ゴットワールドの機械神と破壊神~神となった兄妹は、戦場で敵同士として再会する運命だった~   作:グレンリアスター

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機械神編 これからのアキラ

 機械兵達との戦いから一週間。

 俺はユリーナの家でいつも通り皿洗いをしていた。

 

「あれから一週間……平和だな」

『なにおじいちゃんみたいなことを言っているの?ご主人様』

 

 俺の言葉に突っ込む雪姫は呆れた表情でため息を吐く。

 

『それより早く皿洗いを終わらせて。まだ仕事があるんだから』

 

 俺が作った家電やスマホがバカ売れし、「もっと量産してくれ」とルークさんに頼まれているのだ。

 まぁ仕事があるのはいいことだ。

 ただ一つだけ問題が、

 

「アキラ~。お茶とケーキはまだかしら~?」

 

 ユリーナが俺に対して遠慮がなくなった。

 いや、遠慮しないのはいいんだけど……完全に俺を執事なにかと思ってやがる。

 

「あの……ユリーナさん。今、皿洗いしているからちょっと無理かもしれない」

「無理じゃないの。やるの」

「いや……でも」

「や・る・の!」

「はいはい」

 

 俺は皿洗いを中断し、お茶とケーキの準備をする。

 約束を破った罰として、俺はユリーナのお世話係になった。それも一生。

 正直、前より仕事が増えて大変だが、不思議と嫌ではなかった。

 

「ユリーナ、なにケーキが食べたい?」

 

 俺はソファに寝っ転がって恋愛小説を読んでいるユリーナに尋ねた。

 だが返事がない。

 

「ユリーナ?」

 

 振り返った俺はあるものを目にして、目を細める。

 

「あんたは」

 

 視線の先にいたのは、とんがり帽子を被った少女—――女神だった。

 その女神は左目に眼帯をつけており、左手には白と黒に輝く槍が握り締められている。

 まるで魔法使いみたいな姿をした女神は、うっすらと笑みを浮かべていた。

 

「やぁやぁ……元気そうだね」

 

 俺はチラッとユリーナと雪姫に視線を向けた。

 二人はまるで時が止まったかのように動かない。

 

「少しだけ彼女達の時間を止めさせてもらったよ」

「……一週間ぶりだな。オーネさん」

 

 俺は知っている。

 目の前にいる彼女を。

 出会ったのは……今から一週間前のこと。

 

<><><><>

 

 一週間前。

 戦場に向かったユリーナを死なせないために、俺は一分で多くの武器―――神器を作った。

 パワードスーツ、ガトリング砲、ドローン、チェーンソーなど。

 人間だった自分では不可能な製作速度で武器を多く作ることができた。

 自分が本当に人間ではないのだと、あらためて実感した。

 

『僕のサポートがあったとはいえ、こんなに作れるのはご主人様だけだと思うよ』

「そうかもな。だけど今はこの力に感謝だ」

 

 俺は武器を作るのは嫌いだ。

 兵器を作る才能を持っている自分が嫌いだ。

 だけど俺はユリーナを救いたい。

 そのためなら武器だろうが兵器だろうが作ってやる。

 

「とりあえずユリーナのところに向かうぞ」

 

 パワードスーツを装着しながら、俺はユリーナのところに向かおうとした。

 待ってろ、ユリーナ。今、そっちに―――、

 

『でもご主人様。ユリーナが行った場所は分かるの?』

 

 あ。

 そうだよ……ユリーナが行った場所、俺は知らない。

 一万の機械兵を倒す武器を作ることしか考えてなかった。

 一分で強力な武器を作っても意味ねぇよ。

 

 自分のバカさに俺は頭を抱えた。

 

『だ、大丈夫!今すぐ探索ドローンをたくさん作って―――』

「雪姫?」

 

 喋っていた雪姫が突然動きを止めた。

 一瞬、バクでも起きたか?と思っていた時、

 

「私、知っているよ。ユリーナの居場所」

 

 少女の声が聞こえた。

 慌てて振り返ると、そこにはテーブルの上に座った女神がいた。

 眼帯をつけており、頭にとんがり帽子を被っている。

 何者かは分からない。

 ただ一つ分かるのは……普通の神じゃない。

 

「あんたは?」

「私は……オーネさんって呼んでもらおうかな」

「オーネ……さん?」

「そうそう。そんなことより元人間の神崎輝くん。ユリーナを助けたいんだろう?」

「!!俺のことを知っている!?」

 

 何者なんだ……この女神。

 俺が警戒していると、オーネと名乗る女神はうっすら怪しそうな笑みを浮かべた。

 

「もう一度問うよ?ユリーナのところに行きたくないかい?」

「……行けるのか?」

「うん。私の魔法で一瞬で転移させるっことができる」

「……なにが望みだ?」

 

 うまい話には裏がある。

 絶対にこの女神はなにかを企んでいるはず。

 

「そんな警戒しないでよ。ただ……親切心でやりたいだけだよ。それに……君には迷っている暇はないはずだよ」

「……」

 

 俺は数秒、迷った。

 正直、目の前にいるオーネという女神はヤバい気がする。

 だけど……迷っている暇もないのも事実だ。

 

「分かった。あんたを信じる。転移してくれ」

「いい判断だ」

 

<><><><>

 

「あんたには感謝している。あんたが転移させてくれたおかげで、ユリーナを助けられた」

「それはよかった」

「だけどあんたを完全に信用したわけじゃない。正直、めっちゃ警戒している」

「まぁそうだね」

「あんたには色々聞きたいことはあるが、まずこれだけは教えてくれ」

 

 俺は女神に問う。最も聞きたかったことを。

 

「あんたは……俺になにをさせたい?」

 

 俺の問いに対し、オーネさんは右目を怪しく光らせて、唇の前に人差し指を立てる。

 

「ひ・み・つ♪」

 

 そう言い残して、オーネさんは姿を消した。

 同時にユリーナと雪姫は動き出す。

 

「アキラ~まだなの~?」

『ご主人様?』

 

 どうやら二人はなにがあったのか気付いていないみたいだな。

 

 女神オーネが何者なのか謎だ。

 そしてこれからなにが起きるのか分からない。

 だけど……これからやらなくちゃあいけないのかは分かっている。

 妹を見つける。

 

 それが……この世界で俺がやることだ。

 

「待ってろ、舞。必ず迎えに行く」

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