“ ”は異世界を見る 作:侑音
さらに申し訳ないことに4月以降から2、3ヶ月おき更新くらいになりそうです。現実って厳しい…できるだけ早く更新できるように頑張ります。さっさと受験を終わらせねば
そして今回紫苑くんsideです。ナレーション的なものはないです。多分シリアス…なはず
俺はまぁ、自分で言うのもなんだけど結構いいとこの家だったんだ。兄弟4人で、1番上の姉、兄、俺、妹で。父は厳格で厳しい人ではあったけど、それでも父の生き方は幼い俺の憧れだった。
でもある日、姉が急に家を出て行ってから、全部が変わった。
姉は元々この家にいいイメージを持ってなかったし、ずっと反発してたんだ。だから父が望むような男の人ではなく、姉が本気で恋した男性と駆け落ち同然で出ていった。
当時の俺は何も理解してなかったよ。まだ妹は生まれてまもなく、俺も4歳くらいで。姉さんがいなくなった。ただそれだけ兄が伝えに来ただけだった。その時の兄の顔は、凄く苦しそうだった。だって兄は姉を慕っていたから。
転機は4年後、俺が8歳になった頃で。こいつ……颯澄に会った。4歳なのにこいつはもう既に達観してた。そんな颯澄と話すのが俺は楽しくてしょうがなかった。4歳とは思えない目で、俺の事じっと見つめて。なんて言ったと思う?こいつね、初対面の俺に対してとんでもないこと聞いてきたんだよ。
「あたしが今から親を困らせる方法って何通りあると思いますか?」
4歳の発言じゃないでしょこれ。真っ黒な目してさ。俺その時思ったの。この子は生きる理由なんて欠片もないんだなって。そう思ったらいつの間にかこいつに惹かれてた。恋愛感情じゃないからね?違うよ?でも、颯澄の生き方はこうなんだって考えて、じゃあ俺ってどうなんだろうって思って。
颯澄に会ってようやく、姉が家を出た理由が分かった。俺はこのままじゃ一生操り人形なんだなって。兄は姉を慕ってはいたけど、本気で家を支えたいと思ってるからこの家に残ってる。じゃあ俺は?妹は?そう考えたら妹に聞いてみたくなって。いつの間にか妹の部屋に突撃してて。笑えるよね。妹もビックリしてたよ。でもその話したら凄い笑われたの。
「兄さんって本当に面白いね。なんでも知ってるように見えるのに、何も分かってないところが凄く不思議で面白い。兄さんらしいといえばそうなんだけど。」
最初言われた時は分からなかったけど、すぐに気付いた。妹は俺の事よく見てた。俺がこの家に不向きなことも、知識だけじゃ変われないってことも。妹の言葉で、変わるきっかけになった。
妹は凄く協力的だった。なんでも俺の事慕ってくれてたらしい。姉みたいに自由になりたくて家を出たいわけじゃなく、やりたいことも特にない俺に、色んな世界を見せてくれた。
妹と颯澄は同い年だったから、妹が颯澄に色々伝えてたらしくて。颯澄が中学入学したくらいに久々に会ったの。びっくりしたよ俺。キャラ変わりすぎててさ、誰?って思ったくらい
「しーちゃん、元気ぃ?俺はねぇ、元気だよ」
とか言ってきたの。あんな真っ黒な目してた女の子と同一人物とか思えないよね。妹はくすくす笑ってて。俺の反応見て楽しんでた。妹は凄く人を見れる子だってこの時やっと理解してさ。妹と目が合って2人で大笑いしたよ。颯澄は困惑してたけどね。
それから3人で色々作戦会議したり、2人が色んなきっかけくれたりした。颯澄はね、その時ずっと柚葉ちゃんのこと話してくれてたんだよ。
「小3の時に会った俺より天才!双子みたいなんだって!」
ってね。すごい嬉しそうに話してて。妹は柚葉ちゃんと同じクラスになったこと無かったから話すこともなかったみたいで残念そうだった。
それから数年経って、俺が高校生になった時、妹が消えた。なんの前触れも無かった。俺が動揺して颯澄の家に行ったら、颯澄も消えたって言われて。めっちゃ必死になってた時に妹から連絡来て。マップ送られてきた。それがここだった。そこに2人がいたの。
颯澄と妹は既にこの小屋を完成させてて。びっくりしたよ。それから子供2人でこんな山奥は危ないって何時間か説教しちゃって。でも2人ともけろっとしてたなぁ。
それがきっかけで俺も全部切ろうと思って。スマホ初期化して妹と颯澄だけ登録した。
颯澄は今までよりずっと楽しそうだった。柚葉ちゃんとはずっと連絡とってたみたいだし、でも会えないのは寂しそうだった。そんな時、事件が起こって。
…妹が、森の中でいつの間にか息絶えてた。多分、自殺で。なんの前触れも無かった。残ってたのは妹のスマホに残ってたメモだけ。それは俺宛、颯澄宛……そして、面識が無いはずの、柚葉ちゃん宛。困惑した。面識が無いって、妹本人が言ってたから。
颯澄が自分宛のメモを読んだあと、柚葉ちゃんに連絡するって言って。でもこいつ、一昨日まで何も話してくれなかったんだよ。酷くない?まぁそれは置いといて。
俺宛のメモ…まぁ手紙でいいか。手紙には颯澄に対して、そして柚葉ちゃんについて書かれてた。その内容に、本気で驚いたよ。だって信じられなかったから。
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「これが、今君に伝えられる俺たちの過去のこと。そして…今からお願いしたいことはたった1つ」
「妹……冴絵からの、君への手紙を、読んでくれませんか」
挿入場所間違えてました(2026/03/21 編集)