タイトルですが、前回はウルトラマン80、今回は仮面ライダーオーズパロです。
「宇宙の力、見せてくれるわ!」
『オージャ!クラウンランス!』
キングクワガタオージャーは、取り出した真紅の王槍「オージャランス」に自身のオージャクラウンを取り付けると、全シュゴッドと宇宙の力を宿した「オージャクラウンランス」へと変化させ、続け様に槍へ装着されたオージャクラウンを三回転し、オージャクラウンに宿る三代守護神及び純白の大蜘蛛の力を解き放つ。
『レジェンドシュゴッド!』
同時に、ヘルフレイムドラゴンも青白いエネルギーを口内で
「いくぞカブタン!」
キングクワガタオージャーは、地面に足をどっしりと構えてオージャクラウンランスの柄を力一杯握りしめる。刹那、王槍の先端にゴッドカブトの力を表す翡翠色のエネルギーが渦を巻くように集束し始めた。王槍を突き出し、狙いを定めるは己を殲滅せんとする龍唯一匹。
『カブトキャノン!』
瞬い光と共に龍の口、そしてオージャクラウンランスから凄まじいエネルギーが放出され、衝突する。その衝突は幾ばくもの波紋となってダンジョン全体を揺らし、かつ両者の威力は互角で、やがて大爆発を起こした。
「な、何なんだよアレ…」
「これ程の威力を出せる冒険者がいるなんて…」
白銀の剣のメンバーであるガンズとジェイドはただただ唖然としながら言葉を溢す。自身らはギルド最強の冒険者。故に己達を超える技や攻撃など両手で数えるほどしか見たことはなく、さらにその驚天動地としか言い表すことの出来ないキングクワガタオージャーの攻撃力は、驚愕を通り越して呆然とするしかないのである。
大爆発の後、煙が晴れる。しかし先程までいた場所にキングクワガタオージャーの姿はなかった。それもそのはずだ。
「どこを見ている?俺様はここだ!」
ヘルフレイムドラゴンの懐から声が聞こえる。先程の攻撃を終えると、キングクワガタオージャーは瞬時に地を蹴って駆け出し、一気に肉薄していたのだ。
「次はサソリーヌ、頼む!」
『スコーピオンクロー!』
空色のエネルギーを纏い、王槍で刺突を繰り出すキングクワガタオージャー。オージャクラウンランスは、荒々しく、
注入したものの正体はすぐにわかった。攻撃を終え、キングクワガタオージャーがヘルフレイムドラゴンから離れた途端、ヘルフレイムドラゴンが身体を震わせながら力無く地面に身体を預けたではないか。
そう、その正体は…。
「ま、まさか。これは毒なのですか⁉︎」
白銀の
しかし、サソリーヌことゴッドスコーピオンの毒は一味違う。耐性を貫通する程の強力なものであり、解毒するには己の毒を分析した解毒剤以外には基本存在しないというとんだ代物なのだ。
「動きが止まった!さぁ次はバッタ!貴様の力を解放し「とろい…」…へ?」
バッタことゴッドホッパーの力で次の攻撃へ移ろうとするキングクワガタオージャーだったが、突如聞こえたドスの効いた何者かの声に思わず素っ頓狂な声を零す。
刹那、キングクワガタオージャーの横を通り過ぎる影が一つ。その影は紫と白の外套をはためかせている。処刑人アリナ・クローバーが前線に買って出たのだ。
「スキル発動、『
彼女自身の身の丈をゆうに超える大鎚。それを苦とする様子をなく肩に担ぐと、驚異的な跳躍をしてみせる。そして両手の中の大鎚を頭上に振り上げると、狙いをヘルフレイムドラゴンへと定め
「白銀の剣も、ギラも、チンタラしやがって。でも私が一番許せないのは…お前だァァァァァァァ!!!!」
何度も、何度も大鎚を打ちつける。その姿は容赦の二文字など知らない。彼女の中にあるのは自身の受付嬢人生の中で最大の障壁である「残業」を
「お前の!せいで!残業地獄が!終わらないだよクソがァァ!!」
アリナの大鎚はドラゴンの翼、足、手を穿ち抜き、最後に頭を打ち抜いた。怒涛のオーバーキルにヘルフレイムドラゴンといえど耐えられる訳もなく、やがては砂のように崩れ去って消滅した。
ドラゴン亡き場所には、奴が飲み込んだとされる
「やっと終わった…ちょっと書類訂正しなきゃだけどこれで明日から定時だ」
連日残業で疲労困憊の身体を引きづりながらダンジョンを去るアリナ。その場に居合わせた面々は、何も言うことなく、否、言うことなど出来ず、只彼女の背中を見送るしかなかった。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「まさか…アイツは処刑人だったのか…」
「処刑人?何だそれ?」
アリナの戦闘を見て何かを思い出したガンズにジェイドが尋ねる。白銀の剣の他のメンバーは、リーダーそんなことも知らないの⁉︎とでも言いたげな顔をしていたが、ガンズは説明を続けた。
「攻略の滞っているダンジョンに颯爽と現れては、見たこともないスキルでボスを一方的に圧倒して強引に完全攻略を遂げる詳細不明の冒険者の都市伝説…それが処刑人だ」
「ソロ討伐だって⁉︎」
ガンズからの説明にジェイドは驚きを隠せない。ダンジョンを攻略する際、基本的に冒険者はそれぞれの役割を分担してパーティを組み、専ら
そしてより上位の魔物を相手にする時ほどパーティを組むことの重要度は高まり、ソロ討伐など無謀もいいところだ。
しかし処刑人は、アリナは圧倒的攻撃力を持ってしてその無謀を成し遂げたのだ。
「それにしても…何か意外だったなぁ…」
「意外って、何がですか?」
ジェイドの溢した言葉に今度はルルリが尋ねる。
「いやぁ、処刑人って呼ばれるくらいだから歴戦の猛者とか、死神とかそんな感じを予想してたんだけど、さっきすれ違った時に見えた処刑人はそんな奴じゃなかった。
普通の、女の子だったから…」
「話変わるんだけどさ、そういえばあの黄金虫野郎はどこ行ったんだ?」
「「「あ」」」
白銀の剣の1人、赤毛の青年ロウ・ロズブレンダの言葉に、他3人は思い出したかのように辺りを見回す。しかしダンジョンにはもう、キングクワガタオージャーの姿はどこにもなかった。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
白銀の剣が話をしている隙を見計らってキングクワガタオージャー、ギラもさりげなく宿へ向かっていた。
隣町の宿なのでここからはかなり距離があり、まだ深夜帯なのもあって非常に暗く、足下に注意しながら進んでいく。
「アリナ…怒るとやっぱり怖い。ちょっとリタみたいだなぁ…」
ギラは頭の中でアリナをゴッカン裁判長と重ねた。
そしてほんの少し肌寒い風に吹かれながら帰宅を急ぐのだった。
「へくち!誰か私のこと話してんのかしら?」
時同じくしてアリナもくしゃみをしたのだそうな。