ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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やはり戦闘に参加する人数が増えているのでより複雑になりましたね・・・後にデストロイが複数出てくる事になったら執筆の方も大変な事になりますね・・・


第三十話 破壊者

「ふふ、ふはははは。どうです?圧倒的じゃないですかこのデストロイは」

 

デストロイのベルリンでの暴れっぷりをモニターで観測しながら満足そうに笑うジブリール

 

「確かにのう・・・全て焦土と化して何も残らんわ」

 

しかし他のロゴスメンバーはジブリールの様にこの映像を見て笑う事は出来なかった。ただひたすらに破壊し尽くす暴力の化身を見て経済的に見ても壊すだけで何も生み出さず、人道的に見てもこの虐殺を目の当たりにしてドン引きしていた。

 

「どこまで焼き払うつもりなんだ、これで?」

「そこにザフトが、コーディネイターがいる限り、どこまでもですよ。それ以外あり得ないでしょう?」

 

さも当然の様に涼しい顔で答えるジブリールに内心ありえないとロゴスのメンバー達は感じていた。これがザフト軍の基地に向けてならまだ戦争としては理解出来ない事じゃなかった。

 しかし今進行しているのはユーラシア中央であり、独立を掲げて反旗は翻してきたが自分達と同じナチュラルの都市だった。それをここまで徹底的に潰す必要性を感じられないしそんな事を肯定する者など世界中を探しても居るはずが無いであろう蛮行であった。

 

「我等ナチュラルとコーディネイターは違うのだという事を。それを裏切るような真似をすれば地獄に落ちるのだという事をね」

「しかし何もここまで・・・アレは⁉︎」

 

デストロイの前に立ち塞がるサンシャインとフリーダムの姿を見たロゴスのメンバー達は驚愕していた

 

「サンシャイン、太陽の少女が・・・どうするんだジブリール?このままでは」

「何を怯えているのですか?寧ろ好都合では無いですか?ここで奴を葬れば再び秩序は返ってくるのですよ。我々の元に」

 

サンシャインが、世界最強と言われている太陽の少女を目の当たりにしてジブリールはそれでも顔色一つ変えず、強気な発言を続けていた

 

「勝つ気なのか?あの太陽の少女に?」

「あんな得体の知れない奴にどうして世界を背負えると思いなのです?ここでハッキリさせてあげますよ。世界を握れる程の力を持っているのはどちらなのかをね」

 

ベルリンに到着したサンシャインとフリーダムがデストロイの前に姿を現す。そしてここからでも分かる程に何もかもを破壊されているのを目にしてセナもキラも顔を顰めていた。

 

「酷い・・・こんなのあのアズラエルですらしないわよ」

「なんて真似を・・・前大戦よりも悪くなってるじゃないか!地球軍はよくこんな事を平然と行えるな!」

 

セナもキラもこの惨状を起こしている連合に怒りを抱いていた。こんなに意味の無い攻撃で多くの人が死んでいるというのにそれをなんとも思わない連合に失望すらしていた。今の連合はもう真っ当な人間はいないのでは、そう思えてしまうほどの非道だった。

 

「フリーダム、それにサンシャイン・・・まずいな」

「気をつけてステラ。アイツらは強いよ」

 

デストロイの後ろから随伴していたエクストラとスクラッシュ、その後ろから赤紫ウインダムとカオスが前に出てくる

 

「まぁこれだけやったらアイツらは止めるだろうな・・・さしずめ世の平和を乱す悪者だな俺達は」

「へっ、関係ねぇよ。敵は倒すだけさ!」

「ステラ・・・行けるか?」

「誰であろうと関係ない。邪魔するものは私が、倒す!」

 

モビルアーマー形態から変形してモビルスーツ形態となり、地面に降り立つデストロイ

 

「何っ⁉︎」

「モビルスーツ⁉︎大きすぎない⁉︎」

「ハアァァ!」

 

胸部の3つあるスーパースキュラをサンシャインとフリーダムに向けて放つデストロイ。フリーダムや上昇して回避、サンシャインは背中のバックパックで一つだけ吸収したが、残りは街を焼き払い、更に被害を拡大させた。

 

「嘘でしょ⁉︎たった一撃でこんな・・・」

 

デストロイの火力に驚くセナ。少し離れたところから見ていたアークエンジェルでもその威力の高さに驚いていた。

 

「キラ君!セナさん!大丈夫?」

「はい・・・くそっ、どうしてこんな事を!」

 

フリーダムがデストロイに向かうがエクストラとスクラッシュのビームライフルに阻まれてしまう

 

「くっ、こんな時に」

「やらせるかよ!」

「いつまでも邪魔ばっかりしやがって!というかこうなったのもアンタらのせいなんだから!」

「キラ!このぉ!」

「援護して!ゴッドフリート照準!」

 

サンシャインのシールドビーム砲とアークエンジェルのゴッドフリートでの砲撃をデストロイに向けるが左腕から出した陽電子リフレクターで防がれ、両手のシュトゥルムファウストで狙われてしまう

 

「グゥ⁉︎アークエンジェル!大丈夫ですか?」

「なんとか!けどこれじゃあ」

「アークエンジェルはそのまま砲撃を。私とキラでなんとかして近づきます」

 

デストロイに接近しようと向かうサンシャインに赤紫ウインダムとカオスがビームライフルを撃つが難なく躱して通り過ぎる

 

「クソ!俺は眼中に無いのかよ!」

「やらせるか!」

「ネオも、みんなも、私が守る!」

 

デストロイがスーパースキュラとシュトゥルムファウストとネフェルテム503でサンシャインとフリーダムを狙い撃つ。咄嗟に躱わすが再び距離が離れてしまう。

 

「くぅ、これじゃあどうしようも」

「どうしようキラ、二人だけじゃあ・・・こんな時にもう一人居てくれれば」

 

誰の事かはセナは言わなかったが、二人だけではデストロイとその周りの攻撃を掻い潜るのは不可能と判断していた。そしてアークエンジェルから見ているカガリ達もセナとキラが苦戦しているのは分かっていた。

 

「艦長、私も出る。これではセナとキラが」

「我々も出撃しますカガリ様」

「アマギ一尉⁉︎良いのか?」

「これはオーブの為の戦いではございませんが、我々もこれを黙って見ている事は出来ません」

「・・・分かった、行くぞ」

「キラ、セナ、今の聞いた?」

「うん、聞いてたよミリアリア」

「こちらからもお願いするよ」

 

アークエンジェルからストライクルージュとムラサメの部隊が出撃する

 

「新手⁉︎というかオーブの代表様だけじゃなくオーブ軍の機体まで⁉︎裏切ったの?」

「アスハ側に付いた奴らって事だろ?どのみち戦うだけだ」

 

ムラサメ達がエクストラ達に向けてビームライフルを撃ち牽制する

 

「キラ様!セナ様!我々も戦います」

「任せろキラ!セナ!これくらい」

「分かったよカガリ・・・お願いします皆さん。けどあのデカイのだけは私達でやります」

「分かりました」

「ここは任せてください」

 

ストライクルージュとムラサメの部隊に阻まれるエクストラ達

 

「くそっ!」

「厄介だな」

「お前ら雑魚に用はねぇんだよ!」

 

カオスがムラサメ達に向けて突撃するが躱される

 

「流石にこっちも強い・・・けど!」

「私達だって以前とは違う!ジュリ!マユラ!」

「分かってるよアサギ!」

 

アサギ達のムラサメが三位一体となって突撃する。その中心に向けてカオスがビームライフルを撃つがバラバラに避けられ撹乱される。

 

「クソッ!ちょこまかと!」

「「「今!」」」

 

カオスの死角から順番に突撃したムラサメがすれ違い様にビームサーベルで斬りつけ、右腕、バックパック、腰から下を順番に切り落とされ落下する

 

「クソォ!」

「スティング⁉︎嘘だろ・・・」

「なんで敵になったらこんなに強いのよ!というかアイツらは?」

「アリス!上だ!」

 

スクラッシュの上から編隊を組んだムラサメが空対空ミサイルを浴びせる

 

「グウゥ⁉︎やってくれるわね!」

「クソッ!ネオ、アンタはステラの援護を!」

「レオ・・・分かった!任せたぞ!」

 

エクストラがスキュラでムラサメ達を牽制している間に赤紫ウィンダムがデストロイの元に向かっていく

 

「な⁉︎面倒ね・・・」

「セナは先に行って!ここは僕が」

(なんだろうこの感じ・・・何故だか知らないけどこれは・・・似ている)

 

後ろから追ってくる赤紫ウィンダムに何かを感じたキラはそれを確かめるべく突撃する

 

「チィ、サンシャインは止められないか・・・俺にはこれが限界だな」

(コイツもザフトのあの白いのと同じ・・・いや、少し違う。なんなんだこれは?)

 

フリーダムの砲撃を躱しながら接敵するネオもまたキラに何かを感じていたがそれがなんなのか分からないまま足止めをする

 

「お前は・・・私が倒す!」

 

サンシャインに向けてツォーンMk2を放つデストロイ。サンシャインはシールドビーム砲で相殺させながら背後に回り込む。

 

「グゥ!ちょこまかと!」

「そこ!」

 

後ろのサンシャインに向けてネフェルテム503を放とうとするが先にビームライフルとシールドビーム砲を撃たれて咄嗟に陽電子リフレクターを貼り防御に回った

 

「よし!これなら」

「舐めるな!」

 

追撃を狙うサンシャインにアウフプラール・ドライツェーンと多目的ミサイルランチャーで迎撃するデストロイ。横に躱したサンシャインに更にネフェルテム503とシュトゥルムファウストで追い討ちをかける。

 

「くぅ・・・やっぱ一人だとキツイわね・・・ん?あれは」

 

デストロイと離れたサンシャインが奥からやってくる戦艦の反応を確認する

 

「これ、ザフトの戦艦の反応・・・けどどこの誰が?」

 

ベルリンの戦場に現れたのはミネルバだった。デストロイの手によって破壊された街の様子を目の当たりにしたミネルバクルー達はその悲惨な光景に驚愕していた。

 

「なぁ⁉︎」

「これは・・・酷いわね」

「熱紋による状況確認、これは・・・サンシャインとフリーダム!及びカオスにウインダム、エクストラとスクラッシュ。オーブ軍ムラサメとストライクルージュ。そしてアークエンジェルです」

「そんな!なんであの艦が?」

「おそらく連合の凶行を止める為ってところかしらね・・・正義の味方のつもりかしらね?ともかく今だけは敵視してる場合じゃなさそうね」

 

アークエンジェルとサンシャイン、フリーダムに思うところはあれど現状の目的は同じであると判断したタリアは今だけは彼等の力も借りる事にした

 

「マユ、シン。準備は出来ているかしら?」

「こちらは問題無いです」

「いつでも出られますよ」

 

タリアが現在出撃出来るパイロットであるマユとシンに呼びかけるとマユは気合い十分に、シンは少しローテンションで返事をした。シンの体には包帯は巻かれておらず、漸く怪我から回復していた。

 

「情勢は思ったよりも混乱しているわ。既に前線の友軍とは連絡が取れず、敵軍は今はサンシャインとフリーダム、アークエンジェルが戦っているわ」

「何⁉︎」

「なんでアイツらが⁉︎」

 

自分達と因縁のある者たちの名前が出てきて驚きと怒りが混ざった感情が出てくるマユとシン

 

「思惑は分からないけど敵を間違えないで。今は連合の巨大モビルスーツの撃墜及び撃退を最優先して」

「・・・了解しました」

 

渋々だがサンシャイン達と共闘する事を承諾したマユ。倒したい気持ちは強いが今はそれどころでは無い事を頭で分かっているからこそ、敵対心を今は抑える事にしたのだった。

 

「はっきり言ってこちらの戦力は苦しいわ。けど本艦はなんとしてもアレを止めなければなりません。司令部は私達に、というより貴女達に期待しているわ。頼むわよマユ。シンも、分かってるわね?」

 

マユには背中を押す言葉をかける一方でシンには僅かに圧をかけるタリア。先の問題行動の件がある為、不問にはしたもののシンには勝手な行動をしないように釘を刺していた。

 

「・・・分かってますよ」

「ならお願いね・・・頼んだわよ、二人共」

「「了解」」

 

ミネルバからプロトインパルスが出撃する。その後ろから合体を終えたインパルスも後に続く。

 

「酷い・・・なんでこんな事、平気な顔して出来るのよ!」

「・・・これもステラみたいな子にやらせているのか?アイツらは」

 

改めてベルリンの惨状を見たマユとシンは連合に対して怒りが込み上げてくる。今のマユとシンには戦力が足りない不安は無く、一刻も早く破壊の限りを尽くすデストロイを止める戦意に溢れていた。

 

「お兄ちゃん!二人で行くよ!」

「分かってる!」

 

左右に分かれながらデストロイに近づくインパルスとプロトインパルス。新たな敵の接近に気付いたデストロイが振り向き様にスーパースキュラを放つ。

 

「誰だ⁉︎敵なら容赦しない!」

「よくもこんなに罪のない人達を!」

「なんでそんなに殺したいんだよ!お前らは!」

 

デストロイの一斉砲撃を躱しながら接近するプロトインパルスだが横から飛んできたシュトゥルムファウストの砲撃に阻まれ後退させられる。だがその隙に懐に入り込んだインパルスがビームサーベルで腹部を切りつけ、コクピットを露出させる。

 

「浅いか?ならもう一度」

「グウゥ⁉︎よくも・・・えっ⁉︎」

 

攻撃を入れられた苛立ちを全開にしたステラが自分に攻撃した機体を睨みつけると、インパルスの姿を見つけて驚きで動きが止まってしまう

 

「なっ⁉︎ステラ!」

「アイツは⁉︎なんでよりにもよってお前が!」

 

デストロイに接敵しているインパルスに気付いた赤紫ウィンダムとエクストラがインパルスを止めに向かう

 

「お兄ちゃん後ろ!」

「何⁉︎ってアイツら!」

「お前は、お前だけにはやらせん!」

「止めろ坊主!お前にステラをやらせはせん!」

「お兄ちゃんに手出しするなぁ!」

 

プロトインパルスはエクストラに体当たりしてインパルスから距離を取らせるが赤紫ウィンダムはインパルスに突撃して掴みかかる

 

「ぐっ⁉︎このぉ」

「止めろ坊主!アレにはステラが乗っているんだ!」

「はぁ⁉︎ステラが⁉︎」

 

デストロイの方を振り向くと切りつけられた腹部からコクピットに乗っているステラを見つけるシン

 

「ステラが・・・なんでだ、なんでだよ!」

 

約束を反故にされた事、自分がステラを傷つけそうになった事、その二つの感情をごちゃ混ぜにしながら赤紫ウィンダムにビームサーベルを叩きつけるインパルス。シールドでなんとか受け止めるものの機体性能差で押し込まれてしまう。

 

「なんでなんだよ!あれは嘘だったのか!最初から守る気なんて無かったのか!」

「ああしなければステラは上の連中に処分されるところだったんだ!あそこには坊主の様にステラの事を守ろうとする奴は居なかった、なら少しでも生きながらえるには戦わせるしかなかったんだ!」

「何⁉︎」

「恨むなら俺を恨めば良いさ。約束の一つすら守れない情けない俺の事を。けどな、それでもお前だけにはステラを攻撃させるわけには行かないんだよ!」

 

ネオの言葉で込み上げていた怒りも戦意も鎮まったシンはインパルスの動きを止めてしまう。落ち着いた事を確認してから赤紫ウィンダムは静かに離れて再びフリーダムへ突撃しに行く。

 

「ステラ・・・そんな・・・」

(また、間違えたのかオレは・・・結局オレは、何にも守れないのか・・・)

「お兄ちゃん⁉︎どうしたの?」

「何をやっているのシン?」

 

突如動きを止めたインパルスにマユもタリアも理由が分からず困惑する。何があったのか聞いてみるが呆然としているシンには声が届かず静止したままだった。

 

「何をやっているんだあのパイロット!的になりたいのか!」

「もう訳分かんないわね・・・けど、二人で突撃すれば近づけるわね。なんとかタイミングを合わせれば・・・ん?止まってる?」

 

先程まで暴れ回っていたデストロイが一点だけを見つめて停止している事にセナは気付いた。視線の先を確認すると同じ様に止まっているインパルスの姿を見つける。

 

(あの機体を見ている?敵同士の筈なのにどちらも攻撃をしようとしない?けど今なら)

 

シールドビーム砲をデストロイの側面から放ち、アウフプラール・ドライツェーンを一つ破壊するサンシャイン

 

「アアァァ⁉︎」

「なっ⁉︎ステラ!」

 

突如デストロイが攻撃された事でシンもステラも思考を止め戦闘態勢に入る

 

「クソ!とにかくステラをあれから降ろすしかない!止めるにはそれしか」

「コノォォォォォォォ‼︎」

 

デストロイの無差別の一斉射撃でベルリンの街が更に焼き払われる。近づこうとしたサンシャインとインパルスは後退を余儀なくされ、戦闘中だったフリーダムと赤紫ウィンダムとプロトインパルスとエクストラも分断させられる。

 

「くぅ⁉︎敵味方関係なしなのかよ!」

「ステラ!落ち着くんだ!」

「また街を・・・アイツ!」

「くっ、こんなに敵が居たらステラを守りきれねぇ・・・どうしたら」

「そこ!」

 

エクストラに背後から忍び寄ったサンシャインがビームサーベルで両腕を切り落とす

 

「なっ⁉︎」

「いつの間に⁉︎」

「はぁぁ!」

 

レオとマユが驚いている間に更に背中も切りつけてエクストラを墜落させる

 

「グゥゥ!」

「レオ⁉︎」

「クソッ!あの野郎!」

「やらせない!」

 

サンシャインに襲いかかろうとする赤紫ウィンダムの前に立ち塞がるフリーダム

 

「邪魔をするな!」

 

フリーダムに向けて対装甲貫入弾を投擲する赤紫ウィンダム。シールドで防ぐが爆発でシールドが壊されるが、フリーダムはそのまま突撃してビームサーベルに持ち替えて赤紫ウィンダムの両腕を切り落とす。

 

「グゥ⁉︎」

「マリューさん!後はお願いします!」

「えっ⁉︎キラ君?」

 

背後に回り込んだフリーダムがレールガンを撃ち、赤紫ウィンダムのバックパックを破壊して墜落させる

 

「ネオまで⁉︎コイツらぁぁぁぁ‼︎」

 

エクストラと赤紫ウィンダムがやられた事にキレたアリスが怒りのままにスクラッシュをフリーダムに突撃させる

 

「来るか!」

「前大戦の英雄だか知らないけどね!今更出しゃばらないでよね!というか余計なことしたせいでこうなったのいい加減気づきやがれぇぇぇぇ‼︎」

 

ビームライフルを乱射するスクラッシュ。紙一重で躱わすもののビームライフルを撃ち抜かれてしまう。

 

「くっ⁉︎」

「これで」

「甘いわよ!」

 

スクラッシュの真上からシールドビーム砲を放つサンシャイン。咄嗟にシールドで防ぐが左腕事撃ち抜かれてしまう。

 

「何⁉︎」

 

驚きで動きが僅かに止まったところをバラエーナで頭部と右腕を撃ち抜かれ、更にサンシャインに踏みつけられて地面に落ちて行く

 

「キャァァァァァァ⁉︎」

「アリス⁉︎そんな・・・」

 

瞬く間に自分の仲間達を倒したサンシャインとフリーダムに恐怖を感じるステラ

 

「いや、みんな死んじゃう、ステラも・・・いや、イヤァァァァァァァァ‼︎!」

 

ステラが死の恐怖で錯乱し、デストロイが最早狙いすら定まらない一斉射撃を連発する。滅茶苦茶な攻撃に回避で手一杯となるフリーダムと、何発かビームをバックパックで受けて吸収するサンシャイン。

 

「なんてデタラメな⁉︎何がしたいんだよ!」

「まずは周りから倒してからの方がって思ったんだけど、これじゃあ変わらないわね」

「お兄ちゃん!もう一度二人で行くよ!」

「あ、ああ・・・」

 

デストロイの砲撃を掻い潜りながら横から回り込もうとするプロトインパルスとインパルス。しかしビームの雨を避けきる事が出来ずお互いにシールドで何度か防ぐが壊れてしまう。

 

「グゥ⁉︎」

「お兄ちゃんがつけた傷跡、あそこを狙えば・・・えっ⁉︎」

 

なんとか近づいたプロトインパルスがコクピット内にいるステラの姿を見つけてしまい動きが止まってしまう

 

「ステラ⁉︎なんでここに」

「マユ⁉︎危ない!」

「はっ⁉︎」

 

シンの呼びかけで我に返ったその瞬間、横から飛んできたシュトゥルムファウストに殴り飛ばされてしまう

 

「キャアァァァァ⁉︎」

「マユ⁉︎くそ、間に合え!」

 

態勢を崩しながら落下するプロトインパルスを空中でキャッチするインパルス

 

「マユ!大丈夫かマユ!」

「う、うぅ・・・お兄、ちゃん?」

 

衝撃がコクピットにまで伝わり、マユは朦朧としていた

 

「待ってろ、安全な場所で降ろすからな。ミネルバ、回収お願いします」

「ええ、今は貴方だけが頼りよシン」

「オレだけ・・・了解です!」

 

デストロイから離れた場所にプロトインパルスを寝かしつけてからインパルスは飛び立ち、デストロイの前に姿を現す

 

「ステラ、止めるんだ!止まってくれ!」

「イヤァ、イヤァ、死ぬのはイヤァァァ‼︎」

「キラ、私が正面で囮になる。その隙に」

「分かったよセナ」

 

正面からサンシャインが突撃してビームサーベルでデストロイに切りかかる。右腕の陽電子リフレクターで受け止めたデストロイはシュトゥルムファウストの射撃で追い払う。

 

「くっ・・・キラ!」

「これで!」

「はっ⁉︎止めろ!」

 

デストロイの死角からビームサーベルで切りかかろうとするフリーダムに体当たりして止めるインパルス

 

「キラ⁉︎どうしてザフトがアレを庇うの?」

「シン⁉︎何をしているの!」

「どうしてキラを止めたんだシンの奴?」

 

突然のインパルスの奇行にセナもミネルバ側も困惑していた

 

「グゥ⁉︎何をするんだ!君だってアレを止めに来たんだろ!」

「何も知らない癖に!そっちの都合ばかりで何も知ろうともしない癖に!」

「一体何の話しを、ッ⁉︎」

 

インパルスに気を取られたフリーダムがネフェルテム503の砲撃で両腕を損傷する

 

「グゥ⁉︎しまった」

「キラ⁉︎」

「キラ!くっ、アイツは何をやって」

 

フリーダムの邪魔をして損傷する原因となったインパルスにアークエンジェル側は苛立ちを感じる

 

「キラ様はお下がりを!ここは我々も」

「ダメです!貴方達じゃあアレを避けきれません!」

「ですが」

「まだ分からないの!余計な被害を出したくないから来るなと言ってるのよ‼︎」

「なっ⁉︎」

「これ以上、足手纏いを庇える余裕が無いの!さっさとキラとカガリ連れて戻って‼︎」

 

度重なる戦闘で治りかけていた心が再び壊れ出し、取り繕う余裕を失ったセナは乱暴な口調で援護しようとするオーブ兵達を遠ざける

 

「セナさん・・・」

「セナ・・・お前達、キラを連れて戻るぞ」

「カガリ様・・・しかしあれは」

「少しでもセナの負担を軽くするには今はこれしか無い。セナについては後でだ」

(まだ、守れなかった者たちの事を引きずっているんだな・・・なのにまた戦場に出させたのは私の力不足のせいだ・・・)

「分かりました」

 

フリーダムとストライクルージュを連れてムラサメの部隊は下がって行く。ただ一人残ったサンシャインはデストロイにシールドビーム砲を撃つが陽電子リフレクターで防がれる。

 

「チッ、厄介な・・・いっその事プロミネンスカノンで」

「止めろ!お前まで!」

 

デストロイに攻撃するサンシャインにビームサーベルで切りかかり追い払うインパルス

 

「何よ!何がしたいのよアンタは‼︎」

「ステラを傷つけるな!これも全部オレのせいなんだ!だからオレが止める‼︎」

「はっ⁉︎何言って」

 

セナの言葉を最後まで聞かずにデストロイの方に振り向いたインパルスはビームサーベルをしまい素手の状態でゆっくり近づく

 

「ステラ、オレだ!シンだ!」

「イヤァ、死ぬのは、イヤァ!」

 

尚も暴れ続けるデストロイの砲撃を掻い潜りながら近づくインパルス

 

「ステラ、大丈夫だから!」

「死ぬのはイヤ、コワイ・・・コワイよぉ・・・」

「大丈夫だからステラ!君は死なない!」

「えっ⁉︎」

「オレが守るから!ステラはオレが死なせないから!」

「・・・シン?」

 

シンの説得で正気を取り戻したステラはデストロイの動きを止める

 

「シン・・・シンなの?」

「ステラ・・・ああ、オレだ、シンだ。もう大丈夫だから」

「止まった⁉︎一体何をして・・・」

 

落ち着きを取り戻したステラが目の前のインパルスを見つめる。しかしその後ろで様子見をしていたサンシャインの姿を見つけてしまう。

 

「アイツ!みんなを傷つける奴・・・」

「ステラ?」

「シンまでアイツに・・・それだけはダメ!シンは私が守る‼︎」

 

サンシャイン目掛けてネフェルテム503とシュトゥルムファウストを撃つデストロイ

 

「なっ、ステラ⁉︎何で⁉︎」

「何よ!結局意味ないじゃない!待って損した!」

 

不意打ちを受けて苛立ちが最高潮に達したセナも説得できたと思っていたシンも何故攻撃を再開したのか分からず困惑していた。敵を撃つ事しか知らないステラがシンを守ろうと行動していた事はこの場にいる誰もが気づく事は出来なかった。

 

「シンは私が‼︎」

「ステラ!止めるんだステラ!」

「もう・・・いい加減にしろぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

スーパースキュラを撃とうとするデストロイの胸部にビームサーベルを突き刺すサンシャイン

 

「あぁ⁉︎ステラ!止めろ!」

「さっきから何を騒いで・・・えぇい!」

 

突き刺したビームサーベルを引き抜きながらもう一本のビームサーベルで切り付け、胸部の砲門を破壊するサンシャイン。スーパースキュラの誘爆の隙にコクピット部に手を突っ込んだサンシャインは何かを掴みながら引っこ抜く。

 

「あぁ、そんな・・・ステラ・・・」

「これで!終わりよ!」

 

所々から爆発を起こしながら背中から倒れていくデストロイにシールドビーム砲を放ち腹部を撃ち抜くサンシャイン。デストロイは大爆発を起こし、近くにいたインパルスは爆風で飛ばされそうになり、上空から見下ろしたサンシャインは最後まで見る事なくアークエンジェルに帰投する。

 

「そんな・・・ステラを・・・またオレは、守れず、うぅ、うぅう、ウワアアアアアアアア‼︎」

 

爆発が収まったところには何も残されていなかった。破壊されまくったベルリンの真ん中で無力な自分自身に対する怒りとまた目の前で大切な人を失った悲しみで絶叫するシンの叫びが虚しく響いているだけだった。




ステラは実はゆりかごの調整などはしていないです。思いの外健康であったのでそのまま行く事になりました。故にインパルスを見つけて動きが止まり、シンの言葉を聞いて落ち着きを取り戻した後はシンは傷つけない様に攻撃していました。
ステラがデストロイに乗って戦う理由はネオ達仲間を守ろうとする為でしたが、その為に敵を撃つ事でどれだけの被害が出るのかをまるで分かっていませんでした。単純にそんな事を教えられなかった今までの扱いが原因の悪気のない虐殺です。
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