ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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更新が遅くなり申し訳ありません。個人的に戦闘シーンやギャグシーンなどはスラスラ出てくるのですが真面目な話しになると元のキャラと乖離させないようにしつつ話しの進行を破綻させないようにする。その上でオリジナリティを出そうとするのが難しく感じてしまいます。このキャラこういう事言うかな?もう少し賢そうに言ってたよな?など自分で描く描写を見直しつつ出すと結構時間がかかってる気がします。単に自分がそこまで文才が無いだけかもしれませんが・・・


第四十三話 鎮魂歌

「ごめんなさい議長。私」

「いいや、君の気にする事じゃ無い。アレには私も驚いたさ」

 

申し訳なさそうにするミーアを気遣う様に声をかけるデュランダル。先日のオーブの生中継で本物のラクスが現れた事、その後にセナが自らを太陽の少女だと名乗り出た事はデュランダルでさえも予想外だった。

 

「ひとまずほとぼりが冷めるまでは君は姿を隠していた方がいい。また君の力が必要になる時が来る。その時はまた連絡するよ」

「はい・・・」

 

ミーアは付き人である金髪の女性に連れられて行く。それを見送ってからデュランダルは昨日の演説について考察していた。

 

(先日送った部隊は新型のフリーダムによって壊滅された。故にラクス・クラインが無事でいずれ名乗り出てくる可能性は考えていた。だがこのタイミングとはな・・・いつの間に地球に降りていたのだ?)

 

自分も宇宙に上がる為のシャトルに乗りザフト兵達に指示を出しながらも脳内では考え事をしていた。

 

(正直本物が現れた時点で彼女はもう駄目かと思ったが・・・まだ使えそうだな。だがそれよりも問題なのは太陽の少女、セナ・ヤマトの方だ。アレだけは想定外だ)

 

デュランダルも以前から太陽の少女については最も警戒すべき敵としてあらゆる手段を用いて調べていた。だがそれでも徹底された情報規制により分かっていたのはオーブと深い関わりを持ち、キラ・ヤマトと義理の姉弟である事くらいだった。

 

(もう少し情報を掴みロゴスの件を終わらせて落ち着いたところで情報公開して追い詰めるつもりだったが・・・自ら明かしてくるとは、やられたよ)

 

デュランダルにしては珍しく握りしめた拳に苛立ちを隠しきれないでいた

 

(彼女の力は絶大だ。プロミネンスカノンも健在な以上どれだけ軍備を整えても一発で覆される事もある。だが今は奴まで相手する余裕は無いな。となると彼に力に期待するしか無いな。私の見つけた最強の才能に)

 

デュランダルは脳裏にシンを思い浮かべる。シンとデスティニーの力でなら最強の敵を相手でも倒せると期待していた。その為にも順番に対処する事にした。

 

「ねぇレイ。昨日のアレ、どう思う?」

「・・・どうとは?」

 

昨日のオーブの放送の翌日、未だ動揺が収まらないマユとルナマリアはレイに声をかけていた。ソファで寛いでいるエリスも耳だけ傾けて話しを聞いていた。

 

「どうって・・・ラクス・クラインの事にあの太陽の少女の事。あと・・・お兄ちゃんの事」

「あの中継にいた二人、本物なのかなって・・・それにセナって人は」

「そんな事はどうだっていい」

 

マユとルナマリアからの質問をレイは切り捨てる様に言い切る。僅かに苛立ちを感じる物言いにマユとルナマリアは少し戸惑いを感じていた。

 

「どうだっていいって」

「そうやって我々を混乱させるのが奴らの狙いだろう。恐らく皆お前達の様に真偽を気にしようとする。全くくだらない」

「えっ?」

「本物なら何があっても正しいのか?偽物は何であれ悪だとでも?」

「レイ・・・」

 

レイの問いにマユとルナマリアは何も答えることができなかった。淡々と語るようでその奥に込められた大きい感情。おそらく怒りであろうその思いになんと言えば良いか分からなくなっていた。そんな様子を見たエリスが助け舟を出す様に話しに入ってくる。

 

「まぁレイの言う事も一理あるわね。仮にアレが本物でも偽物でも私達には関係無いのよ。気にしすぎるだけ無駄って事よ」

 

エリスの方を見やるレイの視線は先程よりは落ち着いていた。エリスもレイの視線を感じて横目で確認してからマユ達に視線を戻す。

 

「だから私達はいつも通りにやるべき事をやるだけよ。今は・・・」

「エリス・・・」

「確かにそうかもしれない・・・けど」

「シンの事が気になるのは分かるわよ。あの様子はただ事じゃない。けど無闇に聞こうとしない方が良い時もあるわよ。親しい関係なら尚更ね」

「・・・分かった」

 

エリスの説得にマユはもやもやを感じながらもそれなりに納得して引き下がった。今はやるべき事だけに集中した方が良いと頭では分かっているからこそ気にするのは今では無いと納得する事にした。

 

「そんな事より俺達には考えておかなければならない事が他にあるだろう」

「・・・フリーダムとサンシャインの事?」

「それとアスラン・ザラだ」

「ア、アスラン⁉︎」

 

オーブでの戦闘で直接相対していないルナマリアはアスランが生きて敵対していた事に驚きの声をあげる。それと対照的に冷静なエリスに内心複雑ではあるが割り切っているマユの方を見ながらレイは話しを続ける。

 

「理由はなんであれ奴は生きている。そして俺達の敵になった。奴らは強い。必ず俺達の脅威になる」

「・・・そうだね。全然アイツらに敵わなかった」

 

前回の戦闘を思い返してマユは苦い顔をする。エリスもレイの考えに賛成しているのか戦闘解析しているレイのパソコンの画面に集中している。そんな中でルナマリアの頭にはある仮説が浮かんでいた。

 

(アスランが生きている・・・じゃあメイリンも?どうやって・・・いや、それよりもアークエンジェルに居るって事よね?なら)

 

ルナマリアが一人で思案していた時、扉が開く音がして一同が振り返る。そこには眠れなかったのか目の下の隈がひどいシンが居た。

 

「シン・・・それ」

「ん?ああ・・・ちょっと考え事してたら寝れなくて。気にしないで良いよ」

「気にしないでって・・・」

「それよりも何してるんだレイ?」

「前回の戦闘を振り返っていた所だ。丁度いい、お前に聞きたい事がある」

 

シンの方へ振り向きながらレイが話しかける。一見普通に振る舞えているシンだったが内心穏やかじゃ無いのは目に見えて明らかだった。だがレイは気づかないふりをして問いかけた。

 

「どうすれば奴らに勝てると思う?太陽の少女と新型のサンシャインにお前は勝てるか?」

「・・・どうだろうな。奴にはデスティニーの動きが見えているからな、勝てるって言い切れる自信は無い」

 

真っ直ぐレイの方を向きながら答えるシン。少なくとも内心の悩みを戦闘では引きずる事は無さそうな様子に安堵しつつエリスは相槌を打つ。

 

「そうね・・・横から見ていると互角って所かしらね。デスティニーとサンシャインは」

「そうか、お前でも難しいのなら厳しい戦いになるだろうな」

 

更に強くなっていた太陽の少女の脅威に暗くなるシルファ隊達。また戦う事になるかもしれない強敵を相手にどうするか悩んでいるその頃、当の本人はメイリンに肩を揺らされていた。

 

「どういう事なんですかぁぁぁぁぁ‼︎なんで言ってくれなかったんですか‼︎」

「ちょっ、やめ・・・首痛いし、目が回るから」

「急に放送に現れたと思ったらあんな‼︎私変な声出ちゃったじゃないですか‼︎周りからも変な目で見られて恥ずかしいし変な覚え方されたじゃないですか‼︎」

 

昨日アークエンジェルの医務室で放送を見ていたメイリンはセナのカミングアウトにメイリン史上1番の大絶叫をしてしまい、他のクルーから大絶叫した子という不名誉な覚え方をされてしまっていた。翌日に医務室にノコノコとやってきたセナを捕まえるやいなやこうして問い詰めていたのだった。

 

「ご、ごめん。謝るからその・・・一旦止まって」

「朝から元気だね、メイリンもセナも」

「ふふ、楽しそうですわね」

「お前らな・・・」

 

メイリンとセナのやり取りを遠くから微笑ましく見ているキラとラクスと騒がしい光景に頭を抑えるアスラン。セナが助けて欲しそうにキラ達を見ているがそれを無視して話しを続けていた。

 

「まさかあそこまで滅茶苦茶にするとはな・・・大丈夫なのか?」

「カガリはどうしようもないからもう良いってさ。寧ろ隠す必要が無くなって手間が省けてラッキーだってさ」

「そんな雑な・・・ああ、やっぱりお前ら兄妹だよ。そのめんどくさがりなところが」

「うぇ・・・まだ目が回る」

 

アスラン達の会話の横で漸く解放されたセナがよろよろとベッドに倒れ込む

 

「あの後マリューさんには説教されるし、お母さんまでやってくるし・・・もう二度と生放送には出ない」

「そういう事じゃないと思うけど・・・」

「でも、良かったと思いますわ」

「へ?」

「今のセナは張り詰めてなくて安心して見てられますわ」

「う〜ん、確かに肩の荷は下りたかもね」

 

上半身を起こしながら肩を回すセナ。セナは自覚していないが前大戦以降からあまり変わらなかった表情が戻りつつある事をキラ達も感じていた。

 

「そうだね。今のセナはなんか生きてるって感じがするよ」

「それ普段は死んだ顔してるって事?」

「表情は死んでたな」

「このやろ!」

 

背負っていた太陽の少女という肩書きをようやく下ろせたセナに束の間の休息が訪れていた。だが宇宙ではまだ戦乱が続いていた。

 

「はぁ・・・昨日のアレの後に出撃とはね。相変わらず忙しないな・・・」

「ほぅ、まだ愚痴るだけの余裕はありそうだなディアッカ」

「そうじゃねーよ。何か言わないとやってられないだけだよ、知ってる身としてはな」

 

不審な動きをする廃コロニーの報告を受けて出撃したジュール隊を含むザフト軍部隊。その任務に向かう途中でディアッカは既に疲れを感じていた。原因は勿論昨日の知り合いが出た件での事だった。

 

「副隊長はあの太陽の少女と共に戦った事があるのですか?」

「ああまぁ・・・隠してたわけじゃないけど言いふらす必要も無かったしな・・・って思ってたんだが」

「あんな可愛げある子がサンシャインを・・・まさか本当に少女だったんですね」

「無駄話ししてる場合か!終わってからにしろ」

 

イザークが諌めると同時に廃コロニーとそれらを護衛するモビルスーツ部隊と数隻の戦艦の姿が見えてきた。連合部隊はザフト軍のモビルスーツの姿が見えるや攻撃を始めたので戦闘態勢を取る。

 

「とりあえず向かう敵を倒しつつアレに近づくぞ」

「「「了解」」」

 

黒ザクウォーリアのビーム突撃銃でウィンダム達が撃ち落とされて行く。その横では白グフイグナイテッドのテンペストビームソードで次々に切り落とされていくユークリッド達。順当に敵機を撃墜していた所で廃コロニーが制動していた。

 

「こんな所で⁉︎この辺りに止めるのが目的か?」

「よく分からんが嫌な予感がする。エンジンに回り込んで止めるぞ」

「分かった」

 

イザーク達が廃コロニーを止めようと奮起している頃、月面基地では攻撃準備が終えようとしていた

 

「照準はどこに?」

「アプリリウスだ。決まっているだろう。これは警告ではない」

「照準、プラント首都アプリリウス」

「目標点入力アプリリウス」

 

基地からの司令で月面に設置された巨大ビーム砲であるレクイエムが発射態勢に入る

 

「さぁ奏でてやろうデュランダル。お前達の為の鎮魂歌を!」

 

ジブリールによってトリガーが引かれてレクイエムが発射される。月の裏側から放たれた極太のビームが廃コロニーを利用して作られた中継ステーションを起点に曲がっていきコロニープラントを数基破壊する。壊れたコロニーが倒れながら横のコロニーにもぶつかり破壊され被害は更に増えていた。

 

「な・・・なんだ、一体・・・」

「ヤヌアリウスが・・・ディセンベルもか」

「クソォ‼︎こうなったらなんとしてでもあれを落とすぞ!」

「「「了解‼︎」」」

 

先程の惨劇を繰り返さない為に中継ステーションの破壊に全力を尽くすイザーク達。その間にもコロニープラントが破壊された情報は各地にも伝達されていた。

 

「なんで・・・なんで、こんな・・・」

「嘘でしょ・・・一体どうやって・・・」

「ジブリールの仕業だな。月の裏側から撃たれた」

「月の裏から⁉︎そんなどうやって⁉︎」

 

ミネルバにもその情報は伝わっていた。故郷を撃たれ家族を喪い阿鼻叫喚となる艦内でレイはレクイエムの解析を進めていた。

 

「こっちが表のアルザッヘルを警戒している間にダイダロスにあんな兵器を作っている様だな」

「裏側からって、そんなの無理でしょ!」

「どういう事なの?裏からの攻撃がなんで?」

 

訳が分からず動揺するルナマリアとマユ。彼女達の疑問に答える様にレイは今起こった映像を見せて解析する。

 

「奴らは廃棄コロニーに超大型のゲシュマイディヒ・パンツァーを搭載してビームを屈曲させたんだ」

「ビームを屈曲・・・つまりどこでも狙えるって事ね」

「そんな・・・よくもそんな事を・・・」

「ジブリールを逃した俺達の責任だ」

 

怒りを露わにするマユ達にレイは冷静に事実を突きつける。その言葉に拳を握りしめていたシンやマユ達も驚きをみせる。

 

「ジブリールを逃したって・・・」

「それはアイツらが邪魔したからでしょ!なんでそれが私達の」

「理由はなんであれ、俺達は討てなければならなかったんだ。それを逃した結果がこれだ」

「それは・・・」

 

レイの言葉にマユは反論する事はできなかった。今取り返しのつかない被害が出てしまった以上言い訳の余地はないと、その責任がどこにあるかはっきりしていたからだった。

 

「流石にあっちに非は全く無いわけじゃあ無いけど、こちらだって討つべき敵を討てなかったのは大きいやらかしね」

「ああ、だから今度こそ止めなければならないんだ。俺達は」

「オレ達は、か・・・そうだよな・・・」

「シン?」

 

シンの呟きにレイ達はシンの方へ振り向く。その顔は犠牲を増やさない様戦う決意とは別の感情が出ていた。

 

「いや、大した事じゃない。やらないといけない事は分かっているつもりさ。けど、アイツらは・・・」

「奴らの妨害が理由であれ討てなかったのは俺達だ」

「分かってる。あの日オレは、オレ達は何も出来ていなかった。それは否定しない、責任は感じてるさ・・・けど奴らは違うだろ?」

 

シンの言う奴らが誰かは言わずともハッキリしていた。そしてシンが直接は言わずとも何を言いたいのかも分かってしまった。

 

「擁護するつもりは無いけどあっちも責任を全く感じていないわけでは無いと思うわよ」

「でも何もしないだろ‼︎自分達と関わりが無ければ何も!アイツらの言う中立は、平和は、そういう事だろ!・・・オレは違う。奴らとは・・・」

(あの人とは・・・違う。今度こそオレは・・・)

 

シンの叫びに誰も答えられなかった。だが今はレクイエムを壊す事だけを考える、それだけはシルファ隊全員が同じ考えだった。




描きたいシーンや戦闘などは浮かんではいますので出来れば今年までにDESTINY編を終わらせてFREEDOM編に行きたいですね。あまり高く無い目標な気がしますが頑張ります。
このシリーズが終わってから新作のアイデアもありますがやるかどうかは未定です。ちなみにガンダムシリーズではありませんのでご了承ください。その前に今の話しを進めろと自分にツッコミを入れときます。
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