ガンダムSEED 太陽の少女   作:黄金鷹

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ここまで来るのに時間がかかり過ぎた気がします。かなりこだわった部分でしたので何度も修正を重ねた結果この形になりました。もっと良い表現があるのではと思う部分はありますがこれが描きたい形でしたのでどうかお楽しみください。


第四十九話 運命の決着

「食らえ!」

 

レジェンドがドラグーンでストライクフリーダムを囲み撃つ。ストライクフリーダムは躱しつつビームライフルでレジェンドを狙うがビームシールドで防がれる。

 

「貴様は罪人だ。ならその報いを受けるが良い!」

「確かに、君が僕を恨むのは間違いじゃない。でも、それでもここでやられる理由にはならない!」

 

キラがSEEDを発動する

ストライクフリーダムがドラグーンを射出しレジェンドのドラグーンを狙い撃つ。その間にストライクフリーダムはビームサーベルを連結させてレジェンドに切りかかるがビームシールドで受け止められる。

 

「貴様は恵まれた環境に甘えてその才能を伸ばそうとしなかった。それがラウに負けた敗因だ!」

「それは、以前の話だ!」

 

レジェンドがビームジャベリンを取り出し切りかかる。だが連結したビームサーベルをバラしたストライクフリーダムは逆手でビームジャベリンの柄を切り落とす。

 

「何⁉︎だが」

「僕は、僕達は、平和の為に戦う事を辞めない!今までとは違うんだ!」

 

レジェンドがビームライフルを至近距離で撃つが上に回避してレールガンでレジェンドを怯ませる。その間に周囲を飛んでいたレジェンドのドラグーンをビームライフルで二つ撃ち落とす。

 

「馬鹿な⁉︎貴様にこれ程の腕前は」

「君と彼は違う人間だ!産まれは一緒でも違う人生を歩んだ別人だろ!」

「っ‼︎?」

 

キラの言葉にレイは動揺してレジェンドの動きが止まる。その隙をストライクフリーダムはハイマットフルバーストでレジェンドのドラグーンと両手両足を撃ち抜き無力化する。

 

「グワァ⁉︎俺が負けた・・・何故だ?」

「・・・君の怒りより僕の想いが強かっただけだよ」

「貴様!」

「けど前回僕があの人に負けたのは、あの人の強さと想いが僕より上だった。でも今やったらどっちが勝つかは分からない。だから君が弱いわけじゃない」

「・・・トドメを刺さないのか?逃したら何をするか分からんぞ」

「・・・僕は君を殺したくない。人を殺さないとあの時に誓ったから。君も、君自身の想いのままにすれば良いよ」

 

ストライクフリーダムはレジェンドの横を通り抜けエターナルの元へ向かう。レジェンドは立ち去るストライクフリーダムの方を見るとメサイアが攻撃を受けているのが遠くからでも見えた。

 

「俺は、どうしたら・・・ギル」

 

レジェンドはボロボロの状態でメサイアに向かっていく。レイの頭にあるのはギルへの忠誠心、そして友と仲間を思いやる心だけだった。

 

「・・・ユ・・・て。・・・起きて」

(・・・ルナの声?私、もしかして死ん)

「・・・ユ起きて。起きてよマユ」

「えっ?」

 

声をかけられたマユが目を開ける。するとルナマリアの姿が見える。マユは驚きながらも自分が膝枕してもらっている事と目の前のルナマリアが生きている事を瞬時に察した。

 

「ルナ・・・生きてたの?だってさっき、通信出なかったのに」

「通信?ああごめんね、アンタの突撃にぶつかったせいでインパルスの内部システムが壊れてたのよ。お陰でコクピットから出るのも苦労したわよ」

「・・・そっか。ごめんルナ、私のせいでルナを・・・だからルナは行きなよ。ここよりもあっちの方が見つけてもらえるでしょ」

 

ルナマリアとマユが居るのは岩壁に囲まれており上からでは見つけづらいところだった。すぐ横で倒れているデスティニーインパルスは損傷が酷く動かす事は出来ない状態だった。なのでこの場から離れて見渡しの良い場所に行けば救助される確率は高くなる筈だった。だがルナマリアは首を横に振る。

 

「アンタを置いて行くわけに行かないでしょ。もう少し休んで動ける様になったら二人で行きましょ」

「・・・なんで?なんで怒らないの?私、ルナのこと、殺そうと」

「アレは事故でしょ。しかも私が間に入ったんだからアンタが悪くないわよ」

「それだけじゃない。前にルナに酷いこと言ったし、首も絞めちゃったし」

「シンの事でいっぱいいっぱいだったんでしょ。あのくらいで私は怒らないわよ。それ以上に助けられているんだし、それに私達、友達でしょ?」

「ルナ・・・うぅ」

 

マユの目から涙が溢れ出す。今日まで抱えていた不安や罪悪感で精神的に参っていたものを洗い流す様にマユは涙を流し続ける。ルナマリアは泣き続けるマユの頭を優しく撫でながら慰めていると、二人の近くにリバースが降りてくる。

 

「あっ、エリス!ここです」

「えぐっ・・・エリスお姉ちゃん」

「ルナマリア⁉︎良かった無事なのね。マユの方は?」

「マユは墜落した時に全身打ちつけた様で、少し休ませないと動けなさそうです」

「そう・・・救難用の信号弾は出して上げるからここで待ってなさい。アイツらは戦えないやつを追い詰める真似はしないわ」

「エリスお姉ちゃん?」

「私はミネルバを守りに行く。私にとってミネルバのメンバーは大切だから・・・どうなってでも」

 

リバースは救難信号を上げるとすぐさま月面から飛び立ちミネルバの元に急いでいく。その背中をルナマリアとマユは見守る事しかできなかった。

 

(レクイエムまで奴らは目前。レジェンドもやられた以上メサイアも守りきれない。ザフトは負ける。ならせめて、少しでも多く)

 

リバースが全速力で戦場に戻る。するとアークエンジェルの砲撃を受け動きを止めてしまうミネルバの姿が見えた。

 

「やらせるか!」

 

次々にミネルバに降り注ぐミサイルの雨をリバースはビームシールドで受け止める。だがビームシールドの展開を維持する事ができず、リバースは被弾し背部ビーム砲と左足が破壊され、リバースは身体中からスパークが流れ始めていた。

 

「リバース大破!今にも爆発しそうです!」

「エリス貴女⁉︎」

「グッ・・・どうせ負けるなら、死んででも仲間を守ってやる‼︎」

 

リバースがビームソードガンを合体させチェインブラスターの発射態勢になりながらアークエンジェルに突撃して行く。アークエンジェルの護衛をしていたムラサメ達の空対空ミサイルやビームライフルでの迎撃を難なく躱しながらリバースは特攻を仕掛けていた。

 

「リバースに超高エネルギー反応あり!誘爆寸前です!」

「何ですって⁉︎」

「まさか、自爆⁉︎」

 

プロミネンスカノンを相殺する為に無理をした結果壊れかけた状態のせいでビームソードガンは誘爆寸前だった。そして先程の被弾でリバースも誘爆寸前だった。エリスはそれを分かった上で突撃して自分事アークエンジェルを道連れにするつもりだった。

 

「エリスよせ!そんな事して何になる!」

「アンタに言われたくないわよアスラン!死にたくないのなら離れてなさい‼︎また目の前で守れずに死なせるくらいなら、死んでも守ってやる‼︎」

「馬鹿野郎が‼︎そんなとこだけあの野郎に似やがって‼︎」

 

リバースの両手をアカツキのドラグーンが撃ち抜きチェインブラスターを手放させる。アカツキは連結したビームサーベルを取り出してリバースのバックパックを切り外し誘爆しない様にする。

 

「ったくどいつもこいつも若い癖に生き急ぎやがって」

「お前・・・ムウ・ラ・フラガ?何故?」

「大丈夫か?大丈夫だな。良いかそこで大人しくしてろ。アイツの事は個人的に嫌いだが、お前にこんな形で死なれてもなんか気分が良くないんだよ。だからもう、あんな馬鹿な真似はやめろよ」

「・・・なんだよそれ。なんでアンタなんかに・・・」

「悪いステラ。この機体をそこに下ろしてやってくれ。戦闘に巻き込まれたらマズイからな」

「分かった。気をつけて」

 

リバースが機能停止しフェイズシフトダウンする。アカツキは動かなくなったリバースをガイアに預けてアークエンジェルの護衛に戻る。

 

「グラディス艦長、エリス、ミネルバのみんな・・・すまない」

 

インフィニットジャスティスがファトゥムを突撃させてミネルバのメインエンジンを破壊しミネルバは月面に不時着する。そのまま発射態勢に入っているレクイエムへ突撃し砲門の上のバリアをインフィニットジャスティスはビームシールドで、アカツキはそのまま突破する。

 

「やらせるかよ!」

「これで!」

 

インフィニットジャスティスはファトゥムを突撃させ、アカツキはドラグーンのビームでレクイエムの砲門を撃ち抜き誘爆させる。大爆発が起こる中を2機は脱出すると、メサイアの回りも爆発を起こし始めていた。ミーティアを装備したストライクフリーダムのフルバーストとエターナルの一斉砲撃でメサイアは戦闘不能になりネオジェネシスも撃てなくなっていた。

 

「あっちもやったみたいだな」

「なんとかなったか・・・」

 

オーブ軍全体に戦闘の終結と勝利を確信していた。ザフト軍には敗北と共にこれ以上戦わなくて良いという空気に飲まれ戦闘を停止するものがで始める。その様子を月面からマユとルナマリアは見上げていた。

 

「レクイエムが・・・メサイアまで」

「ザフトの負けね・・・でもやっと戦わずに済むわね私達」

「うん・・・これでやっと」

 

ルナマリアとマユは敗北を感じていながらもどこか安心していた。もう戦争で仲間を失う事も親しいものと敵対する事もない、苦しむ事が無いことに安堵していた。

 

「ねぇルナ。後でまた謝らせて。それでまた友達になれたらお兄ちゃんの事、これからの事、色々話したい」

「そうね。メイリンとまた会いたいし、アスランとも話さないといけない事あるわよね」

「それは嫌」

 

二人の間には険悪な雰囲気は無かった。元の関係に戻れた二人に和やかな時間が流れる中、突如二人の頭上に影がかかる。

 

「なっ⁉︎マユ危ない!」

「へっ?わっ⁉︎」

 

上から何かが降ってくるのに気づいたルナマリアがマユを抱えて横に跳んで間一髪で避ける

 

「ふぅ、大丈夫マユ?」

「痛た・・・急に何が」

 

二人が振り返ると、そこにあったのはデスティニーのシールドだった。驚きながらも頭上を見上げると真上で未だ激しくぶつかり合うライズサンシャインとデスティニーの姿があった。

 

「シン⁉︎なんでまだ、戦って・・・」

「お兄ちゃん・・・」

 

デスティニーはビームブーメランをサーベル代わりに振り下ろす。ライズサンシャインはその一撃をビームシールドで受け止める。

 

「アンタ何考えてるのよ‼︎これ以上戦う理由は無いでしょ‼︎」

「シールドを弾き飛ばしたくらいで勝ったと思うな‼︎今更オレは止まれないんだよ‼︎」

 

デスティニーが強引にビームシールドを弾くとライズサンシャインの腹部に蹴りを入れる。態勢を崩したところに中距離からパルマフィオキナーを撃つが体を仰け反らして回避される。

 

「アンタ周りが見えてないの⁉︎レクイエムは破壊した!ジェネシスも壊してあの基地も崩壊寸前!そっちに大量破壊兵器が無い以上勝ち目は無いでしょ。もう戦っても意味が」

「まだ終わりじゃない‼︎まだデスティニーは残ってる‼︎」

「モビルスーツ一機で何が出来るってのよ‼︎」

「オレのデスティニーとレクイエムに違いなんてあると思うのか?オレも同じだよ。ただの殺戮兵器だ‼︎」

 

デスティニーが光の翼を展開しながら突撃してライズサンシャインの周りを飛んで撹乱しながらパルマフィオキナーで狙い撃つ。ライズサンシャインはデスティニーの動きに惑わされず全て回避しビームサーベルを取り出して切りかかるがビームシールドで防がれる。

 

「本気で言ってる?まだ続けるのなら、こっちだってやるしか無くなるわよ」

「やってみろよ、オレは死ぬまで止まらない。戦争を終わらせる為に、世界を平和にする為なら・・・一人になろうとも、この身が滅びるまで戦い続けてやる」

「ああそう!ならどうなっても恨まないでよね‼︎」

 

ライズサンシャインが肩レールガンを撃つ。すると直撃したデスティニーは怯むが同時に肩レールガンが誘爆しライズサンシャインは月面に落下し始める。

 

「ぐぅ⁉︎なんで急に爆発を?」

「ウワッ⁉︎なんで急に・・・まさかあの時のインパルスに?」

 

インパルスに自爆特攻をされた時に、肩レールガンにフォールディングレイザーで傷をつけられていた。その状態で爆発に巻き込まれたせいで故障を起こしており、その状態で使用した事で誘爆を起こしてしまった。

 

「ちぃ、やっぱあの機体嫌い!次戦闘であったら容赦してやんない!」

「そんな時は来ねぇよ‼︎」

 

落下中のライズサンシャインにデスティニーが追い討ちの蹴りを入れる。光の翼を展開した最大速度で助走をつけた蹴りはかなりの威力を誇り、ライズサンシャインは勢いよく岩壁に叩きつけられる。だが勢いがつき過ぎたデスティニーも着地の時に勢いを抑えきれず月面をゴロゴロと転げて全身を打ちつけていた。

 

「ぐっ、うぅ・・・痛っ⁉︎もう殺さない様にするのは無理ね・・・やらなきゃ、やられる」

「ゴホッ⁉︎ハァ、ハァ・・・まだ、だ」

 

岩壁に叩きつけられた衝撃がコクピットにも伝わり、セナは頭の傷が開き出血していた。一方のシンはデスティニーの最大稼働のGで体内にダメージを受けており、口から血反吐を吐いていた。だが両者共に戦意を失っておらずすぐに態勢を立て直していた。

 

「ごめんステラ・・・アイツを放っておいたら、みんなが危ないから」

「オレは約束、したんだ・・・レイに、平和な世界を守れって・・・自分の代わりに。ならオレも命掛けで、戦う事しかできないんだよ」

 

ライズサンシャインはビームサーベルを両手に持ち二刀流になる。同じくデスティニーも両手にビームブーメランを持ち二刀流の状態で相対する。

 

「私に出来る事なんて、敵を倒す事くらいだから・・・それ以外に私がいる意味なんて無い。だから、これで最後よ‼︎」

「ようやく世界が変わるんだ・・・これで今度こそ、平和になるんだ。それを邪魔する奴を消すのが、オレが今日まで生きていた意味だ。それすら守れないのならオレに、生きてる資格なんて無い‼︎」

 

デスティニーがビームブーメランを一つ投げつける。ライズサンシャインはビームサーベルで真っ二つにする。だが左手のビームブーメランで切りかかられてライズサンシャインの左腕を切り落とす。その直後にライズサンシャインはビームサーベルの斬りあげでデスティニーの手に持っているビームブーメランを破壊する。

 

「なっ⁉︎コノォ‼︎」

「そこ‼︎」

 

ライズサンシャインは右手のビームサーベルでデスティニーの右足を切り落とす。同時にデスティニーは切り落とされたライズサンシャインの左手のビームサーベルを奪い取りライズサンシャインの腹部に傷をつける。両者共に一歩も引かない死闘は誰も寄せ付けずどちらかが倒されるまで止まる気配は無かった。

 

崩壊を始めるメサイア内部にキラは潜入していた。内部でただ一人座ったまま残っていたデュランダルはやってきたキラを歓迎するかの様に立ち上がる。

 

「まさか君がここへ来るとは思っていなかったよ、キラ・ヤマト君」

「セナかアスランが来ると思いましたか?僕だって」

 

キラはデュランダルに拳銃を向ける。キラはこの戦いに決着をつける為、デュランダルを止める為に単身で乗り込んできたのだ。そんなキラにデュランダルは動じる事なく拳銃を構える。

 

「本当にそれで良いのかな?せっかくここまで来たんだ。ようやく争いの無い世界になるというのに。君達もそれを望んで今日まで戦ってきたのでは無いのかな?」

「貴方の言う平和には救われない人が多く出てきます。従うだけの世界に未来なんてありませんよ」

「かもしれないね。だが今よりはマシだよ。このまま血を流し続ける争いの絶えない世界よりはね」

「確かに今のままだったらそうなるかもしれません。でも僕達はそうならない道を選ぶ事だってできます。だがデスティニープランはその可能性すら潰えてしまいます」

「そんな希望だけで世界は変わらんよ。そしてまた繰り返す。何度も、同じ過ちを。君達にだって止めることはできなかった。だからこうなっている」

 

互いの意見は交わらず和解の道は無かった。だが互いに拳銃の扱いは上手くはない二人は一発で相手に当てられないので簡単に引き金を引く事は出来なかった。故にチャンスを伺っている現状では何も起こらず膠着が続いていた。だがその均衡は後ろからやってきたレイにやって崩れようとしていた。

 

(ギル・・・キラ・ヤマト・・・)

(レイが来てくれたか。ならまだ終わりじゃない。柄ではないが最後まで足掻いてみせるさ)

「貴方の言う事も間違いじゃない。僕達は一度止めた、でも穏やかな日々に満足してそれらが長く続くものじゃないと、簡単に終わる事にまた気づけなかった。だから繰り返させない。僕達は諦めない」

「傲慢だね。流石スーパーコーディネイターの成功作だよ。君達の理想とやらでどれだけ犠牲が増えると思っているのかな?」

「傲慢なのは貴方だ。僕はただの人間だ。どこもみんなと変わらない。一人の人間だ」

「君がただの人間?謙虚なのは良いが過ぎれば相手への侮辱になるのだよ。あぁそうか。済まないね。君にも超えられない壁があるのだったね。人の手では到達出来ない才能の壁に」

「何を?」

 

デュランダルの煽りを受け僅かに目つきを鋭くするキラ。デュランダルはその睨みを受けても余裕を崩さずまだ生きているモニターを空いている手で指し示す。そこにはライズサンシャインとデスティニーがボロボロになりながらも戦い続けている映像が映されていた。それを見て一番驚いていたのはレイだった。

 

「シン⁉︎まだお前は戦って・・・」

「君に彼は、シン・アスカは倒せない。無論彼女にも。君達に世を正す力は無いのだから。私を撃っても同じさ。君達の掲げる未来とやらを皆は望んでくれるのかな?」

「・・・覚悟はある。僕は戦う。力があるとか、才能があるとかそんなんじゃなく、僕は守りたい人達の為に戦い続けるだけだ」

「そうか・・・どうやら言葉はもう必要無いらしいな」

 

デュランダルは拳銃の引き金に指をかける。キラも同じ様にデュランダルに狙いを定める。その直後やってきたアスランやタリアも拳銃を構える中、銃声が鳴り響く。

 

「キラ!なっ⁉︎」

「な・・・なんで?」

 

キラの後ろから放たれた銃声はレイからだった。だがその銃弾はキラでは無くデュランダルに当たり、デュランダルはその場に倒れ込む。

 

「レイ⁉︎どうして君が」

 

アスランがレイの方を振り向き拳銃を向けるがレイはそれを無視してデュランダルの元に歩いていく。その動きから敵意が無いと判断したアスランはキラの元に駆け寄る。

 

「レイ・・・君が撃ったのかい?」

「うぅ・・・ギル。ごめん、なさい・・・でも、彼の・・・アイツの、親友の笑っている明日が、見えなくて・・・ごめん・・・なさい」

「そうか・・・なら、仕方無い、か・・・」

 

その場で泣き崩れるレイをデュランダルは咎めはしなかった。親友を思う気持ちはデュランダルにも分かる。だからこうなったのも必然だったと受け入れた様に目を閉じた。

 

「議長・・・」

「貴方達は行きなさい。この人は私が」

 

アスランはデュランダルに声をかけようとするがタリアに止められる。タリアはデュランダルの元に座り込み優しく抱きしめるとキラとアスランを帰らせようとする。

 

「グラディス艦長、もう崩壊します。今ならまだ」

「良いのよ。私はこの人といるわ。せめてそれくらいは・・・速くしないと貴方達も巻き込まれるわよ」

「・・・分かりました。行こうアスラン」

 

崩壊寸前のメサイアからキラ達は脱出を測る。残されたタリア達は最後に寄り添いながら残された時間を噛み締めていた。

 

「すまないねタリア・・・わざわざこんなところにまで・・・」

「ふふ、良いのよ・・・こちらこそごめんなさいね。多分、私のせいで」

「そうじゃないさ、ただ私は・・・」

「相変わらず、負けず嫌いなんだから・・・ほらレイ。貴方も」

「・・・はい」

 

崩壊するメサイアは崩れ落ち、月面に落下する。それをオーブ軍もザフト軍も遠巻きに眺めていた。既に勝敗は決しており両者の戦闘は停止していた。月面で決闘している2機を除いて。

 

「オオオオオオオオオオ‼︎」

「ハアアアアアアアアア‼︎」

 

デスティニーが左手のビームサーベルで切り掛かるがライズサンシャインはデスティニーの左手を蹴り上げて手放させる。その直後に右手のパルマフィオキナーで右足を破壊するがビームサーベルで左腕を切り落とされる。

 

「グッ⁉︎」

「しまっ⁉︎」

 

破壊された手足が爆発し両者共に後ろに飛ばされデスティニーは月面を転がりライズサンシャインは岩壁に激突する。両者の体からスパークが流れており、セナとシンも体力的にもうすぐ限界だった。

 

「クソ・・・まだ動けよ、動いてくれ・・・」

「もう良いのよシン!」

「それ以上は止めてお兄ちゃん!」

 

まだ体を起こそうとするデスティニーにルナマリアとマユが声をかける。二人の声を聞いたシンが辺りを見渡すと既に停戦信号が上がっており、もう戦闘が終わっておりザフトが敗北した事に気づいた。

 

「もう、戦いは終わったのよ!だから良いのシン。それ以上戦わないで良いの」

「お兄ちゃん速くデスティニーから出て!いつ壊れてもおかしくないの!だから速く脱出を」

「マユ、ルナ・・・レイは?エリスとミネルバは」

 

シンはデスティニーのレーダーで探してみるがリバースとミネルバは大破しているので反応は無く、レジェンドはメサイア内で反応があったものの内部崩壊に巻き込まれすぐに消えてしまった。

 

「レイ・・・みんな・・・また守れなかった・・・オレは・・・結局」

 

自身の力不足を嘆きコクピット内で打ちひしがられていた。悔し涙を意地で堪えながらも完全に意気消沈したシンは岩壁に叩きつけられたまま止まっているライズサンシャインを見つめていた。その目にはもう戦意は無かった。

 

(共に戦った仲間の事すら、オレは守る事ができなかった・・・結局オレじゃあ、守るなんて出来なかった。アンタの事をとやかく言える立場じゃ無いんだな)

 

シンの中にあるサンシャインと太陽の少女に対する負の感情は抜けていた。ある意味自分も似た立場になった事で抱え込み過ぎていたシンは疲労感で倒れそうだった。

 

(アンタも守れなくて、同じ様な気持ちになったのか?だろうな。オレも、もう疲れ・・・はっ⁉︎)

 

シンが見ている先でライズサンシャインが体を起こし始める。先程とは違う緩やかな動きはオーバーフロー寸前である事を意味していながら、それでも少しも劣らないその迫力にシンは内心で気圧されていた。

 

「んだよそれ・・・なんでまだ、動け・・・」

「ハァ、ハァ、ハァ・・・アイツ、頼むから動かないでよね・・・ん?」

 

ライズサンシャインはビームサーベルを構えながらデスティニーを睨んでいた。だが少し離れたところにいるルナマリアとマユを見つけそちらに視線を変える。その場に居た二人が気になっていただけでセナに害意は無かった。だが側から見ると次の獲物を見つけた獣の様な振り向き方に二人は慄いていた。それを見たシンの目にサンシャインによって大破したデスティニーインパルスや撃墜されたデストロイの姿がフラッシュバックする。

 

「嘘でしょ⁉︎まだ動けるの・・・」

「や、やる気なの⁉︎アンタ血も涙もないの?」

「赤服?あんな子供まで・・・なんでこんなとこに」

「ヤメロオオオオオオオオオオオオオ‼︎!」

 

地面に右手を叩きつけパルマフィオキナーを発射するデスティニー。地面を撃ち抜いた爆風に乗って体を無理矢理起こしたデスティニーは光の翼を最大稼働し、ライズサンシャインに突撃する。

 

「お兄ちゃん⁉︎まだ動いて」

「シン⁉︎ダメ‼︎それ以上は!」

「なっ⁉︎なんでまだ・・・もう、いい加減に‼︎」

「アアアアアアアアアアアアアアアアア‼︎!」

 

過度のストレスによってシンのメンタルは崩壊寸前であり、錯乱したシンにはマユ達の言葉は届かなかった。ライズサンシャインも真っ直ぐ突っ込んでくるデスティニーに対してビームサーベルを振りかぶって突撃し迎撃態勢を取っていた。

 

(やばい、なんか頭フラフラする。けど、あんなの放っておいたらどれだけ人が死ぬか分からない。だったら、たとえ私の命に変えても、止めてやる)

「ハアアアアアアアアアアア‼︎」

 

真っ直ぐ突撃する両者。先にデスティニーがパルマフィオキナーでライズサンシャインを狙い撃つ。咄嗟にしゃがみ込み回避しようとするも避けきれず頭部を破壊され背中から倒れ込む。だが振り上げたビームサーベルでデスティニーの右手を切り落とし誘爆に巻き込まれた両者は共に吹っ飛ばされ月面を転がり回る。

 

「グワァァァァァ⁉︎」

「アアァァァァァ⁉︎」

 

遂に限界が来たライズサンシャインはうつ伏せの状態でフェイズシフトダウンを起こす。一方のデスティニーは攻撃する手段は失いつつも上体を起こしライズサンシャインの方を睨みつけていた。

 

「グッ・・・アイツ、何故コクピットを・・・オレを避けて」

 

シンは倒れ込んだ勢いで頭を打ってしまい血を流していたが、そのお陰で冷静になる事が出来た。故に最後の攻撃で仕留められなかったデスティニーは無防備な状態でセナの腕前なら簡単に倒せていたと自覚していた。だからこそ何故殺さなかったのかシンには分からなかった。

 

「セナ!大丈夫セナ?」

 

上からストライクフリーダムが勢いよく降りてくる。減速しないで降りたせいでほぼ不時着の様な形で転がりながらもライズサンシャインの目の前で止まり動かなくなった体を抱き抱える。

 

「セナ、セナ!」

「聞こえ・・・てる、から・・・大丈、夫」

「はぁ・・・相変わらず無茶して・・・」

 

ストライクフリーダムが奥で倒れているデスティニーを睨みつける。がデスティニーは既に両手も全ての武装も失っており、既に抵抗する術も意思も無い事を確認すると警戒を解いた。

 

「エターナル、聞こえますか?セナを連れて帰還します」

「分かった。すぐに戻ってこい」

 

ライズサンシャインを抱えストライクフリーダムは月面を飛び立つ。それを見送ったデスティニーは力尽きたかの様に倒れ込みフェイズシフトダウンを起こす。

 

「シン!ねぇシン!大丈夫なの?」

「お兄ちゃん!開けるよ!」

 

マユとルナマリアがデスティニーの元に駆け寄りコクピットを開ける。中では意識が朦朧としているシンがシートに倒れ込む様に座っていた。

 

「ちょっ⁉︎シン、ボロボロじゃない。なんで一人で抱え込むのよアンタは」

「お兄ちゃん、大丈夫だよねお兄ちゃん?こんな形でなんて、嫌だよ」

「・・・ん、ああ・・・なんとか、大・・・丈夫」

 

デスティニーのコクピットからシンの肩を抱きながら出たマユとルナマリアは月面にシンを寝かしつける。そこにインフィニットジャスティスとガイアが降り立つ。

 

「ジャスティス⁉︎ガイアまで・・・」

「今更何を!」

「マユ、ほら乗れ」

 

インフィニットジャスティスはその場で膝をつき月面に手を置いて乗る様に促す。隣でガイアも同じ様に手を置き三人を乗せようとする。

 

「な、何?なんで」

「もう戦いは終わったんだ。これ以上の犠牲を増やしたくないんだ」

「みんなで帰ろう。エリスも乗ってるからさ。ほら」

「貴女達、これからの事は後で考えるから・・・もう休んでも大丈夫よ」

「エリス・・・行きましょうマユ」

「・・・うん」

 

ガイアに乗せてもらったエリスの言葉でマユは警戒心を解いてインフィニットジャスティスの手の上にルナマリアと一緒に乗る。シンはガイアから降りたエリスが抱き抱えガイアの手の上に乗りこむと、2機は月面から飛び立つ。今度こそ戦闘は終了しザフトとオーブは停戦に向けて動き出していった。




前回の後書きで次でDESTINY編を終わらせると言っていましたが、終わらせられませんでした。次で本当にDESTINY編を終わらせますので、もうしばらくお待ちください。
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