レクイエムによってアルザッヘル基地が撃たれた事はアークエンジェルにも知れ渡っていた。レクイエムがまだ残っている事と今の一撃で残っていた連合の僅かな戦力すらも壊滅的被害を受けた事でもう悠長にしていられなくなっていた。
「艦長、オーブに連絡を。エターナルと合流します。すぐに発進準備を始めてください」
「ええ」
「分かってる」
ラクスの一言で速やかに発進準備が行われる。それと同時にクライン派の兵士達を集めたエターナルとオーブ軍の宇宙艦隊も発進を始めていた。
「要はやはりこの第一中継ステーションだ。まずはこれを落とさなければまた、いつ何処が撃たれるか分からない」
「うん」
「足の早い2機が先行して中継ステーションを叩き落とし、オーブ旗下の主力がレクイエム本体を破壊か。果たしてこの戦略で出来るのかどうかだが」
「出来るかどうかじゃない。やるしか無いのよ」
キラ達が自分達の機体の調整をしながら作戦を立てているとセナがやってくる。左腕と左足は既に完治していたが、頭部はまだ完全には治っておらず包帯を巻いたままだった。
「セナ、お前・・・まだ治ってないんだろ。大人しく待って」
「間も無くなんでしょ?私も出るんだから準備した方がいいでしょ」
「本当に良いのか?万全じゃないんだったら中継ステーションは俺達に任せて奴らの相手に集中してもらっても」
「中継ステーションならプロミネンスカノンで一発よ。使えるものは何でも使ってやるわよ」
頭に巻いていた包帯を脱ぎ捨て、ヘルメットを被ったセナはライズサンシャインのコクピットに入っていく。それを見たキラ達は説得は出来ないと判断し出撃準備に集中した。
アークエンジェルとエターナルが第一中継ステーションに接近している事は既にザフト軍にも気づかれていた。同じ様にオーブ軍艦隊がレクイエムに向かっている事も気づき防衛態勢に入っていた。
「ミネルバとゴンドワナ、月艦隊の半数をステーションワンへ回せ。残りはダイダロスのローランの元に」
「はっ」
(やはり来るかオーブ、アークエンジェル、ラクス・クライン。そして太陽の少女。彼女相手にはどれだけ数を用意しても、どれだけ優れた装備があっても足りない。一発、たった一発で全てをひっくり返されてしまうのだからね・・・厄介な存在だよ。だが、こちらにも切り札はある)
デュランダルのいるメサイアにデスティニーとレジェンドが向かっているのが映像に映っている。最終決戦に向けてデュランダルはシンとレイの二人を自分の手元に置く事にしていた。大量の軍隊よりも、何処にでも向けられる大量破壊兵器よりも、デュランダルはたった二人のエースに全幅の信頼を寄せていた。
(レイとレジェンドの相性は抜群だ。これなら並大抵の敵に遅れは取らないだろう。何より、こちらにはシン・アスカがいる。オーブでの戦いは見せてもらったが、やはり私の目に狂いは無かった。もはやシンとデスティニーを止められる者など存在しない。あの太陽の少女ですら、彼には勝てないのだから)
デスティニーとライズサンシャインの戦闘を見ていたデュランダルは勝ちを確信していた。一見するとライズサンシャインが優勢に立っていた様に見えるが最後まで有効打を与える事が出来なかった。その間にデスティニーはライズサンシャインの動きに対応し、最終的にはストライクフリーダムも加わってもデスティニーの動きを捉える事が出来ず引き分けとなった。初見だった故に意表を突かれる事も無くなったデスティニーならもう負ける事はない、ならこちらの負けも無いとデュランダルは確信していた。
(問題は奴らはどう出てくるかだが・・・どちらにせよ負けるつもりは無いさ。奴らにも、誰にも)
モニターに映るアークエンジェルとエターナルを睨みつけるデュランダル。既に防衛部隊の配置が済んだ以上、戦いの火蓋が切られるのを待つだけだった。
出撃準備を終えたキラ達は発進態勢に入っていた
「ラクス、発進する。良いね?」
「はい」
「アスラン」
「ああ、行こう」
「ミーティア起動、総員第一戦闘配備」
エターナルのハッチが開き、戦闘態勢に入る。アークエンジェルもエターナルの前に出ながら戦闘態勢に入る。
「キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!」
「アスラン・ザラ、ジャスティス、出る!」
ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスが出撃する。エターナルから外されたミーティアを装備している最中にラクスが通信でザフト兵に呼びかける。
「こちらエターナル、ラクス・クラインです。中継ステーションを護衛するザフト軍兵士に通告いたします。私達はこれよりその無用な大量破壊兵器の排除を開始します」
ラクスがザフト兵に呼びかけている中、ミーティアを装備した2機は中継ステーションに向けて最大速で向かっていった。ラクスの声を聞いたザフト兵達の間には衝撃と動揺が走っていた。
「ラクス様⁉︎」
「何⁉︎」
「それは人が守らねばならないものでも、戦いに必要なものでもありません。平和の為にとその軍服を纏った誇りがまだその身にあるのなら、道を開けなさい」
ラクスのその言葉に多くのザフト兵達が動きを止めた。平和の為にと戦ってきた兵士達であった為にレクイエムを守る事とデスティニープランに従う事に迷いを見せるものが多くいた。防衛軍が停止している中、ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスは素通りしていった。
「いよいよ、だね」
「そうね。緊張してるステラ?」
「・・・うん」
エターナルに積んであったガイアはステラ用に調整し直してアークエンジェルに移動していた。宇宙に出ている間にセナに訓練はつけてもらっていたが、実際にガイアに乗っての実戦はインパルスに負けて以来だった。
「正直少し怖い。前はこんな事無かったのに、おかしいかな?」
「おかしくないよステラ。戦いに出るのが怖いなんて普通の事なんだよ。怖くなくなる方がよっぽど怖いんだから」
「そうだぞステラ。今からでも引き返して良いんだぞ?無理することはない」
「・・・ううん私だって、ここでじっとしてられない」
「そうか・・・ならこっちも何も言わないさ。ただし、絶対に生きて帰るんだぞ」
「分かってる。ステラ・ルーシェ、ガイア、出る!」
戦う覚悟を決めたステラと共にガイアが発進する。それを見送ったネオとセナもステラに続こうとする。
「やれやれ、まさかステラとまた共に戦う事になるなんてな。ありがとなセナ」
「それはもう聞きましたから。それよりも置いてかれちゃいますよ」
「分かってる。お前も無茶するなよ。ネオ・ロアノーク、アカツキ、出るぜ!」
「無茶するな、か・・・確かに今回ばかりは無理は禁物よね。セナ・ヤマト、サンシャイン、行きます!」
シラヌイパックに換装したアカツキとライズサンシャインが出撃しガイアの後ろについていく
「良いステラ。貴女とロアノーク大佐はアークエンジェルと共に行動するのよ」
「うん。セナは?」
「私も基本的には一緒にいるけど、いざという時は単独で動いてあのふざけた兵器をぶっ壊すから」
「分かった、気をつけて」
「お互いにね」
「お前ら、来るぞ!」
動きを止めていたザフト軍だったがとうとう迎撃を始める。アークエンジェルに放たれたビームをライズサンシャインがバックパックで吸収しつつミサイルをビームライフルの背面撃ちで撃ち落としていく。
「凄っ⁉︎セナそんな事出来るの!」
「敵だと恐ろしいけど、味方だとほんとに頼もしいな」
「流石に壊すまで止まってはくれないか。けど、ここまで来れば」
シールドビーム砲とバックパックを合体させ第一中継ステーションに向けるライズサンシャイン。そのままプロミネンスカノンを放とうとしたところでオルトロスのビームがライズサンシャインに飛び、妨害される。
「おっと、危ないわね」
「やっぱそう簡単には撃たせてくれないよな」
「仕方ないか、第一中継ステーションはキラとアスランに任せて、コイツらは私達で抑えるわよ」
「分かった!」
「了解!」
アークエンジェルに向けられたミサイルをシールドビーム砲で撃ち落とすライズサンシャイン。ガイアは横から接近してきたグフイグナイテッドをビームブレイドで真っ二つにし、アカツキはアークエンジェルに向けられたオルトロスの掃射を反射させてザクウォーリア達を撃墜する。その間にミーティアのフルバーストで敵機を戦闘不能にしながら進むストライクフリーダム達だが正面から飛んできたミネルバからの砲撃で妨害される。
「ミネルバ!こんな時に」
「くそ・・・」
「キラ、アスラン。ここは任せて」
「分かった、気をつけて」
「セナ、頼んだぞ」
ミネルバの前に躍り出るライズサンシャイン。その後ろからアカツキとガイアも共に前に出てくる。
「敵モビルスーツ3機接近。この反応は・・・サンシャインとガイアです。もう一機はオーブにいた指揮官機です」
「ガイア?どうして彼らがガイアを」
「そんな事はどうでも良いわ。今重要なのは、彼らは敵って事よ。第一戦闘配備!シルファ隊発進!全砲門開け!照準アークエンジェル!」
タリアの命令でミネルバが戦闘態勢に入る。出撃命令を待っていたシルファ隊も発進態勢に入る。
「アークエンジェル・・・どうしてまた」
「今更気にしても無駄だよルナ。アイツらが何考えてるかなんて知った事じゃないよ」
「それは・・・」
「お喋りはその辺で。難しい事は後。とりあえず目の前の事にだけ集中しなさい」
「「了解」」
「3人になっちゃったけど、やる事は同じだからね。エリス・シルファ、リバース、出ます」
一足早くリバースが出撃する。それと同時にデスティニーインパルスも発進態勢に入り、コアスプレンダーとフライヤーも発進準備は出来ていた。
「エリスの言う通りね。気になる事はあるけど、今は戦闘に集中しないと」
「・・・ルナ、一言だけ言いたい事があるの」
「こんな時に何よ?この間の話しの続き?」
「それはまた後で。この戦いが終わったらのつもり。そこで決着つけるつもりだから。だから・・・そんだけ」
「・・・分かったわ、覚えとくわ。ルナマリア・ホーク、コアスプレンダー、行くわよ」
「・・・マユ・アスカ、デスティニーインパルス、出るよ」
デスティニーインパルスが出撃する後ろでコアスプレンダーとフライヤーが合体してインパルスになる。そのまま2機は並走しながらリバースの後ろをついていき、ライズサンシャイン達と相対する。
「3機だけ?しかもアイツが居ない・・・どういう事?」
「正直この人数で奴ら全員はキツいからな。寧ろ好都合だぜ」
「合体野郎・・・じゃない、インパルス・・・シン」
「二人共、あの金ピカはビームを反射させるから気をつけて。フリーダムとジャスティスは他部隊に任せて私達はコイツら倒すわよ」
「分かったよ」
「了解。今度こそやってやるわ!」
インパルスがビームライフルをライズサンシャインに向けて撃つ。それをバックパックで吸収すると同時にアカツキがドラグーンを射出し、インパルス達に撃ってくる。
「ドラグーン⁉︎コイツもなの⁉︎」
「クッ、この!」
ドラグーンの射撃を躱しながらエクスカリバーを取り出して突撃するデスティニーインパルス。そのまま振り下ろした一撃をガラティーンで受け止めたライズサンシャインが蹴りを入れてデスティニーインパルスを怯ませる。
「チィ、何度も蹴ってこないでよね!」
デスティニーインパルスが光の翼を展開して突撃する。上に回避したライズサンシャインだが避けた先に背部ビーム砲を撃たれて動きを止められる。その隙をインパルスがシールドを前に体当たりしてライズサンシャインの態勢を崩す。
「なっ⁉︎まずっ」
「私だって、アンタには思うところはあるんだから!」
「させない!」
インパルスがビームサーベルを振り下ろすがガイアのシールドで阻まれる。ビームサーベルを弾き飛ばした後、ビームブレイドで切りかかるがインパルスは後退しながらビームライフルを撃ち牽制する。
「宇宙でガイアをここまで動かせるなんて、コイツ何者なの?」
「動きが違う⁉︎シンじゃない、誰?」
「ステラ、今はそこ気にする場合じゃ」
「この!」
ビームソードガンの二刀流で切りかかるリバースを最小限の動きで躱わすライズサンシャイン。その勢いのままガラティーンを横に振るがビームシールドで受け止められる。
「懐かしいわね、アンタが大剣振り回すのは」
「エリス、アンタまだ世界を恨んでるの?」
「そんな事はどうでも良いわ。今はアンタ達の相手をするだけよ!」
脚部のビームブレイドで切りかかるリバース。ライズサンシャインはガラティーンを背負いながらビームライフルを取り出して撃つがビームソードガンで切り払われながら接近される。近づいてくるリバースに左手でビームサーベルの逆手居合切りをするが紙一重で躱される。
「嘘⁉︎これ避けるの⁉︎」
「一度食らったものを、もう一度食らうと思ってるの?それとも舐めてるつもり?」
「何?」
「アンタの動き、今までよりずっと硬いわよ。手を抜いてるつもりかしら?」
「そ、そんなこと無いわよ!」
言い返すセナだったが図星なのはエリスにバレていた。敵対してたとはいえアスランやメイリンの仲間である事、ステラの恋を応援すると約束した為になるべくコクピットは避ける様に努めていた。だがコクピットを避けて攻撃する事が苦手なセナにとってはかなり気を使う戦い方であり、動きがぎこちなくなっている事はエリスにはバレていた。
「まぁ良い、ここでアンタを抑えてやるわ!」
(エリス相手に手加減してたらやられる・・・あの2機も侮れない。けど、どうしたら)
リバースのビームソードガンの射撃を持ち替えたビームサーベルで切り払うライズサンシャインだが攻めに転じる事が出来ずにいた。そんなライズサンシャインに追い打ちをかけようとデスティニーインパルスが突撃するがドラグーンに囲まれ阻まれる。
「ああもう!しつこいんだけど!」
「お前に最高速出されたらこっちは対処出来ないがな、足止めくらいは出来るんだぜ」
「だったら!」
ドラグーンのビームをビームシールドで防ぎながら強引に突破したデスティニーインパルスはアカツキにエクスカリバーを振り下ろすがアカツキは後退しながらビームライフルで反撃する。デスティニーインパルスは相手の射撃を躱しつつ延伸式ビーム砲塔を撃とうとするが反射する性質を知っているので撃てず、一方的に撃たれるだけだった。
「くっ、やりづらい・・・」
「マユ!えぇい!」
苦戦しているデスティニーインパルスを庇う様にリバースが前に立つと、ドラグーンのビームをビームソードガンの二丁拳銃で相殺する。その隙をライズサンシャインが肩レールガンを撃ちリバースとデスティニーインパルスの動きを止める。
「グゥ⁉︎忘れてたわ、ソレの事」
「うわっ⁉︎」
「今なら」
「やらせない!」
ビームサーベルを振りかぶるライズサンシャインをインパルスがシールドで受け止める。そのまま弾き飛ばし、ビームサーベルで切りかかろうとするがライズサンシャインにビームサーベルを持った手を蹴り上げられ落としてしまう。そのまま態勢を崩したインパルスにライズサンシャインはビームサーベルを胸部に突き刺す。
「なっ⁉︎」
「ルナ‼︎?」
「・・・あっ」
セナが気づいた時には既にインパルスは爆発寸前の状態になっていた。無意識のうちに敵を討つ行動をとってしまったセナは僅かに放心してしまう。だがインパルスはまだ終わってはいなかった。
「この、ただで終わらないわよ!」
ライズサンシャインの肩を掴んだインパルスはそのまま飛び立ち、近くを漂っていた隕石に叩きつけて押さえつける
「グゥ⁉︎放せ!」
ライズサンシャインは肩レールガンを出して追い払おうとするがインパルスはフォールディングレイザーを突きつける。肩レールガンは表面に傷がつくがインパルスは顔を吹き飛ばされる。その直後にインパルスが爆発しライズサンシャインは巻き込まれてしまう。
「ルナァァァァ‼︎」
「マジかよ・・・大丈夫かセナ!」
互いに仲間の安否を心配していると、インパルスの爆発で生じた煙を突き破る様にコアスプレンダーが飛び出してくる
「危なっ・・・もう二度と自爆特攻はしたくないわね」
「良かった・・・驚かせないでよ!」
「全く心配かけるじゃない・・・貴女は戻って換装し直しなさい」
「了解」
コアスプレンダーがミネルバに引き返していると煙が晴れだす。そこにはビームシールドを張って耐えたライズサンシャインが漂っていたインパルスの残骸を手で払いのけていた。
「ああムカつく!あの機体嫌い!」
飛び立つコアスプレンダーを睨みつける様に見るライズサンシャインにアカツキとガイアが駆け寄り安否を確認する
「大丈夫セナ?なんか爆発してたけど」
「なんとかね。ってか何度もバラバラにしても向かってきやがって!腹たってくるわね!」
「よし、大丈夫そうだな。このまま行くぞ」
「うん・・・待って、あれ」
ガイアが指差した先では、ミネルバがタンホイザーの発射態勢に入りアークエンジェルを狙っていた。アークエンジェルの後ろにエターナルがいるせいで回避も出来ず絶対絶命の状況だった。
「ミネルバ、陽電子砲発射態勢」
「しまった!」
「おいマズイぞ!この距離じゃあミネルバを撃っても間に合わない!」
「私が行く!サンシャインなら受け止められるから!」
「させないわ!」
アークエンジェルに向けてリバースがチェインブラスターを構えチャージを始める。射線の先にはエターナルが居るので無視する事も出来なかった。
「アレはヘブンズベースの時に撃ってた・・・ロアノーク大佐!あっちお願いします!」
「はっ⁉︎いや、やるしかないか!」
「ステラは下がって。巻き込まれるかもだから」
「分かった、気をつけて」
(アレの出力は分かんないけど、地上で撃てるくらいだからそこまで出力は上がらない筈。今はそこまで予備バッテリーが貯まってないけど抑えるくらいなら)
アカツキがアークエンジェルの元に向かっていく。それを見送ったライズサンシャインはガイアが離れたのを確認してからプロミネンスカノンの発射態勢に入りリバースに狙いをつける。
「そう来たか・・・マユ、離れてなさい。危ないから」
「分かったけど、勝てるの?」
「さぁね?けどなんとかするわ」
「うん」
(理論上なら出力200%くらいなら拮抗出来る筈。それ以上出されたら・・・)
「出力3倍!240%!行けぇ‼︎」
「一か八かね、やってやる‼︎」
プロミネンスカノンとチェインブラスターが同時に発射される。その後ろではミネルバのタンホイザーをアカツキがシールドで受け止めていた。
「アークエンジェルはやらせん!」
「あの金ピカ、タンホイザーも反射出来るなんて・・・でも、こっちが押し勝てば」
「ほぼ互角、いや、押し負けてるわね・・・嘘でしょ」
プロミネンスカノンとチェインブラスターの押し合いはチェインブラスターの方が優勢だった。徐々に押し返されている感覚ともにライズサンシャイン自身も後ろに押され出していた。
(このままじゃアークエンジェルどころかエターナルや周りの味方まで・・・けどこれ以上無理矢理出力上げたら負荷でプロミネンスカノンがぶっ壊れるかも)
「・・・キラ達を信じるわ。出力4倍!」
無理矢理出力を上げたプロミネンスカノンによってシールドと合体したバックパックにスパークが生じ始める。だがチェインブラスターよりも出力を上回り、押し返し始める。
「何⁉︎押されてる?まさか無理矢理出力を」
「これで、なんとかなれ‼︎」
「クソッ、こうなったら!」
咄嗟にチェインブレードに切り替えたリバースがプロミネンスカノンを真っ二つにして直撃を免れる。だが無茶をした結果ビームソードガンにスパークが発生し、これ以上の負荷をかけると崩壊しそうになっていた。
「切られた・・・ソードの状態でも出来るって事?ズルじゃん」
「死ぬかと思った・・・撃ちながら出力上げれるなんて・・・せこすぎでしょ」
互いに悪態を突くセナとエリス。その後ろでは反射されたタンホイザーが爆発を起こし、辺りが光に包まれていた。
「くっ⁉︎アークエンジェル、そちらは無事ですか?」
「えぇなんとか。それよりもムウが」
「大丈夫だ。俺はどこにも行かない」
「「「えっ?」」」
「この感じ・・・もしかして」
アカツキがビームライフルでタンホイザー発射口を撃ち抜く。ミネルバが反撃に砲撃をするがドラグーンでシールドを貼り、アークエンジェルを守る。
「終わらせて帰ろう、マリュー」
「ムウ・・・」
「記憶が・・・まさか今ので、頭を打って」
「そうじゃねーよ!ったく相変わらずだな、セナ」
「こっちのセリフですよ・・・フラガ少佐、お帰りなさい」
アカツキがタンホイザーを防いだ時、ドミニオンのローエングリンを防いだ時の状況がフラッシュバックし、それと同時に今までの記憶が甦った。まさしくムウが帰ってきた瞬間にアークエンジェル内で歓喜の声が上がる。ただ、一人だけ事態を飲み込めていないステラを除いて。
「えっと・・・ネオ?ネオだよね?」
「ステラ、今記憶が戻ってな。俺の名前はムウ・ラ・フラガだ。よろしくな」
「むぅ?ムぅ、ムム・・・ネオ」
「まぁ、急に呼び方は変えられないか。好きに呼んでくれ」
ムウの記憶が戻った頃、ストライクフリーダム達はザフト軍の防衛に苦戦して第一中継ステーションに中々近づけないでいた
「2機だけじゃあ厳しいか」
「でもやるしかない」
「貴様!こんなとこで何をやってる!」
「えっ?」
突如通信が入り困惑するアスラン。そこには怒り気味のイザークと呆れ気味のディアッカがモニターに映っていた。
「イザーク⁉︎ディアッカ⁉︎」
「何って、アレを撃ち落とそうとしてるんだろ。今はさっさとアレ壊そうぜ」
「ディアッカ貴様!」
「話してる時間もない。協力してくれ」
「俺に命令するな!」
「分かったよ」
「キラ、行くぞ」
「うん」
白グフイグナイテッドと黒ザクウォーリアがストライクフリーダム達の援護を始めると瞬く間に第一中継ステーションの内部に入り込むことが出来た。そのままミーティアの大型ビームサーベルで内部から破壊する。
「よし、第一中継ステーションは壊れたわね。このまま行こう」
「それは良いが、大丈夫なのかそれ?」
ムウが指摘している通り、ライズサンシャインのシールドビーム砲とバックパックからスパークが出ていた。モニターにはエラー表示がされており、プロミネンスカノンは使用不可になっていた。
「通常の使い方ならまだなんとか。このまま行きます」
「こっちは時間が経つ程不利になっちまうからな、しょうがないか」
ライズサンシャイン達はアークエンジェル、エターナルと共にオーブ艦隊と合流しに向かう。別方向からストライクフリーダム達も合流しようと向かっていた。その途中、オーブ艦隊に向けてジェネシスと同じエネルギー砲が撃たれて、艦隊に少なくない被害が出る。
「「「なっ⁉︎」」」
「今のって、ジェネシス⁉︎」
「なんでそんなものが・・・アレか!」
「前方に要塞と思わしきものが、動いています!」
「何よアレ・・・っ⁉︎」
咄嗟にライズサンシャインが上半身を逸らし、前方から飛んできたビームを紙一重で躱わす。そのままシールドビーム砲で反撃するとビームシールドで防がれていた。
「セナ!」
「大丈夫か⁉︎」
「えぇなんとか・・・それよりも、やっと見つけたわ」
ライズサンシャインが体勢を直して前方を睨みつける。するとそこにはたった今ネオジェネシスを放った移動型要塞のメサイアと、それを守護するかの様に立ち塞がるデスティニーとレジェンドの姿だった。
「行くぞシン。これで最後だ」
「ああ・・・ここで全部終わらせる。オレ達で、終わらせるんだ」
光の翼を展開し、ライズサンシャインの方に向かうデスティニー。太陽と運命、お互いの思いと信念をかけ、最後の戦いが始まろうとしていた。
ここからあと2、3話かけて最後の戦いを描いた後に後日談を描いてDESTINY編は完結させる予定です。が、今から描く内容次第では伸び縮みする可能性があるので気にせずお待ちください。