汚いファナリス買ったから調教することにした 作:性癖破壊お姉さん
「さようなら坊ちゃん…私はもう行かねばならぬようです」
――んあぁ…?誰だこの人?
それにここどこなんだ?
ベッドがあるから寝室か?
俺はさっきまで家に帰る途中だったハズ…
「貴方を『王』にするのは私ではないのです」
そうだ思い出した!新作ゲームの発売日だからって雨の中自転車をかっ飛ばして…目の前からスリップしたトラックが…死んでは、ないよな?
「もうすぐ『
なんだァ?てめェ……聞こえてんやぞおい。
高校生相手にいきなりド級の下ネタをぶち込んでくんじゃねぇよ!びっくりするわ!
「そして10年という月日が流れた後、とある少年がやってくると思われます。その少年こそが、王を導きし者!決まった…」
決まった…(ドヤ顔)じゃねぇんだよ。
いくら夢の中とはいえ、とんでもない内容だな…
「それでは私はこれで、死なない程度に生きてくださいね坊ちゃん…
夢の内容って何か意味があったよな…忘れたけど。それに夢の中で"自分は夢を見てるぞ!"って自覚するのは明晰夢だっけか?
「それにしても不思議な夢だな…なんか視点低いし、子供になってんのか?鏡はどこにある…いや夢なら目の前に鏡を生み出す!」
はあぁああ!!!
――全然出ねぇ、大人しく探すか…
部屋の扉は…これだな。ふぬうぅ!!
子供だからか扉すら重いぃ…!
「はぁっ…やっと開いたぜ。にしても俺の恰好は中世?いや違うな、砂漠に住んでるお金持ちさんみたいな恰好か。やっぱ金持ちになりたいって気持ちがあるから夢にも反映されてんのか?」
今歩いている廊下も床が大理石みたいだしな。
――誰か向こうからやってくる、知らない顔だ。
「ひっ…ジ、ジャミル様…」
「お、おう…こんばんは?」
え、なんで俺怖がられてんの?
それに目の前の女性…えっっっろ!!
ちょっとボサボサだけども金髪ロングの髪型に、そのでっかい豊満なモノ!それにな、なんて恰好してんだよ!着てる服なんてただのボロ布じゃん!きわどいところとか見えそうだし…
「えっと…な、なんでそんな恰好してるんだい?」
「え、あ、それは…わ、私めが先日ジャミル様を怒らせてしまって…す、すみません!お目汚しを…すぐに消えますので!!」
「ちょ、ちょっと待った!!」
「ひいっ!ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい――」
――俺マジでどうした???
え、自覚してないだけでこういうのが好きなサディスティックな部分があるの?そんなハズは…
「こ、殺さないでください…も、もう三日も食べて、なくて…今鞭で叩かれたら本当に死んでしまいます…!お願いです!殺すのだけは!殺すのだけは…」
「お、おおお落ち着け!俺は殺しもしないし飯だってくれてやる!き、キッチンはどこにあるんだ?そこに行って好きなだけ食ってきていいからな、な?」
「あ、あああああありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございます――!!」
ボロボロの服を着ていた女性が、どこかに向かって消えていった…多分キッチンに行ったんだよな?
「あの人よく見たら…いたるところに切り傷とか痣があったな。それに靴だって履いてなかった、大理石の床で?極めつけは…奴隷のような足枷だ。漫画でしか見たことねぇぞおい…」
やけにリアリティのある夢だな…夢なんだよな?
ラノベやらでよく聞く異世界転生ってやつじゃないよな?
「まだまだやりてぇゲームも食いたい物も山ほどあるんだぞ?俺の人生という名のゲームが道半ばなのに、別のゲームに手を出すなんて…今まで積みゲーになったものなんて一つもないのに!」
あぁクソっ…考えれば考えるほどドツボにはまりそうだ。俺は生きてる、生きてるハズなんだ…
「顔を、自分の顔を確認しよう…夢の中でも俺は俺なんだから、別人になってるなんてありえない、そうだろそうだよなぁ…?」
トラックが突っ込んできた、俺は避けようとした、でも雨でうまくいかず横転した、身体をアスファルトに打ち付けた、目の前にタイヤが来た、そして顔を…
「目の前にあるのは鏡だ!俺は廊下を歩いて適当な扉を開いた!そこは洗面所で鏡があった!そして…上を向いて顔を確認し――」
誰なんだよお前は、ふざけんじゃねぇよチクショウ…まだだ、まだそうと決まったわけじゃない。夢の中で別人になることだってあるハズだ…
「でもこの顔みたことあんだよなぁ…夢の中とはいえコイツにか?序盤のかませじゃねぇかよ…」
最初に目の前にいたやつだって、道中であった人だって名前言ってたもんなぁ…
「ジャミルじゃん俺…夢だろうと転生だろうとおおハズレ枠ですやん…」
マギの序盤に出てきたチーシャンって都市の領主…奴隷の扱いに長けてるだけのクズ。
「俺奴隷とかそういう心が痛む系マジ無理なんだってぇ!純愛イチャラブ系じゃないと心が…早く覚めてくれ!!!」
床にのたうち回ってみても頭を打ち付けても…夢から覚める気配はない。夢から出ることは叶わないらしいが…俺のポケットからは何か出たらしい。軽いメモ書きのようだ
「――今夜24時ピッタリにファナリスの取引。場所はチーシャンの南にあるオアシスの近く…ジャミルでファナリスとか絶対モルジアナじゃん…」
もしも、もしも今俺は夢を見てるんじゃなくて…転生してるんだとしたら、モルジアナがいなかったら原作の流れが…
「現在時刻は23時40分…悩んでる場合じゃねえ!それに考えてたらなんか頭がぐしゃぐしゃになりそうだしな…ん?裏面にも何か書いてあるぞ…ファナリスを買うための金は寝室の机の一番右下に保管。なるほどな…!意外と几帳面にメモに書いとくタイプの人間だったんだなジャミル!」
足を動かせ魂を燃やせ!!
もう気付いてんだこれは転生!!勘違いで夢だったならそれでいい!!
「あああ脳が焼ききれそうだぜ畜生!!!転生を自覚した瞬間"コイツ"の記憶が流れ込んできやがった!!だが苦しんでる暇はねぇ!!!とっとと行くぞ!!」
自覚した途端に記憶が、なんて明らかに
「でも記憶によるとなんでこの世界は貞操観念が逆転してんだよぉーーー!!!」
モルジアナを買うのもヤバい気がするがとにかく行くぞ!やらぬ後悔よりやって後悔じゃあ!!