汚いファナリス買ったから調教することにした   作:性癖破壊お姉さん

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第3夜 あべこべ世界でのアリババ&アラジン

 

 

「…でだ、これから俺たちが向かうのは、たった10年で一大迷宮都市まで栄えたチーシャンだ!」

 

「おぉー!迷宮都市!なんだか面白そうだねぇ!」

 

「だろぉ()()()()!先代チーシャン領主は、言い方悪いが無能だったらしい…だが今代の領主様はかなりの人格者で商いの才能もあったらしくてな!…まぁ俺は今そんな領主様に借金してる訳なんだが」

 

「あはは…ま、まぁなんとかなるよ()()()()君!人格者なら話せばわかってくれるかもだし…」

 

「だといいけどなぁ。流石に1000金貨(ディナール)はキツそうだが、自分の領地内で奴隷の売買を禁止するくらい慈愛に満ちた人らしいしな…時間はくれるかも」

 

 

あーでもない、こーでもない、そんな風にうなりながら頭を抱えるアリババ君。てっぺんのアホ毛が揺れてて面白いねぇ!

 

 

「ここで悩んでても仕方ない!領主様んとこに謝りに行くぞ!」

 

「僕も付いていくよー!都市って言うくらいならステキなお姉さんのお店もあるかもだし…!」

 

「どういう店だよそれ、カッコいい男がいる店ならどんな町にも一件はあるがその逆かぁ…俺は聞いたことないぜ?」

 

「えぇ!?そ、そうなのかい…?あのがんじょうな部屋で()()()()が男なら一回は行くべき場所って言ってたんだけどなぁ…」

 

「世界は広いからな!俺が知らないだけであるのかも…でも気を付けろよ?女はみんな狼なんだからな!特に警戒心の薄いお前は俺から離れるなよ!」

 

「うん!しっかり付いていくよアリババ君!」

 

 

アリババ君はああいうけど、僕ってそんなに警戒心薄いのかなぁ?確かに今も道行くお姉さんに変な目線向けられてるけど…むしろ役得ってやつじゃない?

 

 

「うへぇ…人が多い都市といえ、ここまで目線を向けられると精神が削られるぜ…厚着しようにも砂漠だしなぁ…まずはローブでも買うか?いやそんな金すらねぇや」

 

「おっとアリババ君、そんな考えながら歩いてるとぶつかっちゃうよ?」

 

「俺は天下のアリババ様だぜ?角から急に飛び出してこない限りは避けられ…」

 

ドンッ!「きゃあっ!」「おわっ!」

 

 

あらら…言わんこっちゃない。

油断してぶつかったおかげで、お姉さんが運んでたりんごが落ちちゃってるじゃないか…

 

 

「おやおや大丈夫かいお姉さん?」

 

「あ、ありがとうございます…こちらこそすみません。ちょっとお買い物デートで気分が上がって――なんでもありません。前方不注意でした」

 

「いてて…こ、こっちこそすまねぇ!」

 

 

()()の綺麗なお姉さんだなぁ…ちょっと目付きが怖いけど、風通しのよさそうな純白のローブに…あれはお兄さんが言ってた網タイツかな!?むふふ、おっぱいはないけどこれはこれで…

 

 

「おっと大丈夫かいモルジアナ?」

 

「――!すみませんジャミル様、大切なりんごが…」

 

「りんごくらい平気さ、それよりケガはないかい?」

 

ピィィ…

どうしたんだろう?ルフ達が…()()()()()

 

倒れたお姉さんの後ろから、今度は黒髪のお兄さんがやってきた…あれ?僕この人と会ったことがあるような…

 

「ジャミル…ってことは!」

 

「キミたちはもしかして――

 アリババ君とアラジン君かな?」

 

「お兄さん僕たちのこと知ってるのかい?」

 

「ば、バカお前!こ、この人はなぁ…俺の借金相手でもあるここの領主様!ジャミル様だよ!」

 

「へぇ~…よろしくねジャミルさん!」

 

「こちらこそよろしくアラジン君!元気な挨拶が出来るキチンとした少年だね!ここではなんだ、僕の屋敷で続きは話そうじゃないか」

 

 

 

 

   

     

       

         

       

     

   

 

 

 

 

「なるほどね…借金返済の為に迷宮に潜りたいと」

 

 

言われるがまま、僕たちはジャミルさんのお屋敷に招待されたちゃった!…なんだか高級そうなカーペットにつるつるした柱、それにふかふかのソファ!さっきまでいた場所からかけ離れてて眩暈がしてくるよ…

 

 

「そ、そうなんです…その、とてもじゃないですが1000金貨(ディナール)をまともに働いて返すとなると…」

 

「でもでも!アリババ君は悪くないんだよ?だって聞いてよジャミルさん!あのブドウ酒のおじさんってば子供より自分のお酒を優先したんだよ!アリババ君はその子を助けただけなんだ!キャラバンの人たちも証言してくれる!」

 

「あ、アラジン!言ったところでそういう問題じゃなくてだな…!」

 

 

でも、なんだかこの人は分かってくれそうな気がするんだ!ルフたちだってこの人の周りにはたくさんいるし…絶対いい人だよ!

 

 

「それは本当かい?同じ商人として商品が大切な気持ちは分かるけど、それはいただけないな…ゴルタス!コーヒーを三杯頼むよ!」

 

「え、えぇ!?分かってくれるんですか!?そ、それにあの巨漢の人が給仕を…」

 

「そういえば紹介がまだだったね、彼の名前はゴルタス。僕の護衛兼料理人さ!彼の料理は絶品だよ…仮面に関してはあまり触れないであげてほしい。それから僕の横に座ってる女の子はモルジアナ!髪色で分かる通りファナリスさ…初めて会う人にはツンケンしちゃうけど、優しい子だからそんな緊張しないで?」

 

 

緊張っていうか、さっきからそのモルジアナさんのガン飛ばしが凄すぎるだけじゃない?まぁ『借金返済の為に、10年間で約一万人が死んだ迷宮に行きます!』って言ってたら怒るよね…

 

 

「ブーデルのことは後で叱っておく。僕が代わって謝ろう、すまなかった」

 

「ジャミル様!貴方が頭を下げる必要は…!」

 

「いいんだよモルジアナ、これが筋ってものさ」

 

「こちらコーヒーです…」

 

「ありがとうゴルタス。――うん!今日もしっかり淹れられてるね!」

 

「お褒めにあずかり光栄です…」

 

 

今のやりとりだけでこの人が信頼されてるのがわかるなぁ…あ、僕たちの分までありがとうざいます!

――に、苦い

 

 

「話が脱線しちゃったね。キミの借金についてだけど、さすがにチャラにはできない」

 

「うぐっ…ま、まぁそうですよね…」

 

「叱っておくとか言ったり勝手に謝っておいて本当にすまない、子供を助けたのは素晴らしいことだけど、ブドウ酒を全て使ってしまったことは事実だ。それをチャラにしちゃうと、ね?」

 

「なら僕たちはどうしたらいいのジャミルさん?」

 

「先ほどアリババ君が言ったように迷宮攻略しかないだろうね…でも安心して?ちょうど僕たちも迷宮攻略に行こうと思ってたところなんだ!」

 

「て、てことはもしかして…?」

 

「僕とモルジアナにゴルタス、そして君たち二人を加えた五人で迷宮攻略に赴こうじゃないか!」

 

 

「「えぇ〜〜〜!!?」」

 

 

「わ、私はジャミル様が危険な迷宮に行くのは断固反対です!もしお守り出来なかったら…!」

 

「…マジですか」

 

 




これにて一旦終了…
もし好評であれば続きます。
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