ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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別作品の話になりますがジークアクス最終回どうでした?個人的に気になる部分がありつつも自分は面白いと思いました。


第三十六話 聖戦

デュランダルを乗せたミネルバは多くのザフト艦と共にヘブンズベースに向かっていた。事前にヘブンズベースにはロゴスのメンバーの引き渡しと全軍の武装解除などの要求を通告しており、ザフト軍はその回答を待っている状態だった。

 

「要求の回答まであと5時間」

「やはり無理なのかな?戦わずに済めばそれが一番良いのだがね」

「そうですね・・・では失礼します」

 

ブリッジで作戦の大まかな内容を確認したエリスは退室した。内心相手が要求を飲む様な相手ならそもそも戦争が再開する事など無かったとエリスは考えてはいるが、ただ相手を力で潰すだけでは変わらないという考えに否定は無かった。だがエリスが考えているのはそれだけでは無かった。

 

「・・・ふぅ、入るか」

 

エリスは一呼吸置いた後に入室する。そこにはパイロットスーツに着替えたシン達が待機していたのだが、過去最低クラスで空気が重くなっていた。

 

(うっ・・・やっぱ気まずいわね)

 

エリスは心の内で空気の重さに音を上げていた。普段なら作戦について話し合う筈のレイは無言で座っており、ルナマリアは何かぶつぶつと独り言を呟きながら窓から見えるコアスプレンダーを睨みつけていた。一見変わったところが無さそうなマユも心ここに在らずといった様子で虚空を見上げており、シンに至っては何か悩みがあるのか頭を抱えながら俯いていた。

 

(何この冷戦状態は!シルファ隊結成してから一度も無かったくらいに重いんだけど!せめて何か話しててよ)

 

全員が揃って何か考えているのか、エリスが来ても誰も反応してくれない異常な空気感にエリスは戸惑う事しか出来なかった。そんな中、格納庫を見ていたルナマリアがシンに近づいていく。

 

「インパルス、やっぱり凄い機体なんだね。そりゃああれだけの性能があればサンシャインとも戦えるわよね」

「・・・うん」

 

ジブラルタル基地での出来事の後、シンとルナマリアが会話をするのはこれが初だった。シンは罪悪感でまともに顔を見る事も辛そうであり、ルナマリアも命令があったとはいえ、メイリンを殺した仇が仲間という状況でギスギスするのは分かりきっていたのでなるべく二人を近づけさせない様にしていたが、それがいつまでも続けられる訳が無かった。

 エリスだけでなくマユもレイも離れた場所から様子見をしているが、何かトラブルが起きないか緊張が走っていた。

 

「私に上手く扱えるかな?シンみたいに?」

「ルナ・・・」

「・・・分かってる。シンは命令されただけで、でも本当は撃墜するつもりじゃなかったって・・・アスランもメイリンも殺したくなかったって事は」

「えっ⁉︎」

 

ルナマリアからシンを気遣う言葉をかけられてシンは驚いた表情を見せる。ルナマリアはそんなシンを真っ直ぐ見据えて話しを続けた。

 

「ロゴスのせいで二人共狂ったんでしょ?じゃなかったらメイリンがあんな事する筈ないもの。アスランだってきっと・・・」

「ルナ・・・その」

「謝らなくて良いから。アンタだってずっと気にしてたんでしょ?アンタがそういうのを簡単に割り切れない奴だから、わざとじゃないと分かるから許してあげる。けど、私も強くなってアンタに追いついてみせるから・・・それだけよ」

 

シンに自身の内心を打ち明けたルナマリアは話しを切り上げて戻っていく。完全に悲しみが癒えたわけでは無かったが、ルナマリアの戦意は燃え上がっていた。それを見届けたエリスは内心安堵しながら声をかける。

 

「その様子なら大丈夫かしらね?」

「エリス・・・はい。ご心配おかけしました」

「良いのよルナマリア。辛いなら辛いって言えば良いんだから・・・よく言えたわね」

「心の片隅では思う事もありますけど・・・いつまでも引きずってたらシンにも皆んなにも悪いですから」

「・・・本当に、強いわねルナマリアは。頼りにするわよ」

「はい」

 

エリスとルナマリアが話し込む後ろではシンの隣にマユが座り込んでよしかかっていた

 

「よかったねお兄ちゃん。ルナと仲直り出来て」

「ああ・・・前と同じ様にとは行かないだろうけど、オレもいつまでも引きずるわけに行かないからな」

「うん。でも辛かったら言ってよね。胸とか膝とか貸してあげるから」

「・・・それは流石に気まずいから」

 

マユが自分の胸を軽く叩いてアピールをする。自分の気持ちを曝け出してから、マユはシンに積極的に触れ合う事が多くなっていた。シンはそれに対してどう対応すれば傷つけずに断れる方法が無いのか頭を悩ませていた。

 

「まぁ大事な作戦前だから程々にしないとね。ごめんね」

「そういう問題じゃないんだが・・・けどありがとうな。元気出た」

 

マユの頭を撫でるシン。マユは嬉しそうに目を細めながらされるがままにされていた。その様子を横目で見ていたエリスが尋ねてくる。

 

「アンタ達、なんか・・・距離感近くなった?」

「えっ⁉︎そ、そうか?いつもこんなもんだろ!な」

「そ、そうだよ!ね」

 

シンもマユもエリスに勘付かれそうになって焦った回答をしたが、エリスは納得した様に離れていった。とりあえず落ち込んで無い様子に一安心出来たエリスは頭の中で新しい立ち回りをどうするかを思考していた。

 

ヘブンズベースでは攻め込んでくるザフト軍に備えて防衛準備を整えていた

 

「ふん。通告して回答を待つ、か。デュランダルはさぞや今気分の良い事でしょうよ」

「だがこれで本当に守り切れるのかジブリール?」

 

余裕を見せるジブリールに対して他のロゴスメンバーの心境は不安で一杯だった。先日デュランダルの演説によりロゴスメンバーを全世界に公表され、今回の戦争を引き起こした黒幕として民衆の怒りを買ったロゴスは市民からの暴動を受けて多くのメンバーが既に殺されている状態だった。

 なんとか民衆の暴動から逃げ切りヘブンズベースに匿われたもののまさに今、自分達を殺しにやってきたザフト軍だけでなく一部の連合兵まで攻め込んで来る現状に恐怖を感じていた。

 

「守る?はぁ・・・何をおっしゃってるんですか?我々は攻めるのですよ奴らを。我々を討てば戦争は終わり平和な世界になる?はんっ!そんな言葉に易々と騙されるほどに愚かです。民衆は。

 だが、だからこそ我々は何としても奴を討たなければならない!この世界が奴とコーディネイター共のものになる前にです!」

「確かにのう。我らを討ったとてただ奴らがとって変わるだけじゃわ」

「正義の味方や神の様な人間など居る筈も無いという事を我々は知っていますがね」

 

ジブリールの強気な発言に感化されて残りのロゴスメンバーも気持ちが軽くなった。こうなってしまった今、勝たなければ生き残れない。その為の準備は既にされていたのだった。

 

「準備が出来次第すぐに始めますよ。議長殿が調子に乗っていられるのもここまでだ。格好をつけてノコノコと前線にまで出てきた事を奴にたっぷりと後悔させてやりましょう、あの世でね」

 

強気なジブリールは既に勝ちを確信したかの様にほくそ笑んでいた

 

ヘブンズベースでは全世界に向けて生中継の放送がされていた。未だ通告に対してなんの返答もしないロゴスとザフト軍、睨み合いを続ける両者を世界中の人間が固唾を飲んで見ていた。すると突然、連合側からなんの回答も無いまま攻撃を開始し、最前線にいた戦艦を撃沈させた。それと同時に多数のモビルスーツ、モビルアーマーの部隊が出撃しいきなり戦闘体制に入っていた。

 

「モビルスーツ、モビルアーマー群接近。攻撃開始されました」

「そんな⁉︎未だなんの回答も」

「これが、奴らのやり方という訳か!」

「更に5機の熱源反応確認!これは・・・デストロイです!」

「ええっ⁉︎」

 

不意打ちで戦闘を始めた連合に怒りを募らせる間もなく、あのデストロイが5機現れた事に戦慄するザフト兵達。その間にデストロイ達によるアウフプラール・ドライツェーンの砲撃で前にいた戦艦を次々と焼き払っていった。

 

「なんて事だ、ジブリールめ・・・」

「議長、これでは」

「分かっている。我々も出るぞ。降下部隊を急がせろ」

 

先手を打たれたザフト軍もモビルスーツを出撃させつつ反撃に出た。更に宇宙から降下ポッドを降ろさせ多くの戦力を投入して戦況を変えようとしていた。だがその作戦は既に見破られていた。

 

「ニーベルング発射用意」

「偽造シャッター解放」

 

基地内から飛び出したアンテナから強力な電磁波が発射され、空中からの降下部隊を全滅させた。またもや大量破壊兵器を持ち出して来た連合に対してザフト軍は怒りと恐怖が押し寄せていた。その様子を見ていたシン達も驚きを隠せないでいた。

 

「何なんだよこれは?」

「嘘でしょ・・・」

「アイツら・・・またこんな!」

「エリス、私達も」

「分かってるわレイ。艦長、ここは私達が出ます」

 

エリスはタリアに自分達を出撃させる様に促した。タリアは驚きながらも発進命令を出す事にした。

 

「エリス・・・分かったわ。シルファ隊、出撃!」

「了解。行くわよ貴方達!」

「「「了解」」」

 

出撃命令を受けたエリス達はそれぞれの搭乗機に乗り、発進スタンバイをしていた

 

「相手の数は今までとは大違いよ。気を抜かない様に」

「分かってるさ」

「そう。なら行くわよ。エリス・シルファ、リバース、出ます」

「シン・アスカ、デスティニー、行きます」

「レイ・ザ・バレル、レジェンド、発進する」

「マユ・アスカ、デスティニーインパルス、出るよ」

「ルナマリア・ホーク、コアスプレンダー、出るわよ」

 

ミネルバからシルファ隊が出撃する。コアスプレンダーはシルエットとの合体に僅かに時間がかかっていた。インパルスがフォースシルエットに換装した頃には既に4機との距離に差が出来ていた。

 

「速っ⁉︎置いてかないでよ!」

「ルナが遅いだけだよ。合体に時間かけすぎ」

「これでもかなり短縮出来た方よ。今から追いつくから」

「無理に速度を上げなくても良いわよ。今回は短期決戦で行くわよ。私はとにかくヘブンズベースに切り込んで行くわ。レイ、マユ、ルナマリアはモビルスーツとモビルアーマーを落としていって」

「「「了解」」」

 

レジェンド、デスティニーインパルス、インパルスがそれぞれ散開して敵機に向かって行く。それを見送ってからエリスはシンにも命令を出す。

 

「シン。貴方はモビルスーツとモビルアーマーもだけど、デストロイの方を頼めるかしら?」

「え?」

「アレの対処を任せられるのは貴方だけよ。初見でデストロイの砲撃を見切れた貴方なら、あのサンシャインを倒したシンなら任せられるから」

「エリス・・・了解。任せてくれ!」

 

エリスからの信頼の言葉と発破をかけられたシンは気合いが入り、デスティニーを敵部隊に突撃させた。その後ろ姿を頼もしく思いながらエリスは単騎でヘブンズベースに向かって行った。

 

「このぉ!」

 

デスティニーインパルスがビームライフルと延伸式ビーム砲でウィンダム達を撃ち落とす。レジェンドもビームライフルとバックパックのドラグーンの掃射で次々と撃ち落としていた。

 

「分かっていたけど、数多すぎ!」

「とにかく撃つしか無い。手を止めればやられるぞ」

「分かってるよ」

「おりゃあ!」

 

インパルスもビームライフルでウィンダムを撃ち落として行くが、下にいるゲルズゲーのビーム砲で狙われていた。その攻撃を割って入ったデスティニーインパルスがビームシールドで防いでインパルスを守った。

 

「迂闊だよルナ!飛んでる時は下も警戒して」

「うっ、ごめん」

「次は無いからね。それよりもお兄ちゃんはどこに・・・えっ⁉︎」

 

先程からデスティニーの姿が見えずに辺りを見渡しているとデスティニーは近くの敵機を撃墜しながらデストロイに向かっていた。

 

「いつの間に!というか一人でアレは流石に」

「マユ!余所見を」

 

レイが指摘するよりも先に、デスティニーインパルスは切りかかってきたウィンダムの攻撃を避けてアロンダイトを突き刺していた

 

「分かってるよ。けどデストロイ相手に一人は」

「まずは奴らからだ。すぐに片付けるぞ」

「分かった」

 

デストロイがスーパースキュラをデスティニーに向けて放つ。それをデスティニーはビームシールドで受け止めながら前進していた。

 

(コイツら・・・コイツらもステラと同じ様に・・・ならオレは)

 

シンの脳裏にはベルリンでステラが乗ったデストロイが暴れていた時の記憶が浮かんでいた。彼らの境遇には同情はしていたが今は彼らをコクピットから下ろせる余裕はシンにもザフト軍にも無い事は頭では分かっており、シンは討つ覚悟を決めていた。

 

「クソォォォォ‼︎」

 

シンのSEEDが発動する

アロンダイトを取り出し光の翼を展開させながらデスティニーは突撃する。その余りの速度にデストロイは動きを追う事が出来ずシュトゥルムファウストでの迎撃も明後日の方向に撃つばかりだった。

 

「こんな事、もう止めろ!」

 

デストロイを一機アロンダイトで真っ二つにして撃墜するデスティニー。その直後に飛んできたシュトゥルムファウストのビームを上に回避しながらデスティニーはまた切り込んで行く。

 

「ん?何だアイツは?」

「また新型の様ね。というか何あの速さ。人が乗って耐えられる速度じゃ無いでしょ?」

 

デストロイ相手に単身突撃して行くデスティニーの様子をレオとアリスは遠巻きに観察していた。その性能の高さに二人は軽口を叩きつつも内心で戦慄していた。

 

「あんなのに暴れられたら溜まったもんじゃねーぞ。俺らで足止めするしか無いな」

「私らで勝てるとも思えないけどね。というかどう戦えば良いのよアレ?」

「関係ねーよ!ぶっ潰してやるだけだよ!」

 

少し弱気になるレオとアリスとは対照的にスティングは対抗心を燃やしていた。スティングはデストロイに乗るために再調整を受けており、以前とは違い好戦的な性格に変わり果てていた。レオとアリスはスティング達エクステンデッドが乗るデストロイの部隊の護衛を務めていた。

 

「仕方ねぇ、やるぞアリス。俺らは邪魔にならない様に周りで撃つだけだ」

「分かったわよ。というかこっちから撃つだけよ!」

 

マルチプルストライカーを装備しているスクラッシュはデスティニーに向けてアグニを撃つ。その狙撃を難なく躱わすデスティニーにネフェルテム503の追撃がやってくるがそれも簡単に躱して近づいてくる。

 

「嘘っ⁉︎何よアイツ!」

「この!」

 

デストロイに向かってくるデスティニーにビームライフルを撃つエクストラだったが、簡単に躱されてしまい止める事が出来なかった。

 

「アイツら、アイツらもやりたくてやってる訳じゃないんだよな・・・けど」

 

デスティニーがエクストラとスクラッシュに向けてビームブーメランを投げつける。エクストラはシールドで防ぎスクラッシュはシュベルトゲーベルで弾くがその間にデスティニーが光の翼を展開させながら急接近していた。

 

「なっ⁉︎アリス!」

「この!そんな目立つ羽、叩っ斬ってやるわよ!」

 

デスティニーに向けてシュベルトゲーベルを振り下ろすスクラッシュ。それをデスティニーはアロンダイトで受け止める。

 

「力比べのつもり?こっちだって性能はアップグレードされているのよ!この程度」

 

スクラッシュはシュベルトゲーベルを押し込もうとするがデスティニーはそれを受け流して背後を取る。スクラッシュが振り向きながらシュベルトゲーベルで切りかかるがパルマフィオキナーで粉砕されてしまった。

 

「えっ⁉︎何が」

「・・・悪いな」

 

アリスは何が起きたのか分からずスクラッシュの動きが一瞬止まってしまった。その隙をデスティニーはアロンダイトで突き刺しスクラッシュを撃墜した。

 

「なっ⁉︎アリス‼︎よくも‼︎」

 

エクストラが両手のビームサーベルをデスティニーに振り下ろすが、ビームシールドで受け止められて弾かれてしまう。その直後にデスティニーに腹部を蹴られて、体制を崩してしまう。咄嗟に右足のビームサーベルで反撃に出たものの右手で足を掴まれて止められてしまいパルマフィオキナーで足を壊されてしまった。

 

「グゥゥ⁉︎クソッ!何なんだよ、お前!まさかコイツ⁉︎」

「ウオォォォォォ!」

 

レオはデスティニーに乗っているのがシンだと気づくものの、それを確かめる間もなくアロンダイトで真っ二つにされて撃墜された。シンはステラの仲間だったレオとアリスに手をかけた事実に心を痛めながら戦い続けた。

 

「シンも、マユもレイも、ルナマリアも上手くやっているわね。なら私も!」

 

リバースは後ろの戦闘の様子を確認してからヘブンズベースに向かっていた。途中で妨害しにくるウィンダムやザムザザーなどをビームソードガンの二丁拳銃で撃ち落としながらリバースは基地に入り込んでいた。

 

「アレがさっき降下部隊を全滅させた兵器ね。あんなもの、壊してやるわ!」

 

リバースは両手のビームソードガンを合体させて一つのビーム砲にしてニーベルングに向けて発射態勢に入った。

 

「何だアレは?」

「奴を止めろ!」

「チェインシステム起動、出力最大、行けぇ‼︎」

 

二つのビームソードガンを合体させて放つチェインブラスターを撃ち、その白い極太のビームでニーベルングとその周辺にいた兵士を焼き払う

 

「よし、敵の破壊兵器は壊した!このまま進軍を!」

「分かったわ。よくやったわエリス」

「シルファ隊のみんなはよく頑張ってくれている。このチャンスを逃すな」

 

リバースが切り開いた道をザフト軍のモビルスーツが次々に進んでいく。その間にもデスティニーインパルス達は多くの敵機を撃墜しており、デスティニーは2機目のデストロイを撃墜していた。

 

「凄い・・・アレがデスティニーの、シンの力・・・」

「お兄ちゃん・・・私も負けていられない!」

 

マユのSEEDが発動する

デスティニーインパルスは光の翼を展開させながら突撃し、すれ違い様にモビルアーマー達をエクスカリバーで切り落として行く

 

「マユ!私達もデストロイの方を」

「ルナ、その前にソードシルエットに換装!」

「えっ⁉︎」

「エクスカリバーをレイにも渡してあげて」

「分かった!アビー、ソードシルエットを」

「了解です。ソードシルエット、射出」

 

ソードシルエットに換装したインパルスはエクスカリバーを一つ、レジェンドに向けて投げ渡す。

 

「よし、行くぞマユ!」

「うん!」

 

レジェンドはデスティニーインパルスと共に突撃してエクスカリバーでデストロイの両腕を破壊する。その直後に上からインパルスがエクスカリバーで斬りつけてデストロイを撃墜する。

 

「えっ、凄っ⁉︎」

「やるなルナマリア!大したものだ」

「私も赤なのよ。忘れてた?」

 

デストロイを倒した直後のレジェンド達にスーパースキュラが放たれるが戻って来たリバースがビームシールドで防いだ

 

「うわっ⁉︎」

「エリス⁉︎いつの間に」

「危なかったわよアンタ達。ほら行くわよ」

「「了解」」

「エリスお姉ちゃん、コレ」

 

デスティニーインパルスがエクスカリバーを一つリバースに投げ渡す。それをキャッチしたリバースはデストロイの頭部を切り落とす。それに合わせてレジェンドとインパルスが飛ばしていたシュトゥルムファウストを切り落とし、デスティニーインパルスは腹部にエクスカリバーを突き刺して撃墜する。

 

「ありがとうマユ。それとレイとルナマリアもやるじゃない」

「「そうでしょそうでしょ」」

「今の俺達ならこれくらいは出来ますよ」

「ええ・・・後は」

 

リバースは上空に上がって戦局を確認する。ヘブンズベース内は既に侵入したアッシュやゾノなどの攻撃を受けて半壊しており、落とされるのも時間の問題だった。残りの脅威となる最後のデストロイもデスティニーに翻弄されていた。

 

「クソッ!何なんだお前!」

「お前で最後だ!これで!」

 

ただ1人残ったスティングのデストロイがデスティニーに向けてスーパースキュラとツォーンMk2を撃つがビームシールドで防がれる。そのまま背後に回り込みデストロイのバックパックを切り落とす。

 

「グウッ⁉︎いつの間に後ろに!コノォォ‼︎」

「遅い!」

 

デストロイが振り向くよりも速くデスティニーは頭を切り落とし、更にアロンダイトをコクピットに突き刺した。

 

「ガハッ⁉︎クソ、だが、やっと・・・」

「ごめんステラ。君の仲間、助けられなくて・・・せめて」

 

デスティニーはトドメに右手をコクピット部に押し当て、パルマフィオキナーで撃ち抜く。スティングの介錯を済ませたデスティニーはヘブンズベースの方を向くと既に降伏していた。

 

「リワド隊より入電です。司令部に白旗を確認。敵軍、更なる戦闘の意志無き模様」

「確認してくれ」

「完全に停戦するまで警戒を怠るなよ」

 

ミネルバにいるデュランダルにもその情報は伝わり、即座に指示を出す。ロゴスメンバーの確保と負傷者の救助など停戦に向けた動きが始まる中、デスティニーの周りにリバース達が近寄ってくる。

 

「お疲れ様シン。凄い活躍だったじゃない」

「凄かったよお兄ちゃん!もうデスティニーを使いこなしてるんだ」

「エリス、マユ・・・ありがとな」

「とりあえず俺達は勝ったんだ。少しくらい喜んでも罰は当たらないぞ」

「何とかなったわね・・・ここは任せてもう戻りましょ」

「ええ、私達は戻るわよ」

 

リバース達がミネルバに帰投し始める。その中でデスティニーは一度振り返りデストロイの残骸を見る。

 

(・・・悪いな。名前も知らないけどステラの仲間だったんだよな。今度こそこんな事繰り返させない為に、オレは戦うよ)

 

シンは心の中で犠牲になったものの為に戦うことをもう一度決意して帰投して行った。

 これで漸く戦争が終わる、この場にいた殆どのザフト兵がそう確信していた。どさくさに紛れてジブリールが逃げていた事を知るのはまだ先の事だった。




リバースのチェインシステムはビームソードガンを合体させる事で出力を大幅に上昇させる簡易版プロミネンスカノンです。威力を何倍にも上げられない様にしている訳は過剰な火力だと味方も巻き込む恐れがあるのとあくまでも敵基地や敵戦力の撃破が目的で戦争を過激化させない為に抑えているというザフト軍の意向の為です。
 アリスとレオはここで退場となります。守りたかったステラの仲間を自分の手で殺してしまったシンはもう後戻りは出来なくなりました。これがどう響くのか・・・
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