ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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タイトル的にセナの回に見えますが前半はそこまで活躍出来てませんね。寧ろセナが活躍するのは次の回な気が・・・


第四十話 陽はまた昇る

ミネルバに戻ったシンはデスティニーから降りて待機室に入る。

 

「シン、大丈夫だった?」

「ああ大丈夫だ。次こそは」

 

ルナマリアが心配して声をかけるがそれに答えてからモニターに目を向けるシン。その目つきは以前にも増して鋭くなっていた。

 

「どうしたのシン。どうしてそんな」

「生きていたんだ、太陽の少女が。あの時殺し損ねた・・・だから今度こそ」

「でも、連続で出撃なんて、シンは休んで次は私が」

「いや、アイツだけは・・・アイツだけはオレの手で」

 

握りしめた拳を見つめながら呟くシンの目には隠しきれない程の激しい怒りが溢れていた。そんなシンの手をルナマリアが両手で優しく包み込む。

 

「そんなに背負わなくていいから。どうしたのシン?最近ずっと辛そうだよ」

「ルナ・・・君に優しくされる資格なんて無い。オレは、メイリンを」

「シンが悪いわけじゃない!だから一人で抱え込まないでよ。仲間でしょ?」

「ルナ・・・」

 

ルナマリアはシンを抱きしめる。一人で背負い押しつぶされそうになっている今のシンをルナマリアは見ていられなかった。だが自分ではどうする事も出来ず意味の無い慰めしか出来なかった。

 

「シン・・・ごめんね。私のせいでこんな傷ついて。ごめんね・・・」

「ルナのせいじゃない。それに大丈夫だから。オレはまだ、大丈夫」

「シン・・・」

 

明らかに大丈夫そうには見えないシンの言葉をルナマリアは否定する事も出来なかった。それを否定してしまえばもう元に戻れない、そんな予感がルナマリアにもう一歩を踏み出す事を躊躇させた。

 

「デスティニー作業終了。発進可能です」

「よし、行ってくる。ルナは一応待機していてくれ。ジブリールがどこから逃げるか分からないからな」

「あ、うん・・・」

 

走り出すシンを止める間もなくルナマリアはその場で立ちすくむだけだった。そんなルナマリアの様子に気付かぬままシンは再びデスティニーに乗り込んだ。

 

ミネルバと撃ち合いをしているアークエンジェルは他ザフト艦にも狙われており劣勢だった。その様子をモニターで見ていたネオはブリッジに通信を入れる。

 

「おい、艦長さん。俺にも機体を貸してくれ。モビルスーツでもモビルアーマーでも何でも良い」

「えっ⁉︎でも貴方」

「このまま黙ってやられるのはごめんだ!それにステラの件でアンタらには恩があるんだ。ここで落とされるのは後味悪いんだよ」

 

ネオはステラの体の治療があるので捕虜兼客人としてアークエンジェルに滞在していた。故に劣勢な状況のアークエンジェルを見て居ても立っても居られなくなり出撃許可をもらおうとしていた。

 

「けど、残ってる機体はスカイグラスパーくらいしか・・・ストライカーパックも無いし」

「何でも良いと言っただろ。頼む。今更だけど俺にもまだ、出来る事が」

「・・・分かりました。でも無理だけはしないでね」

「ありがとう艦長さん。任せろ。なんたって俺は不可能を可能にする男だぜ」

 

自然に出たその言葉の意味を知らぬままネオは通信を切り格納庫に向かった。

 

「・・・ムウ」

 

中身が違うとは頭で分かっているのに、ところどころに見えるムウの面影にマリューの心情は揺り動かされていた。だがすぐに気持ちを切り替えて今は目の前の敵に集中した。

 

デスティニーインパルスのビームライフルを危なげなく回避するストライクフリーダム。その背後からレジェンドがバックパックと連結したドラグーンで狙い撃つが紙一重で躱わす。

 

「ちぃ、ちょこまかと」

「この!」

 

デスティニーインパルスが光の翼を展開しながら突進しエクスカリバーを突き立てる。その突進をビームシールドで受け流して背中にレールガンを直撃させる。

 

「グゥ⁉︎こいつ、前より強い」

「やはり厄介な存在だな。ならまずは」

 

レジェンドが振り返りながら一斉掃射で黄ムラサメを狙い撃つ。なんとかビームの間を掻い潜り接近するも左脚を撃ち抜かれてしまう。

 

「やばっ⁉︎でもまだ!」

「セナ!」

 

レジェンドのビームライフルの射撃ををビームサーベルで弾こうとするが出力差に負け右肩にビームが掠る。追い込まれた黄ムラサメを庇う様にストライクフリーダムが前に立ちビームシールドで受け止めるもののドラグーンのビームを一点に集中されて弾き飛ばされてしまう。

 

「ぐぅぅ⁉︎」

「キラ!ごめん大丈夫?」

「セナ!前!」

「えっ?」

 

飛ばされたストライクフリーダムの方を見ていたせいで目の前にまで迫っていたデスティニーインパルスに気づかなかった。振り下ろしたエクスカリバーを咄嗟に躱わすもののビームライフルに掠り破壊されてしまう。

 

「クッ⁉︎油断してた。機動力はともかく反応速度はやっぱりサンシャインより遅い」

「そんな雑魚に乗って、勝てると思うな!」

 

黄ムラサメにタックルするデスティニーインパルス。態勢を崩したまま落下する黄ムラサメに延伸式ビーム砲で狙っていた。

 

「やばっ⁉︎」

「撃て!マユ!」

「これでアンタは」

「やめろぉぉぉぉ!」

「何っ⁉︎」

 

上から飛んできたビームブーメランを咄嗟にビームシールドで弾き飛ばすデスティニーインパルス。だがその直後にシールドを構えた状態での体当たりに対応出来ず突き飛ばされてしまう。

 

「キャア⁉︎」

「マユ!ジャスティスだと⁉︎・・・何者だ?」

 

黄ムラサメを守る様に前に佇むインフィニットジャスティスにレイは驚きつつも冷静に相手の様子を伺っていた

 

「アスラン?そんな怪我で出撃して大丈夫なの?」

「セナ、こっちは俺に任せてくれ。あともう少しだけ耐えてくれ。ラクスが言うには今急いでお前の機体をこっちに送っているところだ」

「急に色々ぶっ込まないでよ、情報が多い。でもありがとう」

 

アスランに礼を言ってセナは通信を切る。デスティニーインパルスはインフィニットジャスティスを前にして動きが止まっていた。

 

「その声・・・アスラン、だよね?・・・なんで?」

「マユ、もうやめるんだ。君がオーブを撃つのはダメだ。君の力はそんな事の為にあるんじゃない」

「アスラン、けど・・・ジブリールが居るんだよ。それをオーブは隠してるんだよ」

「だから撃つのかオーブを?罪の無い人達を巻き込んで、君達の様な人間を君が生み出すのか?」

「あっ・・・アスラン・・・」

 

アスランの言葉を前にしてマユの心境はぐちゃぐちゃになっていた。ジブリールを逃す訳にはいかない。しかしこのまま戦った先にあるのは戦争と関係ない人達を巻き込んでしまう事、つまり自分達と同じ目に遭う人間を生み出してしまう事だった。その事実を突きつけられマユは動揺でおかしくなりそうになっていた。

 

「マユ、頼む。俺は君達と戦いたくない。だから今は」

「聞くなマユ!奴は裏切り者だ!」

「レイ?」

 

アスランとのやり取りを無理矢理終わらせる様にレジェンドが間に入ってくる

 

「止めろレイ!俺は」

「黙れ!良いかマユ、奴はもう敵だ。裏切り者だ!奴の言葉に惑わされるな」

「レイ・・・けど、それじゃあ」

「ここでジブリールを逃したら今までの犠牲が無駄になる。更に被害者が増える。それがお前の望む事なのか?」

「そんな訳無い!」

「なら迷うな。今奴を討たねばいずれお前の大事なものを失う事になるぞ」

「大事な、もの・・・」

 

マユの頭に浮かんだのはシンとエリスの顔、そして共に戦うミネルバメンバーだった。アスランの言葉を聞いて心に迷いは生じていた。だがマユは今どうするかを決断した。

 

「そうだよ、私は・・・決めたんだ。戦うって・・・なら!」

「マユ!クソッ、力づくで止めるしか無いか」

 

 

エクスカリバーの二刀流で切りかかるデスティニーインパルス。インフィニットジャスティスは連結したビームサーベルを構えて突撃と見せかけて脚部ビームブレイドでエクスカリバーを叩き割った。

 

「はっ⁉︎」

「このぉ!」

 

続け様に連結したビームサーベルを振り下ろすが咄嗟に後退して躱される。その直後にレジェンドのビームライフルで狙われるがストライクフリーダムが割って入りビームシールドで防がれる。

 

「アスラン大丈夫?」

「ああ。俺よりもセナの方を気にしてやってくれ」

「分かってる。君も無理はしないで」

「分かっているさキラ」

 

エクスカリバーを振りかぶるデスティニーインパルスの一撃をビームシールドで受け止めるインフィニットジャスティス。そのままサマーソルトの勢いで脚部のビームブレイドで切りかかるがビームシールドで防がれてしまう。

 

「マユ!もう止めろ!」

「アスランこそ退いてよ!なんで邪魔をするのよ!」

「今は君にオーブを撃たせたくないだけだ!」

「ふざけないでよ!アスランのせいでルナはあんなに泣いていたんだよ!お兄ちゃんだって深く傷ついて・・・今更信じられる訳無いでしょ!」

 

ビームブーメランを投げつけるがビームシールドと脚部のビームブレイドで弾くインフィニットジャスティス。だが接近したデスティニーインパルスの回転斬りで弾き飛ばされる。後ろに飛ばされながらもビームライフルを撃つが避けられ撃ち合いになる両者。その間ストライクフリーダムとレジェンドはビームサーベルとビームジャベリンを取り出して斬り合いをしていた。

 

「貴様はなぜ戦う?」

「何を⁉︎」

「その産まれ自体が罪と知りながら、あれだけの被害を出していながら、何故償おうとしない?キラ・ヤマト」

「何⁉︎君は一体・・・」

 

レジェンドの猛攻に避けながら切りかかるもののビームシールドで防がれ更に切りかかられてしまうストライクフリーダム

 

「貴様の姉も同じだ。その存在だけで多くの不幸を呼び寄せる。お前達こそこの世界に不要な存在だ!」

「そんな事・・・君は僕達の何を知っているんだ!」

 

レジェンドの顔に蹴りを入れるストライクフリーダム。態勢が崩れたところで切りかかろうとするがドラグーンのビームを前方に撃たれて後退させられてしまう。

 

「分かっているさ、キラ・ヤマト。お前も奴も俺達が恨むべき存在だからな」

「どうして⁉︎」

「まだ分からないのか?俺は・・・む⁉︎」

 

レジェンドの頭上から黄ムラサメが逆手に持ったビームサーベルを振り下ろすが躱されてしまう。だがその隙を連結ビームライフルで狙い撃ちされレジェンドは左脚を損傷してしまう。

 

「チィ、おのれセナ・ヤマト!やはり貴様は許されない存在だ!」

「戦い方も似ている、反応速度も同じくらいだし・・・あの人の生き写しみたい」

「貴様もここで葬ってやる。お前は、お前こそ俺達の」

「レイ!そいつはオレがやる!」

 

横から黄ムラサメに向けてビームライフルが撃たれる。上昇して躱したところにビームブーメランが飛んで来るがストライクフリーダムがビームシールドで庇う。だが態勢を崩してしまい落下してしまう。

 

「キラ⁉︎ごめん!」

「大丈夫。それよりも」

 

ストライクフリーダムが態勢を直し振り向くと補給を済ませたデスティニーが戦場に戻ってくるのが遠目に見えていた

 

「来たかシン!」

「待たせて悪いレイ!」

「気にするな。奴は俺達で倒すぞ」

 

デスティニーが光の翼を展開しながら急接近するが前方にビームを撃たれて急停止する。その直後にインフィニットジャスティスがビームブーメランをシールドに付けたまま叩きつけるがビームシールドで受け止められる。

 

「シン!お前も止めろ!本気でオーブを撃つつもりか?」

「アスラン⁉︎なんでアンタが・・・メイリンはどうしたんだよ!」

 

デスティニーが強引に弾き距離を取る。インフィニットジャスティスはその隙を突こうとはせず一定の距離を保ったままデスティニーに通信を入れる。

 

「シン。メイリンも無事だ。これだけは信じてくれ」

「・・・そうか。だとしてもアンタがオレらを止める理由なんか」

「お前とマユにオーブは撃たせたくないんだ。お前はそんな事がしたくてザフトに入ったのか?お前の力は誰かを守る為の力じゃないのか?お前がしたかった事を、思い出せシン!」

「オレが、したかった事?・・・そんなの」

 

アスランの言葉を聞いてシンも少なからず動揺はしていた。シンにとってその理由こそが大事な事である事をアスランは理解しており、シンもそれを分かってくれるアスランの言葉に耳を傾むけていた。

 

(オレは守りたかった。戦争で悲しむ人が増えない様に、オレ達の様な人を増やさない為に・・・何よりオレの大事な人達を失わない為に・・・オレは)

「シン・・・オーブを許せとは言わない。俺達を許せとは、言わない。けどジブリールを捕まえて終わらせたいと思っているのはこっちも同じなんだ。俺達が戦う必要は無いんだ。だから」

「そんなの・・・オレだって・・・はっ⁉︎」

 

説得の為に動かずにいるインフィニットジャスティスを横から攻撃しようとするデスティニーインパルスとレジェンドから守るストライクフリーダムと黄ムラサメ。黄ムラサメの蹴りがデスティニーインパルスに当たった瞬間を見たデスティニーはアロンダイトを取り出して戦闘を再開する。

 

「よくもマユを!」

「なっ⁉︎シン!」

「アンタがどう思おうとも勝手だがな!オレはコイツだけは許せない!ステラを殺した、コイツだけは‼︎」

「クソ!やらせは・・・ッ⁉︎」

 

デスティニーを止めようとするインフィニットジャスティスの前方にビームが飛んできて咄嗟に上体を逸らして回避する。体を起こした直後にリバースがビームソードガンを叩きつける。

 

「なっ⁉︎エリス!」

「まさかジャスティスまであるなんてね。もしかして本当に裏切っていたの?」

「違うエリス!俺はシンとマユを止める為に来ただけだ!お前とも戦うつもりは」

「こっちにはあるのよ。どんな理由であれ、うちのマユとシンに攻撃したアンタは、あの子達に辛い思いをさせたいアンタを、一発ぶん殴らないと気が済まないのよ!」

 

ビームソードガンの二刀流での連撃を躱し続けるインフィニットジャスティス。隙を伺いながらカウンターで入れた脚部のビームブレイドをリバースの脚部のビームブレイドで受け止められ鍔迫り合いになる。

 

「マユ、貴女はレイとフリーダムの方をやりなさい。あっちはシンだけで十分よ」

「分かった」

 

デスティニーインパルスがストライクフリーダムに向けてビームライフルを撃って応戦する。インフィニットジャスティスは援護に回ろうとするがリバースに押さえられて思う様に動けなかった。

 

「マユ!・・・くっエリス、あの二人に故郷を撃たせるつもりか?」

「一度は下げようとはしたわよ。けど本人がやると言ったのなら止める権利は無いわよ。それにシンはフェイスになったからどのみち止められないのよ」

「フェイスだと⁉︎けどそれで止めない理由にはならない」

「それは良いけどね、戦う気が無いのなら出しゃばらないでほしいわね。アンタの本気はそんなもんじゃないでしょ?」

 

エリスのSEEDが発動する

至近距離で背部ビーム砲を撃つリバース。ビームシールドで防ぐものの少し押し出されてしまい後退するインフィニットジャスティス。

 

「クソッ⁉︎やっぱり出力もジャッジメントより高いか」

「新しいジャスティスも十分強いわよ。アンタのやる気の問題よ。セイバーに乗っていた時も思っていたけどあれこれ考えすぎなのよアンタは」

「エリス?一体何を」

「力の無い奴には説得すら出来ないわよ。その意味、分かるでしょ?」

「エリス・・・俺は」

 

アスランのSEEDが発動する

ビームソードガンの二刀流を上昇して躱しながらファトゥムを飛ばし翼のビームブレイドでリバースの背部ビーム砲を一つ切り落とす。ビームソードガンをガンモードにして後退しながら撃つが連結ビームサーベルを回転させてビームを弾きながら接近してくる。

 

「ふん、ようやくマシになったじゃない」

「なんであんな事を俺に?」

「さぁね?いつまでも情けない同期の姿は見てられないだけかもね」

(エリス・・・いつまで経ってもエリスには頭が上がらないな俺は。だが今は)

 

黄ムラサメはデスティニーのビームライフルを避けながら空対空ミサイルで応戦するも簡単に躱されながら接近されてしまう。背後に回ったデスティニーが長距離射程砲を撃ち黄ムラサメの頭部の左側が削り取られてしまう。

 

「グッ⁉︎流石にやばいわね・・・」

「今度はしくじらない。これで終わらせてやるぞ、セナ・ヤマト!」

「・・・さっきから気になってたんだけどさ」

 

デスティニーにビームサーベルで切りかかるがビームシールドで受け止められる黄ムラサメ。そのまま押し込もうとするが腕力の差でびくともしなかった。

 

「なんで貴方は私の名前を知っているの?エリスにでも聞いたの?」

「・・・本当に知り合いだったんだな、アンタ達は」

「そうね友・・・知り合いねエリスとは」

(多分エリスは私の事、もう友達とは思っていないからね・・・知り合いって言うしか無いわよね)

「そうか・・・それでもオレのやる事は変わらない!」

 

デスティニーが腕力で強引にビームサーベルを払いのけ腹部に蹴りを入れる。蹴られて態勢を崩した黄ムラサメにアロンダイトを振りかぶるデスティニー。咄嗟に体を捻って回避するも腹部に切先が掠り切り傷が出来てしまう。

 

「まずっ⁉︎これ以上は・・・ラクス!聞こえたら返事して!」

 

機体が蓄積されたダメージで崩壊寸前となった事を悟ったセナはアークエンジェルに通信を入れてラクスを呼ぶ。それからすぐにラクスが通信に応じた。

 

「セナ、すぐに戻ってください。その機体はもう限界です」

「ラクス、私の機体ってもう来た?」

「いえ、今調整を終えて宇宙からポッドでこっちに送っています。アークエンジェルで受け取るので貴女もすぐに」

「今アークエンジェルにポッド受け取る余裕無いでしょ。それに時間がかかりすぎるよ」

 

セナの指摘した様にアークエンジェルはミネルバ含むザフト艦隊との戦闘で余裕が無い状態であった。その上一度戻って乗り換えてから出撃の間キラとアスランの二人で4機も抑えるのは困難な状況でもあった。

 

「無茶を言っているのは分かっています。ですが」

「・・・ミリアリア、ポッドの落下座標分かるなら教えて」

「教えてって・・・それでどうするつもりなの?」

「・・・空中で乗り換える」

「ちょっ⁉︎本気なの⁉︎」

 

セナの提案した作戦は速度を重視し過ぎた危険過ぎる提案だった。ミリアリアはもちろんそれを聞いていた全員が否定していた。だがセナは妥協する気は無かった。

 

「あの機体、どれか一機でも国土に入ったら被害を抑えるなんて不可能よ。海上で止めるには私達3人でなんとかするしか無いわよ」

「でも、乗り換えなんていくらなんでも後ろから撃たれるわよ!」

「キラ、アスラン。聞いてた?」

「うん、聞いてたよセナ」

「相変わらず無理するなお前は」

 

セナの提案にキラは分かっていたかの様に諦め気味で、アスランは呆れた風にため息をついた

 

「流石に一人でどうこうなんて不可能だって分かってるわ。だから」

「乗り換えるまでなんとか時間を稼いでくれって言うんだろ?」

「僕達に任せてセナ。必ず守るから」

「二人共ありがとう。頼りにするから」

「・・・仕方ないわね。ミリアリアさん、言われた通りにしてあげて」

「了解です。今座標送るからね」

 

キラ達の間で話しが決まったのを確認してマリュー達は賭けに乗ることにした。ストライクフリーダムはレジェンドと距離をとってから黄ムラサメに接近しているデスティニーにハイマットフルバーストをして黄ムラサメから引き剥がす。その隙にミリアリアから送られた座標をもとに黄ムラサメは上空へ飛んで行く。

 

「クソッ!急になんだよアイツら!」

「どこに行く気だ?」

「上?上に行ってどうする気なの?」

 

シン達が困惑している間に黄ムラサメはどんどん高度を上げていく。それと同時に大気圏を突破してきたポッドからサンシャインに似た対艦刀を背に背負った機体、ライズサンシャインがディアクティブ状態で飛び出してくる。

 

「新型のサンシャイン⁉︎まさかここで乗り換える気⁉︎」

「正気なのアイツ⁉︎」

「えぇい、奴をアレに近づけさせるな!」

 

レジェンドが黄ムラサメに向けてドラグーンのビームを撃つがインフィニットジャスティスがビームシールドで受け止める。別方向からビームライフルで狙うデスティニーだったがストライクフリーダムにビームシールドで防がれカリドゥス砲で追い払われてしまう。

 

「セナには近づかせない!」

「クソ!邪魔するなよお前!」

「仕方ないか・・・ミネルバ、ルナマリアも出撃させて!今なら太陽の少女を倒せる!」

「そうしたいのは山々だけどね、生憎今はインパルスを発進させる余裕が無いの」

「えっ⁉︎」

 

エリスは数の利で黄ムラサメを追い詰めようとインパルスも出撃させる様ミネルバに打診するが断られてしまい後ろを振り返る。そこには海中から放たれるミサイルやリニアカノンの回避に手一杯のミネルバの姿があった。周りを見ると撃墜されて沈んでいる軍艦も何隻か見えていた。

 

「アークエンジェルが居ない?いや、水中⁉︎」

「潜られてしまった以上、こちらに撃つ手が無いの。申し訳ないけど今すぐには」

「了解です・・・やっぱり厄介な連中ね」

 

エリスが通信している間に黄ムラサメはどんどん距離を離していた。ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスによって行手を阻まれてデスティニー達は進めずにいた。

 

「おのれ・・・どこまでも邪魔な存在だな」

「くっ、邪魔しないでよアスラン!アンタが守りたいのはオーブなんでしょ!」

「それだけじゃ無いんだ、マユ。頼む」

「それで引ける訳無いでしょ!」

 

光の翼を展開して突っ切るデスティニーインパルス。インフィニットジャスティスの横を通り抜け黄ムラサメにビームライフルを向けようとするが、左脚をグラップルスティンガーで掴まれ引き戻されてしまう。

 

「なっ⁉︎」

「俺にとってお前達も、オーブに居る仲間も大事なんだ。だから守るんだ!」

「キャア⁉︎」

「マユ!クゥ⁉︎」

 

そのまま振り回されて身動きが取れないデスティニーインパルスをインフィニットジャスティスはリバースに向けて投げ飛ばす。リバースは全身で受け止めるも勢いを止める事が出来ず共に落ちていく。

 

「コノォォォォォォ‼︎」

「シン⁉︎くっ」

 

デスティニーが正面からアロンダイトを振り下ろしてくる。ビームシールドで受け止めたインフィニットジャスティスだがそこから光の翼を展開した最大推力で押し出されてしまう。

 

「よくもマユを!エリスを!もう容赦しないぞ、アスラン‼︎」

「シン・・・この!」

 

連結ビームサーベルで斬りつけデスティニーを引き剥がすインフィニットジャスティスだったが躱され腹部を蹴り付けられる。ストライクフリーダムが横から連結ビームライフルで狙うも最小の動きで避けられながら接近されてしまう。

 

「何⁉︎」

「そんなもんかよフリーダム!」

「今だ!」

 

デスティニーを抑えようとする2機の隙を突いて黄ムラサメに向けてビームライフルを撃つレジェンド。腰部に掠りながらも回避を続けるが徐々に距離を詰められてしまう。

 

「嘘⁉︎こんなすぐに・・・いや、もうボロボロ過ぎて速度が出ないだけか」

「これで終わりだ、セナ・ヤマト」

「こんのぉ!」

 

放たれたドラグーンのビームを体を捻りながら回避する黄ムラサメ。それと同時にレジェンドにビームサーベルをレジェンドのビームライフルに投げつけて破壊する。その直後に下から追いかけたインフィニットジャスティスが連結ビームサーベルで右腕を切り落とす。

 

「なっ⁉︎くっ油断した・・・」

「レイ、出来ればお前とも戦いたくは無い。だがどうしてもと言うのなら・・・今相手をしてやる!」

「舐めるなよ、裏切り者が!」

 

レジェンドとインフィニットジャスティスがぶつかりあっている内に黄ムラサメはライズサンシャインの元に辿り着く

 

「よし、着いた!」

「セナ、速く!」

「分かってるわよ。焦らさないでよ」

 

黄ムラサメが正面からライズサンシャインの肩を掴み密着する。その直後、下から放たれた延伸式ビーム砲塔で背中を撃たれて爆発する。

 

「なっ⁉︎」

「よくやった、マユ」

「ハァ、ハァ、ハァ・・・これで、今度こそ」

「・・・いや、まだだ」

「えっ?」

 

煙の中から落下する黄ムラサメの残骸を見て安堵するマユ達だったがシンは煙の中を、その中に隠れた機体を睨みつけていた。

 

「危なかった・・・人生で2番目くらいに死んだと思ったわ。けど、ここからよ」

 

煙の中からビームライフルのビームが飛んでくるのを紙一重で躱わすデスティニー。その直後にデスティニーの真上から橙色の機体が突撃してデスティニーの頭部を踏みつける。

 

「グウゥ⁉︎やっぱり直前で乗り換えていたか、セナ・ヤマト。なんて奴だ」

 

態勢を整えて前方の敵を睨みつけるデスティニー。そこに居たのはサンシャインとよく似たカラーリングに腕と脚と腰の一部が白くなっている機体、フェイズシフト装甲の付いたライズサンシャインだった。

 

「やっぱりこっちの方がしっくり来るわね。太陽の少女、ここに復活したわ!」

 

背中から濃い橙色の対艦刀、ガラティーンを取り出したライズサンシャインはデスティニーに突撃する。機体を一新したセナによる反撃が今始まった。




描きたい戦闘描写が多すぎて文字数の割に話しがほぼ進んでません・・・キャラ多すぎましたかね?
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