幕間という名のクッソ短いエピローグです。
「ぬわあああん疲れたもおおおおん!」
RTAを完走した正道神——正確には正道神に分類される、とある存在から無数に枝分かれした末端の神様——は汚い声をあげてぐてっと後ろに転がりました。悠久を生きる神にとってそれは刹那にも思える時間でしたが、その達成感たるや計り知れません。ですが、それはそれとしてドキドキハラハラの連続で疲労困憊です。
「ビール!ビール!」
胴なしの饅頭な神様は祝杯と言わんばかりにあらかじめ冷やしておいたビールを取ろうと、違うテーブルに意識を向け——はい。と、杯を手渡されます。
「おっ!ありがとナス!」
すごく気が利く女神様がわざわざお酌までしてくれました。彼女は始まりから終わりまでじっと盤上を眺めていた女神様です。そういえば、名前を聞いていなかったと思い至った饅頭な神様はお名前を尋ねました。彼女は、自身を”猫神”と答えました。
はえー、猫の神様かぁ。どこの女神様だろ。
しかし、そんなに深くは考えませんでした。何せ、神の住まう天上は常識が通常しません。あらゆる世界線。あらゆる時代から過去未来問わず、いろんな神々が卓上遊戯で遊ぶべく四方世界に来訪します。ルールを守って楽しく遊戯ができるなら誰でも歓迎するのがこの世界です。
ふと、彼女が盤上を指さし、彼女はどうするんですか?と尋ねました。その目は卓上の駒が行く末に興味津々です。
「そうっすね~。
神様は駒を愛しています。思い通りにいくかいかないか、上出来か不出来かは関係ありません。むしろ、思い通りにいかなくて不出来だからこそ愛しているというべきでしょう。
まぁ、獣人の寿命って呪文使っても100か200でしょ(適当)
タイマーが止まった走者は気楽なものです。悠久を生きる神にとって数百年などあっという間。特に競う事柄もなければ、次のチャートを組みながらゆったりとプレイするのが彼のプレイスタイルです。
——私もご一緒させていただきます。
盛大な
謎の悪寒を感じ、饅頭な神様の
ま、気のせいか!
楽観的な神様はそれ以上は深く考えず、盤上を尻目に次のRTAの構想を練り始めました。
近くでガバをpgrしていた神様たちは猫神様の正体に気づいてニヤニヤしますが、もちろん誰も教えません。だって、その方が面白いから。
一方、猫神様は、卓上を眺めます。そこでは可愛らしい猫人が仲間たちとどんちゃん騒ぎする
四方世界の獣人にはいくつかの得意分野があります。
力自慢の「格闘態」、体力と持久に秀でている「剛力体」、機敏に動き回る「俊敏体」、賢くて注意力に優れた「知覚態」の4つです。
彼女は、知覚態の
占い師の家系に産まれ、孤児となり、
ただ、辻褄合わせの事情でしょうか。彼女は能力上、占い師の家計に生まれた知力が著しく高い孤児でありながら、仲睦まじい親友を持ち、正道神の神官であると同時に野伏と魔術師の心得を有していなければなりませんでした。設定の大渋滞です。
だから、自然生成された
四方世界における猫又は、極東において竜や魔神に並ぶ大妖怪です。秀でた術の才覚を持ち、何百、何千、何万という悠久を生き、やがて神格に至るトンデモナイ存在なのです。
血統が
寿命が長くて不平等?所詮寿命などフレーバーです。冒険者となる以上、定命だろうが不老だろうが死ぬときはあっさり死にます。ゲームバランスに何の影響もありません。
神格になる機会?そんなのどの種族にだって共通です。神々をも驚かせる偉業を打ちたてて経験点を積み続ければ、あるいは誰かが用意した特別な
——だから、幾兆もの冒険を経て悠久を生きた猫又が、神格となって天上へと至り、時間を遡って来訪するのも、なんらおかしいことではありません。
というわけでHAPPY END(?)です!
果たして走者は一体どうなってしまうのか、それは彼女が走者にどう扱われたかによって変わるでしょう。少なくとも恩義の方が大きいので酷い仕打ちはされないはずです……多分。
走者:「やだ!ねぇ小生やだ!」
猫神:「^^」
神々:「m9(^Д^)プギャーwww」