処刑人アリナさんと邪悪の王ギラくん   作:山田プロキオン

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ゴーカイチェンジって、素晴らしいですよねぇ


大爆発!バクアゲヒーローだ!

「オラオラ!!」

 

 マーベラスの変身したゴーカイレッドは、ゴーカイサーベルによる荒々しい剣技で、シルハへと攻撃を繰り出す。一撃一撃が重々しく、掠っただけでも大きな傷になる事は想像に難くない。しかし…

 

「剣の動きが単調すぎる…」

 

「これじゃ当たらないのです…」

 

 ロウとルルリの指摘通り、ゴーカイレッドの太刀筋は大ぶりかつ、隙も大きい。故に、魔神はいとも容易く回避してしまうため、斬撃を浴びせることができない。

 

「別に、剣だけが俺の攻撃手段じゃねぇぞ?」

 

 ゴーカイレッドは左腕に『ゴーカイガン』を持ち、クルクルと器用に回しながら連続で射撃を繰り出す。剣撃ばかりに気を取られていた魔神は、その不意打ちには対処する事は出来ず、ゴーカイガンから繰り出される弾を全てその身に受けてしまった。

 

「ちっ、全弾当たっても対して余裕か…」

 

 舌打ちをして、面倒そうに零すゴーカイレッド。十発近く炸裂した銃弾を受けても尚、魔神はけろりとしており、大鎚を担ぎ、仁王立ちしている。

 

「ゴァァァァァァァ!!!!」

 

 唸り声を上げながら、魔神は大鎚を天高く翳した。同時に、空中に無数の魔法陣がゴーカイレッドを囲むように出現し、魔法陣から無数の鉄剣が照準をゴーカイレッドへ定めていた。

 

「…逃げ場はなしか…まぁ、逃げる気は毛頭ねぇが…」

 

 刹那、短剣の雨は、ゴーカイレッド目掛けて降り注ぐ。前方、後方、右も左も逃げ場なしの集中砲火。例え激戦を潜り抜けてきたゴーカイレッドといえども、全部を回避するのは至難の業。

 が、そこは宇宙帝国を壊滅させた海賊の長。策を用意していない筈がなかった。

 

「纏めて吹き飛ばしてやる!ゴーカイチェンジ!」

 

『ダーイナマン!!』

 

 7番目のスーパー戦隊の赤い戦士、『ダイナレッド』のレンジャーキーを取り出し、モバイレーツに装填し、その秘めた力を解き放つ。同時に、眩い光がゴーカイレッドを包み込み、その姿を変化させた。

 

「大!爆発!」

 

 ダイナレッドは猛々しい声を響かせると共に、両腕を前に突き出す。すると呼応するかの如く、シルハの出現させた魔法陣は全て爆破され、ダイナレッドは再びゴーカイレッドの姿へと戻った。

 

「フン、大したことねぇな…」

 

 ゴーカイレッドは余裕綽々とした様子で腕を組む。しかし、その余裕が生んだ隙を魔神は見過ごさなかった。先程の攻撃はあくまで囮。その間にゴーカイレッドの背後まで肉薄し、大鎚を振り上げていた。

 

「ほぉ、中々頭が切れるようだな」

 

 ところがそれもゴーカイレッドは予測済み。右手には既にゴーカイサーベルが握られており、迎撃する準備は出来ていた。そして振り返りざま、魔神を斬りつけようと、ゴーカイサーベルの鋭い刃が風を裂いた。

 

『キング!バモラ、ムーチョ!』

 

 その時、魔神とゴーカイレッドの間に割って入るかのように、紅い光刃が飛んできて、魔神の体を容赦なく斬りつける。何事かと、ゴーカイレッドが振り向くと、そこにはフラフラになりながらも両足で立つギラがいた。

 

「ギラ…」

 

「お前…手負いの状態だろ?無理してんじゃねぇ。そこの4人と一緒に引っ込んでろ」

 

 攻撃を繰り出したギラに対して、ゴーカイレッドはぶっきらぼうな口調で吐き捨てる。アリナも、ギラの様子を案じるかのように彼の名前を呼んだ。しかし当のギラは、退く様子等微塵も見せず、ゆっくりではあるが、ゴーカイレッドの方へと歩み寄った。

 

「僕は、約束したんだ…絶対に5人で帰るって…アリナの残業を手伝うって…だから、倒れても倒れても、決して折れる訳にはいかない…それに、こんなところで音を上げてちゃ、ヤンマ達に笑われる!!

 

 

僕は…俺様は!邪悪の王!ギラ・ハスティー!復活した魔神如き、何度でも立ち上がって捻り潰してやるわ!!」

 

 ギラは邪悪の王としての名乗りを上げ、オージャカリバーをその手に握る。そしてオージャカリバーに備わる赤い守護神の力を司る引き金を2回連続して起動した。

 

Qua God(クワガタ)!』

 

「王鎧武装!」

 

 操作を完了して、天高くオージャカリバーを逆手持ちして掲げるギラ。そのギラの身体を橙色の結晶が包み込み、後から出現した鍬形虫のエネルギー体が結晶を打ち砕いた。

 

『YOU ARE THE KING!YOU ARE THE!

 

YOU!ARE!THE KING!』

 

『クワガタオージャー!』

 

 守るべき者のため、ギラはクワガタオージャーへと再び変身し、ゴーカイレッドと共に魔神と対峙した。

 

「己の信念を曲げず立ち上がる…あの黒い殿様野郎の言った通りだな…確かにお前は紛れもなく47番目のスーパー戦隊のレッドだ」

 

「へ?何?スーパー戦隊?」

 

「細かい話は後だ…戦うかどうかは好きにしろ。アイツらがお前のお宝ってなら、守ってやらなくもない…」

 

 ギラの言葉に何を思ったか、遠回しではあるがゴーカイレッドは共闘を受け入れると、腰に装着された『ゴーカイバックル』より新たなレンジャーキーを取り出し、モバイレーツへと装填した。

 

「ゴーカイチェンジ!」

 

『ブーンブンジャー!!』

 

 またしてもゴーカイレッドの姿が眩い光に包まれ、48番目のスーパー戦隊のレッド、タイヤのマスクの戦士『ブンレッド』へと変化した。

 

「ブンレッド⁉︎大也と同じ…」

 

「派手に行くぜ!」

 

 驚くクワガタオージャーを他所に、ブンレッドはロッドモードのブンブンハンドルを右手に持ち、左腕に取り付けられたブンブンチェンジャーのペダルを押した。

 

『ブブブブブブーン!!』

 

 次の瞬間、ブンレッドは超加速して、一気に魔神へと迫る。魔神は接近するブンレッドに対してスキルを用いて様々な攻撃を繰り出すが、高速で移動するブンレッドには命中せず、懐へと潜り込まれた。

 

『バクアゲフィニッシュ!』

 

「オラァ!!」

 

 ブンレッドはブンブンハンドルを振るい、強烈な一撃をお見舞いし、魔神を後退させる。替わるように今度はクワガタオージャーが飛び出し、剣モードのキングズウェポンを左手に、右手にキングガブリカリバーを持って、魔神へ斬撃を繰り出した。

 

「悲鳴を上げろぉぉぉぉ!!」

 

『オージャスラッシュ!』

 

『キングバモラムーチョ!!』

 

 不規則な軌跡で繰り出される斬撃は、魔神の肉体に傷をつけていく。元々崩壊仕掛けていた身体を無理やり再生させた影響か、何度も攻撃を喰らわせれば、その脆さが露呈し始めた。

 

「一気に行くか、ゴーカイチェンジ!」

 

『ドーンブラザーズ!』

 

 ブンレッドはモバイレーツにまた別の戦士のレンジャーキーを装填し、新たな姿を顕現させる。1人1人がオンリーワンの集団にして46番目のスーパー戦隊、ドンブラザーズの筋骨隆々の戦士である『ドンドラゴクウ』だ。

 

「決めるぜ!龍虎之戟(リュウコノゲキ)!」

 

 ドンドラゴクウは身の丈以上もある龍虎之戟を両手で持ち、クルクルと回して、その柄を力強く握りしめる。

 

『ドラゴン奥義!!』

 

 ドンドラゴクウは龍虎之戟を構え、狙いを魔神へと定める。地を蹴って駆け出し、胸の紋様から出現した龍と共に、撃滅すべき対象へと押し迫った。

 

「ナ〜ハッハッハッハッ!邪悪の王を相手にしたこと、後悔させてやる!!」

 

 クワガタオージャーもドンドラゴクウと合わせて、オージャカリバーの引き金を3回連続で起動し、刀心にエネルギーを集中させていく。邪悪の王が力の限り腕を振って飛ばした紅蓮の一閃は、ドンドラゴクウと共に魔神の身体を貫いた。

 

『オージャフィニッシュ!!』

 

『激龍之舞!ア〜タタタタタッ!』

 

 強力な攻撃に次ぐ攻撃。その連鎖にはさしもの魔神といえどももう抵抗することは出来ず、その肉体を完全に穿ち抜かれ、今度こそ完全に消滅して果てた。

 

「すげぇ…」

 

「魔神を倒してしまうなんて…」

 

 

 ゴーカイレッドとクワガタオージャー。2人の強さにロウとルルリは感嘆の声を漏らした。そしてアリナは。

 

「全く、無茶して…

 

 

 

 

 

ありがとう、優しい邪悪の王様」

 

 愚痴を零しながらも、誰にも聞こえない小さな声で、ほんの僅かに頬を綻ばせてギラへ感謝の言葉を綴るのだった。




サブタイはマベちゃんがゴーカイチェンジしたスーパー戦隊関連のワードが入ってます
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