦闘はな・・・

 最大船速で振り切るか?かなりの高速艦なんだろ?コイツは」

「向こうにも高速艦のナスカ級がいます。振り切れるかどうかの保証はありません」

「なら素直に投降するか?それも一つの手だぜ」

「何だと⁉︎ちょっと待て!誰がそんな事許可した。」

 

突如声を荒げるナタル

 

「バジルール少尉、何か?」

「ストライクとプロト帰還しました。ですがプロトが救命ポッドを一隻保持しています」

「え!」

「認められない⁉︎どういう事です?推進部が壊れて漂流してたんですよ!それをこのまま放り出せとでも言うんですか!避難した人が乗ってるんですよ!」

 

セナからしたら困っている人がいるのにそれを放置しろというのがあり得ないと思っていた

 

「すぐに救援艦が来る。アークエンジェルは今戦闘中だぞ!避難民の受け入れなど出来るわけが」

 

だが今のアークエンジェルは既にザフトから狙われており、いつ戦闘になるか分からない。その上急な発進の為物資にも余裕は無い。避難民を受け入れる余裕すら無いと考えていた。

 

「良いわ。許可します」

「艦長!」

「今こんな事で揉めて時間を取りたくないの。収容急いで」

「分かりました、艦長」

 

ハッチが開いてプロトと救命ポッドがアークエンジェル内に入る

プロトのコクピットから降りようとするセナが救命ポッドから出るフレイを見つける

 

「あ、フレイ!」

「え、セナじゃない!」

 

セナに抱きつくフレイ

 

「フレイ。本当にこのポッドに乗ってたなんて」

「ねぇ、どうしたのヘリオポリス?どうしちゃったの?一体何があったの?私・・・私・・・フローランスの店でジェシカとミーシャに隠れて一人でシェルターに逃げ込んでそしたら、コレザフトのものなんでしょ?私達どうなるの?何で貴女がここにいるの?」

 

セナに泣きつくフレイ

 

「落ち着いて。コレは地球軍の艦だよ」

「嘘⁉︎だってモビルスーツが」

「アレも地球軍のもので。でも良かった。ここにはサイもミリアリアもキラもいるの。もう大丈夫よ」

 

ヴェサリウス内

 

「この様な事態になろうとは・・・如何されます?中立国のコロニーを破壊したとなれば評議会も」

「地球軍の新型兵器を製造していたコロニーのどこが中立だ?」

「しかし・・・」

「住民の殆どが脱出している。さして問題はないさ。血のバレンタインの悲劇に比べればな。

 敵の新造艦の位置、掴めるか?」

「いえ、この状況では」

「まだ追うつもりですか?しかしこちらにはもうモビルスーツが」

「有るじゃないか。地球軍から奪ったものが4機も」

「アレを投入されると?しかし」

「データを取ればもう構わんさ。使わせてもらおう。周囲基図を出してくれ。ガモフにも索敵範囲を広げる様打電だ」

 

通路に出るアスラン

通路を曲がった先で考え事をするエリス

 

「キラ・・・」

「アスランどうしたんだろう?さっきの戦い、なんかアスランらしくなかったけど」

「こんなとこに居たのかエリス」

 

エリスに話しかけるクルーゼ

 

「あ、クルーゼ隊長。お疲れ様です」

(ん?クルーゼ隊長とエリスか・・・いつの間に。こっちに気づいて無い様だが・・・盗み聞きはまずいよな)

 

その場を離れようとするアスラン

 

「この後作戦を立てるが、今回は君は休みだ。連続で出撃させても大変だからな」

「いえ、私はまだ行けますよ」

「次があれば頼らせてもらうさ。だから休みたまえ。それと二人きりなら畏まらなくたって良いさ」

「・・・隊長こそ他人行儀じゃないですか」

「そうだったな・・・すまんエリス。仮眠を取るなら私の部屋を使え。そこなら問題無い筈だ」

「分かった。そうさせてもらうよ。ラウ。

 なんか久しぶりだね、この距離感」

「そうだな。隊長は人前にいる事が多いからな」

「分かってるよ。確かに疲れはあるわね。お言葉に甘えるわ」

 

突如距離感がおかしくなるクルーゼとエリスに困惑するアスラン

 

(え⁉︎あのエリスが隊長にタメ口だと⁉︎隊長まで・・・あんなの初めて見た。あの二人、どういう関係なんだ?)

 

フレイをサイ達の元に案内するセナ

サイに駆け寄るフレイ

 

「ふーこれでひと段落ついたかな」

「お疲れ、セナ」

「うん。キラもお疲れ様」

「いつの間にフレイがここに?」

「私が帰艦する時に救命ポッドを見つけてね。その中にいたのよ」

「そうだったんだ・・・僕達は守り切りなかったんだね、ヘリオポリスを」

 

落ち込むキラだが、トール達が励ましの声をかける

 

「そんな事ねーよキラ。お前は頑張ってただろ、セナだって。ありがとな」

「そうよ。二人共、お疲れ様」

「トール・・・ミリアリア・・・ありがとう」

 

ヴェサリウス内

 

「奴らはヘリオポリスの崩壊に紛れて既にこの中域を」

「いや、それは無いな。どこかでじっと息を殺しているのだろう・・・網を張るかな」

「網、でありますか?」

「ヴェサリウスは先行し、ここで敵艦を待つ。ガモフには軌道面交差のコースを索敵を密にしながら追尾させろ」

「アルテミスへでありますか。しかしそれでは月方向へ離脱された場合」

「大型の熱量感知。初見解析予測コース、月面地球軍大西洋連邦本部」

「隊長!」

「そいつは囮だな」

「しかし念の為ガモフに確認を」

「いや、奴らはアルテミスに向かうよ。今ので私は一層確信した。ヴェサリウス発進だ。ゼルマンを呼び出せ」

 

アークエンジェル内

 

「どこに行くのかな、この船?」

「一度進路変えたよね。まだザフトいるのかな?」

「この艦とあのモビルスーツを負っているんだろ?ならまだ追われているのかも」

「え!?じゃあ何、この船にいる方が危ないって事じゃないの!やだぁ、ちょっと」

「壊された救命ポッドの方がマシだった?」

「そ、そうじゃ無いけど・・・」

「親父達も無事だよな」

「避難命令全土に出てたし、大丈夫だよ」

「キラ・ヤマト。セナ・ヤマト」

 

ムウがセナとキラを呼びにやってくる

 

「は、はい」

「何かありました?」

「マードック軍曹が怒ってたぞ。人手が足りないんだ。自分の機体くらい自分で整備しろと」

「そうなんですか。でも私達も動かせるだけで詳しくは知らないですよ」

「僕の機体⁉︎ちょっと僕の機体って」

 

なんでもないように答えるセナと突然の事に驚くキラ

 

「今そういう事になってるって事だよ。実際アレらには君達しか乗れないんだから、しょうがないだろ?」

「そりゃあ、しょうがないとは思って2度目は乗りましたよ。でも僕は軍人でも何でもないんですから」

「いずれまた戦闘が始まった時、今度は乗らずに、そう言いながら死んでくか?」

「っ⁉︎そ、それは・・・」

「今この艦を守れるのは俺とお前達だけなんだぜ」

「私達だけ・・・」

「でも、僕は・・・」

「君は出来るだけの力を持っているのだろ?なら出来る事をやれよ。そう時間は無いぞ。悩んでる時間もな」

「あの、この艦はどこに向かっているんですか?」

「ユーラシアの軍事要塞だ。ま、すんなり入れれば良いんだがなってとこさ」

「僕は・・・」

 

その場を去るキラとセナ

 

「え、今の何?どういう事?セナとあのキラって子が」

「君の乗った救命ポッド、モビルスーツに運ばれたって言ってただろ。アレを操縦してたのセナなんだ」

「え⁉︎セナが⁉︎でも何でセナとあの子がモビルスーツなんて」

「キラはコーディネイターだからね。セナは何故かナチュラルなのに乗れるけど」

「カズイ!」

「・・・キラはコーディネイターだ。だがザフトじゃない」

「うん。私達の仲間。大事な友達よ。セナもそうよ」

「そう・・・」

 

ストライクの前に来たキラとプロトの前に来たセナ

 

(・・・モビルスーツを動かせたからって、戦争が出来る訳じゃない)

(・・・キラは戦いに向いてない。それは仕方ない。なら、私が・・・)

 

「アスラン・ザラ。出頭しました」

「ああ、入りたまえ」

 

アスランが部屋に入る

 

「ヘリオポリスの崩壊でバタバタしてしまってね。君と話すのが遅れてしまったよ」

「はっ。先の戦闘では申し訳ありませんでした」

「懲罰を課すつもりは無いが、話は聞いておきたい。余りにも君らしからぬ行動だからな、アスラン。あの機体が起動した時も君は側にいたな」

「申し訳ありません。思いもかけぬ事に動揺し、報告が出来ませんでした。あの最後の機体。アレに乗っているのはキラ・ヤマト。月の幼年学校で友人だったコーディネイターです」

「ほぅ・・・」

「まさかあの様な場で再開するとは思わず、どうしても確かめたくて」

 

悲痛な顔で話すアスラン

 

「そうか。戦争とは皮肉なものだ。君の動揺も仕方あるまい。仲の良い友人だったのだろう?」

「はい・・・」

「分かった。そういう事なら次の出撃、君は外そう」

「え⁉︎」

「そんな相手に銃は向けられまい。私も君にそんな事はさせたく無い」

「いえ隊長、それは!」

「かつては君の友人でも、今は敵なら我らは撃たねばならない。それは分かってもらえると思うが」

「キラは、アイツはナチュラルに良い様に使われてるんです!優秀だけどボーッとして、お人好しだからその事にも気づいてなくて!だから私は、説得したいんです!アイツだってコーディネイターなんだ、こちらの言うことが分からない筈がありません!」

「君の気持ちは分かる。だが、聞き入れない時は?」

「その時は・・・私が撃ちます」

 

アークエンジェル内にアラームが上がる

 

「敵影補足!敵影補足!第一戦闘配備。軍籍にあるものは直ちに全員持ち場に付け。キラ・ヤマト、セナ・ヤマトはブリッジへ!」

「キラ・・・セナ・・・どうするのかな?」

「・・・アイツらが戦ってくれないとかなり困った事になるんだろうな・・・」

「ねぇ、トール。私達だけこんなところで、いつもキラとセナに頼って守ってもらって・・・」

「出来るだけの力を持っているなら、出来る事をやれ、か・・・」

 

アークエンジェルブリッジ

 

「艦長、民間人が艦長と話したいと言っていますが?」

「今取り込み中だ。文句なら後で聞いてやる。大人しくしてろと言ってやれ!」

「いえ、あの・・・ヘリオポリスから一緒だった学生達が自分達も艦の仕事を手伝いたいと言ってきているのですが」

 

それぞれ機体の元に向かうセナとキラ

 

「キラ!セナ!」

 

通路を通るキラ達の前に連合の軍服を着たトール達がやって来る

 

「トール、みんな」

「おう、キラ」

「何?どうしたの、その格好?」

「僕達も艦の仕事を手伝おうと思ってね。人手不足なんだろ」

「ブリッジに入るなら軍服着ろってさ」

「軍服はザフトの方がカッコいいよな。階級章もねーからなんか間抜け」

「生意気言うな」

「お前達ばかりに戦わせて、守ってもらってばっかじゃな」

「こういう状況なんだもの。私達だって出来ることして・・・」

「ほーら行け」

「じゃあな、キラ、セナ」

「後でね」

「ああお前らもまた出撃するなら、今度はパイロットスーツを着ろよ」

「みんな・・・」

「みんな、ありがとね・・・やる気出て来た」

 

更衣室でパイロットスーツに着替えるキラに話しかけるムウ

 

「ほーう、やっとやる気になったって事か?その格好は」

「大尉が言ったんでしょ?今この艦を守れるのは僕とセナと貴方だけなんだって。戦いたい訳じゃないけど、僕はこの艦は守りたい。みんな乗っているんですから」

「俺達もそうさ。意味もなく戦いたい奴なんてそうはいない。戦わなきゃ守れねーから、戦うんだ・・・よし、お嬢ちゃんも来たら作戦の説明するぞ」

 

格納庫にやって来るムウ達

 

「とにかくお前達は艦と自分を守る事だけを考えるんだぞ」

「はい、大尉も気をつけて」

「分かりました。お気をつけて」

(アスラン、また君も来るのか?この艦を沈めに)

「ムウ・ラ・フラガ、出る!戻って来るまで沈むなよ」

 

メビウスゼロが出撃する

 

「ローラシア級、後方50に接近」

「2分後にメインエンジン始動。ストライク、プロト、発進準備」

「カタパルト接続、システムオールグリーン」

(大尉が隠密潜航して、前の敵を撃つ。その間僕達は後方の敵から艦を守る・・・上手く行くのかな?)

「キラ、セナ」

「ミリアリア!」

「以後、私がモビルスーツ及びモビルアーマーの戦闘管制となります。よろしくね」

「よろしくお願いしますだよ」

「ふふ、頼んだよ、ミリアリア」

 

アークエンジェルの前方からイージスが、後方からデュエル、バスター、ブリッツが飛んで来る

 

「ストライク、プロト、発進準備」

「キラ・ヤマト、ガンダム、行きます!」

「セナ・ヤマト、プロト、行きます」

 

エールストライクを装備したストライクとグランドスラムを持ったプロトが出撃する




少しくらい戦闘描写を入れるつもりでしたが、思ったより長くなってしまいましたので、次回からになります
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。